●偶然、ではなく 湖の近くの駐車場や道路脇には、何台もの車が無造作にという感じで停まっていた。 しばらくしてバラバラに何台かが動き出し、他の車にも何人かが乗り込み、別々の方角に向かって走り出す。 少しの休憩を取っていたり、何か雑用があって止められていた車が……その場にいた者たちが、去っていく。 ただ、それだけの風景である。 何も奇怪しいことなど無かった。 少なくとも、表面上は。 ●追跡任務 「ある湖にE・ゴーレムの部隊が現れるんですが、その集団に関わりのあると思われる人物達を確認しました」 その追跡を皆さんにお願いしたいんです。 マルガレーテ・マクスウェル(nBNE000216)はそう言ってから、スクリーンに地図を表示させた。 湖とその付近の道路や駐車場が画面に現れ、続いて人物と車両が表示される。 人物は2人、車両は……中型くらいのトラックだろうか? 密閉型の金属製の荷台が付いているようだ。 「どちらも詳細は分かりませんが、人物の方は両名ともフィクサード。車の方には幻視に似た力が施されているようです」 少女が説明すると、集まっていた数人と共に、トニオ・ロッソ (nBNE000267)も成程という感じに頷いてみせた。 幻視に似た力が施されているとなると、一般人には正確な認識が難しくなる。 他にも逆探知の装置等も搭載されている可能性もあるとかで、発信機やその他の電子機器を利用して追跡するというのは厳しいようだ。 だが、エリューション能力であるならばそういった機器で察知される可能性は無いようである。 「機器を信用しているのか、相手の警戒はそれほど厳しくないようです。ですので、気付かれ難いように少人数での追跡をお願いしたいんです」 フォーチュナの少女はそう説明した。 トラックはある湖の駐車場に停まっており、他に停まっている車とバラバラに分かれて動き出すようだ。 「他にもトラックや乗用車等がありますが、それらは無視してこのトラックを追跡して下さい」 トラックは暫く走って高速道路に入る。 「一応周囲を警戒などしていますが、それほど熱心ではありません」 高速の途中でパーキングエリアに入って休憩したりという感じで、結構のんびりした感じらしい。 もっとも相手もフィクサードである以上、不用意な真似をしたり近付き過ぎたりすれば何らかの懸念を抱かれる可能性はある。 「途中で高速を降りたりまた入ったりという感じで真っ直ぐには目的地に向かいませんが、2日以下の時間で目的地らしき建物の敷地内に入っていくようです」 「その場所を突き止めるのが今回の任務ってワケね?」 「はい、途中の移動等は見えたのですが、場所の確定はできなくて……すみません」 申し訳なさそうに言うと、マルガレーテは集まっていたリベリスタ達を見回した。 「その場所はE・ゴーレムに関しての研究を行っている施設のようです」 場所を特定できれば更なる調査も可能だ。 「場合によっては施設に対しての何らかの行動の必要があるかも知れませんが、今回はあくまで場所の特定が目的という事でお願いします」 「はい、了解。頑張ってくるわね~」 「あ、一応、今回の為に普通の車を一台用意しました。あと、簡単な物でしたら用意できますが……途中の食事用にあんパンと牛乳とか」 「……どこから毎回そういう情報を仕入れてくるのか分からないけど……まあ、急いで話し合って出発するわね?」 「はい、宜しくお願いします」 そう言ってフォーチュナの少女が頭を下げる。 そんな彼女に皆と一緒に頷いてから。 「それじゃ、今回は宜しくね?」 