●泡沫に消ゆ 静かな夜だった。 哀しい程に澄み切った宵の空はちっとも揺れずに其処にある。 ――どうして、此処にいるのかな。 ぼんやりとした頭でそんなことを考える。 濃紺色の空には大きな大きなお月様。その空を模したかのような水面にわたしは居る。 静かだった。わたしが体を動かせば水面が揺らいで音を立てたけれど、それでも夜の紺色はちっとも揺れない。 ――どうして、此処にいるのかな。 だけれど、不思議だな。水面は凄く心地が良い。ひんやりと冷たく無慈悲にこの体を包んでくれる。 だけれど、不思議だな。何か足りないの。 そうだ、静か過ぎるんだ。こんな夜はどうしても寂しくなってしまうから。 静かな夜には歌声を灯そう。 ――だから、わたしは歌うんだ。 開いた口。溢れ出す旋律は夜の闇を揺らすはずだった。 けれど、漏れたのは声にならない空気の震えのみ。 声が出ない。こんなんじゃ、誰にも届かない。 その時、静かな夜を割るように砂浜を踏みしめる足音がきこえた。だから、そちらに目を向けると一人の男性が居た。 (……ねぇ、あなたは、きいてくれるの?) 彼は私を見て、凄く驚いたような顔をしていた。けれど、わたしは近付くの。 聞いてくれるんだ。聴いてくれるのね! 彼の為に、わたしは気持ちをいっぱい込めて歌った。気付けば彼は息絶えていた。けれど、まだ歌う。 とっておきの鎮魂歌を、今宵のお客様に。 だって、わたしはただ、歌いたかっただけだから。 ●消える行方に 「エリューション事件が起きる」 そう切り出したのは『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)。無機質なブリーフィングルームに不釣り合いな容姿。だけれど、彼女の纏う雰囲気は不思議とこの空間に合わさっていた。 「形状は、人魚姫、というよりはセイレーン……けど、声は無い」 半人半魚のセイレーン。歌うことで災いをもたらすと謂われている化け物。だけれど、このセイレーンの歌声には音が無い。 きこえない歌声が宵闇を揺らして災いになる。無音の歌声とはいえ確かに力を持ち脅威となることは確か。 それが、ある海岸に現れた。 「彼女の姿に気付いて、眺めていると向こうから寄ってくるみたい。だから、誘き寄せられると思う」 まるで自分の歌を聴いて欲しいように。そうして、近寄ったら無音の歌声を奏で、対象に災いをもたらす。 「私が見たのは偶然通りがかった男の人の死。だけど、今から行けば被害を防げるはず……」 そう一拍おくイヴ。そして真剣な眼差しでリベリスタ達を見つめて。 「だから、よろしくお願い」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:水綺ゆら | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年12月02日(月)22:53 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●その哀歌に終焉を 静かな夜だった。 すっかりと移り巡ってしまった季節とともに流れるのは冷たい夜の潮風。 哀しい程に澄み切った冬の夜空には独りぼっちで揺れる満月。孤独な月を慰めるには余りに頼りない星の光が夜空にぽつりと、針で穴を開けたかのようにか細く輝いていた。 そんな夜空の濃紺をそのまま映したような色を湛えた海にも、ただゆらゆらと水月が揺れている。何処までも透き通り、全てを飲み込んでしまいそうな程に澄みきった夜。 「声無きセイレーンか……もし、声が有ればどんな歌を歌うんだろうね」 音も無く、声も失い。全てが消えたような夜の光景を支配するのは静寂のみ。 宛てのない四条・理央(BNE000319)の呟きは、まるで夜の静けさに吸い込まれるように消えてゆく。 「一体、何処の誰だったんだろうね。最早それすらも忘れてしまったのかね――何を、望んでいたんだろう」 何故。如何して。最早その言葉も届かないのだろう。理央の後ろを歩く『赤錆烏』岩境 小烏(BNE002782)は、堕ちた歌姫に思いを馳せる。 この度の目標はエリューション・ノーフェイス――人がエリューションと化した存在。そのフェーズは2だから、もしかすればと一瞬、考えた小鳥は首を振る。 万華鏡が映し出した運命。善悪を喪っている彼女の未来に希望を見いだすのは余りに難しく残酷な話だった。 「どうして、人魚姫はうたうの? 揺らしたいのは人のこころ。