●要約:クリスマスだし海行こうぜ 「ええ。はい。海ですな皆々様。海に行きましょう。海ですぞ!」 ブリーフィングルームにて『歪曲芸師』名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)はニコヤカ~にそう告げた。一方で、『相模の蝮』蝮原 咬兵 (nBNE000020)と『元・兇姫の懐刀』スタンリー・マツダ (nBNE000605)は何とも言えない表情――というより「何を言ってるんだコイツは」といった目をしていた。実際、「お前」「あの」とヤクザ達が言葉を発するのが同時になる。 「えっ? ……あぁ、言い忘れておりましたな。メリークリスマス!」 「いやそういう事ではなくですね、名古屋様。12月ですよ」 「こんなクソ寒ぃ中、海に何しに行くんだよ」 「泳いだり……ビーチバレーしたり……バーベキューや……砂でお城作ったり……水着ギャルをナンパ……とか……? あっ雪降りますんでかまくら作ったり雪合戦も出来ますぞ」 「後半がおかしくないですかそれ」 「そもそも何で海に行くっつー発想が浮かんだんだよ名古屋」 「冬になると夏が恋しくなったりしませんかね?」 「……」 「……」 「いやぁ。未来視でですね、漠然としたものなんですけど……『クリスマスに海に行くと楽しい事になる』というものを視まして。 ほら、でも偶にはこんなクリスマスも良くないですか? 大丈夫、皆々様革醒者は丈夫なので海の冷たさでフェイトが削れる事はありませんぞ!」 ぼうやもばあやも寄っといで。今日は楽しいクリスマス。 ●そんなこんなで リベリスタ達の目の前に広がるのは12月の大寒波な大海原でした。メリクリ! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ガンマ | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年01月04日(土)22:39 |
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■メイン参加者 28人■ | |||||
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●クリスマスです。誰がなんと言おうとクリスマスです。 前略。海。 「なるほど、寒波じゃねーの」 と、竜一はキリッとしたけれどフンドシ一丁には寒すぎた。 「……寒いわ! なんでこんな寒空の中で海に来ることになってんだよ!!!」 「運命のサダメですな竜一様!」 「まあ、いい。水着ギャルをナンパできるんだよね? そうだろ? メルクリィ! よっしゃー! おねーさーん! ぼくと一緒に寒中水泳してから肌をあたためあわなーい?」 「鳥肌酷いですな……」 竜一の声は寒風にかき消されてしまいました。 「なあ、しのちゃん、なんで海なの?」 「え!? なんでって……」 クリスマスデートだと思ったら海だった。真顔で問うた夏栖斗に、しのぎは本当は『南国の海へバカンス』と思っていただなんて言える訳が無かった。そうだよ、そうだよね、そんな甘い話ある筈ないもんね! 「しのちゃん雪降ってるよ! 雪!!」 「普通この時期の海って大荒れなものだけれど……その点では凄まじい程ラッキーだね。冬の日本海なんて入れたものじゃないよトーホーだよざっぱ~んだよ」 「寒くない?」 「え? 寒いよ。今心臓最大トルクで回して血行を良くして少しでも暖かくしようと抗っているところだよ」 静かにしてみて、としのぎが人差し指を唇に宛がえば、僅かに聞こえる駆動音。 