● その海底は、元から荒れていた訳ではない。珊瑚礁の群生する海洋地、『真珠の首飾り』と形容される国家的環礁地帯。その国にあって北方に位置する、日本人であれば多くの者が知りうる環礁のひとつである。 そして、近年のブームに乗って、その名が強く認識されるようになった場でもある。だからだろうか。 海底を均すグラインダーは、七十年余りの歴史を感じさせる形状を保っている。惜しむらくは、削り取られた海底は幾星霜を待たなければ、否、待ったとして同じ輝きを取り戻さないだろう。 水中の生態系はナイーヴにして不可逆なのだ。 鎖が巻き上がる音と共に、その巨体は動き出す。 旧海戦の亡霊が。不浄の兵器と人の業に沈められたそれの思念が、動き出す。 ● 「マーシャル諸島共和国。御存知ですか?」 「……あれって国だったのか? マーシャルアーツって国家……」 「ストップ」 背後のモニタに世界地図を表示させ、『無貌の予見士』月ヶ瀬 夜倉(nBNE000202)はリベリスタに問うた。当然の返答だった気もするが……。 「では、今回の依頼現場、『ビキニ環礁』は?」 「……水爆実験、ビッグ7……いや、まさかなあ」 「場所はそれで間違いないですよ。『戦艦長門』を沈めた忌まわしいかの実験にほど近い海域が、今回の行動範囲です」 夜倉の言葉に、思わず言葉を失うリベリスタ。かの戦艦の沈没域付近は、確かに他の艦船を含め、多数の船が眠る格好のダイビングスポットだ。 それだけに、さきの映像を想起するに、次の言葉を待つのが酷く恐ろしい。 「エリューションフォース、『フロートフォートレス(浮遊要塞)』。今までに当海域で沈められた船の思念、観光客たちの念などが集積した結果、艦船型のエリューションとして顕在化。映像は未来なので先ず間違いなく止めることは可能です。状況が進めば珊瑚礁への被害も相応に出るものと考えていただいて間違いないです。出来るだけ早急な破壊をしなければなりません」 「つっても、こいつ艦船だろ? フロートシップ? そんなもんどうやって倒すんだ」 「当然、船には船で。皆さんには小型艇で接近して頂き、近距離打撃によって対象の沈黙を目指して頂きます。乗り込めるか、と言われると否ですね。飽くまで思念体なので、撃破した時に海に放り出されてしまいますから」 「近接攻撃は?」 「大体、こちらの小型艇が接触できるのが四十秒に一度。そのタイミング以外ではたたき込めませんが、幸いにして船体、つまり横っ腹に接触する形で近づけるので、最大効率が期待できます。接触するまでに射撃などで牽制、接近時に集中打撃による制圧……が、理想的でしょうね」 理想と現実がどれほど違うと思っているのか。リベリスタは思わず突っ込もうとしたが、無駄だということも分かっていた。 最善のためには、無理(さいだい)も已む無し。 「あ、それと」 決意をあらたに、行動しようとしたリベリスタを夜倉が呼び止める。資料の束から、写真を一枚抜き取った。 「わりと砲塔、半端ないので警戒しておくに越したことはありませんよ。何せ、国外ですから十分な情報ありませんし」 「……超弩級じゃねえか」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:風見鶏 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年11月26日(火)01:09 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●波は飛沫き、泡は揺れる マーシャル諸島は赤道に程近く、常夏の国としても、ダイビングスポットのメッカとしても広く知られている。 が、その実広範に渡る環礁での人口密度は高くはなく、観光客の比率はかなりのものだと言えるのだろう。 つまるところが、艦攻の……もとい、観光の最たるスポットであるこの地が荒らされることは、マーシャル諸島全体の死活問題なのだ。 「そろそろ問題の海域よぉん♪ 何時現れるかも分からないから私の分まで警戒お願いねぇん」 操縦席から声を上げたキャプテン・ステイシー、もとい『肉混じりのメタルフィリア』ステイシー・スペイシー(BNE001776)の声に、海に視線を向けていたリベリスタ達は一様に緊張感を取り戻す。 「羅針盤回すよー!」 自前のコンパスを手に『ピンクの変獣』シィン・アーパーウィル(BNE004479)は少し嬉しそうに声を上げた。まあ、羅針盤(コンパスの別称)を幾ら回したところで針は元の場所に戻るし、指す方角に向かい続けたら極論、北極行きなのだが、フィクション作品に対してそれを言っていいのだろうかと迷うことしきりである。