●上からくるぞ! 夜の自販機前でたむろする学生が三人。よくある光景だ。 彼らは別段素行不良というわけでもなく、ただ冬休みを利用して遅くまで遊びに行った帰りだった。 「思ったより遅くなっちゃったねー」 「まぁ、ここでジュース飲んだらさっさと帰ろうぜ」 「お、新発売のオレンジジュースがあるじゃん。俺これ買おっと」 新商品に目がない少年がポケットの小銭で真っ先に一本購入し、他二人の邪魔にならないよう離れるため自販機から離れると、突如男の視界が闇に包まれた。 「な、なんだよ? 何も見えねぇ!」 「お、お、お……」 仲間の一人が言葉に詰まりながらも彼を指さす。そして堰を切ったように一気に叫ぶ。 「オレンジが上から降ってきたー!」 なんたるシュールさであろうか。オレンジジュースを飲もうとした少年の頭上から、巨大なオレンジが落ちてきて、ずっぽりと頭がはまってしまったのだ。 なんかもういきなりすぎて笑うべきか恐がるべきかわからず、ただただ驚くしかない。 「え、は? なんなんだよこれ!」 彼は無理矢理外そうとするがオレンジは、ぴくりとも動かない。 「ちょっと、大丈夫?」 心配そうに少女が声をかけるとオレンジ頭のままじたばたとあがいていた少年の動きが、ぴたりと止まる。 そして、首もとから血が流れ出し、少年の身体だけがその場に落ち倒れた。 いつの間にかオレンジはへたの部分から電柱と電線へ細長い触手を延ばしてぶら下がっている。 「きゃあああああああああ!」 唐突な少年の死。非日常へと切り替わった舞台で少女が叫ぶ。 残りの少年もわけがわからないまま逃げだそうとする。 「真美恵、早く逃げ」 されど、そんな時間さえ与えられることなく彼の頭部はバナナと化した。 両腕を伸ばして三日月頭が仲間を求めてさまよい、そして頭を失って倒れる。 「いや、助けて……」 そうして最後に残った少女は空を見上げて見てしまう。空からメロンが降ってくるところを。そしておよそメロンにあるはずのない鋭利な牙が生えたその中身を。 足の着かない程の高所で、メロン頭の少女が釣られ小さく揺れる。 やがて食いちぎられた身体がぼとりと落ちた。 ●気を付けられなかった 「ホラーとギャグの流れって実は似てると言うけれど……」 これじゃ質の悪い悪趣味なブラックジョークね、と未来を語り終えた『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は感想を漏らした。 冬休みを謳歌していた学生達が空から降ってきた果物に頭を食べられて死ぬ。 果物の正体はフルーツ型のエリューションだ。 「このエリューションは夜この自販機で飲み物を買う人を標的にするわ。彼らより先回りして退治して」 状況はシンプルだ。喜劇であっても悲劇であってもこの未来は変えねばならない。 「あなた達が力を合わせれば何も恐くないわ」 最後に何故か嫌な予感がする応援の言葉を聞きながら、リベリスタ達は動き出すのだった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:上履太郎 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年12月29日(日)22:55 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●転がってもいいじゃない、フルーツだもの 夜も更けた自販機に一人の見かけは少女の『ふたまたしっぽ』レイライン・エレアニック(BNE002137)が立っている。別にぼっちでジュースを買いにきているわけではない。 未来を知る彼女はここに現れるエリューションを捕まえる囮を買ってでたのだ。 レイラインが適当に温かい飲み物を買って取り出すと、ふっと街灯の光が途切れる。 それが何の兆候かを知る彼女は確認もせずその場から飛び退く。 「夢に出そうなので、見上げるのは遠慮しておくのじゃ」 落ちてきたのは巨大なオレンジだった。 それを皮切りに次々と頭上からフルーツが落ちてくる。しかし奇襲は不意を打つから意味がある。 「わー、きょだいなくだものじゃー、こーわーいー」 レイラインはそれらを全て凌ぎきると、アッパーユアハートであからさまに棒読みの挑発をしかけて彼女は駐車場へ向かい走りだす。フルーツだが大漁という状態だ。 ちなみに、バナナは触手で自分の身体を折り曲げる。人間なら前屈姿勢みたいなものだろう。そうして車輪型になって縦の回転を入れた。 フルーツ達はそれぞれ転がり還暦を過ぎた少女を追う。表現の矛盾はしていない、たぶん。 元よりスピードに自信があるからこその囮役だ。