● 気になるソイツはインベーダー? 海辺のイベントホールにそいつらは突如現れた。 真っ白な円筒形の何かが海上に出現し、その中から続々と地上に這い出してきたのである。 現在ホールでは、コスプレのイベントが開催されていたのだが、ソイツらの登場により現場は一時騒然となった。 そいつらは、およそ人とはかけ離れた外見をしている。 大きな瞳は赤く、虫のような複眼が無数にある。頭は大きく、それとは逆に体は細い。身長は2メートルに近いだろうが、その巨体を支えられるような体つきには見えない。 針金に似た手足。よくよく見ると、指の数も3本と少ない。筋肉や内蔵が存在していないのではないだろうか。 その外見は、オカルト雑誌などで見かける宇宙人のそれに酷似している。 もっとも、雑誌のそれと違い彼らの皮膚は赤褐色なのだが……。 見る限り、口はないように想う。しかし仲間同士のコミュニケーションはとれているようで、連携の取れた動きをしているのがよくわかる。 武器のようなものは持っていない。そもそも敵意があるのかどうかも分からない。 ただ不思議なことに、そいつらと相対した者は皆、身動きが取れなくなっているようで、誰一人動かない、悲鳴を上げる事もない。 静寂に満ちた中、そいつらはホールに散開。動けなくなったイベント参加者を観察しているようである。 やがて……。 ソイツらの乗ってきた円筒形の何かから、光の柱が伸びてきた。柱はイベント参加者達を包むと、その身柄を浮かせ、回収していったではないか。 円筒形のそれは、ソイツらの乗り物だろう。その中に、一般人が捕われた。 誰もいないイベントホール。赤褐色の侵略者は、果たして何が目的でこの場に現れたのだろう……。 ● キャトられて……。 「アザーバイド(インベーダー)と、その母艦。おそらくDホールは、イベントホール脇の海中にあるものと予想される」 面倒なことになった、と。『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は言う。 現在、イベント会場にいた一般人数十名が、まとめてインベーダーの母艦に捕われてしまっているのだ。 救出活動が主な目的となるだろうが、それにしたって敵の数が多い。 「インベーダーは全部で15体。単体ではあまり強くないみたい」 厄介なのは、むしろ彼らの乗る母艦の方であろう。 「母艦からは、こちらの行動を阻害する怪光線が一定の間隔で射出される。また、インベーダーの自身の能力も、戦闘より妨害に向いているみたいね」 イベント参加者が身動きできずに捕まったのは、おそらくその能力によるものだったのだろう。 確かに、見るからに戦闘向きとは言い難い外見をしている。 「かといって一切戦えない、というわけではないみたいね。それに、インベーダーの他にもう1体……こちらの方が厄介かも」 イヴがモニターの映像を切り替える。映ったのは、暗い室内の映像だ。その室内には、無数の触手と鋭い牙を持つ何かの姿があった。 赤い目が8つ。暗闇の中で光っている。 「これは……?」 と、誰かが問うた。その問いにイヴが応える。 「インベーダーの飼っている巨大生物。(怪獣ダゴン)と呼称することにする。巨大な身体と広域攻撃が特徴。インベーダー達の奥の手と言った所かしら」 インベーダー達に比べ,ダゴンは格段に攻撃力が高い。 イベント参加者達がすでに会場に居ないのは、有る意味幸運だったかもしれない。 「インベーダーの母艦を発進させないこと、捕われた一般人を救出すること、インベーダーを殲滅、或いは送還すること。以上3点が主な任務の内容になるわ。それじゃあ、行ってらっしゃい」 Dホールの破壊も忘れないで、とそう告げてイヴは仲間達を送り出した。