●いつかどこかへ帰りたい お母さんは私の事が嫌いなんだと思う。だっていつもすごく怒る。早く起きなさい、早く支度しなさい、早く行きなさい。学校から帰っても早く食べなさい。早く勉強しなさい、早くお風呂に入りなさい、早く寝なさい。いつもいつも私を急かしてばかり。話しかけても『いま、いそがしいの』ってばかり。私の事、好きじゃないんだよね。わかってたの。お母さんは梓の方が好きだって。帰りたく……ないな。 土手に座った女の子はたった1人でじっとしていた。西の空が夕焼けに染まる。早く帰って何か食べて塾に行かなくっちゃいけない時間だとわかっていても身体が動かない。透明な悲しみに心はすっかり沈んでいた。 「帰りたくない……違うどこかに帰りたい」 女の子はつぶやく。ここにいるのは何かの間違いなのではないか。自分を優しく受け入れてくれる本当の居場所が違うどこかにあるんじゃないか。今いる場所ではない違うどこかに帰りたい……女の子は唇を噛み目をギュッとつぶり両手の拳を握って強く強く願う。「いいよ。我が連れて行ってあげる」 すぐ後で声がした。 「え?」 女の子が振り返ると、全く見た事のない光景が広がっていた。深い青と藍に白い光が煌めく世界。社会科見学で見たプラネタリウムの星空よりも綺麗だった。その宇宙の前に薄青い宝石の様な鳥が浮かんでいた。 「連れて行ってあげるって言ったんだよ」 声は明滅するその青い鳥から響いていた。びっくりしてしまって女の子は声も出ない。けれど石は饒舌だった。 「我の世界が気に入るかはわからない。でも本当にどこかに帰りたい気持ちって強い気持ちはわかっているよ。だって、そうじゃなかったら我はここに導かれていないからね」 「なに? 鳥さんが何を言っているのかわからないよ。私は……」 「鳥ではない……我は間違えたか?」 青い石が一際明るく明滅を繰り返えす。まぶしさに女の子は両手を顔の前に掲げて光を遮るが、何もかも見られてしまったような不思議な感覚を覚える。 「そうか。遺伝情報をもたらしたモノと、自らと同じ個体から遺伝情報を得たモノを排除したいのか?」 石の言葉は更に難解でその異質さに恐怖した。置きっぱなしのランドセルをそのままに逃げ出した。 「我は決めた。汝の希望を叶えると」 鳥は宝石の様な翼を大きく広げ、覆い被さるように女の子へと滑空した。 ●思いこみの激しくて優しい青い鳥 ブリーフィングルームに現れた『ディディウスモルフォ』シビル・ジンデル(nBNE000265)はどうしたらいいのか迷っている様だった。 「思いこみが激しいってどう思う? ちょっと迷惑な事だってあるよね。でも、善意から……優しい気持ちから何かをしてくれようとしている時って断るのが難しいでしょう?」 誰にだってそんな思い出が1つくらいあるだろう。悪意ではなく純粋な好意からの行動は断りにくいし、場合によっては相手の方が説得力があることもある。押し切られて親切の押し売りをされて、でもやっぱり断ればよかったなんて事があるものだ。 「ボクと同じぐらいの女の子がね、お母さんに叱られたんだよ。妹とケンカしちゃってね。『お姉さんなんだから我慢しなさい』とか『お姉さんなんだからしっかりしなさい』子供には理不尽だけどね。別にお姉さんになりたくってなったわけじゃないし」 少し頬をふくらませるシビル。非公開だがシビルにも妹か弟がいてそんな小言を言われたことがあるのかもしれない。 「と、とにかく。子供の定番、放課後家に帰らなくて土手でしょんぼりしていたらアザーバイトと波長があってしまったみたいなんだ。彼女の愚痴を真に受けちゃってね、自分の世界に一緒に連れていくか、それとも彼女の母親と妹を殺してあげようとしている」 だから女の子が選択を下す前に彼女を説得して欲しい……と、シビルは言う。 