「ほらね? うぃーん言ってるでしょ。まあ、それでも腕は冷たいのだけれど」 「気が済んだらあったかいとこいこうね。本気で寒いから! リベリスタでも寒いから」 「よし! もうこうなったら体を動かそう! 冬だ! ビーチだ! バレーだ!」 「よしきた! 意外と動いてたらそれなりに寒くなくなるかもね!」 折角来たんだからビーチバレー。パス。トス。 「しのちゃーん、メリクリ!」 揺れるおむねが美味しいですべくしょーん。ざぱーん。 「まっむっしーーーーーーーーーーーーーーーー!! まむっさんあそぼあそぼあそガボォ」 元気MAXで俊介が咬兵に飛びつこうとした。躱された。海に落ちた。ざぱーん。 「ブ、ヘックシューン!! さみぃい!! なんでビーチ!? まむっさんなんでビーチ!?」 「知らん。水着着て泳いで来いよ霧島」 「やめろ、俺の心を抉るんじゃない。水着あるよ! あるけどないよ、ないにきまってんだろ! あるけど……」 「……」 「所でまむっさん、メリークリスマス!! まむっさんはお嬢になんかしてあげたん?」 「さぁな。お前は?」 「俺は彼女に……う、うむ何もしてないな……いや、バレンタインが勝負だ、カウンターでチョコをあげたらこう、彼氏力感じるだろ?」 ところで、恒例ですが。 「まむっさん、戦おうーぜええええゲホォ」 始まったと思ったら腹パンされて海に沈んでいた俊介であった。 青い海。 「やったー! 海だー! 青……くない空、白い雪! 寒い!」 「キラキラ光る海……そして水着デート! 寒ッ!」 でもリベリスタなら大丈夫だから遊ぶ、と意気込むフツに、あひるの二人。 「でも冷たい海に入ったら、確実に足とか攣りそうだし……準備運動しなきゃ、死んでしまう!」 「あぁ、リベリスタだけど準備運動は大事だ! あひるもちゃんとやれよ。ホラ、背中押してやるからさ」 グイグイ。ぐわわ。 「フツ、これ以上は曲がらないよ……! お返しに強めに押してあげる!」 グイグイ。ぐわあ。 さて準備体操も終われば海に突撃。ざぶーん。ばしゃばしゃ水を掛け合って遊ぼうじゃないか。 「寒いうおおおおおお!」 「ヒィィ! うっ 心臓キュッてした……」 「あひる、まだいけるか!?」 「だめだー! 鳥肌すごい……北京ダックみたいにブワってしてる」 「ムリか、じゃあ避難だ!」 「うん、戻ろう、フツ! これ以上は危険だ……! 撤退ー!」 わーっと既に造っていたカマクラに退避。 弱冷気魔法の反対はないのだろうかと思いつつ、フツはあひるに上着を羽織らせ、座ってくっつきあって、温かいココアを手に七輪でぽかぽか。 「フー、めっちゃあたたまるな。もうちょいこっちこいよ。くっついた方があったかいぜ」 「……う、うんっ!」 水着のままぴったりくっつくのはちょっと恥ずかしいけれど、かまくらの中には二人しか居ない。えへへ、とあひるははにかみながらフツにたくさんくっついたのであった。 が、カマクラも七輪も無い、ましてやビキニパンツに半袖シャツを羽織ってるだけな虎鐵には耐え切れぬ寒さである。 「え!? 何これすごく寒いでござる!!? 雪とか降ってるでござるし!」 流石に三十路過ぎには些か堪える。ちょっとやばい。あまりの寒さにふらふらと咬兵の元へ。 「咬兵! 咬兵!! 寒いでござる……!」 「そりゃ……そうだろうな」 「何で咬兵はそんな平然としてるのでござる? 鍛え方が違うのでござる?」 「水着の奴に言われても何て答えたらいいのか分かんねぇよ阿呆」 「くぅ! 何か悔しいでござる……! 咬兵! 呑むのに付き合えでござる!! 酒が無いともう温かくならないでござる!」 逃がさんと言わんばかりに肩を組み、見せ付けるのは一升瓶の日本酒で。 