楽しそうだからいいんじゃね。 「真珠の首飾りの名前がとても似合う場所だね……。ネオンブルーとエメラルドグリーンが煌めいて凄く綺麗……」 「綺麗なのはいいんですが、最近立て続けに海に向かう依頼が多いんですよね……これで三連続ですよ?」 感極まったのがありありと分かる声で中空を見据えた『ルーンジェイド』言乃葉・遠子(BNE001069)の言葉に、ややうんざりとした様子で返したのは『デストロイド・メイド』モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)。彼女の言葉は、確かに理解できなくはない。三十代も後半に差し掛かった彼女にとって、差し迫った案件は女性特有の何やかやである。冷え性などその最たるものだが……不幸中の幸いは、ここが温暖な気候に恵まれた地域であったことだろう。 だが同時に、重工業に携わる彼女にとって『兵器』を相手にするという、実にお誂え向きな任務であることも確か。装甲車などが現れた際、表にこそ出さずとも如何に関心を向けたことか。 これがE・ゴーレムの類なら話は違ったろうが、思念体なのだから運命とは残酷だ。 加えて、浮力はフロートで補う近代的……というか近未来的なフォルムである割に、装備がミサイルや艦載機ではなく火砲にリソースを集中させている、という矛盾。 「このツギハギで歪な感じがいかにも神秘界隈の産み落とした存在って感じですよね」 敵の出現を前にして、説明された特徴を反芻した彼女はその異常さを正しく理解しているといえた。 「私だって本気出せばやれるし……」 何処と無く不機嫌そうな、気怠そうな口調でカレー片手に意気込むのは『まだ本気を出す時じゃない』春津見・小梢(BNE000805)。勿論演技の一環である。 ついでに言えば、自らの特性にすら演技を盛り込んでしまっている辺り、彼女が如何にこの戦いにかける意気込みを強くしているかが伺えるだろう。 因みに、金曜日にカレー、の習慣は陸自でも守られているとか居ないとか。あと、カレーを食べている小梢へとモニカが声をかける。 「もういっそ両方混ぜてカレーシチューにでもしますか」 おいやめろ。俺はそういうの好きだけど非難轟々な気がしないでもないぞ。 いや、食べるの当人たちだしその辺りの懐広そうだけどまあ一応ね? 「一応、珊瑚礁に影響が少ない場所まで来たけど……うまくいくかしらぁん?」 モニカから受け取ったコーヒーに口をつけつつ、ステイシーは警戒を怠らない。仔細なデータを表示する水上探知機こそなかったものの、簡易ソナーは備わっているため、少々の対策は取りようがあろう。別に駄洒落のつもりはない。念のためだが。 「ビキニスナイパー見参です!」 そんな状況もなんのその。『ミックス』ユウ・バスタード(BNE003137)は既に水着姿だった。戦闘後の息抜きなどまで待つ殊勝さがあるわけでもなく、取り敢えず着替えてしまえライクなメンタルが実に彼女らしい。 常夏でなければ風邪でもひいてしまっていただろう。くわばらくわばら。 「確かに思念が残ってそうだよな。無念のさ……ところで皆、普通の弁当は要るか?」 「ありがとう……頂いておくね……」 人々の期待から出現したそれが、無念と共に沈んだらまた浮かぶのだろうか。そんな益体もないことを考えつつ弁当を広げようとした『アーク水泳部』エルル・ウィル・クート(BNE004691)に、遠子が控えめに応じた。 今更だが、この海洋任務に充てられたリベリスタは、何れもうら若き乙女達である。……うら若き。わかい(確信 遠征任務が初めての面子も居る以上、胃袋の無事から確保するのは当然のこと。お互いがお互いを気遣ったばかりに手持ちの食事の量が増えたとしても、結局はなんとか処理できるだろうから問題無い、といえば無いのである。 「やれやれ、どうせなら沈んだ船が浮き上がればいい物を」 思念の浮上に今ひとつ納得がいっていないのは『普通の少女』ユーヌ・プロメース(BNE001086)も同感らしかった。 カレーとシチューがごちゃ混ぜになった物体にスプーンを沈め、無表情のまま咀嚼する。栄養価や効率の観点からもこれを支持するモニカはさておき、微妙なことには変わりない。 その表情の裏でどう考えているかは知る由もないが、即ち満足であるというわけでもない。 世は並べてままならぬものである。 ままならない、といえば。現在彼女たちが居るこの地域こそ、アークにとって『ままならぬもの』の最たる例でもある。 日本から遠く離れた南洋の海上。頼みの万華鏡が効力を発揮しないこの地での対応は、現地判断を求められることが殆どである。 