●おなかすいた 飢餓。 そのアザーバイドの行動理念はひたすら単純だった。空腹を満たすため、ただ貪り食らう。 その行動に善意も悪意もない。おいしそうなものを見れば口を開き、一心不乱に食べる。抵抗すれば殺す。そして食らう。ただそれだけの存在。 その飢餓故にボトムチャンネルにたどり着き、そしてまた食らう。コンクリートを、鉄筋を、大地を。そしてその食性はやがて生物に向くだろう。 ふらつく足で歩を進めるアザーバイド。その視線に一組の親子が入る。ハイキングなのだろう。牧歌的な曲を歌いながらこちらにやってくる。 「うまそうだ……」 腹の虫を鳴らしながら、親子に近づいていく。拳を開き、その首を押さえ―― 「お兄ちゃん、おなかすいているの? おっきなお腹の音ー」 「こら、ミキ! すみません、娘が失礼を。……あの、でも大丈夫でしょうか? かなり空腹のようですが」 「おにぎり食べるー?」 子供の首を押さえようとしていた手で差し出されたおにぎりを受け取り、むしゃりと食べる。美味い。美味い美味い美味い美味い美味い! どこかで落雷があったのか、ドドーン、という音が響いた。 「おお、なんてウマいんだ!」 「えへへー。ミキが作ったんだー」 「そうか。ミキちゃんは料理の達人だな」 「そんなことないよ。お母さんのお弁当はもっと美味しいし、三丁目のパン屋さんが作った焼き立てパンはホクホクだし」 「なんと! それは食べてみなくては!」 アザーバイドは自分自身の行動理念に従い、歩き出す。親子に軽く手を振って、飢えた身体を動かした。 ●アザーバイドをおいかえせ 「ディメンションホールからやってきたアザーバイド。これを元の世界に追い返して」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は淡々とした口調で集まってきたリベリスタたちに説明を始めた。 「アザーバイドは一体。まっすぐに町に向かっている。放置すれば町にあるものを手当たり次第に口にする。普通の食べ物だけじゃなく道路や信号、ビル、それを止めようとする人ごと。そうなる前に自分の世界に帰ってもらう」 モニターに写っているのは、二十歳ぐらいの青年。額に奇妙な紋章があることを除けばこちらの世界の人間とほぼかわりはない。 「戦闘力は高い。戦っても勝てない」 どよめくリベリスタたち。もしもし、この依頼の難易度EASYですよ? っていうかそんなのどうしろっていうんですか? 「このアザーバイドは飢えている。食べ物を与えてやれば、その足は止まる」 「餌付けかよ」 「料理の美味さによって歓喜して咆哮する。それにより世界を揺さぶる。大きな音が響いたり、光が乱舞したり。実害はないけど、とにかくうるさい」 「迷惑だな、それ」 「そしてその喜びが最高潮になったとき、アザーバイドの世界に繋がるディメンションホールが開く」 「そこから帰ってもらうわけだな」 「うん。だから」 はい、といって渡されたのは調理器具。この流れで渡されたのなら、次のセリフも予想できる。奥さん、タイトルコールですよー。 「レッツクッキング」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年08月06日(土)23:01 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●食材集め 料理は材料を集めるところから始まる。 値段の高い食物は高いなりに深い味わいを持つが、真の意味で味を追求するなら食材は鮮度が命である。冷凍技術が何処まで高まろうが、取れたて新鮮であることに勝る食材はない。 (この辺りなら、生えていそう) 『水底乃蒼石』汐崎・沙希(BNE001579)は朝日昇り始める頃に山に入り、山菜を探していた。