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ナビ子が→ #LPした人の2014年をいいかげんに占う

●占ってほしいひーとこの指とーまれえええええええっしゃおらあ!
 えびばでぃせんきゅう!


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2013年12月31日(火)22:38
 八重紅友禅でございます。
 来年の自分を知りたい。これからの自分を決めたい。大きな戦いから帰って打ち上げたり誰かを元気づけたりしたい。フェイト回復したい。あとなんかだらけたい。そんな皆さんの気持ちに精一杯お応えしていきますナビ子が。(つまりまったく応えないということです)

 とまあもういくつ寝るとお正月。というか年の暮れでございます。
 なんかデカい仕事も終わりましたし、師走の末ということでひとつ忘年会……あいや、きたる2014年を占ってみようじゃありませんか。

●美味しいお召し上がり方
 プレイングに拘りの武器とか最近気になってるNPCとか占って欲しい内容を限りなく大雑把に書いてそのへんでくつろいでいてください。
 誰かと一緒に居たい人は相手のフルネームとIDをプレイング冒頭に『補助員 サポ子(nBNE000245)』といったように書いてください。でないとナビ子が知らずにバラすことがあります。
 すると、ナビ子たちがそろーっとやってきてあなたの2014年を占ってくれます。いいかげんに。

 ロケーションは居酒屋だのハンバーガーショップだのありますが、指定しないほうが似たような話題の人と同席できてお得です。ちなみにですが、過去に解決した依頼がいくつか影響しており、『財布ホテルの高級ラウンジ』『ファミリーレストラン・シャンゼリア』『居酒屋・黒木屋』『ハンバーガーショップ・ルーマールーマ』『箱船商店街(娘々飯店、からあげばるかん等)』が場所やら食べ物やらを提供してくれているので参加費タダです。

●いつものおまけ
 サポ子さんをはじめとして、過去の八重紅シナリオに登場したリベリスタ(フィクサードからリベった人含む)を招待することができます。招待するだけなので来なかったらごめんなさい。 来たら来たで微妙に描写量を割くことになるので無理に呼ぶこたぁありません。あといつも言ってるけどベニー(八重紅のひととは関係ないひと)は呼ぶなよ。描写の大盤振る舞いとかしてたら地味に懐がすり減ってて青い顔してるんから! 絶対だぞ!
参加NPC
アイワ ナビ子 (nBNE000228)
 
参加NPC
補助員 サポ子 (nBNE000245)


■メイン参加者 35人■
ナイトバロン覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
アウトサイドダークナイト
テテロ ミーノ(BNE000011)
ハーフムーンホーリーメイガス
悠木 そあら(BNE000020)
ハイジーニアスデュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
サイバーアダムクロスイージス
新田・快(BNE000439)
ハイジーニアスソードミラージュ
須賀 義衛郎(BNE000465)
メタルフレームデュランダル
石川 ブリリアント(BNE000479)
フライダークマグメイガス
雲野 杏(BNE000582)
アウトサイドソードミラージュ
リュミエール・ノルティア・ユーティライネン(BNE000659)
ハイジーニアススターサジタリー
リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)
サイバーアダムインヤンマスター
焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054)
フライダークマグメイガス
綿雪・スピカ(BNE001104)
アークエンジェソードミラージュ
天風・亘(BNE001105)
ハイジーニアスデュランダル
楠神 風斗(BNE001434)
ギガントフレームクロスイージス
ツァイン・ウォーレス(BNE001520)
ヴァンパイアクロスイージス
ステイシィ・M・ステイシス(BNE001651)
メタルフレームソードミラージュ
安西 郷(BNE002360)
サイバーアダムプロアデプト
酒呑 ”L” 雷慈慟(BNE002371)
ハイジーニアススターサジタリー
白雪 陽菜(BNE002652)
ハイジーニアスソードミラージュ
リンシード・フラックス(BNE002684)
メタルフレームクリミナルスタア
関 狄龍(BNE002760)
ハイジーニアスマグメイガス
ラヴィアン・リファール(BNE002787)
フライダークスターサジタリー
ユウ・バスタード(BNE003137)
ジーニアスクロスイージス
犬吠埼 守(BNE003268)
ハイジーニアスクリミナルスタア
曳馬野・涼子(BNE003471)
ハイジーニアスクリミナルスタア
禍原 福松(BNE003517)
ビーストハーフナイトクリーク
蛇穴 タヱ(BNE003574)
アークエンジェソードミラージュ
セラフィーナ・ハーシェル(BNE003738)
ジーニアススターサジタリー
靖邦・Z・翔護(BNE003820)
ハーフムーンレイザータクト
ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)
ジーニアスソードミラージュ
鹿毛・E・ロウ(BNE004035)
フライダークプロアデプト
アーサー・レオンハート(BNE004077)
フライエンジェホーリーメイガス
丸田 富江(BNE004309)
ハイジーニアスホーリーメイガス
キンバレイ・ハルゼー(BNE004455)
ハイフュリエミステラン
シィン・アーパーウィル(BNE004479)
   

