●がちんこ うーむ。『歪曲芸師』名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)は困っていた。 というのは、三高平市内で行われる予定のプロレスショーがあるのだが、それに出演する筈だったレスラーのアークリベリスタが任務で傷を負い、出演できなくなってしまい。どうしたものか。このままではショーを楽しみにしていた皆もションボリだ。 何か出来れば良いのだが……スタンリーを呼ぶか?噛まれる未来が見えた。蝮原咬兵?溜息で一蹴される未来が見えた。どうしよう。 そう思ったその時、目の前を通り過ぎる人物が見えて。 「ちょっとそこのリベリスタの皆々様! プロレスショーに出てみませんか?」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ガンマ | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年12月01日(日)23:51 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●序 「眼鏡の紐長いマンとか実際複雑マンは来ないのか……」 しょんもりする『リング・ア・ベル』ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)の言う通り、あと尺的な問題で、実況解説は地の文でお送り致します。 ●第一試合――白ウサギVS黒キツネ! ビーストハーフ美女ガチンコバトル! 白いウサミミ、白いレオタード、白い素肌をスポットライトに輝かせ、『イナバ』こと『ギャロップイヤー』宇佐見 深雪(BNE004073)がリングイン。バニーガール(深雪にとっては不本意だが我慢するっきゃない)なルチャドーラはコーナーポストに飛び乗り決めポーズ。 (プロレスになんだか縁があるわね……) 今回の相手はフィクサードではなくリベリスタだが。あの時のお客さんが居れば面白いな、なんて。 「ま、楽しんでいきましょ」 振り返った、その先。 「ダート明覚さん参上や!」 ロープを飛び越え、セクシーでヴァイオレンスな黒ボンテージに悪の女幹部チックな凶悪装飾の明覚 すず(BNE004811)がリングイン。担いだ斧をイナバに突きつける。 「はっはっはー、今日こそは死んでもらうんや、リングが13階段の代わりやん」 「その挑戦、受けて立つわ」 言うなり、イナバがロープを利用し高く飛び上がる。圧倒のバランス能力が成す脅威、正に月に飛び立つ人間ロケット! 「ふっ、飛んで火に入る夏の虫や!」 だがダート明覚にはお見通しだった。その豊満なグランドキャニオンの合間から怪しげな紫色の液体が詰まった小瓶を取り出すと――あーっと!これは!毒霧!毒霧だ!ぷしゃっと顔面に受けたイナバ、これは堪らない!リングの上で大悶絶! 「勝てばええんやー!」 正に悪役レスラー。だが斧は飾りだ。ぺいっと投げ捨て、更にイナバも場外に蹴り落とし、ポストに上る。そして跳ぶ、落ちる、ニープレスだ!これは痛い! 「ほなもっかいいくでー!」 あくどいダート明覚は更にもう一撃と飛び掛る。イナバはこのままやられてしまうのか。否!バネの如く跳ね起きると鮮やかに回避!ダート明覚は地面に激突、逆に悶絶! 「流れる水の如し、ってね」 蝶の様に舞い、蜂の様に刺す。ウサギの如くリング内を縦横無尽に跳ね回り、鋭くキック。ドロップキック! 「ぬああ、地獄に堕ちろー!」 ダート明覚は負けじとその辺にあったパイプ椅子をぶん回す。パイプチェアー・デスサイクロン。プロレスはガチ勝負――如何に客に楽しんで貰うか、というガチ勝負や、芸人みたいなものじゃの! 「くっ……!」 サイクロンに巻き込まれたイナバがド派手に倒れこむ、ダート明覚がすかさずフォール!ワン、トゥー……しかし飛び起きるイナバ、そのファイティングソウルは健在だ! 「カウント2,9秒って奴ね」 「ちっ、運のいい奴や!」 「真っ向から立ち向かってやるわ。一応、ベビーフェイスの方が合ってるのよ」 そしてイナバは跳躍し、ダート明覚の頭部を足で挟み込んでそのまま後方へ回転しつつマットに叩きつける!