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:病み月 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年01月30日(木)22:47 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●やつらはきっとインベーダー 宇宙人、というとオカルトの定番である。いるのいないのと、世界各地で話題になって、確認されたり、未確認だったりと、噂話は尽きはしない。 そんなインベーダー。とくにグレイ型と呼ばれるタイプのそいつが、とある港のコスプレイベント会場に姿を現した。 まさにその姿は、インベーダーだった。大きな頭と大きな眼、赤褐色の肌。宇宙船を従え、イベント参加者をキャトルミューティレーションしている。 そのままどこかへ、攫った彼らを連れ去るつもりか。 ならば教えたやらねばならない。 この世界には、そういった異常事態に対応するための組織があるということを。 今ここに、8人のリベリスタが到着したのだった。 ●未確認生物確認! 「コスプレというものにはあまり詳しくないのですが、なんというか異様な空気ですね」 足元に転がった武器やコスプレ衣装の部品、或いはカラフルなウィッグを見て『ライトニング・フェミニーヌ』大御堂 彩花(BNE000609)は困ったような顔を浮かべる。 現場に登場したリベリスタ達を視界に納め、インベーダー達がそれぞれの武器を掲げた。どうやらリベリスタ達から異様な気配を察し警戒しているらしい。 それもそうだろう。先ほどまでこの場にいたイベント参加者たちは、インベーダーを見て逃げるか悲鳴をあげるばかりだったのだから。ところがリベリスタは違う。明らかな敵意と、目的意識を持って、こちらへと歩いてくるではないか。 「インベーダーってあれですよね。ナゴヤウチとかそういった感じのがあるゲームの……」 懐かしいゲームの名前を出して、『メガメガネ』イスタルテ・セイジ(BNE002937)は苦笑い。目の前に並んだ異邦人達は、あのゲームほど簡単には、倒せそうにない。 市井においては浮いてしまうような格好、容姿の者が多いリベリスタ達であるが、今回は場所がコスプレイベントの会場である。そこまで格好を気にする必要はない。『ラビリンス・ウォーカー』セレア・アレイン(BNE003170)などは、ここぞとばかりに天使のような格好をしている。 「せっかくのコスプレ撮影会な会場に行くんだし、コスプレしないってのも……ねぇ?」 まったくです、とセレアの隣で『マジカルナード』六城 雛乃(BNE004267)が息を荒げて憤慨している。手にした杖を頭上に掲げ、杖の先端に魔方陣を形成していく。 「インベーダーが出現したなんて事、あたしにとってはどうでもいいの! いや、ホントはどうでもよくないんだけど……。そんなのよりも許せないのがコスプレイベントを邪魔したってこと! コスプレ衣装を用意するのにどれだけのお金と時間が掛かるかわかってないでしょ!?」 怒りに任せ、魔方陣から解き放たれたのは大量の黒鎖である。地面を削り、会場を黒で埋め尽くす。 雛乃による先制攻撃に対し、インベーダー達は一か所に集まり、一斉に銃を構えるという対処方法を取った。同時に放たれる光線が、黒鎖と相殺。打ち消した。 「さぁアンタ達、がんばろうじゃないかっ! ……しかし懐かしいねぇ」 かつて一世を風靡したゲームのことを思い出し『遺志を継ぐ双子の姉』丸田 富江(BNE004309)は頷いて見せた。その両手に燐光が宿る。回復役を担う彼女は、後衛で戦場を眺める。 「それにしても、まったく宇宙人ですか。ふざけた生き物はSFの中だけにしてほしい物ですね」 光線を避けながら悪態を吐く『落ち零れ』赤禰 諭(BNE004571)。次々と式符を放ち、影人を召喚していく。