●このリプレイ自体が一種の『ゆくとしくるとし』
「ナビ子さんのエロ同人が作れないんですけど」
 キンバレイ・ハルゼー(BNE004455)がそんなことを言いながらくいっとこちらを向いた。
 こちらというか、補助員 サポ子(nBNE000245)のほうを向いたのだが。
「何か不具合でも?」
「身体の輪郭はいけるけど『生えているか否か』が曖昧で、念写がぼやけちゃうんですよね」
「実物を見ておく必要があるわけではないでしょうが……知らないことは書きにくいのでしょうか」
「きんばれい誠に遺憾です。じゃあ代わりにサポ子さんお願いします」
「喜んで承ります。脱ぎましょうか、着ましょうか?」
「やめてさしあげて!」
 横からしゅばっと割り込む御厨・夏栖斗(BNE000004)。
「だめだよサポ子さん、えろようじょの言うことをきいちゃ」
「えろようじょ?」
「それはそうと、これからもサポートよろしくね。はいフィッシュバーガー」
「ありがとうございます」
 夏栖斗からトレーを受け取って、サポ子はカレイの煮付けが挟まったハンバーガーをかじった。
「……なんでカレイ」
「そりゃもう旬ですから、喰わなきゃ損ですたい」
 カウンターに顎肘ついてコーラをちゅーちゅーするアイワ ナビ子(nBNE000228)。当然ながらスタッフ側に立っているのだが、働いている様子はない。
「ところで、占いしてくれるんだって? 2014年の仕事運とか占ってよ」
「脱げ」
「……え?」
「尻を出せ」
「……え?」
 そうこうしていると、サポ子の横にとんとトレーが置かれた。
 さりげなく横へ座る須賀 義衛郎(BNE000465)。
「失礼、隣よろしいですか? なんて、邪魔をしたかな」
「滅相もございません。どうぞ、義衛郎様」
 ふっと微笑む義衛郎。
 熟練したナンパ師のごとき振る舞いだが、おそらく他意はなかろう。
 さておき。
「サポ子さんとは前から話してみたかったんですよ。オレもいわば前線の雑用係。エースが出払う間様々な案件に出向いている身ですから、サポ子さんと一緒です」
「それこそ滅相もございません、義衛郎さま。あなたと同じ戦果を出すために十人以上のモブリスタを必要とするのです。どうぞ誇りを持ってください。私どもからすれば、あなたも立派なエースなのですよ」
「それは、光栄なことですね……」
 それはそうと眉毛可愛いですねとか義衛郎が言い始めたところで、反対隣に楠神 風斗(BNE001434)が座った。夏栖斗を押しのけてである。
「その話なんだが……サポ子、もしかしてアークの中にもエースリベリスタをすいていない人って、結構いるのか?」
「……はて、異な事を仰るんですね?」
 首を傾げるサポ子。
「会社組織やサークルグループでも、集団があればより高い成績を持つ人間をやっかんだり嫉んだりする人間は、それなりに存在するでしょうけれど……集団における自然発生的なものを覗いて特別嫌悪する方は、存じ上げておりません」
「まーサポ子ちゃんの言う『エース』って『実働してるPLキャラクター全般』を指してるもんね、メタい話ぃ」
「うむ……」
 風斗はあまり納得しない顔で上を向いた。
「たまに嫌味に聞こえるんだよな。とくに、たまに出てくるあの眼鏡のフォーチュナだ。何度殴ってやりたいと思ったことか!」
「ねー、とっても愉快なお人ですよねえ。実にお仕事のしやすい……」
 背後からぬっと現われた鹿毛・E・ロウ(BNE004035)に、風斗たちは思わず背筋を伸ばした。
「『あなたがたなら簡単でしょう?』の彼は男性だそうですが……ナビ子さん、性別不詳でしたよね」
 糸目のまま、ロウは言った。
「もしかしてですけど、あれの正体ってナビ子さんじゃありませんか?」
「……」
 ナビ子はふっと目をそらし、こめかみに指を当てた。
「ふふふ、バレてしまいましたか……そう、このくらい『あなたならクァンタムでしょう?』」
「ナビ子さん噛んでる噛んでる」
「あとせめて似せる努力をしろ」
「あ、ダメ? 割と自信あったんだけど」
 顎肘突いたままシェイクちゅーちゅーするナビ子である。
 そこへ、天風・亘(BNE001105)がそっと加わった。
「どうもサポ子さん。よかったら来年の運勢を占って貰えませんか。その、恋あ……そういう、あれを」
「畏まりまって承りました」
 タブレットを操作するサポ子。ゆうてもウィンドウズOSのタブレットPCである。そして、なんか占いサイト的なページを開いて見せた。
「『今年こそ待ちに待った素敵な年!』と言った内容が書いてあります」
「……そうですか、どうも」
 リベリスタの生年月日を暗記してるんですねこの人、と頭の隅で思う亘であった。
 ちなみにナビ子占いでは登場した順に『脱げ』『脱げ』『脱がせ』『脱げ』『剥け』『脱がせ』とあった。なんかトレーに敷いてあるシートに書いてあった。

