●新種誕生? 越冬野菜、ってご存知ですか? 冬のさむーい季節、野菜を雪の中なんかに埋めておくと、収穫量が落ちてしまう季節にもおいしい野菜が食べられるっていう、アレです。しかも、0度以下の状態で保存された野菜たちは、凍ってしまわないように、自分の中へ頑張って甘味を溜め込もうとするので、次第に新鮮であまーいお野菜へと熟成されていく……という、嬉しいおまけつき。 これぞまさに、一石二鳥。雪国の農家の人々の、たゆまぬ努力と知恵の結晶というわけなのです。 さて。ここは、北国のとあるひなびた田舎村。このあたりは、そんな越冬野菜の中でも、おいしいおいしい越冬キャベツ畑がたくさん広がっているところなのです……が。 ぼこっ。 ぼこっ。ぼこっ。 ……おや? ぼこぼこっ。 ぼこっ。ぼこぼこぼこぼこっ。 おやおや? なんということ。 農家の人たちが手塩にかけて育てている、越冬キャベツ。それらが、なんと自分で雪の中から這い出し、地上へと現れたのです! 昨今、猫も杓子もバイオ、バイオとのたまっている世の中です。惜しまぬ努力、幾度とない失敗にもめげず、果てしない品種改良を繰り返した末に生み出された、スーパーバイオ農作物であるキャベツたちのこと。ついには、自ら出荷までこなしてしまうほどに進化してしまったとしても、それは不思議ではないのかもしれません。 すごいぞ、農家の人たち。 ところが。 「……ありゃあ、オラの作ったキャベツどもが、勝手に動いとるでよ!」 「あんれまあ、どうなっとるだなやこりゃあ。おい、こ、こっちさくンべよ! ひ、ひえええええっ」 などと、そんなドギツイ方言で叫んだどうかはさておき。 キャベツたちは、進化の末に手にいれた、二つの目をぎらりと光らせ、がばっ、と大きな口を開くと、畑の様子を見に来た農家の人たちを、むしゃむしゃ、むしゃりと食べてしまったのでした。 ●救え! 農家の人たち 「キャベツを、退治してきてください」 運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)が唐突に発した言葉に、集められたリベリスタたちは、思わず目をぱちくりとさせました。まぁ、無理もありませんよね。きっと、誰だってそうなるに違いありません。 「越冬キャベツってご存知ですか? 冬の間、雪の中に埋めておくと保存が利いて、甘みが増して美味しく食べられるっていう……」 あ、話、そこから入るんだ。 ともかく、つまりは、彼女の語るところによりますと。 雪の中で革醒してしまった、キャベツのE・ビーストたちが、村に住む農家の人たちを残らず食べてしまう……なんて、恐ろしい未来が見えてしまったというのです。 「キャベツたちの数は、約30匹……30個? 30体……? えっと、大体そのくらいみたいです」 言いあぐねた末、ちょっと大雑把になってる和泉ちゃん。 「寒いところなので、暖かい格好で行かれたほうが良いと思いますよ。それじゃ、皆さん、行ってらっしゃい!」 満面の笑みで送り出してくれる和泉ちゃん。 かくしてリベリスタの皆さんは、それぞれにフクザツそうな表情をたたえたまま、出かけてゆくのでありました。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:墨谷幽 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年02月15日(土)23:07 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●仕入れ ここは雪国、辺り一面の銀世界。ぽつり、ぽつりと建っている古い木造の民家と、そこら中見渡す限りの広い広い畑を、まぶしい朝日が照らし始めた頃。二台の車が、雪しぶきを巻き上げながら走ってきます。 畑に横付けされた車の運転席から出てきたのは、 「……相手は野菜だ、そこまで強くは無いだろうが。数が数だ……終わるまで、油断の無い様にせねばな」 「そうだな。そんでもって、終わったらキャベツパーティだ! 