● 暗闇の中で赤い目が光る。 狩りの時間が来たのだ。 「ウェーヒヒヒ、良い風だ、空気だ、酸素だ。俺は乾いている。絶望的なまでに、乾いている。だが、この風は俺を祝福してくれているんだ。もっと……もっとだ! もっと俺を祝福してくれ、ウェーヒヒヒ!」 ここは某都市の繁華街。その一角にある雑居ビルの屋上だ。都会の光も闇の全てを照らしてはくれない。 意味の分からない言葉と共に、男は自分の胸をナイフで切り裂いた。派手に鮮血が飛び散る。しかし、彼は痛がる様子すら見せない。むしろ、一層狂人じみた笑い声を大きくした。 「ジャック・オー・ランタン! こんな遠い国までようこそ! 今宵の狩りに祝福を! 今夜も狩りに祝福を! ウェーヒヒヒ!」 流れる自身の血に舌を這わせながら、男の声は止まらない。彼は知っている、己を苛む乾きを己の血で癒すことは出来ないのだと。それでも、今はその乾きすら愛おしい。 「さて、見つけた見つけた、見ーつけた。ダメじゃないか、うら若い女の子がこんな時間に1人で歩いていちゃあ。悪い男に引っかかるぞ? 変な大人に浚われちゃうぞぉ? ウェーヒヒヒ!」 鷹のような瞳で街を見ていた男は、突然自分の手を翼に見立てて羽ばたかせる。すると、どうだろう。男の体がゆっくりと宙に浮かび始めたではないか! 「女子中学生の血、美味しそうだなぁ、美味しそうだなぁ! きっと甘い蜜の味がするぞ。だから、じっくり楽しもう! トリィィィィック オア ブラァァァァッド! ウェーヒヒヒヒ!」 ● 「みんな、集まってくれたわね? それでは、説明を始めるわ」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)はメンバーが揃っていることを確認すると、依頼の説明を始める。その表情に嫌悪感が含まれたように見えたのは気のせいだろうか。 「今回の依頼はフィクサードの討伐。日本フィクサード主流七派の1つ、『黄泉ヶ辻』……聞いたことはあるかしら?」 神秘を悪用する人間、フィクサード。その中でも取り分け巨大な勢力を持つ7つの派閥、それが主流七派である。『黄泉ヶ辻』は「閉鎖主義」として知られている。何を目的とし、何のために集う組織なのかを問われて答えられる者はいない。他の組織と交わることも無く、不気味な事件や理解出来ない陰惨な事件に関わっていることだけが知られている。正直言って、可能ならば一生関わりたくない連中だ。 「今回事件を起こすのはそこに所属するフィクサード。名前はとうの昔に捨てていて、調査できなかった。分かったのは『飛鼠(ひそ)』という通り名だけ」 イヴが機械を操作すると、スクリーンには舌を異様に長く伸ばした異様な風体の男が現れる。やや色白なのは吸血鬼因子を持つ「ヴァンパイア」である証だ。 「この男は自分がいわゆる吸血鬼になったという妄想を持っている。半ば事実だから性質が悪い。だけど一番悪いのは、自分の妄想が生み出した吸血衝動に従っていること。怪物としての吸血鬼に成り下がってしまったこと」 イヴが語るには飛鼠は自分の妄想に従って人を殺し、その血を啜ることを常としている。そして、ハロウィンの夜に獲物を見つけ、存分にそれを充たそうとしているのだという。 「こいつの好みはローティーンの女の子……後は分かるわね?」 イヴの言葉を待つまでも無い。 リベリスタ達は全てを理解した。これ程の外道はそうそうおるまい。それが『黄泉ヶ辻』なのである。 イヴは敵のいる場所を予知はした。その一方で、上手く誘き出すことが出来れば不意を打つことも出来るかも知れない。作戦はリベリスタ達に一任されている。 「新しい犠牲者が出る前に、必ず止めて」 リベリスタ達は頷く。そして、イヴは無感情に聞こえる声に、精一杯の想いを込めて送り出す。 「……あなた達なら大丈夫だとは思うけど……一応。気を、付けてね」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:KSK | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 6人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年11月14日(木)23:07 |