 今更ロケーションを説明するのもどうかと思うが、ハンバーガーショップ『rumor rumor』の店内である。
 ナチュラルに仕事をしないナビ子とは対照的に、熱心に仕事をこなす七栄の姿があった。
「最近調子はどうだ七栄。とりあえずスマイル十個」
「かしこまりました、では初富から順に――ふ……。 フフーフ。 ヒャッハー! 愉快! ふはははは! にっこり☆ えへへ。 ひょひょひょ! ……あ、あと二つ分、今考えますね。えーっと」
「いや、いい。俺が悪かった。ハンバーガーセットふたつ。ムー、飲み物は?」
「なんでもいいわ」
「オレンジジュース……ふたつ」
 トレーを二つ手に持って、禍原 福松(BNE003517)は奥の座席へ向かった。
 その後ろを黙ってついて行く『613番』。
 テーブルには既に曳馬野・涼子(BNE003471)が座っている。
「よくきたね。ほら、今日は私から」
 涼子はそう言って、『613番』にキャンディーの缶を投げてよこした。
 受け取ってからしばし考え、ポケットにねじ込む。
「ありがとう」
「よく言えたね」
「べつに、『ふつう』よ」
「ふうん……」
 涼子はテーブルに肘を突いて、ノンシュガーのコーヒーをかき混ぜた。
「そういえば、占いをして貰えるんだったね。賭け事の運でも占って貰おうか?」
 横でカフェオレをまぜまぜするナビ子。
「サイコロ六回転がしてんのに1しか出ないんだけど……これいいの、わるいの?」
「ピーキーだねえ……」
「さらっとテーブルに混ざるな、お前。俺はどうなんだ。ついでにムーと七栄のぶんも占ってくれ」
「来年ずっと水着コンの姿で過ごせ。七栄ちゃんたちはリクシナ来るまで出番はない」
「どーしょもないな……」
「じゃ、私次あるんで! おつかれちゃーん!」
 ナビ子はキャスター付きの椅子をシャーってやりながら店から出て行った。
 その後をシャーッてやりながら追いかけていく靖邦・Z・翔護(BNE003820)と松戸博士。
「なに博士それ自動で動くの!? いいなーズルいなー! それあれば無敵じゃん。椅子シャー依頼無敵じゃん! あーオレも出たかったなー椅子シャーの依頼!」
「知らんがな。ところで何やっとるんだおぬし」
「フッくんに写メ送ろうと思って」
 その後、福松の携帯に『肘曲げるとお尻に見えるよね』というメールが送られてきたという。
 ……といったように、変な集団が通り過ぎていくのを横目に、安西 郷(BNE002360)は寒空の下に立っていた。その横には大切断鎖。ダッフルコート仕様。
 郷は曇りの無い目で言った。
「スリットさんやフレンドリさんも気になります。NPC界のハーレム王に俺は――」
「お前まだこりてなかったのか」
「待って今の無し! あ、ねえいっそ女性NPCと俺だけでリクシナ組めないかな。六人くらいでさ」
「いいけど1200LPお前持ちな」
「高っ! ていうか無理だよね、システム的に無理だよね!? あ、分かった。デートのほうが良かった?」
「ほんと大事なところで浮き足立ってスベるよなお前。ひとつ言っていいか?」
 両腕をばたばたさせる郷に、鎖は世にも気だるそうな顔で言った。
「今のこれ、デートじゃねえの?」
「え?」
 強く、冷たい風が吹いた。