トニオはそう言って、集まっていたリベリスタたちにウインクしてみせた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:メロス | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 6人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年01月17日(金)22:06 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 6人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●追跡任務 「戦闘無しの追跡任務たぁ、万華鏡持ちのアークにしては珍しい任務だな」 『さすらいの遊び人』ブレス・ダブルクロス(BNE003169)の言葉に、『純潔<バンクロール』鼎 ヒロム(BNE004824)は同意するような頷きを返した。 (アークのお仕事って戦闘とか危なっかしい案件が結構あるから、こういう手荒な事をやらないのは大歓迎だね) 「さて、怖い怪物を世間に送り込む秘密結社の根城を暴いてやろうかね」 今回の目的は、謎のフィクサード集団のアジトの捜索だ。 フィクサード集団が何者なのか、彼らが向かうのは何の為の施設なのか? 色々な推論は成り立つが、断定は禁物である。 「追跡するだけの仕事って割と難しいよね」 (見つかったら襲撃かけちゃう方が楽だし、そもそも最初から襲う方が成功率は高そう) そんな事を考えてから、そんな自分を見つめて。 「……私も大概、この世界(チャンネル)に染まってきたのかな、こんなこと考えるのは」 フィティ・フローリー(BNE004826)は呟いた。 「行くぜ、斜堂流尾行術!」 『影の継承者』斜堂・影継(BNE000955)は気合を入れながら、自分の用意した物品や準備してもらった装備などを確認する。 (あんぱんと牛乳か) 「ともあれ、戦場だけが魔術師の居場所でない事を証明です」 フォーチュナとのやり取りを思い出しながら、『魔術師』風見 七花(BNE003013)も呟いた。 『名無し』ジュリー・モーガン(BNE004849)も作戦開始前に手洗い等を済ませておくようにと、トニオ・ロッソ (nBNE000267)らに伝えながら、装備の確認などを行ってゆく。 大事なのは気付かれない事、そして怪しまれない事だ。 七花は機械化部位を隠せるようにゆったりとした服装をして、念のためウィッグと眼鏡で変装した。 影継も一般人のような服を着てからウィッグを付け、カラーコンタクトで目の色も偽装する。 戦闘用の装備等はもちろんアクセスファンタズムへと収納した。 彼は決めつけはしないものの、1つの推論を立てていたのである。 以前戦ったE・ゴーレムの集団にフィクサードたちは関わっているのでは……という推測だ。 もし関わりがあった場合、自分に関してのデータや資料などが確認されているかもしれない。 もちろん尾行に気付かれなければ問題ないが、気付かれた場合も特定をされないように。 そう考えた結果、彼は自身を特定され難いようにと変装を行ったのである。 ブレスは個人で用意してもらったアイマスクと耳栓を受けると、用意された乗用車やカーナビを確認した。 影継は普通乗用車用のナンバープレート等を確認したのち、着替えや寝袋、食糧飲料等を順に確認しながら収納していく。 ヒロムは追跡用にと自前の車も用意していた。 普通乗用車と4WDを1台ずつである。 食物と飲物もある程度常備し、季節柄にと寒さ対策で休憩時に羽織る毛布も用意する。 話を聞いたフィティは、行き先が判らないけど北国だと大変だからと、防寒具に加えて非金属の車用チェーンも準備した。 他、双眼鏡や地図、携帯電話等、用意できたものをアクセスファンタズムや車に搭載してゆく。 準備を整えると一行は、すぐに車に分乗して目的の湖へと出発した。 ●トラック尾行 「免許は取立てだが車は中学の頃から転がしてたぜ」 遮蔽物的な意味で……という部分は口にはせず、影継は乗用車のハンドルを握る。 相手に記憶されないよう2台に分かれ、アクセスファンタズムで連絡を取り交替しつつ尾行する。といそれが、6人の考えた基本方針だった。 影継の運転する車に同乗するのは、ブレス、フィティの2人である。 ある程度まで近付き目標のトラックが動き始めたのを確認し合うと、影継たちは追跡を開始した。 ブレスは運転手を影継に任せ、自身はもう一方の班と連絡を取りながら前を走るトラックの動きに気を配る。 