●闇に誘う 其処は何処までも真っ暗な世界だった。 青年は自分が何故、此処に居るかすら分からないまま辺りを見渡す。 しかし、周囲は一寸先も見えぬような闇。真暗な中に視界と呼べるものは存在せず、自分が本当にこの場に居るのかすら危うく思えるほどだった。 「何だ? 俺は夢を見ているのか……?」 さきほどまで、自分は長閑な山道でランニングをしていたのだ。 時刻も間違いなく昼間だった。万が一、自分が何らかで気を失って夜になったのだとしても、風の流れや周囲の自然の気配すらないのはどう考えてもおかしい。 青年は生まれいずる恐怖に耐えながら、闇の中を進む。 進めば何かが開けると願って。闇の出口が何処かにあると信じて。 だが、青年は闇の外に出ることは叶わなかった。 闇よりも尚昏い、深淵を作り出す異界の存在に命を吸われ――そして、果てたのだから。 ●異界の闇 「アザーバイドが現れたよ。それも、問答無用で倒さなきゃいけないタイプのね」 アーク内のブリーフィングルームにて、少年フォーチュナの『サウンドスケープ』斑鳩・タスク(nBNE000232)は淡々と告げた。 とある山道に現れたのは『闇』としか形容の出来ない存在だという。 闇だけでは不便なので便宜上、『黒闇』とでも呼ぼうか、とタスクは安易な命名をする。 それはこちらの世界でいう意思などは持っていないらしく、言葉を発することもできない。ただ、近くを通りかかったものを自分の体内とも云える闇のフィールドに取り込み、生命エネルギーを吸収する厄介なアザーバイドだと少年は云う。 「幸い、アザーバイドの居る場所は分かっている。だけど、既にひとりの青年が取り込まれていてね。万華鏡で視得た死の未来はまだ訪れていないようだけど……事態は一刻を争う」 だから、君達には彼の救出とアザーバイドの退治をお願いしたい。 タスクはそう告げると、リベリスタ達に詳細を語り始めた。 標的が形成する領域には近付くだけで接触が可能だ。 自動的にリベリスタ達はアザーバイド体内フィールドに取り込まれ、闇に包まれる。青年はその何処かに倒れており、気を失っているようだ。 「本体と呼べるモノはその暗黒内の中央にある、闇よりも尚暗い暗黒色の球体だよ」 フィールド内は普通の照明は役に立たず、探索は感覚か手探りで行くしかない。 内部は50メートル四方ほど。割と狭い領域ではあるが、問題は本体の球体が持つ特殊能力だ。 「君達は領域内にいる間中、常に体力を吸われ続ける事になるんだ。それに球体も馬鹿じゃないようでね。攻撃を仕掛ける者に反撃だってしてくるよ」 つまり、徐々に体力が減っていく中での短期決戦が望まれる。 本体さえ倒してしまえばフィールドは消え去り、アザーバイドも跡形なく消えてゆくだろう。倒せば任務は完了とはなるが、相手の力を侮れば青年だけではなくリベリスタ達の命とて危ういかもしれない。 「まぁ、君達なら問題ない任務だと思っているけどね。……期待しているよ」 タスクはさらりと言いのけ、仲間達に信頼の眼差しを向ける。 相手は昏い暗い闇の化身。 恐怖とも呼べる其れにすべてが喰らい尽くされる前に決着を付けられるはず。 リベリスタ達を送り出す少年の瞳は、そう語っているように見えた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:犬塚ひなこ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年02月19日(水)22:45 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 人は本能的に闇を恐れると言われる。 