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ドキッ! 水着だらけのリベリスタ! 新春温泉バトル!~ポロリもあるよ~

●白のフィールド
 立ち込める白い空気が視界を奪う。
 神秘の瞳を持ってようやく見通せる空間内。仲間同士は互いの存在を頼るように密着し、敵の襲来に備えることになる。
 動きを奪うように足に水が絡みつく。敵はその水の中を自在に移動できるのだ。時に水中から、時に霧の中から。状況からして圧倒的不利な上に、相手の実力は革醒者を翻弄するほどの動きなのだ。
「やるわね……この水無瀬夕子をここまで追い詰めるなんて!」
 そんな戦場の中、一人の革醒者が闘っていた。トゲトゲ鉄球を振り回し、硬いプロテクターに身を包んだ革醒者。その一撃が当たれば、エリューションといえどもただではすまないだろう。
「くっ……当たりなさい!」
 しかしその一撃は当たらない。正確にはその動きを捕らえることはできるのだが、その度に霞のようになって消えてしまう。それはかつての霧の殺人者を想起させる――
 そしてその動きはソードミラージュのように素早く、霧の中から迫る一撃はナイトクリークのように鋭い。クロスイージスの如く堅牢な守りとレイザータクトのような指揮系統が状況を困難にしていた。
「……しまった!?」
 そしてその一撃は、如何なる守りをも砕くデュランダルのような一撃だった。防具をあっさり破壊し、ついでに服も破られて、夕子は下着姿を晒すことになる。
「ふぇええええええええ!」
 さらにその下着を引っ張られ、涙ながらに岩陰に隠れる夕子。幸か不幸か白い空気が彼女を隠し、さらにこの場は服がなくとも風邪をひくような場所ではない。
 温泉。
 そこに現れたエリューション。そしてそれを統括する一体のEフォース。
 その名を聞いて恐れ慄け。かつて魔人と呼ばれたその男の名は――
 
●アーク
「名前は霧崎チャック」
『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は集まったリベリスタたちに向けて淡々と説明を開始する。
「……出オチ感が酷いよなぁ」
「かつてネット界隈で温泉魔人と呼ばれた男。ノゾキをしようとしてデジカメ片手に壁を登り、滑って転んで死亡した記録が残っている。それ以降、女湯に現れ『温泉ならではのえっちいトラブル』を発生させるエリューションとなった」
 うわ、めんどくさい。
「温泉への執念なのか、正攻法で攻めると湯気となって攻撃を無効化する。さらに強い一撃がプロテクターを破壊し、こちらの防御力を削ぐ。攻撃防御共に何もできないようにされ、じわじわと追い込まれていく」
 ……はい? 所詮ネタシナリオだと舐めてかかっていたリベリスタたちは、イヴの説明に認識を改める。これは難敵だ。
「だから正攻法では攻めない。相手の弱点を突く。弱点は予知済み」
「さすが『万華鏡』……で、その弱点とは?」
「チャックは温泉を覗こうとして死亡し、その怨念からエリューションになった。つまりその怨念を晴らすように動けばいい。
 具体的には『女性(に見える人)が』『温泉に入る衣装で』『撮影』されればその怨念は消え去り、湯気化と防具破壊攻撃のないエリューションとなる」
「ちょっとまてえええええええ!」
 最後の『撮影』ってなんですか? ああ、ピンナップのことですね。よくわかりませんが納得するリベリスタであった。
「……つまり、水着で温泉に入って、出てきたエリューションを退治しろと」
「撮影のほうはこちらで用意するから気にしないで」
 要約するリベリスタにイヴが頷く。たぢまよしかづVCよろしくお願いします。
「だがこれはエリューシュン事件だ。無視するわけにはいくまい!」
「ああ、俺達も手伝いたいがそういう事情なら仕方ないな!」
「みんなの活躍は撮影を見てしっかり確認しなくちゃな!」
 男性リベリスタの元気一杯な悔恨のセリフ。女性陣は半眼でそんな男達を見つめ……隣のブリーフィングルームを指差した。男性用の温泉水着シナリオがあった。あっちいけ。
「相手のフィールドで戦うことになるから大変だけど、しっかり作戦を立てれば勝てない相手じゃないから」
 イヴの言うとおり、温泉という状況が面倒だ。だがその対策さえ立てれば、苦戦はしないだろう。
 新春早々面倒だよなぁ。そんなことを思いながらリベリスタたちはブリーフィングルームを出た。