●占いの『なにはともあれがんばれ』感は異常
「超大吉! おねーさまと一年幸せにすごせるでしょう! やったー! 桃源郷ー!」
 いえーいと言いながらファミリーレストラン『シャンゼリア』を飛び出していくリンシード・フラックス(BNE002684)。
 すれ違うように店内に入ったナビ子は、ハッとして虚空を見上げた。
「やっべ忘れてた。郷『立ったフラグにそろそろ気付こう』。SHOGO『立ったフラグは速攻折ろう』。これでよし……みんなちょりーっす!」
「うーい。こっちもう始まってんぞー」
 ラヴィアン・リファール(BNE002787)が携帯ゲームぴこぴこしながら顔を上げた。
「ナビ子ってモンをハンするやつやらねーの?」
「持ってはいるけどやってないなー。私のまわり未だに初期バーチャで止まってんだよね」
「じゃあカードゲームやろうぜ。やりながらゲーム運占ってくれよ」
「いいよいいよ。ちなみに占い結果は『近所の子供を本気デッキでボコして泣かす』って出てる」
「ばかな!?」
 自分も子供なのに!? と頭を抱えるラヴィアンをよそに、セラフィーナ・ハーシェル(BNE003738)と悠木 そあら(BNE000020)が携帯ゲームから顔を上げた。
「さおよろ!(さおりんとのあれこれをよろしくお願いしますの略)」
「年内に子供で野球チームつくれる」
「ほんとですか!?」
「あとバレーチームも」
「男9女6、合計15人! ビッグダディですか! やったー!」
 ゲーム機を投げ出して万歳するそあら。
 協力プレイする相手が二人も投げ出したことでクエストを投げたセラフィーナは、そっとゲーム機を置いた。
「では、私はどうですか? 頼れる男性と出会えるといいんですけれど」
「100人はかたいね」
「本当にですか!?」
「さしあたってはPC登録フォームにいってだね……」
「自演以外のやつでお願いします」
「首から『一回百円』とでも書いた札下げてればいいじゃんよう!」
「自棄なやつ以外でお願いします!」
「まーまーナビ子占いなんてそんなもんだって」
 関 狄龍(BNE002760)がピザ片手にテーブルを移ってきた。
「俺はそういうのいいからさあナビ子、俺の性別が本当はどっちか……当ててみろよ、カンで」
「私と一緒でしょ」
「……ん?」
「だから、私といっしょ」
「いやいや、お前性別不詳だろーがよ……て、え、マジで?」
「まーそーね」
「マジか……」
 不思議な会話をし始める狄龍とナビ子である。
 そんな彼女らを完全に無視するかのように、ステイシィ・M・ステイシス(BNE001651)がずだんとテーブルに飛び乗った。
「三高平のアイドル、ナビ子ちゃんでーす! よっろしくう!」
「それ秋茄子さんの持ちネタだから」
「っていうか下りろ馬鹿!」
 テーブルから引きずり下ろされ、ステイシィはソファーにごろんと横になった。
「いつもこうやってナビ子さんのモノマネしてますけどー、そのポニテだけはマネられないんですよね。いっそカットしてみません?」
「えーやだよあにゅ絵師お得意のポニテとか貴重じゃん」
「絵師て……」
「そんなことよりお年玉くださいっす」
 テーブルの下から生える蛇穴 タヱ(BNE003574)の図。
 ナビ子は占いシートの代わりに一万円札を裸で渡した。
「これで暖かいものでもおたべ」
「わーい2014年もいい年っすなあー!」
『やったねタヱちゃん!』
「おいやめろ」
 AFのくまぬいを片手にメニュー表をガン見するタヱ。
 その横で、丸田 富江(BNE004309)と白雪 陽菜(BNE002652)が並んでスパゲッティをつついていた。
 すごく余談になるが、富江とミートソーススパゲッティの似合いっぷりが半端ない。シチリア方面にこういうおばさんいそう、というイメージも含めて。
「思い返せばいろいろあったねえ。何にせよ、帰る場所があるのはいいことだよ」
「チョコサンデー頼んでいーい? やったー!」
 しんみりしてる富江とは対照的に、陽菜はのんきなものである。
「ねーねーナビ子さん、自分の運勢占ってみてよ」
「え? 給料は全額馬鹿グッズに消えるでろう」
「予告じゃなくて、占い占い」
「誕生日プレゼントは貰えないであろう、とか」
「それも予告だよ。まあろくなことが無いのは分かったかな。アイスでも食べて元気出しなよ」
「そっすか、ゴチっす!」
「奢らないけどね」
「半ライスくださーい!」
 容赦なくご飯を百円で済まそうとするナビ子である。
 このぶんだと正月の餅も食いそうに無い。
「まったくしょうが無い子たちだねえ。よかったら年明けはうちにきな。お雑煮たんと食べさせてあげるよ」
「うっひょうゴチでーす!」
「ソフトクリームある?」
「あるよ」
「うっひょーう!」
 やけくそな喜び方をする陽菜たち。
 一方隣のテーブルでは。
 リュミエール・ノルティア・ユーティライネン(BNE000659)とテテロ ミーノ(BNE000011)が並んでケーキつついていた。
「ミーノはもうすぐ18さい。だいがくせいなの。だーくせくしーろせんで、がんばるっ!」
「おー、マア頑張れ。でもその成績じゃ大学イケネーゾ」
「……がんばるっ」
「そればっかダナ」
 リュミエールはしばし天井を眺めたあと。
「まあガンバレ」
「がんばるっ」