「相手はいたいけな女の子だからね。優しい言葉で説得してよ。成功するとアザーバイトが怒って攻撃してくるかも。でもみんなに頼めば守ってくれるよね、彼女の心も身体も……」 信頼をこめた目でシビルはブリーフィングルームに集まったリベリスタ達を見て、少しだけ微笑んだ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:深紅蒼 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年11月27日(水)22:16 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●夕陽の沈む土手で いつかどこかに帰りたい……ここではない本当の幸せがある場所へ帰りたい。暮れてゆく空の翳る色と同じように、石嶺梢(いしみねこずえ)の心は光を失いかけていた。それは目の前に突如出現した宝石の様な青い鳥のまばゆく青い光を見て、拒絶するには甘美な申し出を聞いた瞬間からだった。悪い事だと、望んではいけない事だと判っていても、幼い心に誘惑はするりと入り込み、明確に断れない。どうしようもなくて、梢はランドセルを拾い上げもせず、不思議な鳥にクルリと背を向け走り出した。けれど、異界の鳥は諦めない。 「我は決めた。汝の希望を叶えると」 宝石の様な青い翼を広げると、本物の鳥の様に滑空し梢に向かって舞い降りる。 「そこの鳥さん、ちょっと待った! その瞬間だった。梢と異界の鳥との間に別の大きな――本当の――大きな青い翼の鳥が凄い速度で宝石の様な鳥との間に割って入った……様な暖かい気がして梢は振り返った。けれど、そんな事はなかった。そこにいたのは背の高い、優しそうな瞳の黒髪の男の人だった。見知らぬ男がすぐ側にいても、梢は彼が不審者だとは思わなかったし、怖いとも感じない。 「亘、あとはよろしくお願いね!」 声を張り上げた『骸』黄桜 魅零(BNE003845)はまだ後方にいて、梢とアザーバイトの間に割って入った長身の男に後を託す。 「誰? どうしてこんな事をするの?」 青い宝石の様な……とても生きているとは思えないような姿の鳥から不快を隠そうともしない声音が響く。声音に滲む怒りを感じて梢は身をすくめた。けれど、知らない男は背に梢を庇うように静かに宝石の鳥の前に立ち、一歩も退かない。 「突然申し訳ございません。貴方と梢ちゃんにどうしてもお願いしたい事があり間に入らせて頂きました」 丁寧に宝石の鳥に挨拶をした後、その人……『幸せの青い鳥』天風・亘(BNE001105)は名を名乗った。 「……わたる」 梢は耳に伝わるその人の名前をもう一度つぶやく。 「不愉快なり、亘。我は此なるいと小さきモノを我の世界に連れ帰る。或いはいと小さきモノの遺伝情報の元と、同じ元から情報を得たモノを排除する。我が決めたゆえに我は遂行せねばならない」 高次の世界からの来訪者は自分の意志よりも優先すべきモノは何もない……かのように自信に満ちて言い放つ。 「貴方が梢ちゃんから感じた彼女の願いは嘘ではないのでしょう。けれど、それは本当の願いではありません」 「嘘ではないのに本当ではない? 亘はこの世界の言葉の定義を我と議論する気か?」 「いいえ」 本物の鳥の様に首を傾げて尋ねる愛らしい青い宝石の様に輝くアザーバイトに亘は短く返答する。 「梢ちゃんが本当に望んでるのは愛情だと思うんです」 そして亘は恐れることなくアザーバイトに背を向けて梢へと向き直った。 「ねぇ、梢ちゃん。これから帰って本当の想いを真っ直ぐに伝えてくれませんか?」 