フランケンシュタイナーだ! 「ぐふっ」 決まったー!これにはダート明覚も大の字ピクピク痙攣人事不省だ!倒れ方も格好悪く、これ大切や!(本人談) WINNERイナバ!ゴングの音が鳴り響く! ●休憩――ドラマティカ白石オンステージ ラウンドガールの『ミサイルガール』白石 明奈(BNE000717)がマイクを片手にリングイン。パフォーマンスタイム、ミュージックスタート! 「え? 試合多くて尺がない!? ちょっと待って一曲位歌わせt」 割愛。 ●第二試合――ワイルド&キューティーVS赤き覆面獣! 虎の咆哮が鳴り響く。それを表すならば正に『シンプルイズベスト』であった。コスチュームは白シャツと黒のショートタイツのみ、サポーターも使わず、魅せ付けるのその肉体の主こそが――『縁側で微睡む猫』岩月 虎吾郎(BNE000686)ことホワイトタイガー。素顔が覆面。 (プロレスの事はよく知らんが……) ただ戦うのではなく『魅せ』ればいいのだろうか。初めての体験じゃが頑張るぞ!そんな健気なおじいちゃんは雄叫びながら筋肉を隆起させて己のシャツを木っ端微塵。 その隣で颯爽と手を振り、ファンの皆様に応じているのはレースクイーンスタイルのドラマティカ白石。服の使い回し?気にするな!予算は有限なのだ! そんな『ワイルド&キューティー』の登場に沸く会場。だがそこに胡乱なスモークがもくもくと漂う。これは何だ。何だ一体。そしていつの間にかスモークが晴れたリングに佇んでいる謎の二人組レスラーは誰なんだ!どうしてメルクリィそっくりなんだ!だがデコが『765』だし刺々しいですぞ! プログラム製作とか色々裏方ありがとうございますと言いたい人ランキングNo1である『足らずの』晦 烏(BNE002858)が用意した資料によれば彼らは『ミステリアス・名古屋・パートナー1号・2号』。ミステリィ。だがホワイトタイガーは欠片も動じずその場に仁王立ったまま、マイク片手に彼らへ指を突き付ける。 「謎の2人組という訳か……対戦相手として不足はない、見事勝利を掴んでみせよう!」 マイクをリングに叩き付けて、試合開始! 「ドラマティカ白石、『美女と猛獣』だ!」 「ラジャー!」 駆けるワイルド&キューティー!先制攻撃のツープラトンダッシュラリアット!765も「ですぞー」と手羽先チョップで襲い掛かるが、 ∩<|;´w`|>* <ギャアアアア *<|;´w`|>* <ウッギャアアアア お約束的に爆発四散する肩のアレ。 だがしかし! 765のボディに罅が入り! ミステリアス・名古屋・パートナー1号からビリーンと現れたのは戦慄の覆面百二芸:晦烏!2号からはレッド・レボリューション・マシン! 「ここからが本番、チーム【赤き覆面獣】の戦いはこれからだ! 往けRRM、その非情なる破壊を見せてみろ!」 「ураааа!」 説明しよう!レッド・レボリューション・マシンとは自称ファイティングコンピューターだ。何かにつけて台詞に赤色を絡めたがるが概ね上手く行かないが、気にするな!メカメカしい覆面を被っているが特徴的な犬耳が丸出しなのも、気にするな! 専門的な事は兎も角、レッド・レボリューション・マシンがドラマティカ白石に襲い掛かる、猛烈な殴打のラッシュを無慈悲に仕掛ける!これは!レッド・レボリューション・マシンの必殺技、三年殺しだ! 「ロシアのサンボの裏ワザだ! 喰らった相手は三年限りの命だぜ!」 しかし連打技なので殴れば殴るほど寧ろ寿命が延びて超ホスピタリティである!デュクシ!デュクシ!効果音はメイドイン自前(口で言ってる)! だがドラマティカ白石はその場から一歩も下がっていなかった!不敵に笑う、敢然なる者<クロスイージス>!受けてナンボのドラマティカ! 「そんなものかベル……RRM! 非情の戦闘マシーンの名が泣くぞ!」 やられてばかりだとは思うなよ。ドラマティカ白石が攻勢に出る――必殺、ドラマティカコブラツイスト!絡み合う肉体!きしむ関節!これぞプロレスッ!勿論ファンサービスも忘れないッ! 「このおっぱいモンスターめこのっこのっ」 ぎゅむぎゅむ。キャットファイト。どっちもモンスター。