● 戦の用意は不十分 大草原の両端に、押し合いへし合いしながら蠢く影が無数にあった。その数裕に100を超えるだろうか? それら全て、刀や槍で武装した兵士である。その出で立ちは、歴史の資料などで見かける戦国時代のそれであった。 数百メートルの距離を隔て、東西に群は分かれている。東の兵士は白、西の兵士は黒である。その最奥、横断幕の張られたスペースは本陣であろう。参謀役と群の大将が詰めている。 合戦開始まで幾許も時間がないのだろうか。殺気を含んだ緊張感が満ち満ちていた。それぞれの陣地の端では【兵士募集】と書かれた旗を振る兵士の姿が確認できる。 なにかの催し物だろうか、と当然の疑問を抱く野次馬達が、それを遠巻きに眺めていた。当然だ。映画かなにかの撮影だと思っているのだ。 しかし、それは違う。一般人には分かり得ぬことだが、兵士達は人ではない。E・フォースと呼ばれる、神秘の存在である。 自陣最奥に構え、姿の見えぬ大将もおそらくE・フォース。兵を指揮しているのは大将であろうことが容易に想像できる。 現代に蘇った兵士達は、合戦の為だけに生まれた存在だ。 おそらく、近年の時代劇やドラマなどの影響で発生したものだろう。 兵士募集の昇りが揺れる。 合戦を終わらせる為には、どちらかの大将が討たれる以外に道はない……。 ● 助太刀致します候 「これ以上注目を集める前に、なんとか合戦を止めてしまいたい」 幸い今の所、目撃者は10名足らず。このくらいの人数なら、集団幻覚で誤摩化すことも可能だろう。『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)はため息混じりにそう告げた。 野次馬が野次馬で居る間はまだいい。しかし万が一、合戦に紛れ込んでしまった場合、その命に保障は持てない。 「白の軍、黒の軍、両陣営100名程度の小規模な合戦。小競り合い、という言葉がピッタリね。それでもこの規模の殺し合いなんて、現代、特にこの国ではそうそうないのだけど」 起きてしまったものは仕方ない。事態の収束のために、リベリスタが出動するのも常なることだ。 「貴方達の選択肢はいくつかある。どちらかの陣営に混ざり合戦に参加するのも、第三勢力として動くのも、任せるわ。最終的にどちらかの大将を討ち取ることができれば今回の騒動は幕を卸す」 兵士募集の誘いに乗って、どちらかの陣営に参加する場合は陣形の先頭付近に配置されることになる。つまり、敵軍の攻撃が最も集中する位置だ。 「各軍の大将は、兵士の能力をUPさせるスキルを使うわ。時間が経過すればするほど、能力の上昇率は大きくなる。気をつけて」 兵士達1体1体の戦力はあまり強くない。だからといって、数が数だけに無視できるものでもない。数の暴力、という言葉もあるように数が多いというのはつまり、それだけの力があるということ。 しかし同時に、一騎当千、という言葉もある。 「数の暴力相手にどう戦うか……」 イヴの告げたその一言が、薄暗い作戦室に響く。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:病み月 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年01月09日(木)22:36 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 6人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●合戦開始 ホラ貝の音が響き渡る。