自分を見失わせない程度の距離で追わせつつ、二度目のアッパーユアハートを仕掛けにいく。 「お主等、果物って割に野菜が二つ程混ざっとるよね。後タイトルにみかんってあるけど実際は居な―――」 ピタリ、とフルーツ達の進行が止まる。あれ、どうしたのじゃと思わずレイラインも足を止めると、ものっそい高速回転でフルーツ全員が突撃してきた。 「いかんマジギレじゃ逃げろ!」 こいつら揃って微妙に楽しそうなのはきっと気のせいだ。 一方その頃、静まり返った駐車場に彼らはいた。 人や人ならざる者の集まりであるリベリスタ。彼が待つのはもうじきここへやってくるだろう仲間と敵。そしてこの地が戦場となるその時だった。 駐車場の入口をじっと見つめ仁王立ちするのは『完全懲悪』翔 小雷(BNE004728)である。彼の心中では、本能のままに人を喰らう悪を見逃せない正義の心が燃えていた。 「奴らは相応しい地の獄へ送ってくれる」 「うん。真美恵さんがマミられるなんてだめよ」 何の罪もない一般人の少女があんな惨殺をされていいわけがない。『雪風と共に舞う花』ルア・ホワイト(BNE001372)は何より犠牲者について気になっているようだ。 けれど、犠牲者はここで食い止めれば何事もない冬休みを送ることができる。そして今回においては気になる部分が他にもあるのも当然だった。 「誰よ、こんなシュールなエリューションを生み出したのは」 溜息を吐き半ば呆れるリリィ・アルトリューゼ・シェフィールド(BNE003631)。同じことを考えていたのは彼女だけではないらしい。 「エリューションにはヘンテコなのも居ますから、今更驚いていても仕方が無いとは思いますが。それにしても珍しいというか、何というか……」 元の生物から変化を遂げていることが多いのはエリューションの特徴だが、上から降ったり転がって追いかけてきたりとは一風変わっている。 それでも、こんな異形達に頭を食い千切られて死ぬなんてスプラッタなB級ホラー映画みたいなことを許容できるわけもない。 「果物として食べられるだけの現状に不満でも覚えたのかしら? なんにせよ焼却処分にしてあげるわ」 小雷とは違い、必要以上に気負わずマイペースにタバコを呑みながらエリューションの到着を待つのは『重金属姫』雲野 杏(BNE000582)である。 「……そういえば果物で思い出したんだけどさぁ。果物でタバコの害が防げるって言うけど、実際どうなのかしらね」 これは典型的な喫煙者ならではの疑問だろう。効能より害悪の方が遥かに大きいのがエリューションなのだけど。 「デカイフルーツか、こりゃまた食いごたえのありそうな連中が出てきたな、食えるかどうかは……食ってみればわかる!」 ワイルドな発言者は見かけも相応にワイルドな『(自称)愛と自由の探求者』佐倉 吹雪(BNE003319)だ。話しながらでも結界を張っているところは抜かりないと言うべきだろう。 「この世界の果物というものはとても美味しいですね。そんな美味しいものまで敵性の存在になってしまう……この世界はとても興味深いです」 E・ビーストは基本的に動植物が元になる。ならばフルーツもその中に含まれることは自然なことだ。まあ、こんな風に変化することはそうないと思われるが。 「さ、おいでなすったわね」 杏の言葉に全員が頷き陣形を整えて構えを作る。 こちらに向かって疾走するレイラインとそれを追うフルーツ達がやってきた。 ●冬のフルーツ狩り 真っ先に出るのはトップスピードを発動させていたルアだ。他のメンバーも接敵前に自己強化を行っていたが、中でも元々スピードタイプの上に更なる加速を選択した彼女は粉雪を舞わせたような光と共に高速で駆けだした。 ほぼ同時に逃走から戦闘へと意識を切り替えたレイラインが同調する。 「ばーちゃ、行くよ!」 「任せるのじゃルア!」 二人から切り出される氷刃の霧が駐車場へと入ったばかりでまだ一塊にまとまっているフルーツ達を囲む。 「ここは通さんぞよ、この氷の檻……超えられるかのう?」 宣言通りに刻まれエリューション達からは血液とも果汁とも取れる液体が飛び散る。こうも生々しくて望まれぬフレッシュさも珍しいだろう。 真っ先に霧から抜け出たのはバナナ・ビーストだ。 壁に触手をかけ加速。一気に跳び上がった。 「上手くやったがそりゃ想定内ってな!」 予め二人の攻撃で止まらない敵を潰すことを考えていた吹雪が跳躍でバナナ・ビーストの上を行き、ソードエアリアルで返り討ちにして落とす。 それではまだ倒しきれずバナナ・ビーストは一個のホイールと化して駐車場内を駆けまわる。 「バナナってああやって転がってたんだね」 「よく途中で折れんもんじゃのう」 ルアの謎は解けたがあれはあれでどうなのだろう。