前もって要しておいた地図と包囲磁石、そして持ち前の感のよさで見る間に目的の山菜は集まる。 料理をしてアザーバイドを元の世界に追い返す。リベリスタの仕事が常識の外にある事象とはいえ、これはその中でもかなり異例な部類に入るだろう。 心を込めた料理は異なる世界の壁すら乗り越える。 陳腐といえば陳腐な出来事だ。食欲を満たせば平和的に解決するなど子供の絵本並だ。だけど、 (私はそういうの悪くないと思うのです) 沙希はそのアザーバイドが危険なのは承知しても、何処か憎めない部分を感じていた。 また『テクノパティシエ』如月・達哉(BNE001662)はアークに頼んで市場に出回らない、もしくは出回っていても訳ありで安くなっている野菜を仕入れていた。具体的には少し曲がっていたりして、商品にならない食材である。 多少形が変だったり傷があったとしても。調理してしまえば見た目も味も何ら変わることはない。ならば安い食材を購入したほうがいいのは、自明の理である。 商品にならないというだけで、食材としては問題ないものを選別して頭の中でレピシを思い浮かべる。……ふむ、悪くない。 「アザーバイドには美味い飯をたらふく食ってもらって早いとこ実家にお帰りいただこう」 グラトニー。達哉は相手の名前を思い浮かべる。七つの大罪の一つ。なるほど、飽食の時代において我々へ対する警告なのかもしれない。 曲がったキュウリを見ながら、そんなことを考えていた。 『サイバー団地妻』深町・由利子(BNE000103)は非常に悩んでいた。 ナイトメア・ダウンで死線をさまよった後に覚醒し、その代償に味覚を消失してしまう。その結果、料理の腕が落ちてしまった彼女にとって、今回の依頼は一つの壁であった。 味覚なく料理をすることは、暗闇を歩くことに等しい。どれだけ慎重に動いても、指標になるものがなければ恐怖でしかない。 しかし料理は味覚だけにあらず。肉が焼ける音、焦げた色、触覚による温度の感知。味覚以外の要素も充分に使用できる。そう、幾度となく繰り返すことで他の感覚を鍛え上げて料理を作る。彼女は今、クッキングマイスターとしての新しい道を歩む……! ……などということはなく。 悩んでいた理由も「挫折しちゃった、てへ。取り合えず後ろにある大量の食材(だったもの)とこの積みあがった料理本どうしよう?」というものである。 結局、料理はカレーライスにすることにした。団地妻スキルによって集まった男性陣に味見をしてもらったところ、彼女的に好感触だったし大丈夫だろう。そもそもカレーなんて失敗のしようがないのだ。 ――その夜、三高平総合病院で集団食中毒が起きたという。被害者には由利子の知人(主に男)が多く含まれていたのだが、それは別の話である。 ●前準備。仕込みは大事です 夏のキャンプ場。雲ひとつなくまさに快晴。日差しを避けるために木の傍にテーブルを設置し、キャンピングカーでは料理の下ごしらえを行なっていた。 『銅の焙煎士』土器 朋彦が念のためにと強結界を張る。これが無意味になるように、今日はがんばるかと気合を入れる意味も含めて。そのあとで小さなコンロに炭火で火を起こし、生豆を手網で焙煎をはじめた。弱火から強火に一気に煎り上げる。 「美味しいものに興味を持つことは悪くありませんが、食物以外のものまで食べてしまうのは防がないといけませんね」 朋彦の焙煎したコーヒーの匂いを感じながら、『ねむねむ』花凪 五月(BNE002622)は言う。実家の居酒屋の手伝いをしている経験もあり、キッチンでの動きは手馴れたもの。今日はデザート担当ということで少し勝手は違うが、それでも滑らかな動きで調理を仕上げていく。 「ご飯食べてくれるだけで帰ってくれるんだね」 『為虎添翼』藍坂 久遠(BNE000269)は牛肉と豚肉を調理しながら、五月の言葉に答える。