「ってかまずは寒いでござるからかまくら作りたいでござるな……」 「その前に服着ろ虎鐵」 正論である。 「泳ぐんなら温水プールとか……何かあんだろ! アークはアホか!」 プレインフェザーもこんな寒空で水着はアホかと思う。でも律儀に着ている辺り、己も同レベルか。全く。大好きな人と貸切状態のビーチ。ここまでは良かった。寒い。本当に寒い。 「ヒャァ!! 海だぁぁ!!! 冬の海だ!!! そして水着美女だぁグワァ!!!」 一方の喜平はスーツにもふもふコートでぬくぬくで。プレインフェザーをガン見。やはり彼女の水着姿にはグッとくる。季節外れというのも背徳的で冒涜的な感じがして余計に滾る。 気楽なもんだとプレインフェザーは視線を逸らし。 「こうなりゃ季節外れのビーチ満喫してやるぜ、もう何でもやってやる!」 と言う訳で喜平と共に雪だるまを造り始めたり突発的に雪玉を投げて雪合戦に発展したり。 確かに青い海と白い雪は綺麗だし、冬に海なんてそうそう来るモンじゃないし、2人で特別な時間を過ごしたと思えば―― 「ってバカ! 寒ぃよ!」 半ば八つ当たりで雪だるまを喜平に投擲。倒れた彼から、寒すぎて再起不能になる前にとコートをひん剥く。 「ちょっとくらい寒くても頑張れよ、こっちは水着だぜ?」 「当然だな、寒いもんね、無茶振りしたのが悪いからね」 大人しく剥かれた喜平は起き上がる。仕方が無い。男物の上着に水着なストロングスタイルな渚のエンジェルをじっと眺め、抱きしめて、温まる。 次は寒くない時に、2人きりで来たいな――そんな事を思いつつ、無言のプレインフェザーはくしゃみを一つ。 「……久々だな、寒稽古は」 クールな水着をクールに着こなしたクールな鷲祐は思いを馳せる。学生の頃は寒い中を走ったり組手をしたりしたものだ。 「さぁ、旭! お前も格闘家らしく……ん? どうしてそんなにもこもこしてるんだ」 「さ む いー……!! 海風つめたいよう……! 水着とか無理。ぜったいむり……っ」 完全装備(マフラー手袋イヤーマフコートタイツ冬用ブーツ)だが、それでも旭は寒さにふるふるしていた。でも海に降る雪が見たかったのだ。夏ライクな人も半裸の彼も視界からログアウトさせて水平線を眺めている。 「ふわぁ、きれー……海のなんぱーせんとが、雪なんだろーね」 現実逃避。寒そうな要素は総スルー。そんな旭を見、鷲祐は空へ視線を移す。雪が降る白い空。 「雪か……じゃあ、ほら、こっちおいで」 手を引いた。向かう先は雪の積もった無人の海の家。 「わ、わ……うみのいえ?」 「緊急事態だからな」 「いーのかな、お邪魔しまぁす……なんか遭難したひとみたい」 二人して笑い合う。見るだけで寒いからと旭は鷲祐に上着を着せる。着せてからちゃんと目を合わせて微笑んだ。そんな彼女に、鷲祐は幻想纏いより布団を取り出しばふーっと被せる。 「ほれ、布団セット持ってきた。被れ被れ」 「わぁい、おふとんー! AFってほんとべんりだねぇ」 包まってぬくぬく。雪を眺める静かな時間。 「海ってだけで、綺麗になるんだな、雪」 綺麗だ、と彼は言う。これも、今の俺達だからこそ見られるんだろうか。寄り添う体温を、そっと撫でながら。 「さ、この後は……暖かい鍋でも食べようか」 「おなべたべるー!」 「ふふふ、可愛い旭め。走るぞ!!」 「でも走らないー!」 仲睦まじく。 「みみ宮部乃宮さん海ですよよよ! う、海は! よきもの!」 ヒラリと可愛い水着、麦藁帽子。黎子が振り返る先には水着(に冬物パーカーを羽織った)火車の姿。 「おう 寒ぃ ……お前その格好さぁ」 まぁ黎子よりマシだけど。まぁ。