まぁそれ言ってしまえば形状的にまっすぐには走りにくいブドウとドングリも大抵無理しているけど。 敵が動けないうちに『局地戦支援用狐巫女型ドジっ娘』神谷 小夜(BNE001462)は周囲の魔力を取り込み自分の力とした。 他のフルーツもフィールドが広がったことによりバラけつつ戦場を広げて転がる。 その中の一匹を狙い撃つため杏が電気の羽を広げて飛ぶ。最初の対象はオレンジ・ビーストだ。 「そう易々と近づかせないわよ?」 魔曲・四重奏により撃ちぬかれてスピン。オレンジ・ビーストは自分を制御できずに仲間のフルーツへとぶつかってしまう。 その隙を好機としたのはリリィだ。逆手に持ったナイフで自分の手の平を切りつけ血を滲ませて詠唱する。 「響き、奏で、包め。天上の調べに乗せて地獄の呪いを。地獄の旋律に乗せて至上の祝福を。我紡ぎし祝詞は世界を憎む怨嗟となる」 血液は膨張し鎖の鎖として再構成されていく。 「……行け、血の鎖。彼の敵を捉え締め付けよ!」 オレンジ・ビーストと共にクラッシュに巻き込まれたドングリ・ビーストとメロン・ビーストをまとめて締め上げる。リーダー格の動きを止めたのは僥倖だったろう。 しかし、鎖で縛ってもフルーツ達の回転は止めきれるものではなかった。 「重い……!」 鎖を引き千切らんと暴れるフルーツ達の獰猛さに、その身を引きずられ始める。 まだ大丈夫。今回は一人だけでフルーツを封じているわけではない。慌てなければいけるとリリィは自分に言い聞かせ、その通りに耐える。 そして、それは現実となった。 「世迷共、どこから来たかは知らないが……」 連続で攻められた後で身動きを封じられた敵をここで逃してはならない。その意思が小雷に向けるべき闘志と目標を絞らせる。 「ここに貴様の居るべき場はない!」 鎖が切れるよりも先に、業火に包まれた正拳が撃ち込まれオレンジ・ビーストの胴体を貫いた。 結局そのまま残る二体は脱出させてしまったが開始の戦果としては申し分ないだろう。 残るスイカ・ビーストが触手を伸ばして前に出た小雷を捕縛。ブドウ・ビーストの実、一つ一つが種の暴風雨を巻き起こす。 「ぐぬぅ……!」 これは応えたようで、逃げられぬまま小雷がその場でたたらを踏んだ。 そこへ即座に『胡蝶蘭』アフロディーテ・ファレノプシス(BNE004354)が援護に入る。 「この世界で手にした力で……呪われなさいっ」 戦意をそのまま弾丸にしたようなカースブリットが伸ばした触手ごとスイカ・ビーストを狙い撃つ。 丸いものなら普段から修練の場で狙い続けている彼女にとっては戦い易い相手であるのかもしれない。研鑽の結果を試すにはもってこいの敵達だ。 開放された小雷は短く礼を口にすると、一旦下がって己の態勢を立て直す。 フルーツ・ビースト達同様、戦況は転がるように加速していくのだった。 ●転がり、跳んで、そして終わる この戦闘で展開されている戦略は大きく分けて二つ。 己の形状を利用し高速で転がりながら襲いかかって捕食を狙うフルーツ・ビースト達。 それに対してリベリスタ達は、敵をまとめて足止めし攻撃のタイミングを潰しながら撃破していくことを狙う。つまりフルーツ・ビーストの長所を的確に奪っているとも言えた。 その象徴とも言えるのが回転を上回る高速さ移動で放たれるルアとレイラインの冷気と斬撃の連撃、グラスフォッグだろう。 「閃光は白く速く高みへ――L'area Bianca(白の領域)」 氷像と化しカットフルーツの如く切り刻まれたバナナ・ビーストはそこで力尽きた。 何とか生還したブドウ・ビーストも飛翔して射線を確保し上空から襲う杏の多重魔法によって、半ば凍っていた身体をバラバラに砕かれて飛散する。 二匹を犠牲にして最前列を抜けたメロン・ビーストを足止めするため、アフロディーテが狙う。 「私をただのフュリエと思わないことです」 しかし前に出ると決めていた時点で反撃も予想していたのだろう。彼女の弾丸は避けられて、茎のような触手が伸び襲う。 「ここは通しちゃやれねぇな!」 今度は伸ばした触手を吹雪がブロックに入って受けた。こうなると逆に触手が邪魔となり自由な疾走を妨げられる。 さらに流れるような斬撃の応酬がメロン・ビーストの表皮を裂いていく。 ならばメロン・ビーストの脇を抜けて回り込もうとドングリ・ビーストが行く。ターンを入れてマシンガンが火を吹いた。 標的はリリィ。細身の彼女はしかしながら余裕を持って弾丸を躱してみせる。 独学で力を付けてきたリリィは、自分の実力をよく理解していた。 魔術師のはしくれとして、杏のように魔術で敵を打ち倒す力に憧れたことくらいはある。けれど、彼女が選んだのは威力を上げることではない。王道を捨て身体能力を高めることに重きを置いてきたのだ。 