それはきっと、危険に近づいても察知出来ないからなのかもしれない。 「丁度、こんな風に」 目の前に広がるのは深くて暗い闇。『怪人Q』百舌鳥 九十九(BNE001407)は先の見えぬ暗闇を見渡し、小さく呟いた。音すら聞こえぬ空間とは実に不可思議で、居心地が悪い。 それもこれも、今自分達が居る場所が異界の存在の体内に当たるからだろうか。 意思の無いアザーバイドに遭遇して命を落とすのは隕石や雷に当たって死ぬような、一種の災害のようでもある。『黒犬』鴻上 聖(BNE004512)は首を傾げながらも、しかと思いを口にした。 「災害と言っても駆逐できるわけですから、被害者が出る前に終わらせましょう」 「そうですね。この闇……視えるでしょうか」 暗視を使い、『クオンタムデーモン』鳩目・ラプラース・あばた(BNE004018)は周囲を探る。見えないことはないが、普段の暗闇よりは随分と見え難い。やはり此処は特殊だと見て良いだろうと思い、『ホリゾン・ブルーの光』綿谷 光介(BNE003658)は身構える。 一寸先は闇。 それでも、進むべきときがある。 「闇に目を凝らすからこそ、見える真理もあるのかもしれません」 術式、おののく羊の閃き。紡いだ魔術で五感を高め、光介は各人の足音や呼吸を聞きわける。皆が其々に警戒を強め、リベリスタ達は闇の中で歩を進めていった。『てるてる坊主』焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054)も熱感知を使い、青年の大まかな方向を見出す。 だが、そこには――。 「居たか。しかし、闇の中心の傍とはな」 『ファントムアップリカート』須賀 義衛郎(BNE000465)は逸早く青年が倒れている位置に気付いたが、その位置が最悪であることも察した。咄嗟にフツが駆け出し、球体と青年の間に割り入る。 「そのニーサンの手当は任せた! オレはこの玉を片付ける!」 「わかったわ、任せておいて」 青年の体力が失われているだろうと気付いた『揺蕩う想い』シュスタイナ・ショーゼット(BNE001683)は即座に天使の歌を紡ぎ、彼の生命維持に努める。前にもこんなことがあった気がする。 けれど――誰かを殺めるよりは救える方がずっといい。 そう感じて凛と口許を引き締めたシュスタイナが青年を助け起こす中、『勇者を目指す少女』真雁 光(BNE002532)は剣をアザーバイドへと差し向けた。 広がる闇は不安を煽る。けれど、 「暗闇を晴らすのは勇者の役目と相場が決まってますよね?」 勇者はこの程度の暗闇に弱音を吐いたりしない。むしろ、皆の道を照らす光になるのが勇者――そして、リベリスタと言うものなのだから。 「それでは駆除を開始します」 あばたが集中を高めると、闇の球体も此方の動きを察して蠢く。 暗黒に呑まれぬよう、光の先に進めるようにと願って――戦いは静かに始まりを告げた。 ● かの闇を例えるのならば、この世界でいう食虫植物か。 得物を待ち、捕らえる様を思った義衛郎はふと思う。色濃い闇を見据え、彼はふっと目元を緩めた。 そう感じたのは月の加護を己に宿した九十九も同じく。この領域は獲物を迷わせて体力奪うことを目的としている。それならば上手い手だとは思いますぞ、と零した九十九は不幸な青年を見遣る。 「食虫植物みたいなものですよ。じわじわと溶かしていく感じの」 その間に闇が蠢き、この場に居る全員の体力を吸い取った。 「まあ、あっさり食える獲物ばかりだと思ったら、大間違いって事で」 違和感を感じながらも、義衛郎が言葉と共に幻影の一閃を放つ。球体そのものが幻影のようにも見えたが、義衛郎は確かな手ごたえを感じた。