聴いてほしいのはすてきな時間を捧げたいからではないかしら……」 まるで唄うように宵闇に零れる『Wiegenlied』雛宮 ひより(BNE004270)の囁き声。 「でも、こえがなくちゃ、揺らせない。禍をもたらすようになってしまったあなたの唄では、もう叶わない……かわいそうな人魚姫。おうじさまだって、気づいてくれないの」 「くだらないな……やれやれ、人魚姫だというのなら勝手に泡と消えれば良いものを。人魚にしろセイレーンにしろ、人前に出たがるから始末が悪い」 そう想いを紡ぐひよりの傍らで『普通の少女』ユーヌ・プロメース(BNE001086)は、息を吐く。吐き出された吐息は、少し冷えた大気に白く染まってすぐ消えた。 あれはただのエリューション。そんな相手に対して何も想うことは無い。だから、ユーヌの呟きはただ淡々と。 「アレはただの哀れな顔無しだ。救われず海の藻屑に帰るが良い」 ユーヌの呟きは突き放すように。だけれど、それに異を反するものは誰もいない。 標を失い、声を無くし、運命に見放された人魚姫。断ち切ることだけが、この憐れな物語に終焉を告げる唯一の鍵だと皆解っていたから。 「そうだね。彼女はもう世界の異物でしかないもの。その歌で、人が死んでしまうのならボク達に出来ることはたったひとつだよ」 だから『アクスミラージュ』中山 真咲(BNE004687)も頷いた。ニコニコと笑顔を崩さないままの幼い相貌。 「だけれど、其処までして唄いたいと願うのですね。声を失った彼女には、どんな事情があるのでしょう。それでも歌いたいと願うのには、何か込められた想いがあるのだろうでしょう」 『Le Penseur』椎名 真昼(BNE004591)は彼女の想いを思考してみる。だけれど、すぐに首を振って辞めた。 だって、オレ達は彼女の敵。そのオレ達が彼女の気持ちを拾うなんて、とても傲慢ですから。ユーヌや真咲と同じように、真昼も解っている。 「ただ、それでも願ってしまうのですよね。彼女のことをもっと知りたい、歌を聴きたいと……」 「だとしたら、それが出来るのも私達のみ。震えるソレがただの音だと言うのなら、私達が捉え声と、歌としよう。なぁに、我らは戦人。そう容易く倒れはせぬ私にしか出来ないことだろう?」 まるで奏者のように。『Friedhof』シビリズ・ジークベルト(BNE003364)は歌うように言葉を紡ぐ。真咲もジビリズの言葉に続けて。 「だから、ボク達が最期の願い。叶えてあげよう。ボク達が命をかけて聴いてあげればいい。だけど、その代わりに――彼女の命を、いただきます。いいよね?」 にこにこと、表情を変えないまま、さらりと言う。そんな真咲に頷いた真昼は再び前を向く。自分達に出来るのは、ただそれだけだ。 だけれど、もしも更に願えるのならば、此岸に何か一つでも残して欲しいとただ想う。 「ええ――さあ思考を始めよう。一欠片でも納得のいく結末を迎える為に」 世界に拒絶された哀れな顔無し。その唄が災禍を運び命を刈る危険なものであるのならば、自分達に出来るのはただ、その哀歌に終始線を打つ。ただ、それだけ。 「今宵の聴衆は私達リベリスタ。静かな夜に、その歌声を響かせて頂戴」 真昼の言葉に頷いて、衣通姫・霧音(BNE004298)は異眼で真っ直ぐに夜の海を見据える。 霧音達リベリスタの覚悟を映し出すかのように、霧音の手中で妖刀が凛とした冷たい光を立てる。 今宵は最初で最期のステージ。 終演へのプレリュードは、音もなく静かに流れだす。 ●最初で最期の独唱会 砂浜を踏みしめる音が静かな夜に響き渡る。その音に呼応するように、ぴちゃんと水面が揺れた音を理央は聞き逃さない。 「いらっしゃったようだよ。今宵の歌姫が」 訪れる戦いに備えて、理央は翼の加護を張り巡らせる。そんな理央の声に誘われてひよりは海の先を眺めた。 その視線の先には空にぽっかりと浮かぶ白い月。水面にはその月光が道のように長く長く伸びて映っている。 ぴちゃりとどんどんと水音を鳴らして近付く姿はまるで舞台に上がる演者のよう。ゆらゆらと揺れるセイレーンの水沫色の髪が冷たい月光に切り取られて、宵闇の中でも鮮やかに浮かび上がっていた。 「よし、こっちにおいでー!」 沖で泳ぐセイレーンに笑顔で手を振ったのは真咲。セイレーンはすぐにその真咲の姿に気付き、まるで月光の道を辿るようにセイレーンは陸へと上がる。 「良い夜だな、嬢ちゃん。静かで、今の季節によく合っている」 憂いを帯びた表情で、陸に上がるセイレーンにまず告げたのは、まるで穏やかな笑みを浮かべたような小鳥。 