召喚された影人は、重火器を構えインベーダーへとその銃口を向けた。 その瞬間だ。 音は無かった。一瞬、周囲が眩い光に包まれた。インベーダーの母艦から放たれた7色の光線が、影人を射抜く。 「おっと……。神秘業界には慣れてきたつもりだったが、これは予想外だ」 光線を回避し『Killer Rabbit』クリス・キャンベル(BNE004747)は溜め息を零す。地面を転がりながら、手にした魔力銃から光弾を発射する。 光弾は空中で弾け、閃光を撒き散らした。光に驚いたインベーダー達の動作が鈍る。 「一般人を攫うなど、リベリスタに丁寧に殺めてほしいのですね、きっと」 金髪を靡かせ前線へ駆ける『朱蛇』テレザ・ファルスキー(BNE004875)。暗黒のオーラを纏ったヘビースピアを突き出し、インベーダーを数体、まとめて貫く。咄嗟に散開したインベーダー達の判断は速く、そして正しかった。 結果として、その一撃で命を落としたインベーダーは1体のみだ。 だが……。 散開したインベーダーが光線を放つ。全身を襲う虚脱感にテレザはふらつく。敵の数はまだ10体以上いる。その大半がテレザに銃口を向けた。 テレザは防御の姿勢を見せない。どころか、力の入らない腕を無理矢理持ちあげ、スピアで周囲を薙ぎ払う。スピアに突き刺さっていたインベーダーの遺体が地面を転がる。飛び散った緑色の体液を浴びながら、テレザはゆらりと立ち上がる。 それと同時に、インベーダーは光線を放った。 「ここまで典型的なインベーダーは、今時映画でもなかなか見られませんね」 銃口とテレザの間に彩花が割り込む。放たれた光線が彩花の全身を包み込んだ。しかし彩花は、ダメージに顔をしかめながらも、そのままインベーダーに接近。鋭く突き出した拳でその顔面を叩く。 BS無効の効果が付与されているのだ。厄介なBSを多く持つインベーダー相手でも、特に問題なく戦闘できる。 同じく、BSに対する耐性を持つイスタルテも彩花に並んだ。フィンガーバレットを突き出しインベーダーを威嚇しつつも、タワー・オブ・バベルのスキルを使って彼らとのコミュニケーションを試みる。 「あの……。攫った人達を返して欲しいんですが……」 困り顔に引きつった笑みを浮かべながらも、そう懇願するイスタルテ。しかし、そんな彼女へ向けて容赦なく光線は放たれた。 「やーん!」 翼を広げて急上昇。光線を回避する。イスタルテに注意が向いている隙に、彩花もまたテレザを抱えてその場から離脱。 入れ替わるように、黒鎖の濁流がインベーダー達へ襲い掛かった。 「割と容赦なく全員まとめてぶちのめすわよ?」 「今回は割とマジで激おこだから、注意してよね!」 黒鎖を放ったのは、セレアと雛乃の2人だった。会場のほとんどが黒く埋め尽くされる。再度黒鎖の迎撃のたまインベーダー達は光線を放ったが、今度は上手くいかなかった。2人分の黒鎖を相殺できるほど、彼らの銃に威力はないのだ。 結果、数体のインベーダーが纏めて鎖に飲まれて消えた。 その隙に、富江が回復術を使用する。飛び散る燐光がテレザの身体を包み、受けたダメージや状態異常を癒す。 母艦から放たれた7色の怪光線に気付き、富江は両手を広げて怪光線の前に身を晒す。仲間を突き飛ばし、射線から外した。怪光線を浴びた富江は、その場に片膝を突いた。 しかしすぐに、立ち上がる。口元から血を流しながらも、富江は笑う。 「HAHAHA!!アタシャちょっとやそっとじゃ倒れやしないよ。アンタ達はしっかりと攻撃に集中しておくれっ」 黒鎖の濁流が消えた。治療を終えた仲間たちを送り出す。 再度前線に飛び出す彩花、イスタルテ、テレザを迎え撃つのは生き残っているインベーダー達である。銃口から、大きなその眼から、次々と怪光線を撃ち出す。 「やれやれ、人間を研究したのに命乞いの仕方も知らないんですか? 馬鹿ですか、馬鹿ですね? ああ、残念。