其処へ間髪入れずに攻撃を撃ち込んだのは光だ。 背後でシュスタイナ達に庇われている青年から、少しでも闇を引き剥がすべく。己が持てる全力を一撃に集約した光は一気に敵へと破壊の力を解き放った。 「たとえ暗闇の中でも、ボクは道を見失わない! だから!」 次の瞬間、闇が大きく後方に吹き飛ばされる。 否、闇が空間ごと動いたように思えた。だが、ある意味でノックバックが効くのだと感じたリベリスタは守護対象と本体の距離をあけられた事に一先ずの安堵を覚える。 「う……うう……」 そのとき、倒れていた青年がうめき声を上げたことに光介が気付いた。 「ただの悪い夢です。そのまま寝ててください」 自分の後ろに彼を庇い、光介は優しい声をかける。緩やかに吹き抜ける息吹は青年を含めた仲間を包み込み、吸収された体力を癒す。 このまま青年を気に掛けていれば彼が体力を吸収されて死ぬことはないだろうか。シュスタイナは距離を計り、思案絵を巡らせる。仲間全てを癒しの範囲に含めるには位置取りが難しい。それに、この闇のフィールド内に居る限り、体力を吸収されるのは変わらないようだ。 「それならば、このまま戦い続ける方が懸命ね」 シュスタイナは魔陣を展開し、瞳に闇を映す。どちらにしろ保護役が離れてしまえば戦局は傾ぐのだということは、光介も判断していた。 闇に立ち向かうフツへ、悪意の波動が解き放たれる。 「お天道様の目が届かなくたって、オレにゃあシッカリ見えてるからな」 波動を受け止めたフツは痛みを抑え、魔槍を掲げる。深緋、と呼び掛けた彼の声に応じるようにして繰り出された衝撃が球体を更に後方へと押した。 闇の位置が動く中、極限の集中を重ねた聖は魔力を練り上げて敵を狙い打つ。 ――白刃と黒刃を組み合わせ、神罰をもって敵を下す。 「私に出来ることは、ただ只管に敵を滅することくらいですからね……」 解き放たれた一閃に撃滅の思いを込め、聖は闇球を撃ち抜いてゆく。それでも敵はじわじわと此方の体力を吸収し、その度に体勢を整え直しているように思えた。 だが、だからといって怯みはしない。 あばたも心を強く持ち、自分が立つ位置から鋭い射撃で以て黒闇を穿ち貫き続けた。 それぞれが出来る事を行うことが、勝利に繋がる。それが聖達が感じている思いであり、あばたも仲間と似た思いを言葉へと変えた。 「わたしに出来ることは、最も鋭い銃撃を最も安全な位置から撃ちこむことだけです」 体力吸収は確かに厄介ではあるが、わかったところで防御出来る訳でもないのだ。癒しはすべて支援の光介達に担って貰い、彼らの力が尽きる前に敵を倒すのみ。 差し向けたあばたの瞳はただ真っ直ぐに、昏い闇を抜けた先を見据えていた。 ● 仲間達の射撃に合わせ、光は大きく一歩を踏み出す。 「絶対に守って見せるのです!!」 ただの人である青年は今も苦しんでいるのだろう。救える命をこの手で守るため、光は輝きをに纏う。 そうして、振りあげた剣が下ろされたとき。闇が一瞬だけ揺らいだ。 「闇を見通す目と、反撃する力を持った私達は獲物ではなく、さしずめ天敵ってやつですかのう」 残念、と黒闇に向けて告げた九十九の精密射撃が更に敵の力を削る。 球体も相対する相手が厄介だと判断したのか、衝撃波を幾度も打ち続けてきた。保護対象にまで攻撃が至ることはないが、闇をブロックしているフツや義衛郎の体力は削られ、動きは抑え付けられる一方。 彼等を支えるため、光介は癒しの術式を展開する。 「術式、迷える羊の博愛!」 詠唱から風を生み出し、光介は力を揮う。闇の中での戦いは心すら暗くなってしまう気がする。 だが、そんなものには負けたりなどしない。 光介の癒しの力を背で感じ、義衛郎は地を蹴る。