草原の東西に別れて陣取る白と黒の武士集団。映画かドラマの撮影だろうか、と通りかかった者たちが足を止める。 しかしこれは、映画の撮影ではない。100を超える軍勢達は、Eフォースと呼ばれる神秘の存在。本来なら秘匿すべきものだ。 幸い都心から離れた草原だ。見物客の数は少ない。 しかし彼らが、これから始まる合戦に巻き込まれないという保証はない。そして巻き込まれてしまえば最後、その命を儚く散らす結果となるだろう。 「申しわけないのですけど、映画撮影の為封鎖するので、離れて貰えますか?」 「映画内容漏れ防止のためです。御容赦ください」 見物人に近寄る『魔術師』風見 七花(BNE003013)と『蒼碧』汐崎・沙希(BNE001579)。不満そうな見物人達ではあったが、それでも渋々とその場を離れていく。立ち去っていくのを見届けながら、沙希はそっと背後を振りかえった。 合戦開始まで幾許も時間はないだろう。 恐らく今頃、仲間達が白の軍勢に加勢する段取りをとっている頃だ。 ●白と黒 「影人のスペックは半時しか存在できない。それと脆いから」 白の軍勢、左翼最前列。四条・理央(BNE000319)が白の兵士に向けて影人の説明をしている。既に七花と沙希を除く4名は白の軍勢に参加済みである。見物客の対応に向かった2人もいずれ隊に加わるだろう。 「しかし微妙な人数よね、これ。規模で言えば関ヶ原の戦いの800分の1くらい?」 魔導書片手に『魔性の腐女子』セレア・アレイン(BNE003170)は言う。見物客が遠ざかったのを見て、強結界を展開。戦場に一般人が紛れこまないよう、最善を尽くす。 無駄な被害が出るのは、本意ではないのだ。 「蘇ってまで殺し合うなんてね。人の世から争いは消せないってことかな」 「さてと…白の大将さんの戦術とやら、勉強させて貰いますかね」 戦の始まりが近いのか、周囲の兵たちの間に緊張が走る。空気がピリピリと張り詰め、最善の兵たちは武器を構える。『タクティカルアドバイザー』ジェイク・オールドマン(BNE004393)と『鏡の中の魂』ユーグ・マクシム・グザヴィエ(BNE004796)は互いに視線を交差させ、意思の疎通を確認。そして戦は始まる。 ホラ貝を咥えた兵士が、大きく息を吸い込むのが見えた。 『突撃ィィィィィィ!』 空気を震わせる大音声。黒の軍勢最奥から響く。恐らく黒の大将の声だろう。広い戦場全体に木霊するその声に感化され、黒の軍勢が吠えた。 両陣営からホラ貝の音が響き渡る。合戦の合図だ。 『右翼! 左翼! 展開!』 白の大将からの命令。数名の指揮者や軍団長を通じてその指示はリベリスタ達へと伝達された。怒声、足音、鎧や武器の音。言葉での意思疎通が難しくなる。 『大丈夫……。私が伝えます』 仲間たちの脳裏に、沙希の声が響き渡った。 真っすぐに突撃してくる黒の軍勢。死をも恐れぬ、勇敢な兵士たちが、更に大将の能力で攻撃力を強化されている。上から見れば三角形の陣形だ。まっすぐ一点集中で敵陣を貫く構えである。それを受ける白の軍勢は、左右に大きく伸びた受けの陣形。 黒の軍勢を囲むように、左右の兵士のみが前進する。 「時間との勝負だし、ボクは影人を揃えるよ」 進撃する左翼の兵士から僅かに離れ、理央は影人の召喚に専念する。召喚した影人を陣形善戦に送り込み、その前を駆け抜けていく黒の兵士を攻撃させる。影人はどれも、投槍を装備しているため、ある程度遠距離からの攻撃が可能だ。 もっともそれは黒の軍とて同じ事。後続部隊の中には、徒弓兵が存在している。