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■メイン参加者 6人■ | |||||
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● 赤い柄の入った制服を着た少女が足早に夜の街を駆けて行く。この時期は日が暮れるのが早い。時間帯としてはまだ遅い訳でも無いが、既に宵の口といった所だ。 街の人々はそんな彼女を見れば、学校が遅くなったのだろうと思うのが妥当な所だろう。多くの人は、神秘を知らない人々は、想像もするまい。今宵、彼女が吸血鬼と戦おうとしているなどとは。 五十川・夜桜(BNE004729)は人知れぬ神秘の世界で戦いを重ねた危険な戦士、リベリスタである。年端もいかないローティーンの少女であるものの、実力は折り紙つき。やや入れ込んでいるように見える節もあるが、戦いにかける意気込みは十二分だ。 「さぁ、来るなら来い!」 夜桜は月の光る夜空を見上げ、まだ見ぬ敵を睨みつけるのだった。 ● 繁華街には大勢の人々が行き交っている。しかし、その誰もがすれ違う人の名前を知らない。イリア・ハイウインド(BNE004653)達が歩いているのは、そんな何処にでもある、そして孤独な街の中だ。ここであれば、歩きながら神秘に関わる話をしていても、逆に誰にも疑われない。 コートに付いたフードを直しながら、真面目な顔をしてアクセス・ファンタズムを確認している。前線で戦うことを望み、本人もまたそれを得意としているものの、彼女が戦闘を管理・支援する能力に長けていることもまた事実。 「吸血鬼の妄想に駆られたフィクサードですか」 相手の能力の確認に、囮として動いている仲間の行動把握。 やらなくてはいけないこと等、いくらでもあるのだ。 そして、『万華鏡』の予知を信じるのなら、そろそろフィクサードは獲物を見定めているタイミングのはずである。イリアの顔に緊張が浮かんだ。 「何の罪も無い少女が被害に遭ってしまう前に、なんとかしましょう」 「危ない役目をかわいい女の子に任せきり、なんて申し訳ないところだけど」 肩を竦めたのは『紅秋桜』桜瀬・真希(BNE004694)だ。 根っこがいい加減な彼は、今日もやる気が見えない。隣にいる少女と比べると、それは明らかだ。 もっとも、もし彼を知る者が見れば「十分やる気を見せている」と評することだろう。女の子が危険に晒されているのなら、彼は俄然やる気を出す。0と1の間には、無限にも等しい差が開いているものなのだ。 ましてや、彼にとって女性を囮にせざるを得ない状況とは本意ではないのだ。そうなれば、この怒りは事件を起こすフィクサードにぶつけるしかあるまい。 「まったくですね。女性一人に危険な役目をお願いするのは、気が進みません」 折片・蒔朗(BNE004200)もまた真希の言葉に頷く。やや乙女趣味な所もあるが、彼もまた1人の男の子。女の子を死地に晒して平然といられるような性質ではない。 だから、覚悟を決める。 真希と蒔朗、2人は互いに顔を合わせて頷いた。 「……必ず、守りますから」 「オトコノコ、やねぇ」 そんな男達を見て、明覚・すず(BNE004811)はニヤニヤと笑っている。 彼女からすれば、真希も蒔朗も同じく子供のようなものだ。