オッパイ的な意味で。 だがここでレッド・レボリューション・マシンが隠し持っていた凶器の閃光弾でドラマティカ白石に直接ぶつける!零距離!迸る光!自分もモロに食らっている!やりたい放題の大暴れだ!極悪だ! 「くっ……ワタシごとやれ!」 目が眩むドラマティカ白石であったが、ここでレッド・レボリューション・マシンを羽交い絞め。承知したホワイトタイガーがロープを利用しぐんと迫る! 「「ドラマティックタイガーエクスプローショォオオオン!!」」 ドラマティカ白石が抑えた相手を、ホワイトタイガーがドロップキック!もんどりうって倒れる女レスラー二名!でもドラマティカ白石はサムズアップ! 「大丈夫イケるイケる平気! あっでもやっぱ痛い!」 「中々やるようだな……ならばこちらもコンビ技でお返ししようではないか!」 往くぞ!ура!今度は晦烏とレッド・レボリューション・マシンが動き出す。その手に持つのは凶器(閃光弾)!一片の躊躇もなく左右より投げつける!壮絶な光の嵐、閃光魔術クリムゾン・ウィザードだーっ! 「まだこっちの攻撃は終わってないぜ……!」 非情なる追撃!晦烏が狙うは視覚と聴覚を奪われ動けないホワイトタイガー!正面から相手の胴を抱え上げ、逆様にした相手をマットに叩き落すこの技はエメラルド・フロウジョン――否、クリムゾン・フロウジョンだーっ!これは効いた~っ! しかし修羅の如く立ち上がる、ホワイトタイガー! 「相手に10割の全力を出させ自分が11割の力を出す事こそが、プロレスの美学っ……!」 大技にはそれ以上の大技を。男の浪漫。今度はホワイトタイガーが晦烏を真正面から抱え上げる番だった。リバースパイルドライバーの如く叩き落とすその技こそ、イワツキ・ドライバー! 喝采の中、フロントバイセップスのポーズからの上腕二頭筋に口づけでファンの心もがっちりホールドだー! 「ワタシも負けてられないな!」 よおし。ドラマティカ白石はいつの間にかポストの上。歓声の中、バネの如く勢いを付けて飛び出した!ドロップキックだ!ミサイルガールの面目躍如!まさに人間弾頭!ドラマティックよ燃え上がれ!この一撃を『ミサイルキック』と人は呼ぶ! 「こいつでフィニッシュだ、いっけええええええ!!」 狙う先にはレッド・レボリューション・マシン――超命中!顔面HIT!倒れこむ!そのマスクが砕け散る。改心、悪の噛ませ犬! 「ノーフェイス+フェイト+ユウジョウ=リベリスタ!」 「お前ベルカだろ!」 「ぶわああああああああああああ」 弱点(本名呼び)でレッド・レボリューション・マシンの涙腺が大決壊。 そんなこんなで正義は勝つ!よいこのみんなはまねするな! ●休憩――色々幕間 因みに明奈が出ていた第二試合では深雪が恥ずかしそうにしながらもラウンドガールとかやってました。それ以外ではセコンドとか雑用とか。お疲れ様です。 一方で虎吾郎はグッズ販売。軽食や飲み物は勿論、各選手のサイン入りブロマイドや色紙を販売。 「お買いあげありがとさん。……ん? わしはホワイトタイガーではないぞ」 ニッコリ微笑み、ふと思う。蝮さんも来ればよかったと思うがのう。楽しいのに。 ●最終試合――AWWAジュニアヘビー級タイトルマッチ プリンセス★スノーVSサブミッションドラゴン! 暗闇に光る、真っ白な月明かりの如く。 可憐で美しく、そして強い…… 「超絶プリティ★プリンセスロッテのお出ましですぅ!」 可憐なドレスをぶわっさぁと翻し、『プリンセス★スノー』ロッテ・バックハウス(BNE002454)がリングイン。ライトに照らされ、白雪姫の様に美しく輝き、リングの真ん中でその手を掲げて喝采に答える。 が、それらを吹き飛ばしたのはリングを揺るがす勇ましいミュージック。真紅のマントを翻し、颯爽と登場したのはプロレス界の凛々しき女皇だった。龍をモチーフにしたセクシーコスチュームから覗くのは抜群のクールビューティーダイナマイトボディ。ヒールめいてミステリアス、されどその銀髪から覗くのは正義の味方のベビーフェイス。首輪を飾る鎖が、じゃらりと唸った。 『サブミッションドラゴン』上杉 龍桜(BNE004064)、堂々のリングイン。