既に異形へと身を堕とした彼女が小鳥の言葉を解しているのか否かは解らない。だけれど、小鳥にそう声を掛けられたセイレーンは憂いの表情を喜ぶようなものへと変えて、早速と歌を紡ぐ。 その歌はリベリスタ達の身を苛む。 「……やれやれ、聞くに堪えないな?」 声なき歌。空気が震えた後の静寂を割ったのは、ユーヌは呆れたような呟き。仲間達から少し離れた場に陣取り歌をユーヌは自動拳銃を構え、弾を放つ。 「小賢しい」 しかし、狙い討たれたのはセイレーンともに付き添っていた蒼き妖精の姿をとった泡のエリューションのうち1体。一撃は確かに撃ち抜いて深く身を剔る。 それでも、蒼き妖精は表情を変えないのは彼女らが人の外にある存在故か。跳ね回る妖精のうち、先程の攻撃で傷付いた1体を理央は見据える。 「――うん、行ける。行くよ!」 ひゅんと風を切る音がした。揺らぐ黒髪とともに理央の手から放たれるのは僅かなものも貫く正確さを持った槍。それは対象の身を貫きその身を墜とす。 「一気に潰させてもらうよ!」 理央に続き、駆けだした真咲は大戦斧を振り回した。その刃の軌跡は光の飛沫が散るような精緻な美しさを纏い泡を刻む。 そうして、続くリベリスタ達の攻撃で次々と泡が削られて逝く。セイレーンも癒しの歌を放つけれど、リベリスタ達の攻撃の激流には耐えきれず、呆気なく溶けて消えた。 その光景を前にセイレーンは唄う。まるで、何かを叫ぶように。切ない歌は震わせてじわりとリベリスタ達の身を蝕んだ。だけれど。 「――嗚呼。足りない。それでもまだ足りない。謳え謳えよ高らかに! さぁ、行こうか!」 駆けだしたシビリズ。鉄扇の銀が月の光に冷たく反射する。全身の膂力を秘めた一撃で殴りつける。飛行種達が背後に回り、セイレーンを取り囲む。 銃弾が飛び交い、刃が舞う。 刃を向けられても尚、歌い続けるセイレーン。ひよりは、それほどまでに好きなのね、と何処か眠たげな表情の中に微笑みを浮かべた。そうして、紡ぐ言葉に決意を込める。 「観客が斃れずさいごまで聴き続けられるように、わたしが支えるの」 まるで声なきこえに寄り添う月の舞。ひよりの動きにあわせて涼やかな音色が響き渡る。夢護りの鈴音とともに紡がれるのは聖神の息吹。 少しだけ疲弊の色を浮かべていたリベリスタ顔に活気が戻る。 「不運だな、何も判らず其処にいて。まぁ、忘却が幸いでも大差はないが」 「この夜長を寂しいとも、落ち着くとも感じるのはその人次第。だけれど、記憶や理性は残っていなくとも、そういう感情が遺っているのは悪くは無いことだと思うよ」 ユーヌの言葉に対して、小鳥はそう返した。 しかしその手は休めぬままにふたりの攻撃はセイレーンを穿つ。だけれど、それはセイレーンもリベリスタ達も同じ。少しずつ進み出す戦況は緩やかに、互いの生命を削っていく。 「あなたの夢、どうか護らせて。そして、ふたたび、みつかりますように」 ひよりは鈴を鳴らす。鈴は災禍から身を護り、そして失せぬように願を掛けると言われているから。 声無きこえに、まるで寄り添うように鳴り響く鈴音は合いの手を入れる。 鈴の有無も気にしないようなセイレーンの歌声はまだまだ続き、より一層大きな歌声が目の前に居た真昼を襲う。 「――オレは嬉しいですよ。それだけ、貴女の声が聴けるということですから」 だけれど、彼は受け止める。例え、それが身を苛むものでも、貴女の想いに近付けるというのなら。身を蝕む唄、真昼は激痛に遠ざかりそうになる意識を無理矢理引き摺り起こす。その最期まで倒れず見送ることが願いなのだから。 そうだ。もっと、その声を聴かせて欲しい。想いを遺して逝って欲しい。其れが我が侭でも構わない。 「……っ!」 揺るぎなき決意。その身を灰にしてでも自らの想いに身を寄せようとする真昼の姿に、思わず驚いたような表情を浮かべたセイレーン。 「全く……無茶をするね、真昼くん」 理央が放つのは天使の息吹。癒しの祝詞が真昼を包み、その身を癒す。ありがとうと真昼が言葉を紡ぐと理央は仕方無いなとでも言いたげに微笑んだ。 そうして、唄が止む。何も音は聞こえていなかったはずなのに、不思議と感じる寂寞。 「確かに、揺れているわ。物理的に聴き取ることは出来ないけれど、それでも私の心によく届く。歌うことの喜びも、声が出せない哀しみも――歌って、不思議なものね」 霧音はそう言葉を紡ぎ、剣を鞘に収めた。 「余り歌は得手では無いけれど、一緒に歌いましょうか。今宵限りの夢だもの――歌姫のコンサートに刀は無粋。ユーヌ、構わないかしら?」 「……。