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:どくどく  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 10人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2014年01月17日(金)22:12
 どくどくです。
 あけましておめでとうございます。今年もこんなかんじですがよろしくお願いします。


◆成功条件
 エリューション全ての打破。
 参加者の水着の無事などは成功条件に含みません。


◆敵情報
・霧崎チャック(×1)
 Eフォース・フェーズ2。かつては温泉を巡るブログを書いていましたが、いつしか覗き野郎になってしまいました。
『温泉の湯気乙女(スチーム・ルージュ)』と呼ばれるスキルにより湯気化して攻撃を無効化し、『チャック・ザ・マッパー』というスキルでプロテクターを破壊します。……ですがOPの条件を満たせば、このスキルは使えません。
 
 攻撃方法
 視線を感じる 神遠2域 誰かに見られている気がします。不吉、不幸、ダメージ0
 背中を水滴が 物遠2単 冷たい水滴が背筋にあたり、思わず悲鳴を上げます。怒り、ブレイク
 湯気で目が! 神遠単  湯気で視界を奪われてしまいます。混乱
 転倒イベント 物遠複  転ばせて、えちぃポーズを取らされます。虚弱、圧倒、鈍化
 温泉魔人の瞳   P    一目で3サイズを言い当てるほどの眼力を持ってます。このキャラのすべての攻撃に[弱点]がつきます。
 温泉魔人の声   P    味方全員は『温泉』内の不利な状況を全て無視できます。
 

・温泉猿(×3)
 チャックに従う猿型Eビーストです。フェーズは1。
 素早い動きでリベリスタを翻弄します。
 
 攻撃方法
 爪 物近単 素早い動きで引っ掻きます。速度により、プラス修正あり。連。
 掴 物近単 水着を掴んで引っ張り、動きを止めます。麻痺
 跳 自付  ジャンプして縦横無尽に駆け巡ります。速度UP。


・温泉スライム(×2)
 液体状のEエレメントです。若干粘性があります。フェーズは1。
 お湯の中からリベリスタに襲い掛かります。
 
 攻撃方法
 お湯鉄砲  神遠単 熱いお湯を浴びせます。火傷してしまいます。火炎
 圧し掛かる 神近単 圧し掛かって、体中を包み込み動きを封じます。呪縛
 保護色   P   水中に潜れば、その姿は捕捉できません。回避UP。


・温泉バニー(×1)
 温泉につかっているノーフェイスです。フェーズは1。
 白ウサミミ+白ビキニの格好をしています。名前は『エクレール伊藤』。

 攻撃方法
 温泉の効用説明  神遠味全付 看板を持って温泉の説明をします。リジェネ50&チャージ50
 セクシーポーズ  神遠単 わざとらしいポーズをとり、イラッとさせます。怒り、ダメージ0
 キャッツファイト 物近単 バニーだけどキャッツファイト。これ如何に? 水着を剥いで社会的フェイトを使わせようとします。必殺
 リアルな実況中継  P  状況を詳細に喋ります。宙に浮けば、全身余すことなく説明されて恥ずかしい目にあいます。戦場全ての[飛行]を解除。(Pスキルでも)


・水無瀬夕子
 リベリスタ。メタルフレームのツインテ鉄球娘。十八才女性。年齢相応のボディライン。防具を破壊され、猿に下着を奪われ、岩に隠れています。そんな出オチ。
 拙作『IRREGULAR PANIC 』『道を究めるために』等に出ています……が、読む必要はありません。OPでやられるだけのキャラです。
 知らない人に肌を晒すのは、色々トラウマがあるようです。戦闘には参加しません。近くの岩陰に隠れています。


◆場所情報
 温泉。お湯が行動を制限し、キャラクターの「身長」「体型」に応じたマイナス修正がつきます。また湯気が視界を奪い、命中にマイナス修正がつきます。
 戦闘開始時、チャック一人が後衛で6メートル離れて、温泉猿と温泉スライムと温泉バニーが前衛にいます。リベリスタと前衛の距離は10メートルとします。
 事前付与は一度だけ可能ですが、湯気で相手が目視しにくい為集中は不可。
 水着は装備している旨をプレイングに書いていただければ、実際に装備する必要はありません。その旨がなければ、防具をはがれて戦闘不能扱いにします。大丈夫、危ない所は湯気が上手く隠します。
 繰り返します。
 危ない所は湯気が上手く隠します。
 