ポストの上に飛び乗ると、指先ですっと天を刺し貫いた。 「……ロッテ。戦うには不足……なし。真剣……勝負だ……!」 「フッ、随分とビッグな相手なのですぅ……これはちょっとやそっとじゃ、勝てぬのですぅ……しかし! わたしのテクニカルな関節技の連発で、必ず倒してやるのですぅ! 肉体言語で二度と喋れなくすればいい、と言うことですね!」 「良いだろう……かかってこい……!」 「ハイパークールでホットなショータイムですぅ! さあ、いくのですぅ! ルールはしらんですが!」 飛び出したのは同時だった。ガキッと組み合った。原始的にして漲るフィジカリティ、筋肉VS筋肉の竜虎合戦! 「ぐぐぐ……」 「……ッ はァっ!」 力比べの勝者はサブミッションドラゴン!プリンセス★スノーをぶん投げる!びたーんと叩きつける! 「びゃあ!」 つ、強い――公園に遊びに来るガキンチョとは比べ物にならない。立ち上がるプリンセス★スノーを、サブミッションドラゴンは堂々たる貫禄で見返して。差し出した手でクイクイと招き、『かかってこい』。 「リングでは泣かないのです! 誰でも一人ひとりきりなのですぅ……自分との戦い! 絶対に負けるわけにはいかないのですぅ!」 見ててね、おばあちゃん……わたし、リングの上で頂点とったる――! 「そしてプリンセスから覇王なのです! 全てを征するのですぅ!」 飛翔。さながら天使!フライングボディアタックで今度はプリンセス★スノーがサブミッションドラゴンをかっ飛ばす! 「わたしがリングに上がっている限り『わたしの時代』なのですよ……時は来た!! なのですぅ!! プリンセス★ステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロック!」 略してPSTF。うつ伏せに張っ倒した相手の足首と膝を極めつつ、その顔面を締め上げる!決まった!どうだ!未だだ!サブミッションドラゴンがその技巧で鮮やかに脱出、そのままドラゴンキャメルクラッチだーっ!プリンセス★スノー絶体絶命!しかし根性で脱出!なんとも白熱したサブミッションバトルだ! 「プリンセスゥ★飛びつき腕ひしぎ逆十字固め! おんどりゃ!」 すかさずプリンセス★スノーがその素早さと身軽さを遺憾なく発揮して飛びかかり、ぶら下がるように全体重をかけて相手を回転させ、十字固め! 「ふっ……効かんな!」 しかし流石のサブミッションドラゴン、女皇は決して伊達じゃない。跳ね飛ばし転がしたプリンセス★スノーへドラゴンムーンサルト!だが躱される!これは痛恨! 「サブミッションで天下一なのですぅ!! リングの上で最強になるのです!! プリンセス! ボー・アンド・アロー・バックブリーカァー! フンヌアア!!」 攻撃を失敗し立ち上がろうとしていたサブミッションドラゴンに組み付いたプリンセス★スノー。その背中に両膝をあて、頭と両足を掴み、そのまま下方向へ締め上げる!決まったぁ~っ! 「ッっ……!」 逃げられない、サブミッションドラゴン!このまま敗北を喫してしまうのか! 否――聞こえてくるのは子供達の声援。サブミッションドラゴン、負けないで。負けないで! 嗚呼、ならば、その声に応えねばならぬ! 「まだまだ……私はこんなところで……負けられないっ……!」 なぜなら私は――『サブミッションドラゴン』だからだ! 「おおおおおおおッ!」 龍の如く咆哮。振り払い、そして繰り出すのはフランケンシュタイナーからのブレーンバスターを組み合わせたオリジナル必殺技―― 「ドラッヘカイザァアアアアアアアッ!!!」 完全に決まったーーー! ゴングの喝采!双方への賛美!勝敗はあれど、勝負は美しいッ! 「お互い……良く戦ったのですぅ……いい経験が出来たぜ、熱い握手だ……なのですぅ!」 「ロッテ……いい試合だった……ありがとう……またやろう」 交わした握手は、鉄よりも堅く。 その日、リングにはいつまでも拍手が鳴り響いていた―― 『了』 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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