依頼はもちろん大事だけど、皆が何を作るのか楽しみだという顔でみんなの料理を見ていた。 「ふむ、食べれば満足して帰るのか。不思議なアザーバイドだ」 無表情でパンを切りながら『ダークマター』星雲 亜鈴(BNE000864)が久遠に応じた。常識外の存在であるアザーバイドだが、今回のはことさら変わった類だろう。どうあれ任務を果たすまでだ。食パンの耳を切り落とし、サンドイッチ用のパンを作る。 「あの子は餓えてる……か」 『三高平の肝っ玉母さん』丸田 富子(BNE001946)はもうすぐ通りかかるであろうアザーバイドのことを思い、表情を曇らせた。空腹がどれだけ辛いのか。彼女はそれを身にしみてわかっている。だから彼女は包丁を持ち、食堂を開くのだ。 (腹をすかせてる子はみ~~んなうちの客だよ。それが味方だろうと……敵だろうとねっ!) 仕込みも充分。準備万端。ちょうどそんなタイミングで通りかかる一人の男。頭に奇妙な紋様を持ち、『万華鏡』で確認した姿そのままの存在。――アザーバイドと呼ばれる異世界の住人。 それは鼻腔をくすぐる朋彦のコーヒーの香りに足を止め、キャンピングカーのほうに視線を向ける。 「良かったら食べていかないか?」 亜鈴にさそわれるままに、そのアザーバイドは足を動かした。 ●食事の前に軽く一杯 「ではまずは一杯いかがか?」 アザーバイドを席にすすめ、朋彦は水出しアイスコーヒーを勧める。高品質の豆を、じっくり抽出して作製した一杯だ。 「おおっ! おそらく蒸らしてから濾したであろう飲み物にもかかわらず、冷えても飲み物本来の味を損なっていない。時間を掛けた一杯! なんと言う味わい深い飲み物なのだ……!」 ピカッ! コーヒーを口に含んだ瞬間、稲光が走った。世界が揺らぐのをリベリスタたちは確かに感じる。 「簡単なものだが、味は保障しよう」 二番手は亜鈴。白いお皿に出来たてのサンドイッチを乗せてやってくる。黄色い卵がはさんである卵サンド。ベーコン、レタス、トマトを挟んだBLTサンド、ツナをはさんだツナサンド。 「うむ、シンプルな料理だが、だからこそ誤魔化しのきかない! 新鮮な素材を使っているな、小僧!」 中性的な格好ゆえにアザーバイドは亜鈴の性別を間違える。それを意に介さずカップを取り出し、紅茶を入れた。 「ボクのこだわりの紅茶だ。よく味わって飲むがいい」 尊大な態度だが、それが嫌味にならないほど優雅に紅茶を淹れる。消化促進作用がある紅茶は、空腹時に飲むものではない。相手のことを気遣っての行為だ。 「先ほどの飲み物とは違い、こちらもまた味わい深い。共に差し出された料理との相性もばっちりだ!」 拳を握り、大声で賞賛する。背後に台地が隆起し、山のようになる幻覚が見えたような気がした。目を凝らせばそこには何もないのだが。 「メインディッシュに向かう前に、シチューとサラダをどうぞ」 達哉が皆の料理完成までの繋ぎとして、ポテトサラダとミネストローネを出す。新鮮なポテトとサラダ。適度に炒めた野菜を入れたトマトのスープ。あっさりしているようにみえて、なかなかオリーブがきいていて絶妙な風味である。 リベリスタたちの料理はまだまだ続く。アザーバイドは瞳を輝かせながら次の料理を待っていた。 ●メインディッシュ リベリスタたちは厨房で動き回る。そこには純粋に料理を楽しむ顔があった。こと、これが神秘の事件であることには変わりはないのだが、それでも自分が作ったものを美味しく食べてくれるのなら、それに勝る喜びはない。 (ハンバーグはボクが初めて作った料理。あん時の爺ちゃん、凄い喜んでたなぁ……) フライパンで肉とパン粉と玉ねぎと卵を混ぜたものを焼きながら、久遠は思っていた。今は反抗期で距離をおいているが、あの笑顔をもう一度見たいという気持ちも少し湧き上がってくる。 