なんというか。そりゃ夏サイコーだけど。冬になりゃ夏恋しくなるし。秋でも春でもそうだし。海も恋しくなるものだ。……夏のな! 「い、いやあ宮部乃宮さんは夏が好きなので……染み入るような冬の寒さにさぞかし心を痛めているでしょうと思い……励ますためというか……有り体に言えば受け狙いで誘ったのですが……ぞ、存外洒落にならない寒さですね!」 「……別にオレぁ 冬は冬で嫌いじゃねぇんだぞ?」 火車はフードを被って手をポケットに突っ込んで。健全男子としては水着女子は遍く『良い』のだがいくらなんでもこりゃ寒い。 「あーだってコレ雪振ってんじゃん寒ぃっておいィ」 「と、とりあえず何か寒さをしのげるものを……かまくらとか……あれって本当に温かいんですかね」 「知らん。そりゃ……運動でもしてりゃあ、ちったぁ暖かいかも知れんが」 「運動……水泳? いや命に関わる……雪合戦でもしますか!? ほぼ素肌ですけど! どうしましょう! 詰んでます!」 「こりゃもー……ちょっと無理っぺぇなぁ」 んーまーいっか。いーやな。火車の思考は寸の間だった。幸いパーカーでかいし。黎子の背後に回った。そして、パーカーに入れるようにガボっと彼女を抱き込んだ。 「……!? み、宮部乃宮さんなにを」 「オレも寒ぃし ……嫌なら帰るが?」 「い、いえ。嫌ではないのですけれど! その!」 二人で居れば温かいもので。 でも寒いもんは寒い。 「しゃ、しゃむいー! えっ、えっ、ボトムの人たちって元気すぎるっこれが普通の光景っ、それとも異常なのかっ」 海と聞いて来たけれど。ビキニ姿のシーヴは身体の震えが止まらなかった。いっそ混乱してきた。 「う~う~……あ、其処のおねーさんーっ! この光景ってボトムの普通って――」 話を聞き易そうだ、と真偽を確かめるべく駆けて行く。その先にはコートにマフラー、完全装備の糾華。少し離れた所に座っている。 「着込んでても寒いのに……皆元気ねぇ……」 私には出来ないわ。溜息。直後に無防備に目前に現れたボインたゆんに糾華は衝動的にビンタした。ばちーんぶるーん。 「ひゃうんっ」 「あ、私としたことが、つい衝動的に……でも、ぽいんぽいんはねてたんだから仕方ないわよね? ね?」 「えっえっ?」 「……こほん。大丈夫? 貴女……えっと、ごめんなさいね」 「う~、おねーさんはいい人?」 怯えた目をするシーヴを、糾華は優しくふわふわ撫でる。ふにゃ~、と猫の様な声を出すフュリエに少女は微かに目を細めた。 「ふふ、可愛い小動物みたい……」 そして視線が辿り着く先にはボインたゆん。 「……フッ」 ばちーんぶるーん。 「って、いひゃいっ、なんでまたっ」 「あ、しまったわ……ごめん、なさい」 「うにゃーにゃー」 「うん、怖くないから」 警戒するシーヴをぎゅっと抱き締めナデナデを。 「う~、む~……ぅ~……」 優しく撫でてくれるし、やっぱり良い人?だがそれはシーヴの警戒が解けた瞬間だった。 「……テイッ」 ばちーんぶるーん。 「って、またっ!?」 「あ、また」 「うわーん、なんでっ」 「大丈夫、大丈夫だってば」 慌ててナデナデする糾華だったけれどばちーんぶるーん。無限ループ。クリティカルでフォーエバー連撃。ばちーんぶるーん。 そんなこんなな光景を、アーサーはかまくらの中から眺めている。当然水着姿ではない。それに自分のようなおっさんの水着なんて誰も喜ばないだろう、そういうのは若くて綺麗な者に任せた。 (……あと、寒いの余り好きじゃないし) 持ち込んだカセットコンロで鍋を作り、日本酒も熱燗にして、一人飲み会。 静かに降る雪と鍋を肴に飲むなんて贅沢だよなぁ……なんて、しみじみほっこり。 (一体ボクは何をやっているんだろう?) 一方で、フリルたっぷりの水着姿なアンジェリカは海を眺めたまま人生に思い悩んでいた。悩みながらバーベキュー。「材料費はと・う・ぜ・ん! 言いだしっぺの名古屋さん持ちだよね? 反論は認めません」という事でアークから落としたお金で一級品ばかりである。 そして程よく焼けてきた所で、お皿に盛って咬兵の元へ。 「あの、味付け大丈夫だと思うけど……」 「ああ。……美味いな」 「良かった……!」 頬を染めて表情を綻ばせる。「皆も沢山食べて温まってね」と仲間達に振舞いつつも、アンジェリカは咬兵のお皿にたくさん盛ってゆく。肉や野菜の他にニンニクもバター焼きに。シメは焼きそばかな。 「精力つくよ。どんどん食べてね♪」 ●マツダの受難、男祭り2013 in 熱海 「名古屋のニーサンは修理に出した方がいいんじゃねえか?」 呟きつつ、バッチリ冬服な瀬恋は遠い目。何で水着の奴いるんだよ修行でもしてんのかよ。と言う訳で、自分と同様にしっかり冬着なスタンリーの脚に軽くローキック。 「よぉ、スタンリー。お前夏嫌いだったな」 「寒すぎる冬も頂けませんね」 「ほれ、冬なんだから喜んで海に飛び込んでこいよ」 「お断りします」 つれねぇな。己の手を吐息と摩擦で温めながら、瀬恋はスタンリーを一瞥する。 「お前、この前の怪我はもう良いのか?」 「お陰様で」 倫敦。思い返せば腹が立つ。瀬恋は溜息に不機嫌を滲ませた。咬兵と戦って憂さ晴らしをしてもよかったが、この苛立ちは取っておこう。『次』の時に全部ぶち込んでやる。 「前も言ったけど、アイツを殺すのは早い者勝ちだからな」 「仰せの儘に、坂本様」 一礼したスタンリー。 を、取り囲んだのは水着姿の終と、さりげなフジツボコーデがトレンディなせくすぃー☆水着(?)を身に着けた渚のラヴエンジェルmai†himeこと舞姫だった。 「贈ったアルパカストールは伏線でした……スタンリーさーーーーーん風邪ひかないでね☆ 真冬の海でも負けないぞー☆ 心の中はいつでも南国リゾート☆」 「キミのハートに這い寄っちゃう☆ めりーくりすますたんりぃぃいいい!!!」 底抜けに明るい終の呼び声と地獄の底から響く舞姫のデスボイスが不協和音。 もうこの時点で嫌な予感がしたスタンリーはすばやく飛び下がったが、ソードミラージュ共はもっと速かった。砂煙を上げて全力疾走してくる終とスパイダーウォークでお茶目さの演出してくる舞姫。スタンリーを担ぎ上げる。 の、一方で。 私、京子。ごく普通の女子高校生! クリスマスに海に連れて行ってくれるって、と~ってもロマンティック☆ それに冬の海に水着ってとってもメルヘンね! あ、戦場ヶ原先輩だ。魚みたいな顔してるけどDHAのとり過ぎかな?あれ?スタンリーさんの名前を叫んでる。これってもしかして彼の事が好きなの? 「きゃー、はわわ! 大変、大変、二人の恋を応援しなくちゃ。恋のキューピッドは京子にお任せ!」 GOGO影人。山の様に召還して神輿(?)の手伝い。 「ソイヤッ! ソイヤッ! ソイヤッ!! 祭りじゃ! 海神様に一年の恵みを感謝する祭りじゃ!!」 「そいやっ☆ そいやっ☆ そいやっ☆ あ、これほんとに神輿担いでるみたいで楽しい! 海神の神代を海にお連れするぞー☆ おー☆」 「ソイヤ? ソイヤ? ソイヤ? 恋の花咲く不思議な呪文だね。ソイヤ♪」 スタンリーの言葉は舞姫終京子のソイヤ嵐に掻き消された。マッソウな笑みをキラリと浮かべれば体感温度は40度オーバー(舞姫談)。ソイヤソイヤと向かう先には青い海。 「レッツ、ダイヴ! 母なる海に還るのよ、ブラザー!」 「冬だ! 海だ! 