勝手にしろ」 何故か許可を求めてきた友に対して、ユーヌは言い放つ。しかし否定はしない。そんな友人に対して霧音は微笑み、口を開いた。 軽やかに紡ぐ言葉はやがて音律を持って流れるような謳になる。暗闇に火を灯すように、静寂には歌声を灯そう。 また、誰かと誰か声が重なった。それは折り重なりあい響き合って、確かに夜の闇を揺らす。 「至高を見せろ! 血が滾らん! 喉を焦がして、恋焦がせ! さぁクライマックスだ! 鎮魂の歌で魂を震わせてみせろ――!」 紡がれる歌の中放たれたジビリズの鉄扇攻撃もまるで舞台に彩りを添える舞いのよう。綺麗だ。その光景に誰かがそんな言葉を紡いだって、きっと誰にも責められない。 そうして紡がれる歌も佳境。転調を迎え高鳴りが震え、弾け出す。 「ね、ひとりぼっちは寂しいよね。安心していいよ、ボク達はずっとここにいるから――」 そして、キミの最期を聴いていてあげる。歌のフィナーレと同時に斧を振り上げた真咲は笑顔のまま、それを踊らせる。 其れは、コンサートの終演を告げる証。物語の終焉を告げた鐘。セイレーンの命を断ち切った。 音が無い夜。音が消えた夜。静寂が支配する漆黒の海岸。 何も知らない月は変わらず揺れていた。 ●終演の刻は静寂に これは、後日解った話。 歌手を夢見ていた少女が居た。彼女は人の何倍も、何十倍も努力を積み重ねて漸く報われた。 だけれど、運命というものは残酷で、その矢先に彼女は病に倒れ二度と歌うことも叶わぬ身となってしまった。 夢半ばで倒れ絶望に苛まれていた少女。せめてもの慰めと少女の母は、少女の好きだった海辺にある病院へと転院させたのだという。 そうして、声を失った歌姫が姿を消したのはその直後。 それが『彼女』であるかどうかは解らない。今となっては確かめようも無い。 だけれど、悲運と悲恋に消えた歌姫。如何してか、その姿は重なって、反響し続ける。 「綺麗な歌を、ごちそうさまでした」 真咲は海に向かって、そう告げた。 セイレーンが消えた海。変わらず静かな音を立てて揺らいでいる。 「満足か。歌えて――さようなら」 ユーヌは踵を返す。悲恋で終わろうと悲運に終わろうとエリューションに身を堕としたのであれば自分達は自分達の仕事をするのみ。 其処に、思うことも抱くことも、振り返ることもなく、砂浜に真新しい足跡を刻んだ。 (あなたの歌、よく覚えておくわ――お眠りなさい、悲しい歌姫) ユーヌに続き霧音は瞳を閉じて振り返ることなく進み出す。 聞こえるはずのない旋律。何故か、それは今でも心の中に繰り返し響き渡っているような気がして小鳥は振り返る。 「心残りはこちらにあったな……」 ついぞ、その旋律を聞くこと叶わなかったのだから。 「そうだね……」 理央も頷く。 どんな声で歌うのだろう。何を思っていたのだろう。もう、想うことさえも難しい。せめて、最期まで唄わせてあげることが出来たのなら、それで彼女は満足だったのだろうか。 小鳥のその言葉の続きは音にはならない。だけれどせずとも真昼にもその想いがなんとなく理解出来て、軽く首を振る。 「それでも、俺は少しでも彼女のことを知れたのだから、それだけで充分嬉しいと想いますよ」 俺達は最期まで、彼女の唄を聴くことが出来た。ただ、それだけで今は充分じゃないか。一欠片でも納得のいく結末をせめて迎えられたのだろうと今はただ願う。 喩え、泡となって消えて逝く運命でも――自分達が覚えている、識っている。それだけが証。 だから、せめて覚えていよう。 夢破れた人魚が朝焼けに泡となり消えてゆく運命でも、かつての物語の中の人魚姫が自ら満足して逝けたように。その悲話を語り継ぐことがきっと出来る。 「確かに、震えたよ。声失き歌姫」 ジビリズの視線の先には相変わらずの頼りない星の光。 「すてきなお唄だったの――ありがとう」 ひよりは深い藍色の海に向かって、真っ直ぐに手を伸ばしてみた。その手の中でしゃん、と鈴が鳴った。 歌の消えた彼方。全てを飲み込み混ぜ込んだような漆黒の闇に全ては溶けて消えてゆく。 そしてやがてあの水平線から太陽が昇れば、世界はなにひとつ変わらない夜明けを迎える。 何も変わらない明日を連れて世界は変わらず回り続けるのだから、今はせめてを想い、その逝く果てを祈ろう。 ただ、変わらない夜の静寂が其処に在る。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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