遠距離から放たれる矢を雨が、白の軍勢の進撃を阻む。 『………。突破される方が速そう』 戦況は不利だ。素早くそれを見て取った沙希は、ハイテレパスで周囲の兵や仲間にそれを伝達する。伝令は即座に大将の元へと届いた。 本来ならば、左翼と右翼が敵軍背後で合流し、敵の先陣部隊を後続と断裂させる策を取る予定だった。それが不可能だと判断するや否や、白の大将は次の策を指示する。 『左翼、右翼。敵軍を左右から攻撃。中央部隊は守りを固め持ちこたえよ』 指示を受けたその瞬間、七花が魔方陣を展開した。味方を巻き込む前に、黒の軍勢にダメージを与える為である。展開された魔方陣から炎が噴き出す。地面を走る業火が、黒の軍勢を焼く。 「広範囲の攻撃は魔術師の得意分野です!」 突如噴き出した炎に炙られ、黒の隊の動きが鈍った。その隙に、白の軍勢が黒の兵士たちへと接近。近距離での合戦が始まる。 激しく打ち合う鋼の音。騒乱に巻き込まれ、リベリスタ達の隊列が乱れる。 「っぐ……」 先ほどの攻撃を見られていたのだろう。黒の軍勢の中には、七花を集中的に攻撃してくる者も居た。後退しようにも混戦の中では上手く後ろに下がれない。スキルを使うために集中を重ねる余裕もない。 「見敵必殺!! 火力でごり押しします的な!」 魔導書片手にセレアが叫ぶ。七花の背後から放たれる電撃が、周囲に居た黒の兵士を纏めて薙ぎ払った。十数体は纏めてダメージを与えられただろうか。全身に火傷を負いながらも、黒の兵士は戦うことを止めようとはしない。 苦し紛れに突き出された槍が、セレアの肩を貫いた。 大きくよろけるセレアと、その後ろで荒い呼吸を繰り返す七花に向かって、黒の兵士が駆け寄っていく。攻撃的な戦に慣れている黒の兵士たちは、攻勢に打って出るチャンスを逃さない。 「犠牲者は出させないよ」 迫る兵士の1体を、杖で殴りつけユーグは言う。杖の先から舞い散った淡い燐光が、セレアと七花の傷を癒す。 傷を癒し、戦線を保つ。それがユーグの役割だ。攻撃は得意ではないが、それでも刀や槍を受けることくらいは出来る。 いざとなれば、その身を張って仲間を庇う事も出来るだろう。 「黒の隊、減ってきたぜ。今なら押し返せる」 『了解。伝えるわ』 戦況の好転を見て取ったジェイクの判断を、沙希は即座に大将へ伝令。 事前に、ハイテレパスの存在は伝えてある。このまま一気呵成に黒の隊を押し返すかと思われたが、大将からの返事は、しかし以外なものだった。 『中央部隊。引け』 指示を受け、中央の部隊が後退していく。それを追って、黒の隊が攻め込む。 その際、左翼、右翼の部隊に圧迫された黒の部隊は不必要に長く細く伸びる結果となった。 肉を切らせて骨を断つ、とでも言うべきか。自陣深くまで敵を入れる代わりに、敵の勢いを削いでみせた。冷静な判断力と決断力、経験に裏打ちされた自身の現れ。策に嵌ったと気付いた黒の隊が後退を始めるが、間に合わない。 左翼、右翼の兵士たちが一斉に黒の兵士を攻撃し始めた。その中には、影人の姿もある。 「前線補強は影人に任せて、皆は攻勢に出てくれ」 理央が影人を召喚、指揮して白の隊を補強する。やられても、すぐにまた召喚できる影人は兵力の増強にはもってこいだ。 影人の投げた槍が、黒の兵士を射抜いた。 前線に飛び出して来た黒の兵の大半は倒されただろうか。 その時だ。 『突撃! 1人1殺! 刺し違えてでも仲間を救え!』 怒号が響く。呼応するように黒の兵士が吠える。地響きと共に、黒い塊が突進してきた。 突進の勢いそのままに、ひと固まりになった黒の軍勢は強引に白の隊を突破。