瞬間、その身は一気に闇へと近付いた。彼は筋肉の収縮と弛緩を一瞬で行う事によって、己の足りぬ部分を補っているのだ。義衛郎が振るった刃から剣気が揺らぎ、斬り裂いた闇と混ざりあう。 時を刻む剣戟は氷刃の霧となり、天色が散った。 義衛郎は確かな手ごたえを感じながら、闇の球体が徐々に小さくなっている事に気付く。 フツも闇の中で片目を細め、昏い塊の攻撃を受け止めた。その身を凶運が覆い尽くすが、フツは口許に薄い笑みを浮かべる。 「不運を届けられるのはお前だけじゃあない。どちらの凶運がより深いか、勝負と行こう」 刹那、フツから放たれた符が無数の鳥に変化し、分身してゆく。 球体が符に包み込まれる最中、九十九もまた新たな一撃を打ち放った。 「その命、撃たせて頂きますな?」 前衛が身体を張ってくれているからこそ、こうして自分は攻撃を狙い打つことが出来る。 距離は離れていてもこれぞ連携。九十九は言葉にすることはなかったが、放つ攻撃で以て皆を頼りにしている事を示していった。 だが、黒闇は尚もリベリスタ達の力を吸い取る。 幾度かは風の渦を放ったシュスタイナだったが、闇の力は想像以上に大きかった。 聖も吸い取られた力が黒闇に循環して行く様を見遣り、眼鏡の奥の片目を眇める。 相手が意思のある存在であれば、語りかけることもあろう。しかし、ただの物体に掛ける言葉は持ち合わせていない。 「敵は確実に弱っています。速やかに排除することにしましょう」 狙撃を行いながら呼び掛けた聖の声にシュスタイナも頷き、同意する。暫し依頼を共にした間柄であるゆえにある程度の動きは把握している。聖が攻撃に動く合間、自分が癒しに回る他ないのだと判断を下したシュスタイナは天使の歌を響かせた。 「誰も倒れさせないためには……そうね」 歌を紡ぎながら、シュスタイナはふと思う。思い返せば、先程の自分の思いはまるで馬鹿姉の台詞のようだった。らしくないわ、と自嘲したシュスタイナだったが、その口許は微かに緩んでいた。 「もうすぐでしょうか。なけなしの防御をぶち抜く一撃を、今――」 あばたは球体の縮み方に目を凝らし、戦い続ける光や義衛郎に合わせて次々と射撃を加えていく。 このまま行けば勝てるはずだ。それでも油断は禁物だということは理解していた。一閃と同時に相手に体力を吸われ、あばたの身体が揺らぐ。致命傷ではないが、それ故に逆に厄介なものでもあった。 ● あと、少し。それでいて決め手が遠い。 闇に射す光明は薄い。この状況であるからこそ、光介はひたと闇を見据え、自己の内面を見据えた。 導く自分の理。そう、見えずとも――仲間の背中はそこにある。何も変わりはしない。 (結局、ボクにできるのは……この背中を支えて、自分をなすことだけ) それは生きがい。同時に償い。だから、自分は。 「照らし続けます。献身と贖罪の狭間、ホリゾン・ブルーのこの光で……っ!」 傷付いた仲間を癒し、決め手を作る為に。光介の放った大魔術の癒しは闇の空間すべてを包み込むように顕現し、最後に向けての後押しとなる。 その狙いを肌で感じ取った光は、此処で一気に攻め込むべきだと決めた。 「こんな球体……ボクが叩き壊してやるのです!!」 全身のエネルギーを武器に集中させ、光は球体を睨みつける。暗闇を照らすのは光。ならば、勇者として、ひかりの名を抱く自分がこの先を照らしていかなければならない。 即座に放たれた光輝の一閃が敵を穿ち、闇を散らす。 其処に隙を見出した九十九が魔銃を敵に差し向けた中、フツと義衛郎も闇の後ろに回り込んだ。 九十九は青年がまだ死していないことを感じ取り、小さく頷く。彼を救う心算で来たのだから、死なれていると目覚めも悪くなるだろう。