雪雲だ! と来たら、寒中水泳ー☆ 一緒に母なる海に飛び込もうー☆」 でりゃー。ざぶーん。 「これが愛のクライマックスね……恋っていいなぁ~、メリークリスマス♪」 京子のムネはドッキドキ。海の泡となった彼等はまるでマーメイド☆ 「冬の海を舐めるな!」 そして海をざばーんと割って現れるのは海底で待機していた快である。守護神ですか???なすんごいウェットスーツにヘルメットとボンベ。どんなに寒い海でも救助活動可能な設計である最新装備だ。要救助者だって確保しちゃうぞ! と言う訳でグッタリしているスタンリーをレスキューである。ざぼざぼ陸へ。 「だれか! 人工呼吸……まぁいっか! 起きろ!」 「ごふっ! がほっ!」 ひっぱたいた挙句に両足掴まれて逆様状態で振られるスタンリーである。つくづく不運である。 ので、まおは浜辺でグッタリしていたスタンリーに着る毛布を被せている。自分が着ていた着る毛布も被せている。 「着てて下さい。まおよりも寒そうだなってまおは思いました」 「……まお様は寒くないのですか?」 「長袖長ズボンだけど、さむいです」 ぶるぶるしているが、ぐっしょり濡れた今は少女の好意に甘える事にしたスタンリーであった。そんな彼に、まおは「もしよかったら」と問いかける。 「あの、スタンリー様。聞いても良いですか。ロンドンの冬ってどうやって過されるのですか? まおは焦げちゃってすぐに日本に帰ってきたので、調べる暇が全然ありませんでしたのです」 「私は『仕事』でそういった余裕はありませんでしたが……そうですね。雨が多いので専ら室内で出来る事がメインであるかと」 うんうん、とまおは嬉しそうに相槌を打っていた。そして話のお礼に着る毛布をプレゼントしましたとさ。 クリスマスに海。不思議そうだが楽しそうだ、と思っているが実際超寒かった。 「南半球は、夏がクリスマスよね……でも。ここは南半球じゃないわよ。正直寒いわ……」 水着のシュスタイナは遠い目をしていた。傍らには同じく水着の壱和がガタガタ震えている。 「尻尾がぶわっとしてます……!」 「ああ、壱和さんのしっぽが……! 水着着て来たけれど、風邪ひいちゃ意味ないから何か羽織りましょう」 「です。防寒対策も持ってきて良かったです」 いそいそと冬服へチェンジ。ちょっとはマシになった。やれやれだとシュスタイナは一息吐いた。壱和へ礼を言わねば。防寒対策大事、その言葉を予め聞いていなければ―― 「メリークリスマス」 振り返れば壱和から差し出されていたマフラー一つ。 「きっと温かいですよ」 「あ、ありがとう……! 大切にする」 心までほかほかになった所で、遊ぼうか。砂遊びと雪遊びのハイブリッド。 「シュスカさんシュスカさん、雪積もってますよ♪ 砂浜ですし、砂を土台に雪のお城とかどうでしょうか」 「いいわよ。素敵なお城作りましょ。……あ。貴方もよかったらどう?」 手招き誘うのはメルクリィ。「喜んでー♪」とやって来たので3人で雪と砂を集め始める。 指はキンと冷えるけど、3人でワイワイ遊んでいればそんな寒さも吹っ飛んでしまい。楽しいとあっという間だ。瞬く間に立派なお城。貝の飾りをつけた白い城。 「できましたな!」 「冬に海も素敵ですね♪ 楽しかったです」 「こういうのも楽しいわね。また遊びましょうね」 寒くても、心はぽかぽか温かい。 そんな光景を蒐はレジャーシートの上に座ってぼーっと眺めていた。お茶を飲みつつ一息吐けば。 「とっりあえず……メルクリィさん、みんな、チッス! 蒐ッス! メリークリスマスだぞ! 元気? 俺は寒いよ! ハックション!」 「そんな蒐様に膝掛けですぞー」 「メルクリィさん! 