前線部隊を囲みつつあった白の左翼、右翼を無理矢理追い払い、蹴散らす。 白の隊が洗練された動きを見せるのに対し、黒の隊のそれはまるで獣、イノシシの突進だ。 それゆえに、厄介。 勢いの付いた獣は、そうやすやすとは止まらない。 怒号と共に、白の隊が次々と消されていく。個々の戦力を見た際、強いのは黒の兵士である。1対1の戦いならば、黒の兵士に軍配が上がるだろう。 その差を埋めるための戦略。 加えて今は、リベリスタ達の加勢もある。 『左翼、右翼の最前は分隊! 黒の本陣は手薄だ。奇襲をかけよ!』 その時だ。白の大将から、新たな指示が下った。 「四条の姉さん、そいつら俺の指示でも動かせないか?」 理央の元へ駆け寄って来たのはジェイクであった。その後ろを、十数名からなる黒の兵士が追ってくる。アッパーユアハートで敵の注目を此方へ集めたのだろう。 ジェイクは、繰り出された槍を受け流し、その腕にナイフを突き立てる。槍を取り落とした黒の兵士は、すぐさま影人の槍に貫かれ倒れた。 理央を庇いながら、その上で敵の注意を自分に引きつける。戦闘補助に徹した動きをするジェイクの影で、沙希が白の大将へと念話を試みる。 『貴方様のご命令を、軍の隅々までお届けする役目をお命じ下さい。さすれば貴方様の軍勢は正に貴方様の手足の如く動きましょう』 ハイテレパスを使用した戦術指揮。戦況を大将へ、戦略を戦場へと伝達する。 理央、ジェイク、沙希が黒の軍勢を迎え討っているその隙に、残った仲間達は幾許かの兵士と共に、黒の本陣へと切り込んで行った。 十名足らずの特攻作戦。白の兵士と、3人のリベリスタ達。手薄になった黒の本陣へと切り込む。黒の隊の特攻と、白の奇襲。どちらが先に敵の大将の元へ辿り着くか。これはそういう戦いだ。 「ここで決着を……。大将を倒せば事態の収拾です」 七花が魔力銃を構える。銃口に展開される何重もの魔方陣が、雷を放つ。ざわついた黒の兵士たちへ向け、七花は雷を撃った。 縦横無尽に戦場を駆ける白い稲妻が、敵の陣形を乱す。 ある者は雷に打たれ、その場に崩れ落ち、またある者は轟音と閃光に視界を潰され動きを止める。 開いた空間を、数名の白の兵士とリベリスタが駆け抜けていった。 目指すは敵陣の最奥。狙うは、黒の大将の首である。 ●頂上決戦 白の陣、前線。 白の大将から受けた指示を、沙希が仲間達に伝達する。その指示を元に、理央とジェイクが影人を指揮し、壁を作る。 黒の兵の突撃を阻む壁だ。 時間を稼げば、奇襲部隊が黒の大将を討ちとってくれる。そう信じての作戦……否、策と呼べるほどのものではない。打てる手は全て打った。元より、戦闘能力では黒の軍に劣っているのだ。 『持ちこたえよ!』 白の大将の怒号が響く。 その時だ。 遥か遠く、黒の軍の最奥から、凄まじいまでの闘気を感じたのは。 黒の兵が、七花へ群がる。彼女のもつ回復術と広域攻撃を警戒しての行動だ。 混戦状態の中、七花は他の仲間とはぐれてしまった。 それならば、と彼女は思う。 「前へ……。一騎当千とはいきませんね」 ポツリと漏らした呟きと、渇いた銃声が鳴り響いた。 『一番槍ィィィ!!』 セレアとユーグに先行して、白の兵士が黒の大将の元に到達する。槍を構え、座したまま動かない黒の大将目がけて突進していった。 黒の大将が顔を上げる。兜の奥、鋭い眼光が兵を射抜く。一瞬で、大将の纏う雰囲気が変化した。溢れる闘気は、歴戦の強者が放つそれである。闘気に気押された兵の足が止まる。 瞬間、その首が飛んだ。 音もなく、そして目にも止まらぬ槍の一閃。 『足らず』 ただ一言、そう呟いて黒の大将は立ち上がった。