胸の奥の奥まで見られてしまっているような不思議な感覚と、背徳の思いを知られた恐ろしさに梢は答えられない。 「……いや、いや」 アザーバイトだけでなく亘からも逃げようと走り出した梢はすぐに柔らかい人間の障壁にぶつかって、反動で尻餅をつく。 「君~、喧嘩か何かして~、落ち込んじゃってますか~?」 ゆっくりと、少し間延びした様なのんびりとした口調の声が頭上から振ってくる。亘とは違う女声に梢が顔をあげ……ポカンとした。 「うそ……天使?」 真っ白い肌に金色の髪、そして背に広がる真っ白な翼は図書館で見た天使の絵にそっくりだ。けれど、ユーフォリア・エアリテーゼ(BNE002672)はビックリしすぎて動けない梢の様子には全く気付く様子がない。 「暗~い気持ちで考えて~大きな事をしちゃうと~後悔しますよ~? 知らない人に~お願いしちゃうとか前に~全力でぶつかっちゃった方が良いですよ。親の心~子知らずと言いますし~本当の気持ちは~家族でも分かりませんからね」 「天使なのに日本の説教くさい。もしかして、これって夢なのかなぁ?」 梢はユーフォリアを見つめながら片頬をギュッとつねる。 「……痛い」 「心が読めても~その人の事~全て分かる訳じゃないですから~」 最後の言葉は梢ではなく、梢の表層の心だけを読んでわかった気になっている異界の住人への痛烈な皮肉……かもしれない。 「おかしいな……どうしてなんだろう」 その気になれば一気にアザーバイトへ接近し、攻撃の1つも放てるだけの力と時間を持ちながら『Le Penseur』椎名 真昼(BNE004591)は自らの動きを封じていた。どうして仲間達が異界からの来訪者と交渉すべきだと思うのか理解出来ない。心を占めるのはジリジリと焦げる様な怒りだった。どうしてこんな風にしか感じなくなってしまったのか。どう逡巡しても今の自分の中には怒りしかない。だから、真昼は一歩だけ下がった場所で危険な来訪者を睨め付ける。仲間達の為に待つこの猶予さえ油断せず、何かあればすぐに力を使えるよう……些細な動きさえ逃さぬよう注視し続ける。最初の一撃を叩きつけるのは絶対に自分なのだと力を溜め、その時に備える。 「やっぱり……怖い」 突然現れた不思議な宝石の様な青い鳥。そして次々と見知らぬ人達がやってきて梢はもうどうしていいかわからなかった。しかも天使まで出現している。悪役ではないかもしれないけれど安心して良いかわからなくて、数歩後ずさったところでまたしても誰かにぶつかった。今度はそれほど年の変わらない女の子で、とっさに梢の身体を支えて転ばないようにしてくれる。 「ごめんなさい。大丈夫ですか」 「う、うん。こっちこそごめんなさい」 さりげなく梢と接触して移動を制限したのは『もそもぞ』荒苦那・まお(BNE003202)だった。 「何か、怖いことがあったのですか?」 「う、うん。あれ……」 梢は少し自分よりも大きいだろうまおの背後に回り指を差す。 「大丈夫です」 まおは少しでも安心安心してもらえるようにと梢の背に手を置き、ブルブルと震えているのを感じた。これ以上、この子に怖い思いをさせられない……と、まおは思う。 「鳥様がやろうとすることは、しっかりゆっくりと考えてから決めなきゃ行けないことです。だから、待って下さい」 「我は待つものにあらず。決断を求むもの也。選択せよ。我の世に来るか、壊れかけたこの世にはらからを滅して生きるか」 宝石の様な鳥はイライラとしているのか翼を広げ、身体を僅かに明滅させながら梢に返答を迫る。 「わからないよぉ。鳥さん、何を言っているの?」 「初めまして優しい鳥さん。もう少し時間をかけて私達の話を聞いていただけませんか?」 