●機竜魔型『異相公爵』 小島芸予要塞跡異門定点観測所、上空。 銀色の大型バイクに似た機体へ赤い軍服の男が抱きついていた。 よく見れば手足は機体に挿入固定されており、同じく身体もベルトでしっかりと固定されていた。 だからといって不自由そうな様子は無く、どころか彼はエネルギー体による翼を広げて華麗に宙を舞っていた。 この機体を『メタトロン』と呼び、リベリスタの空中戦闘を支援する目的で開発されたものだということは、今は深く語らないでおこう。 それよりも大事なものがある。 『ボス、囲まれますぜ』 「分かっている」 ボスと呼ばれた男チャールズは、自らを固定した機体を意志によって操作し、その場から急速に上昇した。 すぐ真下を鉄の化け物が高速で通過し、ガキンと顎を鳴らした。 童話や何かに出てくるような鉄の竜である。彼らはこれを機械生命体アザーバイド『機竜』と読んでいる。 これまで見た機体との違いは、顔部分が緑のぶよぶよした物体に覆われていること、そして――。 『前です、ボス!』 「――!?」 機竜が背中や腹から露出させた機銃をよけて螺旋機動を行なうチャールズ。そんな彼の前方に突如として謎のもやが出現した。 目をこらすチャールズ。そしてすぐに目を剥いた。 それまで自分は空を飛んでいた筈だ。 だと言うのに今はどこにいる? 辺り一面崩壊した家屋が並び、「人間だったもの」が大量に折り重なって積まれている光景だ。 自分はその中心に立ち、腐った肉や焼け焦げた木の臭いにむせかえっていた。 そうしていると、周囲の死体が次々に起き上がり彼を取り囲んだ。 逃げなければ。そう思うが足が動かない。気づけば下半身の無い子供が両足にしがみついていた。それも大量にだ。すぐに次が来る。大量の……そう、男か女かも分からない、焼けただれた人間の形をした何かが飛びかかってくるのだ。 チャールズは叫び、暴れた。 そして。 『ボス、応答してくれボス! ボス! 舵を上げるんです、ボス!』 自分が地上めがけて真っ逆さまに落下していることに気がついた。 辺りは雲と青空。自分が飛んでいた場所だ。 今のは幻だったのか。 安堵の息をついたが、すぐにそれどころではないことに思い至った。 自分は今、地面めがけて猛スピードで突っ込もうとしているのだ。 この先には民家もある。必死に頭の中で舵をきった。進路が森のほうへと修正される。だがそこまでだ。自分を追って飛んできたであろう無数のエネルギーミサイルが着弾。爆発を起こし、彼は停止した機械ごと地面へと墜落したのだった。 『ボス! ボス! 大丈夫ですか!』 「……生きている。フェイトがあったことに、今は感謝するばかりだ」 バラバラに砕け散ったメタトロンの残骸から這い出て、チャールズは小型通信機に手を当てた。 「やはり我々だけで食い止めるのは不可能なようだ。アークに……助けを……」 そこで、彼の意識は途絶えた。 空の上では、今も機竜が飛び交っている。 ●君、罪消ゆることなく。 『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)がリベリスタたちにもちかけたのはアザーバイドの討伐依頼であった。 四国周辺に出現した機械生命体アザーバイド『機竜』を空中戦によって撃破すること。 もし依頼が無事に遂行されなければ、機竜たちは上空から爆撃を行ない少なくない民家および民間人に被害が及ぶ可能性がある。 「住民の避難は最低限済ませてあります。ただちに現場へ向かい、サポート員と現場協力員の支援をうけつつ離陸、戦闘に入ってください」 機竜魔型。 識別呼称『異相公爵』。 頑丈な表面装甲と連射可能な機銃を備え、独立した飛行能力を有している。 複数の機体で高度な連携行動をとり空中での戦闘に秀でる。 またこの個体は対象者に深い幻覚を見せることで錯乱状態を引き起こし、同士討ちや自爆を誘発させる能力を確認している。 「この、幻覚を見せるというのは?」 リベリスタの質問に対し、和泉は冷静な面持ちで頷いた。 