「ふん、私をただの魔術師と思わないことね……!」 反撃と言わんばかりにリリィの鎖が絡めって呑み込み、残る命ごと溺死させてみせた。 ここで残る大玉、スイカ・ビーストが動いた。球体が最大速度に達し蔦がフェンスに巻き付き横ターンを入れてハンマー投げのように自らを空中へ放り投げた。 「上から来るぞ、気をつけろ!」 ゲーマーの小夜がさり気なく叫ぶ。ただでさえアレな感じの生物だがその台詞と相まって余計に冗談めいている。言いようによってはまさにフラグ的な台詞にもなるが、そこは自重した。 そして警告そのものは有効だった。 スイカ・ビーストの落下地点に待っていたのは、落下地点を読み一歩下がってとっておきの発射準備を整えた小雷だ。 「夢ある若者たちの命を摘ませるか! 先にお前達を収穫してやる」 彼が受けた傷は既に小夜の神の愛によって癒やされている。 憂いを断った上での土砕掌。流し込まれた気がスイカ・ビーストの内で荒れ狂う。 内部を破壊されて荒れ狂う大玉を、アフロディーテの放った三度目の弾丸が撃ち抜き、トドメとなった。 最終的に残ったメロン・ビーストに全員の攻撃が集中する。 「それっ、凍りなさいな!」 これまで撒かれた冷気も巻き込み、杏のエアリアルフェザードがメロン・ビーストを高く吹き飛ばす。 そこからの落下を逆襲とするため大口を開けてメロン・ビーストが落ちる。 「悪いが、喰われてやる気はさらさらねぇよ」 だが、メロン・ビーストが取り込んだのは人の頭ではなく、天に向け突き出された吹雪のナイフ。直後、大量に吐出された果汁の液が戦いの終了を告げた。 ●元の見た目的にはきっと自然な行為 はてさて、駐車場に転がるはフルーツと銘打たれたE・ビースト達の残骸である。 結局彼らは果物か、ただの化物なのか……。 「これで年は越せそうだ」 「え、これ、食べる気なの?」 エリューションが可食か普通に試そうとする小雷にリリィが戦慄した。身体ぶち抜かれて液体ドロドロ垂れ流しながら転がるオレンジとか、もはやグロ画像として称していいレベルである。 リリィなんて普通のフルーツすら暫く遠慮したい気分だった。せめてフルーツポンチとかにしてほしい。 「っていうか食べれるの?」 杏もE・ビーストであることだし食べても問題無いと保証されてない限り食べようとは思えない。 「だって、大き過ぎない? 大きいのって美味しくなさそう」 「カットフルーツとしてもちと大きすぎで食べにくそうではあるのう。カットしたのわらわ達じゃが」 「ミカンよりリンゴとかイチゴの方が好きなの」 「割とこう……パイナップルとかドラゴンフルーツとか無くて良かったですよね。あったら強そうなイメージがあるので」 最後の小夜に至ってはもはや食べることすら関係なくなっている。どうしてこうなった。 「いや、そういう問題じゃないでしょ……?」 何かズレた方向に話が進んでいく。そしてここにいる者達はどうやら好奇心旺盛な者が多いらしい。 「匂いは普通な感じですね」 肉片の一つを摘みアフロディーテは香りを確認した。この時点で結構なチャレンジャーである。 何事も見た目が悪いからとそれだけで拒否するよりは、色々試して経験する事で見えてくることも世の中には多い。 故に彼女は仲間達にも薦めてみる。 「皆さんもどうですか?」 「おう、て言うか俺は食うために倒したようなもんだしな」 最初から俺は食べると明言していたのが吹雪だった。彼はしゃがみこむと率先してオレンジ・ビーストに腕を突っ込み、中の果肉と呼ぶべきか悩まれる肉片を摘み出して口に放り込んだ。 「おいしい?」 ルアの無邪気な質問に対して数秒の間をあけて彼は立ち上がる。 「後はアークの職員がおいしくいただきましたって事で……俺、例の自販機でジュース買って帰るわ」 仲間達に見せる後姿はハードボイルドに哀愁さえ漂わせている。 つまり不味かった。所詮エリューションはエリューションである。 「そりゃそうでしょ!」 ようやく自分がまともだったと証明されてリリィは内心で安堵していた。横で至極残念そうな小雷はあえて気にしないことにする。 「帰りに何か果物買って帰りましょうか。……実家から大量におくられてきたリンゴがまだ、家にたくさん残ってはいるんですけどね」 小夜の提案に皆が同意した。どうせ大量にあるなら食べられる方がいい。 こうして少年少女達も化物フルーツに襲われることなく平和に冬休みを過ごせるだろう。 やっぱりフルーツも平和も普通が一番だ。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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