 皆様のプレイングをお待ちしています。


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◆重要な備考
 この依頼はVC発案企画による新年特別依頼です。
 この依頼には『女性PC』しか参加出来ません。
 又、性別不明のPCはこの依頼に参加した場合、その性別が開示されます。
(性別不明のPCであっても、実性別の適合する場合しか参加出来ません)
 
 リプレイ納品後2月末日までに『たぢまよしかづ』VCにより参加PC全員描写のピンナップがつきます。
 基本的に水着のデザインはVCのお任せとなります。NG要素がある場合はプレイングに必ず明記してください。

※ピンナップへの描写はBUを所持していることが条件です。
※BU未所持のキャラクターも参加は可能ですがピンナップには描写されません。

 参加費用は450LPです。全員描写ピンナップの料金が含まれています。 
参加NPC
 


■メイン参加者 10人■
ハイジーニアスナイトクリーク
斬風 糾華(BNE000390)
ハイジーニアスクロスイージス
白石 明奈(BNE000717)
アウトサイドクロスイージス
春津見・小梢(BNE000805)
ビーストハーフホーリーメイガス
臼間井 美月(BNE001362)
ヴァンパイアナイトクリーク
マーガレット・カミラ・ウェルズ(BNE002553)
ノワールオルールホーリーメイガス
ティアリア・フォン・シュッツヒェン(BNE003064)
ジーニアススターサジタリー
アルメリア・アーミテージ(BNE003516)
ジーニアススターサジタリー
大石・よもぎ(BNE003730)
ハイジーニアスホーリーメイガス
キンバレイ・ハルゼー(BNE004455)
ビーストハーフインヤンマスター
明覚 すず(BNE004811)