「過去に起こした過ちや深刻な後悔、もしくは恐怖などが刺激される……との報告を受けています。自意識が直接操作されているため自力で脱することは非常に困難であり、味方の回復を必要とする、とも」 「魅了能力ということか。それならまあ楽だな。ブレイクフィアーでも積んでいけば」 簡単に解釈したリベリスタに、和泉は少しばかり目元を暗くした。 自らの罪過を引き起こされるというのは、そんな風に表面を撫でただけでぬぐえる痛みではない。 だがそれを克服するべきは他ならぬリベリスタ本人であり……つまり、あなたなのだ。 「尚、本作戦において現場協力員から支援兵器の借り受けが可能です。作戦遂行に不安がある場合は利用してみて下さい。以上です」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年10月23日(水)00:32 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●誰がための悪夢 幾度目か知れない機竜との空中戦は熾烈を極めていた。 乱流の如く迫る大量のエネルギーミサイルをギリギリでかわし、避けきれない分は歯を食いしばって耐え、仲間の回復に任せた。 『折れぬ剣』楠神 風斗(BNE001434)は頬をミサイルが掠っていくのを無視して、一匹の機竜を切りつけた。 通過、一秒後に爆発。爆風に煽られるも身をひねって体勢を整え、更に奥の機竜を切りつけた。 彼の全力斬りは相手の首を一発で切り落とすに充分だ。 それどころか彼女の跨がっている機械ごとぶった切り、激しく爆発させる。次にすぐ後ろに迫った相手の髪を握りしめ、まるで野菜の根を切り落とすかのように、手軽く首だけ切り取った。まだ敵は残っている。風斗は己の身が砕けることもいとわず暴れ回し、かくして敵の首を七つほど切り取ることに成功した。 髪の毛を縄のようにまとめて掴み、生首をぶらさげて帰る。 そしてふと思った。 なぜオレはアンナの生首なんてものを持っているのか? 「…………は?」 アンナがぱちりと目を開いて言った。 「あなた、自分勝手だって言われない? 勝手に押しかけて、勝手に押しつけて。世の中には死んだ方が幸せって人もいるのよ。それを何? 生きていた方が幸せって決めつけて、生き地獄に放り込んでるじゃないの。助けたと思い込んでる人の半分くらいは、あんたのこと恨んでるんじゃないの?」 その横で斑目洞子の生首が目を開けた。 「私、毎日悪夢にうなされるんです。法では裁けない罪を犯したのに、何も償うことができないから。罪滅ぼしすらさせてくれないから。あなたに鳥籠へ放り込まれてからずっと思っていたんですよ。あの時死ねたらどんなに良かったか。分かりますか。全部、あなたのせいなんですよ」 「エースの皆さん! あの時の作戦、成功したんですよね!? 僕たちが死んだこと、無駄になってないですよね!?」 「私の足、戻ってきますよね? そうですよね? だって、大丈夫だって……言いましたよね?」 次々と生首の目が開く。 気づけば大量の生首を、彼はぶら下げていた。 慌てて放り出す。 違う、殺したんじゃ無い。 「そうよ。生きてるのよ。これでも。あなたが活かそうとするから。呼吸しかできなくなっても、生きていろだなんて」 眼鏡の奥で、『ソリッドガール』アンナ・クロストン(BNE001816)は冷たく目を細めた。 「ほんと、身勝手な――」 「目を覚ませこの馬鹿!」 風斗の顔面に角張った鈍器がめりこんだ。 そのまま殴り倒される。 慌てて起き上がると、コアを両手で掴んだアンナが見下ろしていた。 「なんだそのヘタレた悪夢は! ふざけるな! 生かしたかったから、生かしたんだろうが! 自分で背負った責任を、『苦労をしたフリ』で投げ出すな!」 「アン……ナ……?」 襟首を掴んで持ち上げる。 「救いたくても救えない命があった。命がけで救った命があった。本人がどう思ったか? そんなこと知るか! 私たちは神様じゃない。自分勝手で結構だ! 生を押しつけて、苦労を背負わせて、生き地獄に放り込んででも考えさせるんだ。