そんな視線に、他のリベリスタ達は思わず睨み返す。 「コホ、コホ。怒らんといて。こっちは病人なんやから」 すると、すずはそこで思い出したかのように咳をしてみせる。もちろん、街中で目立たないように「風邪を引いている人」の振りをしているだけなのだが。 しかし、視線はまだ痛い。 仲間が誤魔化されてくれないと気付いた所で、ちょっぴり居住まいを正した。 「ま、何て言うかやな。女の敵はなんとやら、懇切丁寧に叩きのめしたいやん」 そう言って豊かな胸を張って見せる。 亀の甲より年の功とはよく言ったものだ。 その時だった。 アクセス・ファンタズムが反応する。夜桜からの連絡だ。 フォーチュナからの情報にあった空き地の近辺に着いた所、自分に着いてくる気配を感じたらしい。 「来たわね」 戦いの時間が来たことを知って、『ロンゴミアント』リタ・ハミルトン(BNE004711)の中に眠る獣性が目を覚ます。そろそろ自分を抑えるのも面倒になって来た彼女は、かぶっていた帽子を思い切り掴んで潰す。 三高平の中にいるのなら、自分以外に誰もこの下にある角のことを気にしない。だが、外に出ると気を遣わなくてはいけないことが増えて、気が滅入る。だが、戦っている間はそんなことを気にせずに済むのである。 暗視ゴーグルをかけると、リタは勢いよく走り始めた。 それに負けじと、仲間達も走り出す。 これから始まる、闇の中の戦いに向かって。 ● 「ウェヒ、ウェヒ……」 「な、なんですか……!? 人を呼びますよ!」 「女子中学生ウェーヒヒヒ!」 人気の無い空き地に追い込まれた夜桜を、1人の男が目を輝かせて追い詰める。無意味に手をぶらぶらさせており、何を仕掛けて来るのか分からない仕草は、彼女に不安を与える。 挙句の果てに訳の分からないテンションで、意味不明な言葉をひたすらに並べているのだ。これは正直、分かっていても相手にしたくない類の人種である。 夜桜が相手との距離を測っていると、突然フィクサードは蛙を思わせる不気味な跳躍で距離を詰めてくる。狙われているのは、彼女が意図して露出している柔らかそうな腹部だ。将来的にはもっと綺麗に魅せたいラインだが、まだまだ発展途上。だが、ここで変な傷痕でも付けられた日にはその夢も消えてしまう。 「きゃっ」 必死に身を捩って、何とか皮一枚切らせた所で致命傷を避ける。 だが、わざと悲鳴を大仰に上げてみる。悲鳴は「キャー」に限るとの至言もあるし。 「ウェーヒヒヒヒヒッヒッヒ!! 血だぁ! 赤い! 紅い! 朱い! あかいぞぉ!」 快哉の声を上げて悦びに浸るフィクサード。 しかし、彼の楽しみはそこまでだった。 シャッ 風を切る音が聞こえた。 背中に痛みを感じたフィクサードが背に手をやると、そこから矢が伸びていた。 後ろを振り向くと、そこには5人の影があった。 「まったく。あんまりせっかちだと嫌われちゃうよ?」 気だるげな雰囲気で真希が弓に矢を番えている。 精確無比な射撃でフィクサードを狙ったのだ。そも相手は目の前の獲物に夢中になっていたのである。それを外せなどとは、なかなか難しい。 「ウェヒ!?」 「まあ俺はそもそも男には興味ないけどさ」 加えて放たれる二の矢。真希は本格的に攻撃を開始した。 「つまり、あたしらはフィクサードを指先1つでダウンさせるお仕事に来た訳やね♪」 言葉と共にすずは今まで鬱陶しかったマスクを外し、魔力杖を手にすると、空き地全体に結界を張り巡らす。神秘の力を持たない者達を排除する力だ。これによりこの空間は、外界からほぼ隔絶され、神秘の力を持つ者達だけの戦場と化す。 他にもあれこれと一般人を巻き込まないための手段の用意はあった。すっかりと自堕落な生活を送るすずではあるが、リベリスタとして生きてきた年月は長い。