無論、光介が守っている故に心配もなかったのだが。 「さて、疾く穿ちて空洞と為しましょうか」 そして、九十九が放った一撃は闇の中心を貫く。 「神罰を」 続けてただ一言。そう呟いた聖は重ね合わせた白黒の刃を構えた。 聖は追撃として刃の射撃を撃ち込み、あばたも近付く最後への架け橋を作ろうと動く。 「ヲヤスミ、ケダモノ。バイバイ、バイド」 あばたはマクスウェルで狙いを定め、別れの言葉を告げた。それでも、ほんの少しが足りない。そのうえこのタイミングで敵が体力を吸い取り始め、わずかではあるが回復をはかってしまった。 それに対してシュスタイナは翼をはためかせ、空間内に風を巻き起こす。 「今日もさっさと片付けてしまいましょう」 すべてを、昏い闇ごと吹き飛ばすべく。私たちなら大丈夫、と言わんばかりの風の舞は仲間の背を押す追い風となっていく。 そして、集中を重ねていた義衛郎は細く長く吐き、意識を研ぎ澄ました。 ラ・ミラージュの構えを取った彼の三徳極皇帝騎からは金茶の剣気が生まれいずる。 「これで――!」 義衛郎が幻惑の一閃を放った直後、フツが左手で黒闇を掴み取った。右手で短く持った深緋を九十九が開けた黒闇のヒビに差し入れる。それと同時に彼は朱雀の業火を迸らせた。 「この闇ごと焼き尽くせ、深緋!」 燃え盛る炎は闇の中心を焼く。ただ紅く、黒しか映し出されていなかった空間が赤く染まる。 やがて、闇は薄れゆき――リベリスタ達は、それが戦いが終わった合図だったのだと知った。 ● 黒闇は消え去り、世界の綻びがまたひとつ潰えた。 「こんな無茶ができたのは、お前さん達がいるからだよ。ありがとな」 最後の一撃でほぼ全力を使い果たしたとも云えるフツがその場に座り込む。大丈夫ですか、と光介が治療のために駆け寄ると、彼は快い表情を向けて笑った。 「彼も無事です。本当に、皆さんのおかげですね」 光介も笑みを返し、倒れたままの青年を示してみせる。 一般人には負担が大きかったようだが、彼も何とか生きている。あとは保護して適当な理由を付けて病院に連れていってやればすべてが無事に終わるだろう。まだ青年は呻き声をあげ、闇を恐れているようだったが、シュスタイナはそっと彼に耳打ちをする。 「悪い夢を見ていたのよ。目を閉じていれば覚めるわ。大丈夫」 やさしく語り掛ける声色に、青年は状況が分からないうえでもやっと安堵できたようだった。静かに意識を手放し、寝息を立てはじめた青年はもう大丈夫のはず。 「これで一件落着ということですね!」 光は胸を張り、勇者としての務めが果たせたことを嬉しく思う。 あばたもこくりと頷きを返し、辺りをそっと見渡した。風が吹き抜ける音、薄く射す光。木々が擦れ合い、ときおり鳥が鳴く声が聞こえる。 それを思えば、先程まで居た音すらない闇は恐ろしくも思えるかもしれない。 聖はそんなことを感じながら、木々の合間から見える空を振り仰いだ。 だが、何も無い世界の片鱗に触れたからこそ、この世界が愛おしくも感じられる。 義衛郎は少しだけ目を閉じ、静かな実感を胸に仕舞い込んだ。 「さて、随分体力を削られてしまいましたのう。カレーを食べて回復しますかー」 きっと美味いですぞ、と何処か暢気に語った九十九は歩きはじめる。リベリスタ達もそれぞれに歩き出し、アークへと帰還することを決めた。 闇と光。この世界に巡るのは果たしてどちらだろうか。 けれど、進んでゆく先にはきっと――自分達にとっての光が満ちているはずだ。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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