「はーい、皆さん。温泉バトルの開始でぇす。実況中継は私、『エクレール伊藤』がお送りしまぁす!」
 ものすごく甘ったるい声でバニーガールが喋る。ずらりと並んだ十名の女性。それぞれにマイクを向けるバニーガール。
「一番、温泉に舞う優雅な黒蝶! 『告死の蝶』斬風 糾華(BNE000390)!」
「男って馬鹿しかいないのかしら」
 クールに言い放つ糾華である。その身を包むのはフリル付きのワンピース水着。背中を覆う大きなリボン飾りが、蝶を思わせる。貞操観念の高い彼女は、こんな依頼でなければ水着を着て戦うなどしない。
「二番、その笑顔は太陽の如く! 『箱舟あいどる水着部隊!』白石 明奈(BNE000717)!」
「この身体、全てが武器!」
 腰に手を当てて拳を突き上げる明奈。小麦色の肌を包む鮮やかな水色ビキニ。色気よりも健康的を思わせるのは彼女のキャラクターゆえか。マイクを差し向けるバニーガールに若干敵対心を抱いていた。仕事被ってるんだよ!
「三番、今年の箱舟年娘! 『まだ本気を出す時じゃない』春津見・小梢(BNE000805)!」
「温泉に相応しい格好で入って尚且つ撮影されていないといけないんだっけ。じゃあ脱ぐか」
 言って服を全部脱ごうとする小梢。ストップストップ。『温泉に相応しい衣装で』です。すっ裸はあうと。独断と偏見で水着コン2011年の青ビキニに着替えてきてもらいました。
「四番、今年の目標は脱・残念! 『From dreamland』臼間井 美月(BNE001362)!」
「えーと、つまりチャックさんは温泉番組を撮影したかったのかな? だとしたら、出来る範囲で協力するのも良いよね」
 美月の言葉に全員が手を振って否定する。向けられた生暖かい視線に、今年も美月は残念か、と早々に諦められていた。小さな体に似合う白いワンピース水着。これでも彼女は十八才(2014年1月時点)。
「五番、クール&スタイリッシュ! 『薔薇の吸血姫』マーガレット・カミラ・ウェルズ(BNE002553)!」
「変態はとっとと退治しよう」
 腕を組んでマーガレットが頷く。黒ビキニに包まれた女体は十分に成長した女性のもの。銀のアクセサリーと十字架を首から提げ、黒の手袋を手にはめる。青の瞳が鋭くエリューションを睨んだ。
「六番、綺麗な先生には棘がある! 『慈愛と背徳の女教師』ティアリア・フォン・シュッツヒェン(BNE003064)!」
「ふふ、悪い子にはお仕置きが必要よね」
 穏やかに微笑むが、その心の中では様々な『お仕置き』が渦巻いていた。露出の多い水着を着て、その豊満な体をアピールしていた。温泉を血で汚すのはさすがに、と思っているのかあまりこの場では戦いたくないように見える。
「七番、可愛い子好きというアナタが可愛い! 『可愛いは正義』アルメリア・アーミテージ(BNE003516)!」
「温泉ならではのえっちいトラブルなんてワタシが見たい、じゃなくて、そんなことを起こして迷惑をかけるなんて許せないわ!」
 本音駄々漏れのアルメリア。夏に着ていた青いワンピース水着をつけて、射手の集中を行う。その瞳に映るのは敵ではなくリベリスタの水着なのだが。可愛い女の子だらけで、アルメリア的にはご満足である。
「八番、小さいけれどしっかり者! 『駆け出しリベリスタ』大石・よもぎ(BNE003730)!」
「温泉で撮影されながらの戦闘だなんて、なんだが恥ずかしいなぁ」
 紹介されてもじもじと照れるよもぎ。『水着を着ている』とプレイングに書いているかどうかが微妙ライン。STの独断と偏見パート2で白のワンピース水着に。恥ずかしがりながらも、戦う気力は十分だ。
「九番、仏陀ァァァ、説明不要ゥゥゥ! 『究極健全ロリ』キンバレイ・ハルゼー(BNE004455)!」
「煩悩を捨て成仏せよ……」
 そこには大きさ2メートルほどの光り輝く仏陀像があった。いや、説明いるだろう。怪盗&発光スキルでキンバレイが変身しているのだ。出オチには出オチである。因みに着ている水着はVストリングとかそのあたりの、とっても露出高いヤツである。
「十番、目指せ猥褻運命黙示録! 『もうだめ駄狐いつ』明覚 すず(BNE004811)!」
「『温泉に入る衣装』ってバスタオル巻くだけなのは駄目なん? ……落そうやからペナルティ入る? それがええんやないか!」
 狐耳、豊満、黒ビキニ。お色気お姉様キツネ三点セットそろったすずではあるが、如何せん魅力よりも残念が前に出ていた。背中は蝶結び、パンツも両サイドが紐の蝶結びになってるやつである。えろくない水着はNGや、とのことです。
「それでは張り切って行きましょう! レディファイッ!」
 かーん!