●地味に活動規模が広がっていくアークリベリスタたち
「どうも! BoZのギター、dragonです!」
「ドラムのLだ」
「そして木魚のBuddhaです!」
 流れるように両サイドからハリセンが叩き込まれた。
 決まったぜ、と言いながら起き上がる焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054)。
 両サイドの結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)と酒呑 ”L” 雷慈慟(BNE002371)はどこか満足げに頷いた。
「二人で始めたBoZだが、二人のメンバーに恵まれて今や四人体勢となった。これで立派なバンドグループだ。SOW(争と奏をかけつつ僧にも手を伸ばすクールなフレーズ)によって救世を続けていきたい」
「そんなBoZが、今日ははれて全員集合となったわけさ。だから俺たち個人でなく、BoZの2014年を占ってくれ!」
「……Seraph(伊吹)がいない」
「「何だと?」」
 キメにキメてたフツと竜一が、雷慈慟の呟きでフリーズした。一斉に振り返る。
 咳払い。
 その辺のおっさんにサングラスとロングコートを着せ、『ベースのSeraphです。ヒューウ!』とか言わせた。かけらも似てなかった。
「……全員そろったことだし行くぜ!」
「それでは聞いてください。Boz with NABIKOで『来年はギターとボーカルがデキる』!」
「「待てコルアアアアアア!」」