視覚を強化してくれる能力というのはこの場合、非常に有効だった。 間に他の大型車が入ると面倒ではあるが、それ以外で目標を見失うということは、かなりの確率で防止できる。 千里眼持ちの影継にとっては、ある程度までなら遮蔽物すら邪魔にならないのだ。 とはいえ、周囲の車の動きによって接近してしまう可能性もあるし、離れていても何らかの手段や偶然で自分たちの事を確認される可能性も無いとは言い切れない。 その際の印象をできる限り薄めるために考えたのが、2班2台に分かれて適時交替する事という方法だった。 それほど警戒が厳重ではないとはいえ、ずっと同じ人間や車が尾行すれば怪しいと感じる者もいる筈だ。 人や車が変われば、ずっと同じよりも印象は薄くなるだろう。 ブレスが影継に運転手を任せたのも、運転手が日本人の方が目立ちにくいだろうという考え故だった。 そういった点で考えれば、フィティの用意した超幻視は有効な能力と言える。 エリューション能力を持つ者であっても、視認をある程度なら誤魔化す事が可能なのだ。 (相手に近くでしっかり観察されるわけじゃないだろうから多少ブレがあっても困らないんだし、重要なのは別人に見せることだけだしね) できるだけ一般的な日本人のような格好をして。 フィティは双眼鏡を手に前の車を窺っていた。 もちろん、使っている姿を見られるのは最悪という認識は持っている。 不自然に、近くで使用しないように、加えて光を反射させないように。 フィクサードたちが周囲を見たりしないかと警戒しながら、フィティは先を走るトラックの様子を観察する。 後部座席だった事もあって外からその姿は視認し難かった。 怪しまれないようにと影継は見失わない範囲で車間距離を取り、周囲の車両の流れに合わせて車を走らせる。 この見失わない範囲での車間距離というのが、千里眼等を持つ者とそうでない者の間では大きいのである。 ブレスはトラックの監視を行いつつカーナビの情報を見て、付近で渋滞が発生していないか等の道路情報を確認した。 それから、もう一方の班へと連絡を入れる。 先回りしてもらっての尾行交代を確認すると、ブレスはその旨を影継やフィティにも説明した。 ●高速エリアでの小休止 トラックからある程度離れて車を走らせていたヒロムは、連絡を確認しやや速度を上げた。 とはいえ危険な運転はしない。 警察に目を付けられるような事になれば厄介だ。 適度な安全運転で、変に肩肘を張らず、自然にドライビングを楽しむ感覚で。 少なくとも不自然に見えないようにして。 ヒロムは車をトラックから離れた後方に付かせた。 他に車に乗っているのは、七花、ジュリー、トニオら3人である。 影継の運転する車は既に離れ付近には見当たらない。 七花は後部座席から周囲を確認しつつ、アクセスファンタズムを使用して別班と連絡を取り合った。 他の車輌の流れに合わせての追跡で、今のところ問題は発生していない。 信号等で一時的に離れる事はあっても、その際はファミリアーを使用して彼女はトラックの動きを観察するようにしていた。 もちろんその情報も、アクセスファンタズムを使用してもう一方の班へと連絡する。 七花も目立ちにくいようにという点で、日本人的な外見の者が運転手を務めた方が良いと考えていた。 必要なら自分も運転を担当しようと考えていたのだ。 もっともその点に関しては、外見を自由に変化させられるジュリーもいるので交替要員は多いと言えた。 トニオの方は素直に昼間は諦め、夜間の運転に必要ならという感じで自分の役割を定めているようである。 どちらにしても交代はまだ必要なさそうである。 ジュリーはスキルを使用して外見を変化させ、助手席で玩具に夢中な子供という態度で過ごしていた。 具体的に変化させる拘りがあるという訳では無く、不自然にならない範囲で警戒され難そうな外見をしようと考えての事である。 途中で飽きたり疲れたりした感じで子供の姿のまま仮眠も取り、夜への備えも忘れない。 トニオの方も後部座席で見え難いように身を低くして静かに休息を取っていた。 