相互理解は無理なようです、あの世で異文化交流を楽しみなさい」 すい、と諭の手が宙を泳ぐ。諭の指揮に従って、召喚された影人たちが一斉に弾丸を発射。床を砕き、柱を削り、光線を相殺する。 次々とあがる火柱と粉塵。衝撃と轟音が、地面を揺らす。 インベーダーも残り半数ほど。一気に片をつけてしまいたい。それを全力でサポートするのが、諭の役割だ。数で劣るリベリスタ勢。その弱点を補うのが、諭の召喚する影人だ。 「単純火力では劣るからな。出来る事をしよう」 トドメを刺すのは自分でなくてもいい。そう考え、クリスは後衛からの援護射撃を繰り返す。精密かつ迅速な射撃が、仲間に命中しそうな光線だけを射抜いた。 「っしゃ!!」 鋭く呼気を吐きだして、拳を振り上げた彩花が姿勢を低くインベーダーの陣中へと攻め込んだ。全身から放たれた気迫が、インベーダーの意識を自身に集める。 その隙に、頭上からイスタルテが放つ弾丸の雨に紛れ、テレザもインベーダーの眼前に到着した。風を斬る音。槍を薙ぐ。軌跡を描く暗闇のオーラがインベーダーを飲み込んだ。 その直後だ。 地響きと共に、母艦の出入り口が開いたのは……。 肉の腐ったような異臭。斑に染まった蛸にも似た無数の触手。ドロリ、と不気味な気配が身を包むようだった。ぞくり、と背筋に怖気が走る。 その体長は10メートルを超える。触手の長さを入れれば、20メートル以上になるだろうか。 無数の腫瘍で構成されたような胴体には、無数の眼球が付いている。キョロキョロと眼玉が動く。その視界に彩花とテレザ、そして空中のイスタルテが映った。エイリアンの命令によって母艦から呼び出された、怪獣ダゴンだ。 驚愕と気色の悪さに動きが止まっていた3人は、次の瞬間自分達の迂闊さを知る。 振り回された無数の触手が、3人の身体を打ちのめし、地面に叩き付けたのだ。 「アタシが回復の要だよっ! 皆が何も心配せずに攻撃に集中できるようにしないとねぇ!」 怒号にも似た大音声。富江が叫び、腕を振る。 インベーダーによる追撃が繰り出されるより早く、戦場に淡い燐光が飛び散った。 「よし、行こう」 「目指すはコクピット!」 インベーダーも、仲間達も、皆の視線がダゴンに向いていた。クリスと雛乃の2人はインベーダーの視線を避けるように会場を駆け抜け、母艦へと駆け込んだ。 幸い、2人の接近に気付いたインベーダーはいない。 素早く母艦に潜り込み、2人はコクピットを目指す。出入り口付近にあった電子パネルをクリスがジャックし、艦内の見取り図をゲット。同時にセキュリティを乗っ取る。 母艦内部には囚われた一般人が無数に存在している。だが、今はまだ解放しない方がいいだろう。外ではダゴンが暴れている。 まっすぐコクピットに飛び込み、操縦席に座った。母艦の中にはインベーダーはいないようだ。 「見たこともない機械だが…動かせないことはないだろう」 口元に楽しげな笑みを浮かべながら、クリスは母艦の操縦パネルに手を伸ばした。 ●怪獣ダゴン制圧作戦 前線で暴れるダゴンを、彩花、イスタルテ、テレザの3名が抑えにかかる。インベーダー達もダゴンの傍にはいたくないのだろう。仲間の遺体を乗り越えながら、後衛へと侵攻してくる。先ほどまでインベーダーの相手をしていた前衛はいない。 インベーダーが真っ先に狙ったのは富江であった。回復役から討ちとるべきと考えたのだろう。前衛の回復に意識を裂いているため、富江には光線を避ける術はない。 ダメージを受け、傷だらけの富江だが、自身のスキルにより状態異常を受けることはない。 「アタシが他の誰かより先に取られちゃ駄目だろう?」 目の前に迫ったインベーダーを冷凍マグロで殴りつけ、富江はにこりと笑ってみせた。 「無理に殺しはしないけど、生かしておく理由もないわよね」 放電。閃光と雷が疾駆する。インベーダーの放つ怪光線を避けながら、セレアは雷を撒き散らした。