●10月13日、夜 「ハッピバースデー プーラムー。 ハッピバースデー プーラムー。 ハッピバー(↑)スデー ディーア プラムちゃーん。 ハッピバースデー プーラムー。 わーわー。きゃー、おめでとうー、プラムちゃん素敵ー」 クラッカーがぱん、と乾いた音を鳴らす。ふぅっ、と慎重かつ大胆な吐息で蝋燭の火を吹き消す『深謀浅慮』梅子・エインズワース(nBNE000013)。彼女の息でケーキに丸く並んだ二十本の蝋燭は端から次々に消えていき、最後の一本が消えると室内が暗闇に落ちた。 「…………むなしいのだわ」 ぽつり、とした呟きとほぼ同時に、消えきらなかった蝋燭の火が復活する。 小さな灯りに照らされた室内には、梅子ひとりしかいなかった。 ●10月14日、昼 なんとなく、今年は誕生日を主張するのが気恥ずかしかったのだ。 梅子も今年でついに二十歳。成人なのである。 お酒が飲める。 タバコが吸える。 車の運転、結婚なら、とっくにできる年齢になっている。 もっとも、酒は「はたちなのだわー!」と缶ビールを買って見るような真似をする気にはならなかったし、タバコはもともと吸うつもりがない。車の運転はなんだか今更感が強いし、結婚に関してはそもそも高望みが過ぎたりその他諸々で相手がいない。 妹に対抗できる(ほぼ唯一の)ポイントとして姉ぶっている彼女としては、あたしはいつまでも子供じゃないのだわ! という思いもあったりなかったりするのである。 とはいえ、後悔とはまさに後になってから悔やむもの。 どうしてあたしは誕生日をもっと強気で主張しなかったのか、と彼女が色々なものに打ちひしがれてみたりしている今は2013年10月14日(祝日)の昼前なのである。 一人バースデーなんて寂しいことをしてみたからこそ、ホールケーキは独り占めできた。自分の好きな部分を思うように食べることができた。好きな曲をかけて好きなように、思うままに時間を過ごした。 その結果がどうだ、この心に広がる虚無感は。 梅子は目を伏せたまま唇の端を上げ、ふふ、と小さく笑った。 「これが、大人になるってことなのね……」 多分違う。 襲い来る虚しさに、梅子は自分のクッションに顔を埋めて唸る。 やがて、それにも飽きた梅子は気分転換に外の空気を吸うことにした。 ――さあ、散歩に繰りだそう。大人の日の第一歩だ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ももんが | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年10月24日(木)23:39 |
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■メイン参加者 22人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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