その手に握られた長い槍が、日の光を浴びて怪しく光る。槍全体が不気味に黒く光って見えるのは、大将の放つ闘気によるものか。 黒の大将の闘気が鋭く、張り詰める。 次の瞬間……。 「えっ……!?」 地響きと共に突き出された、炎を纏った槍がユーグの脇腹を貫いた。 「あ、っぶな」 セレアは咄嗟にユーグの肩を掴み、引きずるように後退させた。血の滴を散らしながら、ユーグは脇腹を押さえ、呻く。皮膚の焼けた臭いが周囲に漂う。 「回復は自分が賄うから……」 飛び散る燐光が、ユーグの傷を癒し、セレアの体力を回復させる。 「相手選んでても仕方ないし」 す、と指先を黒の大将へと向けるセレア。黒の大将からエネルギーを奪い取っていく。自身の身に起きた異変を察知し、黒の大将の表情に困惑の色が混じる。 その隙を見逃さず白の兵士が、大将へと飛びかかった。 左右から繰り出される斬撃を、大将は手甲と槍で受け止めて見せた。 『非力成り』 強引に、力任せに兵を投げ飛ばし大将は頭上に槍を振りあげた。槍を大きく旋回させる。放たれた火炎が、地面に生えた草を焼く。 炎に包まれ、大将は笑う。闘争が楽しくて仕方が無い、というような豪快な笑い声。 『良い合戦である。しかし、そろそろケリを付けねばなるまいか』 ピタリ、と槍が止まる。炎に包まれ、真っ赤に染まった槍を構える。溢れる闘気が、槍を包む。ドン、と1歩足を踏み出す。地面が揺れた。闘気が揺らぐ。 『怪しい術を使うのはお前か? 女子供は手にかけたくないが、ここは戦場。御免!』 セレア目がけて、燃える槍が放たれた。 回避するべきか、それとも防御するべきか。 一瞬の迷いが、命取りだ。槍はまっすぐ、セレアの胸へと迫る。 しかし槍は、セレアには届かない。間に割り込んだユーグが、その身を張って槍を受け止めたからだ。両手で柄を掴む。槍はユーグの肩を貫通している。 「俺は縦に伸びただけの木偶の坊だけどね。そう簡単に倒れるつもりは無いよ」 口の端から血を流すユーグ。槍を引き抜こうと、大将はその手に力を込めるが、しかし槍は動かない。 その時、ユーグの背後で魔方陣が展開された。 魔導書片手に集中を重ねるのはセレアである。集まった魔力は、雷へと変換される。 『ぬ……うぅ!』 異様な気配を感じとり、大将は呻く。逃げるべきだ、と本能が告げる。 だが、彼の意地が、プライドがそれを許さない。 引かず、ただ攻め続ける。それが彼のやり方だ。 『おぉぉぉ!!』 怒号と共に、大将は更に1歩、大きく前へと踏み込んだ。ユーグの身体が僅かに浮く。ユーグごと、セレアを貫くつもりなのだ。 「く、黒の陣営を親玉ごとぶちのめす……っ!」 冷や汗を流しながら、セレアは雷を解き放った。 バチバチと、空気の爆ぜる音がする。白い閃光が視界を焼いた。空気が、地面が震えている。雷が走る。地面を焼いて、兵を焼いて、そして黒の大将の身体を貫いた。 『御見事……』 そう呟いて、黒の大将はその場に倒れた。それと同時に、黒の兵士も消え失せる。 セレアの頬から一筋の血が流れている。大将の槍は、彼女に届いていたのだ。 僅かに、セレアの攻撃が早かった。身体を張って槍を受け止めたユーグの存在も大きい。 なにはともあれ……。 白と黒の合戦、ここに集結である。 勝ち鬨を上げながら、白の兵士たちも消えていく。 草原の真ん中、最後に残ったのはリベリスタたちだけだ。 後には、何も残らない。 まるで、全て夢だったように。 兵どもは、消えていったのだった……。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|