チェインライトニング。インベーダーの身体を雷電が射抜く。逃げようとするインベーダーを、諭の呼びだした影人が抑え込む。 「綺麗に吹き飛ばしやすくしておきましょう」 酷薄な笑みを浮かべ、諭は言う。 インベーダーが、諭に銃口を向ける。 それを見て諭は、手にした重火器の引き金を引いた。 轟音。衝撃。インベーダーに砲弾が直撃し、その身を吹き飛ばした。 インベーダーが殲滅されるまで、そう時間はかからないだろう……。 振り回される巨大な触手を、イスタルテの弾丸が撃ち抜いた。その隙に、ダゴンの懐に飛び込む彩花。振りあげた拳がその身に届くその前に、別の触手が彩花の身体を地面に叩きつける。 別の触手が、倒れた彩花へ振り下ろされるが間に割り込んだテレザがそれを代わりに受け止めた。ミシ、と骨の軋む音。 防戦一方だ。サイズが違いすぎる。富江とイスタルテの回復術のおかげで、戦闘不能にこそならないが、しかしこのままではジリ貧だ。 時間経過と共に、不利になるのは分かっている。 このままでは負ける。そう思った、その時だ。 『---------------------!!??』 声にならない悲鳴をあげて、ダゴンがその身を大きく痙攣させたのは。 「柄にも無くワクワクする。正直楽しくなってきたよ」 母艦の操縦はクリスが行う。ダゴンの攻撃に巻き込まれないよう、母艦を後退させる。 それと同時に、クリスの隣では雛乃が別のパネルを弄っていた。 「ハハハーフゥーハハハハー! 見よ、宇宙人がゴミのようだ! 殲滅殲滅ゥ~ッ!! ヤバイよヤバイよ、これめっちゃ楽しい! 侵略者プレイ楽しい!」 雛乃は喜々としてダゴンに向けて光線を放つ。 慣れない乗り物の、慣れない武装だが、幸い的が大きいのだ。光線を命中させるのは容易であった。インベーダー達の母艦についている照準機が高性能なのもある。 7色に光る光線が、何度も何度もダゴンの身体を撃ち抜いた。 「降伏するように伝えてみます?」 首を傾げるイスタルテ。既にインベーダーの生き残りは僅か数体。その数体も、劣勢のようだ。動きの止まったダゴンに向けて、弾丸を撃ち込む。無数に開いたダゴンの眼が、次々に潰されていく。 「無駄でしょう。それにほら、強大な敵と戦うのはゾクゾクいたしますので」 触手の間を駆け抜け、ダゴンに接近するテレザ。ダゴンの本体の、その真下へ飛び込んだ。本体への攻撃を防ぐためか、ダゴンの触手が一斉にテレザへと襲いかかった。 掲げたヘビースピアで、その全てを受け止める。支えきれず、骨が軋む、神経が切れる。皮膚が裂け、血が噴き出す。内臓にも負荷がかかったのか、口からは血が溢れた。 イスタルテの回復術が、受けたダメージを即座に癒す。 それでも、数秒。数秒時間を稼ぐだけで精一杯だ。 十分だ。数秒あれば、彩花がこの場に辿り着く。 「私の実力、とくと御覧なさい!!」 彩花の拳が鮮烈に輝く。雷を放ち、閃光で十字架が形成された。 駆ける勢いそのままに、彩花の拳がダゴンに突き刺さる。閃光が弾け、ダゴンの身体を従事に切り裂いた。 悲鳴をあげ、体液をばら撒き、ダゴンの巨体はよろよろと後退していった。 最後に一度、大きく触手を振りあげて。 ダゴンはそのまま、海へと落ちて、動かなくなる。 インベーダー及びダゴンの殲滅を確認し、クリスと雛乃は囚われていた一般人を母艦から解放した。 全員の避難が完了したのを確認し、クリスは母艦の自爆スイッチを押す。 「盛大に爆破。ロマンだな」 オートパイロット機能を使って、母艦は岸から離れていった。 母艦内部で何度も爆発が繰り返される。装甲が剥がれ、母艦は次第に海へと沈む。 母艦が沈んでしまうまで、クリスはじっと、その様を眺め続けていたのだった。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|