楽しみだなー」 『誠の双剣』新城・拓真(BNE000644)と、『てるてる坊主』焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054)の二人。彼らは、大人数での移動とキャベツ運搬のため、ドライバー役を買って出てくれたのです。運転ご苦労様、帰りもよろしくお願いしますね! 続けて降りてきたのは、『月奏』ルナ・グランツ(BNE004339)と『告死の蝶』斬風 糾華(BNE000390)の二人。 「あははっ、雪だよ、雪っ! 白くて、ふわふわしてて、素敵だよねっ?」 「寒いのは、苦手なのだけれど。ふふ……ちょっと、楽しいかも……ふふふっ」 これまで、雪にはあまり触れる機会が無かったというお二人。いつもよりちょっぴりはしゃぎがちなのが、大変微笑ましいです。 その後ろでは、『雨上がりの紫苑』シエル・ハルモニア・若月(BNE000650)が、 「ダイヤモンド吹きすさぶ、極寒の地へも……熱気と湿気に満ちた、熱帯へも赴きましたっけ。いつも、どこでもこの和装ですが、特に不便は感じませんでした」 と、豪気な発言。この雪景色に和服美人は大変に絵になるのですが、彼女、なかなか強かなお方のご様子。 ところで。ここまでご紹介した皆さん、いずれもシビアな雪道を歩いた経験がおありか、ハイバランサーを完備しておられます。 ……さすが歴戦のリベリスタの皆さん。やりますね。 あれですよ……慣れない雪の上をおっかなびっくり歩きつつ、滑って転んで、きゃっいやーん、転んじゃったー。てへっ。 そんな光景を、見たかった……! 見たかったのにー! くっそー! とか思ってましたら。 「雪一杯のジメンとか歩いたことないですけど、なんとかなりますよね! どーにかなーれ……あわわっ!?」 「実家が雪積もる所だから、自信あるかも。と言いつつ、冬にはもう10年以上帰ってないし。まあこうなるよねー!?」 『夢追いの刃』御陵 柚架(BNE004857)と小島 ヒロ子(BNE004871)のお二方、すってーん! と、見事にお約束のコケを決めてくださいました。やったー!! ヒロ子さんに至っては、ハイバランサー装備した上でのサービスっぷり。ありがとうございます! それはさておき。 「は、はふぁっ! 雪に太陽光が反射するって、忘れてたぁ~! ……って、あ、皆見て見て!」 『灯蝙蝠』アナスタシア・カシミィル(BNE000102)が、少しずつ昇ってくる朝日に煌めく雪の反射光にじたばたと悶えつつも、異変を察知。見れば、ぼこっ! ぼこっ! と雪の中から、さっそくキャベツたちが続々と飛び出してきます。 さあ、ここからがリベリスタさんたちの出番。楽しく美味しいキャベツパーティのため、一仕事していただくことにいたしましょう! ●下準備 さて。 不幸にも革醒してしまった越冬キャベツたちは、ぽっかりと開いた目をぎらりと光らせ、口をばかっと大きく開けて、身体全体をぼうん、ぼうんと雪の上に弾ませながら、獲物であるリベリスタたちへと襲い掛かってきます。 「それじゃさっそく、ちょっと困ったお野菜の収穫、始めよっか!」 一番手、元気いっぱいのルナが、向かってきたキャベツたちへ向けて、炎の弾をちゅどどどどんっと発射します。弾はばしばしとキャベツたちにブツかり、数体があっという間に焼きキャベツになって転がります。 革醒しようが動いてようが、キャベツはキャベツ。脆いです。 「いっくぜー! 朱雀招来!」 続けて、戦うお坊さん・フツが作り出したでっかい炎のトリさんが、ばっさばっさと飛び掛かります。ぼわっと火は燃え広がり、焼きキャベツ追加の出来上がり。さすが、某バンドにてボーカルも務めてしまう、歌って戦うお坊さん。実にROCKです。 拓真が気合一発、オーラを纏って攻撃力をアップ! させる傍ら、アナスタシアは雪崩のような勢いでキャベツの一体をバシイッと地面に叩きつけると、ダブルアタック! 続けざまに猛火を放って、焼きキャベツを追加します。 と、 「キャベツ……それは、人間世界における至福の食物が一つ。キャベツ様……私たち人間とキャベツ様たちは、互いに手を取り合い、 上手くやってきたではありませんか? いかにして美味しいキャベツ様を育てるか、どうすればキャベツ様をより繁栄させることが出来るかに、われわれ人間は心を砕き……」 べしゃっ。