どこからともなく現れた『奇術師』鈴木 楽(BNE003657)がアザーバイトに語りかける隙に『Radical Heart』蘭・羽音(BNE001477)が梢に寄り添っていた。 「こんにちは。あたしは、蘭 羽音。大丈夫、あたし達は、貴女の味方だよ」 幻視の効果で羽音の人に有らざる部分は梢には見えない。大人の女の人だけど、どこかのんびりとした雰囲気があって怖くなさそうに感じられる。 「味方? 本当に? みんな味方って言うけど、わかんないよ」 「みんな味方だよ。妹ばっかり大事にされたら、そりゃあ寂しいし悲しいけど、でもね、いつかきっと妹がいて良かった、って思える日が来るよ。お母さんに言えないことを相談したり、一緒に服を買いに行ったり。いつか、恋バナとかもできるかもねっ」 「いつか……っていつ?」 羽音を見上げる梢の目には涙が溜まっていた。 「今は想像できないかもしれないけど、きっと今の体験が思い出になるくらいに……楽しい日々が、待ってるよ。きっと梢は良いお姉ちゃんになるよ」 羽音の優しい言葉を聞けば聞くほど、梢の胸に悲しみが溢れ涙がこぼれる。 「帰りたくない、あれは君の望みを聞いた。その願いを叶えようと躍起になっている困った物の怪だね」 「おばけなの?」 梢は『鈍色』亞門 一戒(BNE004219)の言葉に顔をあげた。涙でぐしゃぐしゃだ。 「あれが願いを叶える手段は二つ。 君を異世界へと連れ帰るか、君の母と妹を殺すかだ。どちらも望むものではないのなら、きちんとお帰り願うんだよ」 「さようならって言えばいいの?」 「その前にきちんと嫌な事は嫌っていうんだよ。あれははっきりと言わなきゃ解らないんだ」 一戒は梢の前に立ちお守りを差し出した。裏返せば『学業成就』と刺繍があるのだが、神妙な様子で渡せば守護の力があると勘違いしてくれるかもしれない。 「これを握っておいで。私達が護ってあげよう」 「うん」 梢は素直にお守りを受け取る。 その頃、シルクハットに燕尾服、顔の上半分を覆う仮面に白い手袋という仮面舞踏会かテレビや舞台の上でしか見ない類の服装で、楽はアザーバイトに対峙していた。幸いにもアザーバイトは楽の服を奇異にも思わず翼を畳む。対話を求める楽の気持ちを感じるのか、どうやら話を聞く気があるらしい。 「確かに貴方の世界へ行けば妹さんと喧嘩することも、お母さんに叱られてしまうこともなくなります。ですがそれは救いにはなりませんよ。だって……彼女はお母さんや妹さんのことが大好きなのですから」 「……好き?」 「そうです。そうでなければ喧嘩したり叱られて悲しくなったりはしませんよ。人というのはそういうものなんです。好きだからこそなんです」 アザーバイトは最後まで楽の話を聞き、僅かに翼を振るわせて梢に尋ねた。 「この者の言う事は正しいのか?」 「……ほら、ちゃんと自分の口で言ってご覧?」 一戒が梢を促す。 「私、あの、私……お母さんが私の事を好きになって欲しい。本当は梓より私の事を好きになって欲しいけど……いっつも梢が悪いって、梢が悪いの? お母さん!」 青い鳥のアザーバイトが身体を明滅させる。 「我は判断する。遺伝情報の元を滅し、この小さい生き物を連れ帰ると!」 アザーバイトの変化にいち早く対処出来たのは、ずっと話し合いが破綻するタイミングを探っていた魅零と、ただの一度も穏便に解決出来ると思っていなかった真昼だった。 「無理! これ以上話合っても多分、無理だよ! もう戦うしかない」 魅零の声が各人のアクセス・ファンタズムから響き渡るのと、アザーバイトが飛び立とうとするのと、その身体が魅零が放った漆黒の霧に包まれるのはほぼ同時だった。 「我を縛めるつもりか?」 