腕前もすっかり鈍ついてしまったが、リベリスタとしての矜持までは失っていないのである。 「リベリスタ!? この世界は須らく監視されているのか!? なんという管理社会だ!」 怒りを隠そうともしないフィクサード。その隙を突いて夜桜はアクセス・ファンタズムを起動した。 リタも仲間の無事が確保されたことに一瞬頬を緩め、オートマチックを抜く。 「なんのかんので通り名があるくらいには、認知されているんだよね。早く何とかしないと」 空き地に乾いた銃声が鳴り響く。慌てて捕えた獲物である夜桜を取り戻しに向かおうとしたフィクサードの腕を貫いた。 しかし、相手もいっぱしのフィクサードだ。この程度で怯みはしない。犬歯を剥き出しにしてリベリスタを睨みつけてくる。 「魑魅魍魎跋扈するこの地獄変、囲まれているというのなら女子中学生の血だけでも吸うぞ!」 「そんなこと……させません!」 「ウェヒ!?」 フィクサードが『黄泉ヶ辻』らしい狂気と自滅的思考に満ちた台詞を吐いた時、突然奇妙な声を上げた。原因は彼の前に立ち、大業物を握った蒔朗にある。 蒔朗の刻もうとした死の刻印が足元に飛んできたことに怯えた……と言う訳ではない。 問題は蒔朗の格好だ。 元々、彼は愛嬌のある顔立ちをしており、やや女顔である。加えて乙女趣味もあり、下手なアークの女性陣よりも高い女子力を持っているものと推察される。 それがロングヘアのウィッグを付け、女子制服を着用して現れたのだ。結構レベルは高い。 すずが軽く口笛を吹く。 (この格好、必要なかったら恥ずかしいだけですよね……いえ、皆さんに怪我のない方が何よりですけど) 「女子中学生! 2人も! ふたりも! 死んでも血だけは吸わねば!!」 蒔朗の不安を他所に、フィクサードは突然興奮し始める。 どうやらヒットしたようだ。 全身から血を流しながら奇声を上げる。 「黄泉ヶ辻の方は所謂奇人が多いと聞きますけど、納得してしまいますね……」 イリアは自分のこめかみを押さえる。真面目な性分の少女にとっては、些か思う所もあろう。もしも、このフィクサードが神秘の力に目覚めなかったのなら、出会うことも無かった。 しかし、それでも歪んだ世界の法則は彼に力を与えた。 しかも、彼の妄想を最悪の形で再現するものを。 しかし、同時に天は彼女にも力を与えた。何故自分が戦わなくてはいけないのか、それは自分でも分からない。そして、今ここでこいつを倒すことが出来るのは、自分達しかいないのだ。 フードを外すとイリアの持つ銀色の猫を思わせる耳が露わになる。彼女の持つ神秘の力の現れである。 「皆さん、やりましょう!」 イリアの声に合わせるようにリベリスタ達の戦闘動作が共有されていく。 何よりも、彼女の声は仲間達に戦う勇気を、自分も共に戦おうという闘志を与えるのだ。 ● リベリスタ達の攻撃による混乱から回復してしばし、フィクサードはエリューション・フォースを自分の防御のために用いる。警戒状態であれば、彼の潜伏場所に乗り込んでいたのであれば、それはリベリスタ達の妨害のために姿を現わしていたのであろう。 しかし、現れた蝙蝠の形をしたエリューション達はやや大きい。人の尾行を行う際には無用のものであり、なればこそ獲物を狙うために召喚していなかったのだろう。しかし、このフィクサードにしては真っ当な、妥当と言っても良い判断がこの場においては彼に災いした。 結果としてリベリスタの襲撃はフィクサードの不意を突く形になり、敵の布陣が整う前に強烈な先制攻撃を浴びせることに成功したのだから。 「妄想でそこまで出来るようになったんだから、すごいわ。アークでも時々そういう人見かけるけど…ま、そこら辺は敵も味方も変わらないか」 リタは苦笑を浮かべながらエリューションを狙う。 妄想が高じて革醒した、というものは珍しくない。困ったことに。 