そんな思いの中、手はしっかり進む。大量に作製し、折角なので味付けは二種類。刻んだトマトと玉ねぎを絡めたデミグラスソースに、チーズを乗せた洋風タイプ。そしてピーマンとシメジを絡めた醤油ベースのソースに大根おろしを乗せた和風タイプ。付け合わせを載せて、出来上がり。 「なんと……!? 材料を見たときはただの肉だったものが、他の材料の組み合わせによってここまで美味しくなるとは! かんだ瞬間あふれる肉汁がたまらない! 二種類のソースもまたすごい!」 揺れる大地から塔が生え、底から無数の光が放たれる幻影が見えた気がした。世界の理を壊す振動が小刻みに続いている。 (こちらをどうぞ) 言葉なく、しかしハイテレパスにより相手に思考を伝えて沙希が次の料理を出す。まさに採れたてのミツバ、イワタバコを使った天麩羅に、充分に味噌をしみこませたヤマメを焼いたものだ。隠し味に天使の息を包み込んである。 (その土地の旬のものを採取して心を込め丁寧に作れば、美味しい料理はできる……) 食材の値段ではない。四季折々の日本において春夏秋冬の食材はまさに宝。その土地にしかないその土地だけの美味さ。それを基本に忠実に調理すれば、 「なんと言う新鮮さ! 食べたものがまだ口の中で生きているようだ!」 塔からあふれ出す光が暗雲を生み、稲妻を落とす。落雷の音も含めて幻影ですが。 飢餓ゆえに私達の世界に現出した異界の隣人が、お腹だけでなくて心の満腹も得て笑顔で帰れますように。そんな祈りが通じたのか、アザーバイドは満面の笑みを浮かべてご飯を頬張っていた。 「次は僕の料理を」 達哉が皿一杯に乗せた米粉のパスタ・ナポリタンと、海老のドリア、米粉のパンを持ってくる。 米は日本が自給自足できる食材でもあり、その米を使ってイタリア料理を作るのは日伊ハーフである達哉自身のルーツのこだわりだ。マフィアボスの彼が紆余曲折あってここにいるのは、料理の力が大きい。 「むう! このもっちりとした食感! 噛めば噛むほど味わい深い!」 「米粉を使った料理は基本的にもっちり感が特徴だな。 まだまだ小麦に比べて割高だけど製粉技術の向上と今後の普及によって価格は下がり、一般的な食材になるとは思う」 そうなれば家庭でもこの味が出せるかもしれない。そんな日が来ればいい、とサングラスの位置を直しながら達哉は思っていた。 ●料理は愛情 「まぁ、では私の料理ですね」 由利子が用意した鍋には、緑色に発光する何かがあった。醗酵ではない。発光である。 「由利子さん。これは……?」 「カレーです」 「いや、カレーの色じゃないきがするけど!? 緑だし!」 「グリーンカレーです」 緑色のカレー。確かにグリーンカレーという名称のカレーは存在する。しかしそれは実際に緑色のカレーではなく、タイのスープに香辛料を混ぜた観光者向けの料理である。少なくとも緑色に発光はしていないし、変なオーラも漂ってはいない。 常人なら威圧され、歴戦のリベリスタでも戦くその『カレー』に、しかしアザーバイドは恐れず匙を入れる。カレーがご飯の上に乗り、シャク、と何か耳に障る音がする。粘性の強い液体がご飯に絡まり、じわりじわりと侵食していた。 「むぉぉぉ! 今までとは異なる味! まるで天にも昇りそうなこの一杯! 次を食らうのをためらいそうになる衝撃……だが!」 アザーバイドの胃袋は由利子のカレーがもたらす深刻な一撃に耐える。神経までに響くこの一撃。しかしその匙は止まらなかった。 「なんだ……? 生命的な危機を感じると身体は訴えているのに、なぜか手は止まらない」 「それが愛ってやつさっ!」 正体不明の衝動に驚くアザーバイドに、富子が答える。いや、それ謎緑カレーの依存症なんじゃなかろうか。そんな冷静な意見を打ち消すように、富子はフォローを続けた。 「愛……だと?」 