当然、その判断が正しいか否かを観測できる存在も無い。全てぶっつけ本番で動くほかはないのである。 「それなりに準備はしてきたけど、長期戦にならないことを祈るばかりねぇん?」 空腹やストレスは戦闘においての大敵だが、最大の問題はそれに留まらない。逐一経過する時間の中、潮流やそれに付随する操舵のバランスを考えなければ、予想外の窮地に立つ可能性も考えられるのだ。 そういう意味では、状況に即応できるステイシーの存在は殊の外大きかったと断言できよう。 「索敵や戦線を大事にしないと……って、頭の中で何かが……いやいやそうではなく、敵襲です!」 多分頭のなかじゃなくてフィアキィの囁きだったんじゃないかな。随分俗的だと思うが。 「本体は騒音発生装置の癖に、移動は随分と大人しいんだな? 大人しいまま沈んでしまえばいいものを」 シィンの声とほぼ同時に、ユーヌがその音源へと視線を向けた。波を割ることなく、ホバーで水上を拓くその姿は確かに重々しい船体を感じさせない静けさだ。不気味なほどに、ともいえる。 それに輪をかけて不気味なのは、その威容。主砲三門、機銃多数。接近を許そうとしない針鼠めいた外観は、確かに太平洋戦争を想起させるそれである。 当然、これを見たモニカの表情が酷く微妙になっていることは語るまでもなかったりする。 「さて、トバすわよぉん♪ 振り落とされないように頑張ってねぇん!」 「艦隊戦だからやる気出していくよー!」 距離としては十分。斜陽に染まる海原を、更に紅く染める砲火が閃いた。 ●七十年目の近未来海戦 先手を打って火砲戦の口火を切ったのはモニカの殲滅式自動砲だ。速度を、或いは守りを固めんとしたリベリスタ側に呼応するように射出された小型機とに一切関知せず、彼女は自らに出来る最大火力を叩き込むことを選択した。距離も精度も速度も布陣も関係の薄いこの戦場は、或いは彼女にとって最も戦いやすいそれであったのか。 「制空権は獲らせてあげないのです!」 散開した小型機を一網打尽にするのは敵わぬが、シィンの一撃は確実に一機を射界に捉え、強かに打ち据えている。 あらぬ方向に砲口を向け、音響弾を射出しているのが良い証拠だ。 「ビッグセブンがなんぼのもんじゃーい、こいやー」 あからさまな棒読みで威嚇する小梢に対し、しかし大型艦船は容赦がない。向けられた砲門は全て彼女を射線の軸心に捉えており、狙う気しか感じられない。リベリスタの身を外れても、割と危険であることが理解できよう。 彼女も、標的が自分でなければ避けることも考えたかもしれないが、その背後にシィンを据えているとなれば話は別だ。守り切る覚悟、不沈である覚悟を決めた以上は全て受け止めて然るべきなのである。 ……が、それらが彼女のもとに到達することは適わなかった。 主砲の砲門、うちひとつが突如として弾け、黒煙を吐き出したのだ。再稼働は可能かもしれないが、少なくとも斉射は当座、難しいだろう。 「不運だな、整備不良か? それとも沈む運命か」 まるでその運命を予め予測していたかのように、ユーヌが小さく嗤う。たしかに、浮遊要塞は不幸だったのかもしれない。かの少女を敵として迎えてしまったその事実が。 加えるならば、船体の横っ腹を叩く大火力も大概なものであるが、攻撃はそれだけで終わらない。 「ここで止めないと、珊瑚礁が守れないもんね……」 船体の柵に身を預け、ユグドラシルのヤドリギから放たれた糸が機銃の一つを絡めとる。同時に、フリーだった小型機の機関部を掠め過ぎたことで、守りを固めた部位をものともせず、大きくその機能を減退させた。 『皆問題ないかしらぁん? このまま少しトバすわよぉん♪』 「キャプテンのワザマエなら問題ありません、かっ飛ばしてくださーい!」 ひゃっはー、などと意気込む声が聞こえてしまうようなユウの表情は、心底その状況を楽しんでいるものだ。小型機に照準した銃の火力は、既に機動力を削がれた小型機を撃墜するには十分過ぎる威力を持つ。 手早く済ませてしまったついでとばかり、砲口の配置に目を凝らす。狙うとすれば主砲の可動部。効率よく破壊できれば、射界を狭めてこちらが優位に立てるのは間違いない。 「敵方、右舷! 面舵いっぱい、だ!」 『了解よぉん♪』 やや辿々しさを残しつつ、エルルが幻想纏いに叫ぶ。距離は徐々に近づきつつあるが、自らの一発を見舞うにはやや遠い。機銃砲火の激しさは増しているが、何とか立っていられるのは合間合間に挟まれるシィンの回復があってこそだ。生半可な状態でこの猛攻を耐えようとすれば、たちまちのうちに足を止められていたことだろう。 