トラックはやがて高速に入り、暫く走った後でパーキングエリアの1つへと進路を変える。 ヒロムはウインカーを出すと同じように車をサービスエリアへと向けた。 七花はトラックの位置を確認しながら、離れた駐車位置を探してそれをヒロムへと伝える。 「あーあーお嬢さん方、山道に入るとかで我慢を迫られないようトイレは出来るうちにねー」 そんな事を話しながら、ヒロムはもう一方の班へと連絡を取った。 小休止をしながらガソリンの残量なども確認し、給油する。 再び動き出したトラックが高速から降りようとするのを確認すると、七花はそれを後続へと連絡した。 交替後は車輌変更をした方が良いだろう。 ヒロムはそう考えながら……トラックの後は追わず、つまりは車線を変えずに、そのまま道路を走り抜けた。 ●夕刻から早朝 もう一方の班が尾行に回っている時間を利用して、ブレスは仮眠を取っていた。 走行中でもパーキングエリアでも、自分たちが動きを監視する必要が無い時間があれば、そして自分が運転する必要が無ければ、とにかく寝る。 相手も一方が仮眠している可能性があるのだ。 あるいは睡眠不要の能力を用意している可能性もある。 その場合、トラックが夜間も走る可能性は高い。 そういう場合に自分が夜間に運転できるように。 アイマスクと耳栓をして、彼は出来る限りの休息を取っていた。 フィティの方は運転を担当しない分は他の所でと意気込んで、用意した地図を見たり携帯のサイトを利用して現在地や道路状況などを確認する。 影継も運転をブレスに任せたりしながら、千里眼を使ってトラックを確認しようとした。 難しい場合は追跡をしている班へと連絡を入れ、七花のファミリアー等も利用して見失わないようにナビゲートをしてもらうという形である。 暫く走った後で交代する前にと、影継とブレスと相談し乗っている車を変更した。 影継は一緒に服装も変え、車のナンバープレートも現地車に見せかけるように偽装する。 冬の陽はすぐに沈み……暗闇の中、トラックは再び高速へと入っていった。 交代してそれを追う車の方は、暗視能力を用意しておいたブレスがハンドルを握る。 見えるとはいえ周囲に他の車も走っている以上、不自然にならないようにヘッドライトは点けた状態だ。 同じように暗視能力を使用して、フィティも追跡の補助をするように様子を窺った。 夜ならば双眼鏡も確認され難い。 電子機器を使用した物だと無理そうだが、レンズを使用した物であれば暗視の能力も役立てられる。 能力で視力を強化している者と比べれば不便や不足はあるが、確認の補助としては充分そうだった。 地図等で確認する限りでは、走る道路は違うものの……車は走ってきた方角へ戻るように移動している。 指示が出ているのか運転する者たちの意思なのかは分からないが、尾行や追跡などを避けるための最低限の意識は持っているようだ。 それほど走らぬうちにトラックはパーキングエリアの1つに入り、エンジンを止めた。 ブレスが離れた位置に車を止め、影継が別班に連絡を入れる。 フィクサードたちは車から降り、しばらくしてから戻ってきた。 一応1人ずつ交互に、1人はトラックに残るようにはしているものの、相変わらず周囲を警戒しているようには見えない。 2人共戻ってきた後も、トラックは動かなかった。 トラックがエンジンをかけたのは数時間後……朝の6時くらいである。 影継が別班に連絡を入れ、15分ほど過ぎてから……トラックは動き出し、パーキングエリアを出ていった。 動き出したことも連絡すると、影継はそのまま動かなかった。 すぐに動けば怪しまれる可能性もあるし、車の少ない時間帯にトラックの後方に居続けるのは不自然である。 別班からトラックを確認した旨の連絡を受け、しばらくしてから。 見ている者がいないを確認して車とナンバープレートを再度変更し、影継たちはパーキングエリアを出発した。 ●追跡の終着点 夜間の運転はジュリーが担当していた。 昼の間に仮眠は取っておいたので眠気などは特に感じない。 眠くとも我慢する事はもちろんできるが、それによって効率が落ちたり何らかの不手際が起こる可能性もあるのだ。 