天然気味なシエルさん、人間とキャベツ双方の友好論を説くも、キャベツ様の吐き出した冷たい雪球が無情にも彼女の顔面をヒットします。 「……焼きとフリーズドライ、どちらをご所望ですか?」 にっこり。聖なる光が放たれ、キャベツ様は美味しく加熱調理されてしまいました。 ぼ、ぼ、ぼうんっ、と大きく跳躍した数体のキャベツが、糾華を襲います。彼女はそれをするりと避けると、 「越冬キャベツ、興味があったのよね。寒さの中で凝縮された甘みって、どんな物なのかしら? ふふっ」 言いつつ、アゲハチョウ型の投げナイフをしゅかかかかっ! と連射し、一瞬で数体のキャベツを千切りに。クールな彼女、寒いのが苦手……とのことですが、防寒具もばっちり着込んで、実は一番楽しんでいるのは彼女なのかも。 襲いくるキャベツたちの波状攻撃をひらり、ひらりと避けながら、柚架は反応速度を高めて攻撃に備えます。その横で、ヒロ子は重火器を重たげにがしゃりと構え、 「う~ん、アタック・オブ・ザ・キラー・キャベツって感じ?」 良くお分かりでいらっしゃる。彼女は集中し、動体視力を高めて狙いを定めると、 「すまん、死体処理<キャベツパーティ>は、豪華にやったげるからね……」 優しいヒロ子は、心の中でゴメンナサイしつつ。 そんなこんなで、リベリスタの皆さんは、着実にキャベツたちを仕留めてゆくのです。 で、数分後。 「雪上での戦いは、何度か経験がある。そう簡単に遅れは取らんよ」 拓真の銃剣から飛び出した無数の弾丸が、キャベツをびしばしと穴だらけにし。 「あと少しだな……アナスタシア!」 「おっけ~。ん、キャベツって、なんか栄養ありそうだよねぃ」 おもむろに残り少ないキャベツの一匹に噛み付き、吸血を試みるアナスタシアさん。 「…………うん。甘い!」 出しガラのようになったキャベツが、雪の上へぽとり。何を吸ったか分かりませんが、とりあえず越冬キャベツの美味しさは伝わった模様です。 そうこうしているうちに、わらわらと群がっていたキャベツたちも、あっという間に残るはあと一体。いやはや、百戦錬磨のリベリスタの皆さんの敵ではありませんでしたね。 「キリキザまれて、食べやすくなっちゃえー!」 目にも留まらないスピードで、柚架の刀がしゅばばばっと翻り。 はらはらとキャベツの千切りが雪の上へ降り積もり、今回の任務はキッチリと完了したのでした。 ●調理 任務を終え、皆で農家の人たちへ心の中でありがとうを唱えてから、リベリスタたちは山盛りのキャベツを満載した車でアークへと帰還します。 農家の人たち、後で畑にいっぱいの穴ボコにびっくりするかもしれませんが、そこはまあ、仕方がありませんよね。手塩にかけて育てたキャベツに、頭からむしゃむしゃと食べられてしまうよりは、きっといくらかマシでしょうから。 アーク本部にあるキッチンの一つをちょっぴり拝借し、いざ、クッキングスタートです! 「さあ、パーティのために頑張らないとっ。私、皆のお姉ちゃんだもん!」 ルナは、よーっし、と腕まくりをして、張り切って料理に取り掛かります。 「俺も手伝うぜ! 俺は料理できないからなー、準備を手伝うよ。野菜運んだり、洗ったり、皮剥いたり……何でも言ってくれよ!」 「ほんと? ありがとう、助かるよ~♪」 フツはそう言って、ルナのサポートに回ります。彼は料理は苦手ながら、忙しく皆の間を駆け回って積極的に声をかけたり、手伝いを申し出たりと、彼なりにできることに一生懸命です。何て気配りのできるお坊さん! 「それで、何を作るんだ?」 「そうだね~。ロールキャベツとか、サラダとか……作れるものは一通り作っちゃおっか! 皆の体がポカポカする様なスープもあったらいいよね。それにそれに、デザートも……!」 さすが、皆のお姉ちゃん! を自称するルナ。皆に楽しんでもらいたくて、いっぱい食べてもらいたくって。フツの力添えもあって、てきぱきと料理を進めていきます。 その横では、 「私は、キャベツのお味噌汁を作りますね♪」 シエルが、アクセス・ファンタズムに仕舞い込んでいたお味噌や調理器具などを取り出しています。 