青……くない空、白い雲、見渡す限りの青――素敵だと思わない?」 「ですな! やはり海は良きもの」 「あ、イルミネーションとか、こう、きらきらーってのも素敵だよな? 俺、こういう景色をさ、いつか運命の人と見るって心に決めてるんだけど、メルクリィさん的に叶うと思う? いや、マジマジ」 「信じれば夢は叶いますぞ、グッドラック」 「いやまぁ夢なんだけど――……うん、いや、じょ、冗談だしっ! たまたま言ってみただけだしっ!」 メルクリィの温かい微笑みからぷいと目を逸らす。その視線の先では毛布を被った三角座りのスタンリー。寒そうだな、うん。あとでココアでも奢るかなー 「まじでさっみぃぃ……」 ●奴らである 「何で海なの! 何で海にゃの! さーむーいー!!」 レイラインの格好はえっちな水着だった。自前の毛皮でもフォローし切れぬこの寒さ。鳥肌。 「という具合に彼女がガタガタしてる中そっちは幸せそうじゃな!?」 かじかみテリーはレイラインの前でしゃがんでにへ~っと幸せそ~に眺めている。彼にとって寒いのはいつもの事だ。「全く」とレイラインは呆れた様に息を吐くも、彼の為に着た水着で彼が喜んでくれるなら、 「……わらわも幸せじゃ」 「うん、俺幸せ~」 「はぁ、帰ったら改めて二人きりでデートじゃからな! 甲斐性、見せてよのう?」 「おう! お前が行きたい所なら空の果てだって連れてってやる」 「しかし今年も何度死にそうになった事か……お互い、難儀な仕事を選んでしまったものじゃ」 何時死ぬかも分からぬ日々。だからと言う訳でもないけれど――レイラインは隣にやって来た恋人を見遣る。その手を握りながら。 「来年は……お義兄さんをアークに呼べる様にしたいのう♪」 「……そうだな」 握る手に、そっと力がこもった。 リア充。 「わかっているな? スタンリー。クリスマスだ。そう、リア充たちの祭典だ。ならば、俺たちがすべきことは決まっている。いくぞ!」 「……ッくしょん え? 聞いてませんでした」 聞き返したスタンリーを他所に、竜一は駆けて行く。テリーを目指して。 この時を俺は待っていた。 数多の時が流れ、幾星霜。この身に刻まれた戦歴の数々。 それは今、この時のために! 「くらえ! これが、俺の限界を超えた、一撃だァー! 輝け、ハラパンチャー!」 「クリスマスコキャロルが流れる頃にはァー!」 だがそれは聖骸闘衣(セ●ール神的な意味で)した快によってラストクルセイド(コキャッ)である。メリクリ! ●アイドルオチ 「さあ始まりました、『ドキドキアイドル☆明奈ちゃんのオーシャンクリスマス!』 今日は人混みを避け、真冬の砂浜からクリスマスライヴをネット配信生放送でお送りするステキでトンチキな企画でっす!」 いえーいとダブルピースしたのはサンタ風赤ビキニに白ファー姿の明奈だった。 「みんなー見てr視聴者少ねえーーーー!!」 クリスマスの昼間です。当然です。でも数少ない視聴者の為にも、明奈歌います!踊ります! だったのだが。 明奈の背後で上記参照なリベリスタ達のゆかいな色々がチラチラ写っていて。ただでさえ少ない視聴者はそっちに気を取られ肝心の明奈を見ていない。「後ろなんだ」「放送事故」と弾幕が流れる。 「ちょっとワタシを見てよー後ろの有象無象はいいんだってばー! 風邪引いちゃう! 心も寒くて風邪引いちゃう!!」 頑張れ白石明奈、君の戦いはこれからだ! 『了』 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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