 ゴングが鳴ればみな距離をとり、それぞれの場所に位置どる。
 糾華、明奈、小梢、マーガレットが前に立ち、迫り繰る猿とスライムとバニーガールを待ち構える。大して敵の前衛の数は六体。二体は後ろに抜けていく形になる。猿とスライムが一体ずつ、後衛のほうに抜けていった。
「いやーん、べとべとするー」
 後ろから聞こえてくる声を受けながら、明奈はバニーガールを指差した。
「温泉の効能説明とか中継とか! ポーズとか!」
 自らに再生の付与をかけながら明奈はバニーガールに殴りかかる。バニーガールもきゃあきゃあ言いながら組み付いた。わざとらしく水着を取ろうとしたり、自分の水着を緩めたりと、あざとい。だが明奈の怒りはそこではなかった。
「そういうのはアイドルの仕事なんだよ!」
 明奈さん。貴方のアイドル像はかなり歪んでます。
「まー、効果ありませんよね」
 仏陀の姿から戻ったキンバレイは小学生姿ではなく、20歳の女性へと姿を変える。腰まであるストレートの銀髪に目鼻立ちの整った美人になってて、胸や尻は圧倒的なボリュームだ。
「きんばれい20歳Verお披露目なのです!」
 きらっ、ポーズをつける二十歳キンバレイ。
「私の防具、カレールーだけどね。お湯に落としたら溶けちゃうかな?」
 まぁビニールあるし大丈夫か、と小梢が猿をブロックする。自らに謎のインド人を降臨させ、猿の攻撃に耐える。あ、聖骸闘衣です。なので水着引っ張っても動揺(麻痺)しないクールな小梢さんでした。
「二年早いんだよ!」
 今年の干支代表として、猿にはきつい一撃を。
「女の敵は切り刻まれても文句はないよね?」
 笑顔と共にマーガレットが温泉スライムに向かう。ワイヤーを展開し、スライムを切り刻んでいくマーガレット。回復と防御は仲間にまかせ、全力で攻める。相手は女の敵だ。手加減をする余裕は――
「ぬるぬる……気持ち悪い。ボクこういうの苦手……」
 スライムに圧し掛かられ、必死にはがそうとするマーガレット。粘性ある感覚が肌に纏わり付き、抵抗の力を奪っていく。言っとくけど呪縛のWP-10効果だからね。
「嫌らしいというかやらしいというか……」
 呆れと怒りを通り越し、無表情になった糾華が『彼岸ノ妖翅』を手にする。アゲハ蝶の形をしたナイフを手に糾華が舞うように回転する。アゲハ蝶はイノチを奪う為戦場を飛び、エリューションに突き刺さる。
「このスケベ共……必ず地獄に叩き落としてくれるわ」
 揚羽の飛翔は糾華の舞が止まるまで終わらない。それは死を運ぶ黒蝶の如く。
「おー、やるやる。うちも負けてられんなぁ」
 すずは符を構えて印を切る。世界の法則に干渉し、目の前の敵を討つべく結界を展開する。蜘蛛の巣に似た幾何学的な不可視の力の流れが大地……お湯の中を走る。エリューションを捕らえる捕縛結界。
「戦闘は真面目にがんばるで! 女の子のあられもない姿が見たいからな!」
 すずの言葉にチャックが腕を組んでうむり、と頷いた。だめだこいつら。
「す、スライムは私が相手しますっ」
 後衛に抜けた二体のうち、スライムをブロックしたのはよもぎだ。総合的な防御力はともかく、妨害には色々耐性がある。姉ほどではないが耐えることはできるだろう。皆を守るために敵を抑える。
「んっ……ぬるぬる……」
 まぁ、呪縛効かなくてもダメージは入るのですが。スライムのあたえる感覚に耐えながらよもぎは弓を放つ。
「うわー……はっ! このまま見て見たいけどさせないわ!」
 よもぎが温泉スライムに圧し掛かられてる様を見ていたアルメリアが、我に返って弓を構える。よもぎだけではなく見回せばパラダイスなのだが、それに見入っている時間はない。射手の瞳で捕らえられたものに、逃れる術はない。
「可愛い子は皆私のものよ!」
 気合と共に放たれた矢がスライムの体に突き刺さる。
「お湯が重いなあ……」
 背の低い美月は、お湯の抵抗で足をとられそうになる。だが、こちらに攻撃がやってこない限りは大丈夫かと気を取り直す。フラグフラグ。肺一杯に空気を取り入れ、神秘を声に乗せて癒しの歌を奏でる。
「僕の仕事は治療だ!」
 癒しの歌が、リベリスタの傷を癒していく。
「別にハプニングが悪いというつもりはこれっぽっちもないけれど」
 ティアリアも癒しの調べを奏でて味方を癒す。そのままチャックが繰り出す技を見て、呟いていた。相手を転ばせたり、変な声を上げさせたり。サディスティックなティアリアはその様子に小さく微笑み、
「意図的にハプニングを起こされたら、それはハプニングではなくただのイタズラよ?」
 いけないコね、と静かに殺意を膨らませる。
「はい、すみません先生!」
 チャックが若干興奮した口調で答える。命令されたい系Mだった。
 リベリスタは行動不能系BSを持つものを順番に倒していこうとする。猿と、スライム。その後にバニーガールとチャックだ。
 しかしチャックを後回しにするということは、温泉ハプニングが待っているということだった。