それは、出来る限りなくした方が良かった。 「何かあれば起こすから、十分睡眠をとって集中力を養っておいて」 その言葉に素直に従って、ヒロムは休息を取っていた。 飲食は最低限に留め、あとはとにかく仮眠を取る。 昼に休息を取っていたトニオも暗視を使って補助を行っている以上、人数の方は充分だった。 追跡をしている班からは特に問題なく尾行を続けているという連絡が入ってくる。 周囲に車が多いようで、今のところは離れて後方を走っていてもそれほど目立たずに済んでいるようだ。 高速に入ってからそれほど走らずに、トラックはパーキングエリアに入り停止したらしかった。 そのまま暫く止まったままであるところを見ると、どうやらフィクサード達も仮眠を取っているようである。 一旦通り過ぎてから車を変更すると、ジュリーは再度、車を高速に乗り入れた。 離れた場所にという七花の言葉を受けて車を止め、確認などは別班と七花のファミリアーに任せ様子を窺う。 影継たちからの異常を告げる連絡は無かった。 連絡が入ったのは朝の6時くらい、トラックがエンジンをかけたという連絡である。 のんびりと暖機運転をしているのかフロントガラスの霜を取っているのか、その間に朝食も済ませているのか? 理由は分からないが、動き出したと連絡が入ったのは15分ほど後だった。 「さて……Let's do this.」 当たり障りのないように外見を変えて、ジュリーは車を発進させる。 飲食類は用意してきたのであまり飲み食いし過ぎない程度にと皆に勧めてはいるが、ほとんどの者が飲食は少な目にしているようだった。 ヒロムは変わらず最低限の飲食のみに留めており、トニオも水分はともかく食べ物の方はほとんど口にしていないようだ。 緊張して食欲湧かないのよね~と冗談めかして言ってはいるが、少なくとも瞳はそういう風には見えなかった。 七花は必要なら運転を交代しようと考えていたものの、まだ問題ないというジュリーの言葉を受けてファミリアーを使用しての追跡に専念する。 とはいえ高速道路で走行中となると、停車中や一般道を走っている時のようにはいかなかった。 カラスや雀などでは追い付けず、制御範囲外へ出てしまう事が多いのである。 再び高速を降りて一般道へと入ると信号などで離される可能性も出てきたが、七花にとっては逆に追跡は容易になったといえた。 トラックは暫く走り続けた後で工業団地のような一画に入り、コンクリートの塀に囲まれた敷地内へと入ってゆく。 ヒロムはそれを千里眼を使ってしっかりと観察し、七花はアクセスファンタズムを使って情報をブレスたちへと連絡した。 ●速やかなる撤収 位置情報や外観等をジュリーがアクセスファンタズムに記録する。 到着した影継も能力を使用して施設の情報を収集した。 「ここが鋼鉄軍団の根城だな」 少年は呟きつつ千里眼を使用して施設の内部も調査する。 外壁は問題なかったものの建物の方は多くの壁が厚くなっているようで、透視などは難しかった。 そういった知識のある者が設計や建設に加わっていれば、外から調べ難いように造られている可能性も高いだろう。 できる範囲で内部を確認し、確認した物は瞬間記憶を使って記憶する。 敷地内に入るのは勿論、近付くことも危険だった。 周囲に監視カメラ等が設置されている可能性も高いのだ。 仮に発見されれば、自分たちがこの場を逃れたとしても相手を警戒させる事になる。 それでは相手に気付かれないように尾行した意味が無い。 他の車が近くを通るのを警戒しつつ影継は離れたまま能力を使い、急いで調査を済ませた。 周囲を警戒していた七花が警戒を続けつつ皆を促す。 任務を達成した以上、長居は不要だ。 リベリスタたちは再び車に分乗すると、急ぎその場を後にした。 その場所が、施設が何なのかは、調べる能力や技術を持つ者たちに任せればよい。 もし必要なのであれば、その時また……自分たちが、動くのだ。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|