アークの中にだっている。 だが、そのことを今は問うまい。一番重要なのは今、戦いが行われているということだ。 「飛んで逃げられるのは厄介だよね」 リタは駆け回りながら蜂の襲撃を思わせる連続射撃でエリューションを攻撃していく。半分は当てずっぽうで狙いを定め、正確に敵を撃ち落す。本来なら矛盾している射撃だが、彼女なら成立するのだ。 「お仕置きたーいむ! 普通の女の子だと思って油断しているようなら痛い目を見るよ」 弾丸が派手に戦場を駆け抜ける中で、夜桜は先ほどまでのお返しとばかりに剣を振り回す。 フィクサードのナイフとぶつかり、派手に火花が散る。 「吸血鬼じゃないから分からないけど、性別とか年齢によって血の味って変わるの?」 「当然だ! 血を! もっと血を!」 「吸血鬼だから血を吸うのは分からないこともないけど、か弱い女の子ばかり狙ってっていうのは変態さんだよ!」 夜桜の質問には狂った調子で返してくるフィクサード。 対してまだ色々と恋愛を夢見る年頃の夜桜は怒りを集めて、荒れ狂う闘気を帯びた剣でお返しとばかりにフィクサードを叩き切る。 「このままにしておく事は出来ないから懲らしめてあげないと。若い女の子代表としてね!」 フィクサードの実力はリベリスタ達と比べて大きく突出したものではなかった。その分、エリューション達がカバーするのが彼の基本戦術だったのだろうが……。 「やっぱり指先1つでダウンさせる仕事やん」 すずの呼ぶ雨が残ったエリューションすら押し流してしまう。 既に余裕の表情で決めポーズすらしてみせている。 その様子に歯噛みするフィクサードを見て、イリアが挑発する。 「高貴な吸血鬼が女子供相手に尻尾巻いて逃げるんですか? 鼠みたいに」 自分が吸血鬼だと思い込んでるなら十字架やニンニクが苦手だったりしても良い。しかし、そうでないというのならとても自分に都合の良い妄想を持ったものだ。そして、そんな都合の良い妄想の持ち主ならば、この挑発は効くとイリアは踏んだのだ。 「お前も血を吸われたいのかぁぁぁ!」 イリアの読みは当たった。 ひょっとしたら、ネズミ呼ばわりされたのが癪に障ったのかも知れない。彼の通りなの「飛鼠」は蝙蝠の別名なのだ。 「相手はおれですよ」 「女子中学生ぃぃぃ!」 フィクサードの動きを封じるようにして、蒔朗は今度こそ死の刻印をフィクサードに撃ち込む。こっちへ来られるのも、それはそれで複雑だと思いながら。彼は基本的にはロマンチストなのである。 追い詰められたフィクサードは破れかぶれにナイフを振り回す。 しかし、それは既に蒔朗の身を捕えることも叶わない。 そして、単調になったフィクサードの動きを見ながら、真希はゆっくりと弓を引き絞る。 機械のように精確な動きで。 機械よりも精密な狙いだ。 「ウェヒィィィィィ!」 奇怪な叫びを上げてリベリスタに飛び掛かろうとするフィクサード。真希はその瞬間、生まれた隙を見切って矢に魔力を込め、解き放った。 フィクサードもその音に気が付き、ナイフで受け流そうとする。しかし、矢はさらに加速して、フィクサードの心臓を貫いた。 「ウェ……ヒ……」 「俺から逃げられると思ってるの? 女の子の敵は俺の敵なんだよ」 最後に息を漏らしたフィクサードを見下ろしながら、真希は弓を仕舞った。 こうして今日も神秘の世界で1つの戦いが終わった。 しかし、フィクサードもまた、神秘の力を宿したただの人間に過ぎないのだ。 人の欲望がある限り、戦いは終わらないのかも知れない。 それでも、リベリスタ達は明日、また剣を取るのだろう。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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