「お味噌汁かぁ、美味しそう! じゃ、柚架は、そっちの芯のところを使って、ちょっと食べ応えのあるヤサイ炒めを作っちゃいますっ」 「まあ、そちらも美味しそうですね♪ それでは一緒に、キャベツの下ごしらえをしてしまいましょうか」 「はーい! わ、シエルさん、すごい……!」 柚架とシエルは、一緒にキャベツを包丁で切り分けていきます。料理上手なシエルの素晴らしい手さばきに、あくまで料理は人並み……と自分では思っている柚架は、思わず見とれてしまいます。 「柚架様もきっと、練習なさればすぐにお上手になりますよ」 「そ、そうかな……? うん、がんばりますっ」 二人の後ろでは、アナスタシアが、ちょっと聞きなれない名前の料理を作っているところです。それを横から覗き込んだ糾華が、 「ラハノ、ドルマーデス……? ロールキャベツに似ているけれど、少し違うのね」 「うんうん。あたしの故郷、ギリシャの料理でね、これが美味しいんだよぅ♪」 ラハノドルマーデス、伝統的なギリシャの家庭料理だそうです。調べてみたら、すっごい美味しそう! 「へえ……ねえ、良かったら、後で作り方を教えてくれないかしら? メモしておいて、知り合いにご馳走してあげたいのよ」 「もっちろん! で、糾華殿は何を作ってるの?」 糾華がこしらえているのは、キャベツの浅漬けや塩ごま油和えなど、ごくシンプルな品です。意外と渋いチョイス……と思いましたら、 「越冬キャベツの甘みを確かめるには、こういうものが良いんじゃないかしら、と思ってね」 素材の味を堪能したい、というテーマだったみたい。流石の目の付けどころです。 「なるほどー、いいねぃ! 後で食べさせてよねぃ!」 「ええ、もちろんよ。ふふっ」 調理をする皆の合間を縫うように、ヒロ子がするりと通り抜けていきます。彼女は、フツと手分けをして皆のサポートに回っているのです。 そこへ、買出しへ出ていた拓真が戻ってきて、仕入れてきた食材を必要な人に分けて回ります。ちなみに、超直観を用いた彼の目利きに狂いは無く、品物の品質はバッチリ。リベリスタさまさまですよね。 「ふう、これで材料は行き渡ったな? さて、俺も、何か一品だけでも作ってみるか……ヒロ子、手が空いていたら手伝いを頼めるか?」 「ん、了解ー。何を作るのかな?」 「そうだな……失敗しては、目も当てられんしな。以前に作った事がある、お好み焼きでも作るとするか」 さっそく作業にかかる拓真。控えめなコメントのわりに、手際良く行程を進めていきます。 途中、拓真はふいに、横で手伝いに回ってくれているヒロ子へ、 「なかなか手慣れているな。ヒロ子は普段料理をするのか?」 「少しね。料理自体、出来ないってワケじゃないんだよ。あまり凝ったものは作らないんだけどねー」 と言うヒロ子、確かに料理上手な他の仲間たちには少しばかりかなわないものの、自炊しているだけあってなかなかの包丁さばきです。 「みんな、オシャレ感あふれるメニューですごいよね。後で作れるように、覚えて帰りたいなー」 「それも良いだろうな。だがまずは、こいつを仕上げてしまおう」 そうこうするうち、ふわふわの生地が出来上がり、いよいよ後は焼き上げるのみ。ヘラを握った拓真の手にも、力がこもります。 皆、時には助け合ったり、賑やかに笑いあったり。和気あいあいと料理を仕上げていきます。 さて、出来上がりのほどはいかがでしょうか? ●れっつ・キャベツぱーてぃ! 「よーし皆、飲み物は行き届いたな? それじゃー、イタダキマス!」 フツの明るい音頭に合わせて、元気良く声を出して、手を合わせて。 『いただきまーす!』 キャベツパーティの始まりです! 「いろんなリョーリがあっていいですねー、皆さんのもオイシーですっ! あっ、そこのリョーリもイタダキですっ」 柚架の目の前にずらずら、ずらりと並んでいる、ロールキャベツ、肉野菜炒め、豚肉とキャベツのミルフィーユ鍋に、お好み焼きに、サラダに……色とりどり、鮮やかで美味しそうなキャベツ料理の数々! 「ほう、これは中々美味しい。誰が作ったんだ? 良ければ、レシピも教えてくれると嬉しいんだが」 「あっ、そのお料理はねー、キャベツとウィンナーのあったかスープだよ! 