 すずの水着は黒ビキニ。背中と腰二つの三箇所を、紐で結んでで止めてあるものである。そして手は二つしかない。つまり……。
「きゃー、きゃー!」
 紐が全て外れても、完全に押さえることはできない。二本の腕で水着を押さえて、大事な部分を隠していた。スタイルのいいボディラインが露になり、見る者の目を奪う。湯気発動。
「あー、ウチが持ってきた石鹸が滑って臼間井さんのほうにー」
 すずが持っていた石鹸が美月の足元まですべり、それを踏んだ美月が足を滑らせる。
「ぢゅー!? ななな何て格好させるのさ!? 置きあが……ぢゃっ!?」
 すっころんで恥ずかしいポーズをさせられた美月が、慌てて起き上がろうとして深みにはまる。なぜか後衛なのに水着はボロボロになり、いろいろな部分が露になっていた。湯気発動。
「前衛で戦ってないのに何で僕の水着『こんな有様』に!? 白石部員助けて!」
「獅子が千尋の谷に落とすように今回は部長を過保護に守るのは無し! 頑張れ部長! 負けるな部長!」
 酷い部員もいたものだ。実際明奈にそんな余裕はなかった。バニーガールと温泉の中で水着の取り合い(キャッツファイト)をしていたのだ。お互いの水着はずれて、隠せるところも隠せなくなっている。
「燃えろアイドル! ドラマティカ・熱湯CMバージョンッ!」
 反動すごいんですけどね、このEX。その効果もあってお互いの水着に大ダメージ。湯気発動である。
「これは……上から89、56、86!
 無気力眼鏡というダウナー系なのにこのスタイル! このギャップこそがエクセレント! 動くたびに揺れるダブルポニーテールがグッド!」
 チャックが小梢を見ながら興奮したように叫んでいた。
「あ、水着ずれてる。……まぁいいや」
「その本気出さないところも恥じらいないところもキュート!」
 そしてティアリアの方に目を向ける。
「先生は88、59、87!
 優しげでかわいらしい顔と可憐な笑顔。だがその体は大人のボディ! 雪のような白い肌! やわらかく包んでくれるお胸様!」
「あらあら。女の秘密を口にする子はお仕置きが必要ね」
「その包容力! 優しく叱ってください!」
 まぁ、実際はキッツくやられるわけだが。
「ボクは貴様の用は変態には負けな……ひゃぁぁぁぅぅ!?」
 マーガレットが背筋に落ちた水滴にビクン、と体を跳ね上げる。その勢いで水着に覆われた胸が大きく揺れた。
「よくもやったな……うわあああ!」
 我に返ったところで転倒。胸が大きく揺れ、足を大きく広げた格好で転がることになった。我に返り真っ赤な顔になるマーガレット。そんな格好が撮影されたかと思うと、恥ずかしくて涙がにじみ出る。
「水着引っ張らないで、引っ張らないで……!」
 猿に水着を引っ張られながらよもぎが叫ぶ。麻痺無効持ってるから行動不能にはならないけど、やっぱり恥ずかしい。しかし大丈夫。こうなることを予測してよもぎは対策を講じていたのだ。
「ひゃああん!」
 水着が剥ぎ取られ、ぷるん、と揺れる双丘。その先端には――肌に直接張れるシールが張られていた。これなら大丈夫。大丈夫? 一応湯気発動。
「ス、スライムはぬるぬるで気持ち悪そうだからこっちこないで……!」
 アルメリアが迫る温泉スライムに嫌悪感を示す。圧し掛かられ、水着の上から色々押さえつけられる。肌から伝わるスライムのぬるぬるした感触。
「あー、相手は子供なんだから優しくな」
 温泉スライムに向かってチャックが哀れみを篭めた声で言う。
「十八才よ、失礼ね!」
「だってその胸――」
「言うな!」
 アルメリア自身が気にしていることに触れられ、怒りを燃やす。
「その目は『覚悟』が出来ている者の目。理不尽な一撃を受ける意志を持つ者の目」
 糾華がバニーガールを前にして厳かに口を開く。その瞳は闘気を帯び、動くたびに揺れるふくよかな胸を見ていた。
「え? あのぉ?」
「理不尽な一撃を受ける意志を持つ者の目。いい、遺志ね。故に、全力で討つ!」
「CT値56のロイヤルストレートフラッシュとか本気で理不尽なんですけどぉ!?」
 バニーは胸に理不尽な一撃を受けた。バニーは死んだ!
「きんばれいさんは清楚と羞恥心の塊なのですよ? えろようじょとか言ったら駄目なのですよー?」
 キンバレイが銀髪をふわりと舞わせて、回復を行う。整った顔、形のいいボディ。露出の多い水着。確かにようじょとはいえない。えろいけど。
 背筋を伸ばし、神秘の歌を奏でる。ボリュームのある胸が縦に揺れ、張りのある肌に温泉の露が流れる。そんなキンバレイを嘗め回すように視線が突き刺さった。
「いや、見ないでください。助けて、お父様……」
 清楚と羞恥心の塊(自称)であるキンバレイは、その羞恥のあまりに胸を押さえて、一番信用できる男性の名を口走る。そのまましゃがみこんで泣き出してしまった。あ、不吉&不運によるファンブルの描写ですよ。
「これできんばれいは健全二十歳乙女ですね」
 ……多分。