 商店街の常設コンサートホールから変な歌が流れる今日この頃。
 ナビ子がいい加減出過ぎと言う幻聴を聞いたのでこの方にバトンタッチしようと思います。
「やっ、どうも。まいど新田酒店をご贔屓にありがとうございます。アークの守護神こと、新田快です」
 歯をキラリと光らせる新田・快(BNE000439)。
 場所は娘々飯店……の、厨房。フロアは安定のワンルームなので、カウンターを挟んだ『あっち側』でしかないが。
「虚空に挨拶してないで働くネ! ここの所ニッタさんいなくてお店大変だったアルよ!」
「だ、だよね。スリットさんのスリットはまぶしいから。寒い年末は混み合うよね」
「冗談言う暇ないアル! カクテル作るアル!」
 地味にスネばかりを執拗に蹴られ、快は苦笑いした。リベリスタの連続キックに安定のノーダメージである。
 カウンター席にはそれぞれブラックマントさん、財布ライダー、からあげばるかんの爺さんという……ひょんなことからつながりを持った連中が並んでいた。その横にちょこんと座る乱叉竹槍。
「あ、あのお……私、ここにいていいんでしょうか。場違いな気が」
「大丈夫だって。変な見た目だけど、ここちゃんとした定食屋らしいから」
 竹槍の肩を叩くツァイン・ウォーレス(BNE001520)。
「そういえば……白田のじいさんどうしてっかなあ。何か知らない、乱叉?」
「は、はあ。どういった方なんですか?」
「その時点で知らないか……」
 くいっと透明な水を飲み干すツァイン。
 その横では石川 ブリリアント(BNE000479)とブラックマンとがお歳暮を贈り合っていた。
「つまらないものですが」
「いえいえこちらこそ」
 リベリスタ、ハムとカニを交換するの図。
 そのまま焼酎をつぎ合うの図。
「なあブラマンさん」
「うん?」
「人はなぜ老いるのだろうな。知人の男が80を超えて、脳梗塞で寝たきりになってるんだが……最後に言ったまともな言葉が『あいつは仕事を頑張っているか』だ」
「あいつとは?」
「私のことだ。私は『このとおり』だ。だが一生懸命働いて、その先がこうかと思うとな」
「うん、そうだね。人は老いるし、いつか死ぬよ」
 ブラックマントは鼻をすすってグラスを置いた。
「商店街のみんなもそう。老い先は長くないって分かってる。でも……ううん、だからかな。だから、生きてるうちに、誰かの記憶に残りたいって思ったんだよ。だから、石川さんたちの協力を受け入れたんだ。みんな、思い出になりたいんだ」
「思い出か」
「思い出は、老いないからね」
「そうだな……」
「なんだ君たち、ずいぶんしんみりしているじゃないか!」
 明るい調子で肩を叩いてくる財布ライダー。
 彼と並んで、ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)が一升瓶をアホみたいな飲み方しながら笑っていた。
「このあとステージで餅つき大会だ。ぜひ参加してくれ、子供たちが喜ぶぞ!」
「それはいい、それはいいな!」
 ウラーと言いながら更に飲んだくれるベルカ。横目で財布ライダーを見た。
「新築した家はどうだ」
「快適……かは分からないが、愉快な基地になっている。みな楽しそうだ。君たちのおかげだな」
「宇宙から尋ね人が来たそうだが?」
「宇宙? エイリアンさんのことか。一度顔を出しに来た。仕事があるので拠点に戻ると言っていたが、名刺交換はしておいたぞ」
「そうかそうか。それでは、目指せセシリー級ということで餅をつくか! な!」
 外へ飛び出していくベルカたち。
 それを見送って、リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)は静かに湯飲みを置いた。
 同時に湯飲みを置くからあげ爺さん。
「お久しぶり、ですね。お爺様」
「おお……大きくなったのう、はるこちゃん」
「リリです」
「おお……そうじゃった。ゆっくりしていきなさい、はるこちゃん」
「また、新しいからあげを作ったんです。よければ」
「おお……」
 ぷるぷるした手で唐揚げをつまみ、頬張るじいさん。
 するとその瞬間、目つきが職人のそれになった。震えがぴたりと止まる。
「岩塩か」
「はい」
「しかし国産に拘っているな。インド洋の塩に手を出すといい。スリランカになじみの塩田農家がある。紹介してやる、飛べ」
「ありがとうございます」
「これはその塩を使った新作だ。みてみろ」
「…………なるほど」
 目を瞑り、リリは目尻を光らせた。
「世界は、まだ広いのですね」
「おお……そうじゃのう、みちこさん」
「リリです」
 こうして夜が更けていく。
 カウンターの内側で、快はグラスを磨きながら呟いた。
「占い……してないな」