「料理は愛情……そう、愛情なんだよっ!」 その人のために、その人のためだけに一生懸命作った料理。どんな凄腕の料理人も、どんな三つ星レストランもかなわない料理。それは時折奇跡を呼ぶ。味以上の何かをアザーバイドは確かに感じていた。 「それが愛情のこもった料理ってもんだよっ」 豪快に笑いながら富子が料理を出す。丸富食堂の看板メニューのダブルカツ丼。そして専用フライパンで作られたオムライス。 数あるレパートリーの中からこの二点に絞り、量を多めに用意する。それでいて品質を落とさないのは食堂経営者の賜物か。さくっとしたトンカツと卵のコラボレーションはまさに逸材。均等に火を通したチキンライスと卵焼きはそれだけでも美味。 メニューをたった二つに絞ったのは、アザーバイドのことを思ったため。空腹に苦しむアザーバイドを満たそうと、量を多めに富子はフライパンを振るう。 「そうか……。これが愛というものか。形無くしかし確かに存在する暖かな味。この一口一口毎に、愛を感じるぞぉ!」 雷雲が晴れ、そして空から太陽がさす幻影。世界の揺れはいよいよ本格化し、アザーバイドの隣に不可視のエネルギーが滞留しているのを感じていた。 ●デザート。そして……。 メインディッシュが全て出揃ったあとは、朋彦の珈琲で一息。オーガニックまらではの自然味が、アザーバイドの喉を潤す。 「さすがに和菓子屋さんで売っているような本格的なものは無理ですが……」 そして謙遜しながら五月がデザートを出す。甘さ控えめのたれのかかったみたらし団子と、きな粉と黒蜜を別途用意したわらび餅。わらび餅のほうはアークのほうで本わらび粉を入手してもらった絶品である。 季節に合わせて冷えたたれを使い、甘みを抑えているからこそ団子本来の旨みと食感が際立ちっている。わらび餅はもちもちした食感が口に広がり、絡めたきな粉や黒蜜も食を加速させる。 「甘い! それでいて不思議な食感だ! 一杯のお腹に無理なく入ってくる。このようなものに出会えるとはぁぁぁぁぁ!」 晴れ晴れと広がる夏空の元、空間が砕ける音がする。世界同士の境界に穴が空き、D・ホールが現れた。大きさにすれば2m弱。人一人なら通れそうな穴だ。 「む。これは……。元の世界への『穴』か」 アザーバイドはその穴を見て立ち上がり、もとの世界に帰っていく。アザーバイドが穴をくぐりぬけその姿が消える直前、確かに彼の声が聞こえた。 「ありがとう。そして、ごちそうさま」 たった二つの感謝の言葉。だけど彼らにとっては最大の報酬だった。 久遠がゲートを痕跡なくけしてしまえば、もはやアザーバイドのいた証すらこの世界には残らない。しかしリベリスタたちは自分の作ってくれた料理を満足げに食べてくれた彼のことを心に刻んだだろう。 さてそれはそれとして。 「さて、このままキャンプでも続けるか?」 「そうだね。残った物皆で食べようか」 「あっはっは。みんな同じこと考えていたのかい。じゃあこのまま楽しもうじゃないか!」 さんせーい。キャンピングカーを運転していたアークの職員も交えて、キャンプパーティが始まった。 用意した食材の大半はアザーバイドが食べたが、皆が楽しめる量は充分に残っていた。 「うーん、娘は私が厨房に立つのを止めるんですけど、やっぱり母が立つものですよね?」 「そこは娘さんの話も聞いてあげてもよいのでは?」 「もぐもぐ。お酒がほしいですね」 「汐崎くんに、特製カプチーノのプレゼントだよ」 (わぁ、ありがとうございます) 楽しい食事会は、終わる気配なく延々と続くのであった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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