「ふははは。次のえちぃトラブル(攻撃)は――」
「チャックさん。尺が押してるんでさくっと死んでください」
「ぎゃー!」
 回復厚いですしね。誰もフェイト損失なしで勝ちました。


「女の子の肌はね、相応のランクに応じたプライズって物があるのよ。おいそれと安売りして良い物じゃないのよ、この唐変木!」
 糾華が消え行くチャックに向かって言い放つ。不埒な男が元になったエリューションは、そのまま消え去っていく。
「これが最後のヒモ男とは思えません。第二第三の……」
 キンバレイが新たな戦いの予感に握った拳を震わせている。出るかもしれないね。ジャック・ザ・ホッパーとか。ボツにしたけど。
「ううう……。全部撮影されたのか……」
 マーガレットが戦闘中の行為を思い出して顔を赤らめ、自己嫌悪に浸る。いいよう辱められた自分が恥ずかしい。
「倒したら少しくらい普通に温泉を楽しむくらいは許されるわよね?」
「汗だけでも流したいです」
 アルメリアとよもぎが一緒に温泉に入らないかと皆を誘う。汗だくだったり温泉スライムの感触が残ってたりとあって、体を洗いたい。
「そうねぇ。ここを綺麗にしてからにしましょう」
 ティアリアが戦闘でいろいろ汚れた温泉を見ながらその提案に応える。確かに、戦闘の後で色々な物が散らばっている。それを皆で片付けて、入浴する。
「ああ。ええお湯や~」
 すずが温泉の中で伸びをする。その所作がなんというか、年よりくさ……古き日本人の動作を感じさせる。
「チャックよ……お前の志、ワタシが受け継ぐ。具体的には温泉巡りアイドル番組の企画を! これだ!」
「チャックさんの志は白石部員に受け継がれていく……良い話だなあ」
 拳握って力説する明奈を美月が本気で感心していた。あー、うん。いい話いい話。
「とりあえずタオル。あとカレー食べる?」
 小梢が岩陰に隠れていた水無瀬にタオルをかけてやった。カレーは拒否されたので、小梢がもぐもぐ食べた。温泉の中で。
「夕子ちゃん、今回こそ連絡先くらいは交換しとこうぜ。アークのフォーチュナの力があれば酷い目に遭わないかもよ?」
 何度か出会っている明奈が水無瀬に声をかける。水無瀬は涙目で応じた。
「うう、そうよね。噂の『万華鏡』なら酷い目にあわないわよね」
「かもよ?」
「なんで疑問系!?」
 どくどくSTのNPCだからなぁ。

 戦い終わった乙女達は、ゆっくりとお湯に浸かり疲れを癒す。
 ひとたびの脅威は去った。お湯が疲れを癒していく。
 だが忘れてはならない。これが一時的な休息であることを。

 また新たなVC発案企画があった時、酷い依頼が生まれるかもしれないことを!


■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 どくどくです。
 十人通常依頼のため、文字数キチキチです。いやー、削った削った。

 水着あり、ハプニングあり、継承者ありの依頼でした。2014年の最初がこれかと思うと、胸が熱くなります。ひっどぃ。
 あとはたぢまよしかづVCに。よろしくお願いします。この丸投げ感がたまらない。

 なおイラストセキュリティ上、変身スキルは通常ピンナップに適用されません。元の姿での描写になります。その辺りは予めご了承をお願いします。


 それではまた、三高平市で。