●武器のことだけ~! 語ってミッドナイト!
「えー、登場順に『ヤれる』『デキる』『ハゲる』『トべる』『アえる』『フける』『キまる』『ミつかる』でターンエンドだ!」
「どこに向かって喋ってんの?」
「さあ……」
 居酒屋『黒木屋』。
 やっすい酒をジョッキで交わし、雲野 杏(BNE000582)は煙草をくわえていた。
「で、ギターの話だったかしら? これね、内側に魔導書のページ貼り付けまくっているの。詳しくはわかんないけど、楽器メンテと一緒に専門家さんに色々面倒見て貰ってるのよ」
「へー、それで音籠もらないんだ」
「魔法ってすごいわよね」
「まあエレキだから関係ないんだろーけどさ」
「他にも色々ギターあるわよ」
「へー、見たい見たい」
「魔導書といえば……」
 ジュース片手に顔を上げるシィン・アーパーウィル(BNE004479)。
「ほぼ等身大のものを使ってますけれど、ぶっちゃけ使いづらいですね。鎖と留め具をつけてしまって、ほとんど巨大なモーニングハンマーですし」
「そのうち開いたページに牙生やして襲ってきそうだよね。ワンワンみたく」
「持ち運びは不便きわまりないですし……AFが無かったらとおもうと、ぞっとします。楽器のように専用ケースでもあればまだ……」
「それなら、わたしのようにバイオリンにしてみてはどうですか?」
 これまたジュース片手に、綿雪・スピカ(BNE001104)がにっこり笑った。
「これには細工してないのよ。どこまでもバイオリンなの。でも殴って演奏(物理)もしてみちゃったりして、ふふ。想像したら野蛮ね」
「そもそも楽器と武器は別のものになってしまったからな。古来はおなじものだったと聞くが」
 焼酎を飲み干し、アーサー・レオンハート(BNE004077)は息を吐いた。
「ところで、占って貰ってもらっていいか」
「いいけど、なにを?」
「こう……ふわもこを、もこもこできるかという……もこもこ運を」
「え、なんかやらしい」
「いや、違う! そういうのじゃない!」
「運とかいいからリクっちゃえ。得意そうなひとにリクっちゃえ」
「具体的な占いだな……」
 もこもこかあ、と呟きながらおかわりした酒に口をつけるアーサー。
 隣のテーブルでは、リベリスタたちによる銃トークが交わされていた。
「銃(ハジキ)ってなぁ俺らにとっちゃ武器じゃねえんですわ。脅しの道具っつうか、『逃がさねえぞ』って暗に伝えるための道具っつうか……まあ、一般人相手じゃ当てただけで死んじまうからよ、構えるだけで使えやしねえんだが」
「なるほどお。 曳馬野涼子さんの価値観に近いものがありますなあ。俺は……ニューナンブだからなあ。ナビ子占いでは『鎮圧性に注ぐと吉』とありましたが、どういうことなんでしょう」
 犬吠埼 守(BNE003268)は自分の銃を撫でながら妙な顔をした。
「スキルからしても打ちづらいんですよ。近づいて殴るばかりで」
「お巡りさんなら、打つより殴るほうがずっと多いんじゃないんですか? 私、そういうのだと思ってましたけど」
 お酒をガン無視してとにかく喰いまくるユウ・バスタード(BNE003137)。
「私の場合銃と言えば『遠くの敵を殴る道具』ですから。歩兵装備ですよ」
「他に銃と言えば……リリさんや福松さんですか? リリさんは儀式兵器ですし、 禍原さんは撃って殴ってですし。ジョブによって運用方法も変わってくるんですなあ」
「ですねえ。……ところで、どちらさまでしたっけ」
「ん?」
 青いアロハシャツの男が自分を指さした。
 うんうんと頷くユウ。
「え、俺青鵺だけど……呼ばれたから来たんだけど」
「私呼んでないですよ?」
「俺も」
「えー……」
 崩れ落ちる青アロハ。
 そんな彼らを無視して。
 ナビ子は椅子の上にぴょんと飛び乗った。
「まーとにかく、2014年もがんばりましょーってことでひとつ!」
「「かんぱーい!」」

 新しい一年が来る。
 きっと今までに無い出来事がおこり、未だ見ぬ人々と出会えることだろう。
 そんなとき、あなたがあなたのままでいられますよう祈りをこめて。

 あけましておめでとうございます。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 ふらいんぐあけましておめでごうございます!