「あなたが悪い子では無い事は十分分かっているの。でもね、貴方の行動がこの子の幸せになるとは限らない」 「汝らの行動も幸福へと連なるとは限らぬ」 「もう! わからずや!」 魅零の霧を振り切って飛び立とうとしたアザーバイトだが、その青く美しい宝石の翼は大空を捉える前に真昼の気糸に絡め取られた。 「わ、我を留めるのは誰か?!」 「子供の一時的な感情のままに、その子供に家族を害する引き金を引かせようとする異世界の化け物!」 飛び立とうとするアザーバイトが気糸を振り切ろうと、激しく暴れ出す。 「行かせることは出来ません!」 梢には見えない青く美しい翼を広げ亘が飛んだ。そしてアザーバイトに体当たりし、冬枯れた草の地面へと一緒にになって転がっていく。 「天風~そいつから~離れて下さい~」 口調とは裏腹にあちらこちらと高速移動しつつユーフォリアが接近する。 「わかりました」 「いいタイミングです~」 亘が飛び退いたその場所へとユーフォリアの攻撃が炸裂する。甲高い鳥の鳴き声の様な悲鳴がアザーバイトのくちばしから放たれる。けれど、一度戦闘開始と決めたリベリスタ達の攻撃は止まらない。破滅を示唆する道化師が描かれた不吉なカードがアザーバイトの宝石の様にすべらかな身体にヒットする。 「まおだって、いきなり他の世界に連れて行かれるって聞いたり難しいことを言われちゃったらびっくりします」 カードを投げたまおの言葉をアザーバイトは聞いていただろうか。 「我の邪魔はゆるさぬ!」 「ちょっと、危ないから……離れていようね」 青い宝石の身体の中心から激しい光が炸裂したのと、羽音が梢を抱えて飛びさがったのはほぼ同時だった。 「きゃああ」 「梢!」 羽音は必死に梢を抱きしめ、抱え込むように丸くなって地面に伏す。一撃でもアザーバイトの攻撃が梢に命中すればただでは済まないと思うからだ。 「無事か? 羽音、梢」 「大丈夫だよ、ね」 駆け寄った一戒にひょいと羽音が立ち上がり、抱えていた梢も一緒に立ち上がる。その小さな震える手を一戒はギュッと握りしめた。 「大丈夫。奴の姿が見えるだろう。ここでこうしている間は君の親も妹も無事でいられる」 震える梢は返事も出来ないが、羽音に守られて擦り傷少々程度しか怪我をしていない。 「お願いです! 彼女を大好きな人と離れ離れにしないであげてください」 いつの間にか下がり気味の場所に移動していた楽が清らかなる存在に祈りを捧げ、癒しの力を仲間達へと下賜される。 「ボトムの事はボトムで解決したいの、お願い、解って頂戴」 「オレはアナタが大嫌いだ。」 再度、魅零が漆黒の霧をアザーバイトへと放たれ、真昼の気糸がアザーバイトの身体に絡み、がんじがらめに動きを封じる。 「放せ! 我を放せ!」 もがくアザーバイトに一度退いた亘が再度接近する。 「彼女の幸せは本当はすぐ傍にある筈だから、この世界で梢ちゃん達の笑顔溢れる未来を築きたいんです!」 亘の銀色の短剣から美しくも壮絶なる光の飛沫が弾け飛ぶ。そのひとつひとつが華麗なる無数の刺突となって敵を襲う。 「ぎゃああああ!」 あまりの威力にアザーバイトは猛禽に狙われた小鳥の様にあわてふためいて飛び回り、開いたままになっていた次元の裂け目に飛び込んだ。 「閉じるよ」 一戒がアザーバイトの世界とこちらの世界とを繋ぐゲートを閉じる。宇宙空間の様な世界が消え……そこは夕陽の沈んだ茜の空の下、いつもと変わらない川を見下ろす土手だった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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