作り方はねー……」 ルナは嬉しそうに、拓真へレシピを教えます。皆のお姉ちゃんは、何かを教えるのも大変お上手。分かりやすい説明に、拓真も熱心に聞き入っています。 「えへへ、こうして今日も皆と楽しく過ごせて、お姉ちゃんは幸せだよ♪」 「そうだな……こういう和やかな時を過ごすのも、たまには悪くない」 微笑む二人の隣で、糾華はキャベツの奥深さを目の当たりにして、思わず感嘆のため息をひとつ。 「キャベツって、凄いわね……生食、煮る、炒める、でそれぞれ違って味わえるのだから。珍しい料理も食べられたし……ん、来て良かった」 糾華は、家に帰れば待っているあの子にも、こんな美味しい料理を食べさせてあげたい……と、脳裏に親しい顔を思い浮かべます。 そこへ、これを機に、まだあんまり話したことのない仲間とも仲良くなりたい! と思っているフツが、 「ほんとだよなー。これも食べてみろよ、外国の料理だからちょっと不思議な味だけど、ウマイぜ? ああ、オレが取るよ」 「あら、ありがとう。……ほんとね、とっても美味しい」 「だろー? 皆と交流も深められて、ウマイ料理も味わえるとか、最高の依頼だよな!」 相変わらず気配りにもソツが無いフツの、明るく屈託の無い笑顔。手渡されたラハノドルマーデスに、糾華も舌鼓を打ちます。 思わずにっこりと微笑む糾華に、作者のアナスタシアも上機嫌に、みんなへ特製のサラダを振舞いながら、 「はふふ、どれも美味しいねぃ♪ そうそう、ロールキャベツはカレー鍋にしても美味しいんだって、後でやろーやろー!」 「わあ、いいですねー! えへへ、いつもこんなイライばっかりだったらいいんですけどねー。あ、でも、この先ガンバるための栄養補給だとおもえばっ!」 「うんうん、今日だって、皆すっごく頑張ってたもんねぃ。たまにはこういうご褒美があるっていうのも、良いもんだよぅ♪」 と言って、柚架とアナスタシアは拓真の作ったキャベツたっぷりお好み焼きをぱくり。過酷な日々を送るリベリスタの皆さん、この時ばかりはほっこりと力を抜いて、存分にキャベツ料理を堪能しちゃいましょう! 「うわ、このお味噌汁、メチャうまー!」 お酒が入って、ほろ酔いいい気分のヒロ子さん。傍らで、上品にキャベツの塩胡麻和えをいただくシエルに、 「いいお嫁さんになれるよー、ていうか嫁に来て! 女の子でもいいっ! 私働くから、ご飯作って!」 「あら、随分とお酒をお召しですけれど、大丈夫ですか? ……ふふ、でも、ありがとうございます♪ きゃべつぱーてぃ、こういうのも、良いものですね」 お酒が入って、いつもよりかなり饒舌になっているヒロ子さん。帰宅してからこのことを思い出し、一人反省会を開催することになるのは必至……だったりするのですが、ここではさておき。 シエルは酔ったヒロ子に、やんわりとお味噌汁のお代わりを勧めます。ちなみにキャベツのお味噌汁って、二日酔いにも良いらしいですよ? シエルちゃん、ほんと、良いお嫁さんになれそうですよね! さてさて。そんなこんなで、夜もふけて。 料理の皿は、ぜーんぶ、すっかりからっぽに。みんなで手を合わせて、『ごちそうさまでした!』 楽しい時間はあっという間に過ぎていき、リベリスタの皆さんは、手分けして後片付けにかかります。そう、お片づけをするまでがパーティ、お片づけを終わらせるまでがリベリスタのお仕事! なのです。 後片付けを終えた後、使い切れなかった越冬キャベツは、皆で分け合って持ち帰ることにします。野菜の高騰が止まらない昨今、一人一玉分以上のキャベツが分け与えられ、ほくほく顔のリベリスタたち。家に帰って、それぞれ覚えたレシピを試してみたり、大切な人に料理を振舞ってあげたり。思い思いの使い方をされるんでしょうね。 といったところで、キャベツパーティもこれにてお開きです。 皆さん、おつかれさまでした! |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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