「兵站、救護、士気の維持は大切ですからねぇ」 しみじみと語る彼女の言葉がどこか時代がかっているような気がするのは気にしてはいけないと思う。 「的が大きい分耐久が高いですね。その辺りも、大抵数発でカタがつく現代戦には似つかわしくないというか」 三発目の砲撃を受けきった浮遊要塞を前にして、モニカが呆れたようにぼやく。並のエリューションなら防御など端から意味のない、趨勢を分かつ一発をこうも耐え続けられるのは流石に癪ではあったかもしれない。 加えて、あちらから放たれる砲火は僅かばかり衰えたように感じる程度という理不尽。 恐らくは。戦い足りないという無念と、戦う姿を見たいという稚気じみた期待から生まれた存在である事実が、より長くより確かに戦わせんとしているのだろう。 「浮遊要塞になんて負けないぞ、無敵要塞の名は伊達じゃない」 カレーシチューを手繰り寄せて食べつつ、しっかりシィンへの射線を塞ぎ切っている小梢の胆力ってなんなの……マジなんなの……。 ●フロウティング・ドッグファイト 「やっぱりというか、近づけば分かる程度にはあるんですねえ、『それ』……」 接射の域にまで接近した船上で、ユウは船首に据えられたエンブレムに視線を向けた。 旧日本軍、ひいては日本国の象徴でもある菊花紋章。この思念体のメインを司るであろう『その艦』を示すようなそれに、僅かに視線を奪われる。 砲塔を狙う以上は当てることはないかもしれないが、注意を振り分けなければ或いは傷つきかねない。細心の注意を払うべきだ。 「装甲に穴を開けてやるぜ! 落ちろ!」 水中戦ではなく、水上戦。しかも艦隊戦という専門外であっても、彼女のショック・シューターは正確に艦船の横っ腹に突き刺さる。ただ一発の好機のために固めた集中は、確実にその砲火に隙を与えるためのものだ。 戦闘に必要なのは実力もそうだが、何より覚悟とタイミングだ。状況に異を唱えず、出来る事を最大限模索した彼女は正しくその好機を掴むに足る存在だったといえるだろう。 「ここからなら……全砲門、ファイアー!」 砲火が止めば、ダメージの拡散は止まる。攻めに転じることができれば、リベリスタ側の総火力は極めて高いものと化すだろう。 舵を切った反動で僅かにかしいだ体も、安全靴があれば何とか耐えられるレベル……そのギリギリを攻めるキャプテンも、大したものだ。 「離脱は船体後方からのほうがいいかも……船首部よりは機銃の数が少ないし、海流もそっちのほうがよさそう……」 『ナイスアドバイスよぉん♪』 全員の魔力の減衰を目ざとく感知した遠子は、全員への供給と合わせて控えめながら、ステイシーに指示を向ける。 論理戦闘者たる彼女には、戦闘の終結が既に見えている。見えては居るが、実現させるにはリベリスタ全員の最大を引き出して初めて成るものであることも確か。 「小舟相手に大層なものだな? お飾りの主砲振り回し……ああ失敬、礼砲だったか?」 主砲は確かに威力が絶大だ。だが、機銃に比べれば可動効率が極端に低いため、離脱に入ったリベリスタを追うようにはできていない。 その隙を衝いてしまった以上、主砲はただの飾りに成り下がる。 礼砲だという嘲りが意図通りなら、それに対する返礼も必要ではあるのだろう。……リベリスタ側の、とびきりの返礼が。 「いくら大きかろうとナントカの一つ覚えみたいな火砲じゃ面白みがありませんね。退屈になってきましたしそろそろ退場して頂きましょう」 その言葉が全くの嘘ではない――心底退屈であったことを裏付けるように、モニカの掲げた砲火は狙いなど然程考えない雑なものだ。だが、雑であろうと要所を締めた一撃が外れる理もない。 それに添えるように放たれたユウの掃射、シィンのバーストブレイクと合わせ、敵艦上は爆発と変形を繰り返し、ノイズ混じりの船体を捩らせ、動きを乱していく。 それからたっぷり数十秒を経て、その姿は薄闇の中に解けて消えていく。人の願いが歪んだそれが、再び起きる事はない……恐らくは。 『それじゃ、近隣の組織に事後処理の協力を仰ごうかしらぁん? それとも……』 「せっかくだからこの後観光出来ないかな……?」 「よし、終わった! とりあえず、ひと泳ぎしないとな! 」 敢えて溜めを作り、反応を伺ったステイシーは、遠子とエルルの言葉に応じるように珊瑚礁の只中へと針路を向けた。 月が綺麗な南洋は、昼とは違う顔を見せることだろう。彼女たちの戦った『相手』の影もまた、運が良ければ見られるのかもしれなかった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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