自分が何をしたのか! 何をしたかったのか! それもせずに、死んでエスケープなんてさせるか!」 赤い一族が彼女の背後に立って言った。 「こいつは俺たちを生かそうとした。そのために仲間とぶつかりもしたらしい。俺たちが望みもしないのに、自分勝手な話だな」 「うるさい黙ってろ!」 振り向きざまに殴り倒す。 ついでに風斗の顔面をもう一度殴った。 「もう一度言うわよ。自分勝手で結構! 私は殺さない! いくらでも押しつけて、押しかけてやる。あんただってそうでしょう、楠神風斗!」 「――俺、は!?」 目を開くとそこは空だった。 風斗の剣を受け止めた『刹那の刻』浅葱 琥珀(BNE004276)が不敵に笑った。 「アンナのデウスが効いたみたいだな。面倒かけてくれるぜ」 「すまん」 「いいって」 二人の頭部に食らいつこうと機竜が飛び込んでくる。 交差させた剣をそのままスライドさせ、二人は機竜を切りつけた。 顎をバラされた機竜が真上を掠っていく。 「お前も見たのか? 似たような悪夢」 「そういうのは毎日見てる。大を活かして小を殺すが俺たちだ。いい加減慣れたし、誰をどれだけ殺したかとか思い出せないくらいだ。でも、押し込めてかなきゃだろ? 少なくとも、誰も殺さなくてよくなるまではな!」 下あごを失った機竜がターンしてくる。琥珀は風斗を一旦蹴り飛ばすと、確保した空間をフルニ使って大量のダイスをばらまいた。次々におこる連鎖爆発に巻き込まれ、無残に拉げた機竜が墜落してく。 「さてと。他の連中も正気に戻して、奴らをスクラップにしてやろうぜ」 ●脳髄の敵を撃て 機竜の群れと激突し、間をかいくぐりながら銃を連射していた記憶はある。 あるが、どうも長い夢だったようにも思える。 『蒼き祈りの魔弾』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)は今、子供の足を撃っていた。 赤い本を抱えた少年で。純粋な目をしていた。 首を振って這いずる彼を足で固定し、頭部を的確に射撃する。 そこで弾が切れた。マガジンを落として、新しいものを手に取った。 まあ、念のためだ。 敵は既にいない。 そう想いながら――『ミックス』ユウ・バスタード(BNE003137)は小銃にマガジンを差し込んだ。 死んだからと言って社会が痛まないような連中が、周りで血だるまになっていた。蜂の巣になっていたと言ってもいいか。 革張りの椅子に腰掛けた男は、既に上あごから先が無い。 後は『私がやりました。カッとなりました』と言ってお巡りさんに顔を出せば終了だ。おつとめ中にどんな目に遭うか……まあ、想像に難くないが。 両手首を合わせて頭の上に掲げた。 死ぬよりはマシなはずだ。 どうせ他に生き方なんて無い。 そう思って、リリは顔も知らぬ神に祈りを捧げた。 今日も異教徒の死によって信者が増えたという。正しき世界が広がったのだとも。 ああなんという晴れがましさ。 薬物と状況効果による多幸感が己を包み、胸の鼓動を早くする。 もっとお祈りを。 声も知らぬ神へお祈りを。 跪くリリの先に、ユウは腰掛けていた。 豪奢な椅子だ。 見よ、彼女こそ悪徒よりすくいし天使の子である。 我々こそ聖なるものである。唯一正しき教えである。 嘘をつくなと思った。 救い出した子供は十数人居たはずだ。彼らはどこへいった? 今はきっと、海の底にコンクリートと一緒に沈んでいる頃じゃ無いのか? 「――ファック! そんな目で見るな! お前ら全員、狂ってる!」 「それでいいのです。狂っていたからこそ、守れたものがある」 二人は銃をとり、互いの足を撃った。 痛みだけが走る。 所詮戦いなどこんなもの。 ならばと。 ユウはパンを与えられた子供のように、小銃の先を自らくわえ込み。 リリは祈りを捧げるように、両手に握った銃を自らの喉に突きつけた。 「消えろ、神様野郎!」 「――Amen」 そして同時に引き金を引いた。 自らの脳髄は吹き飛んだが、リリは生きていた。 運命を消費してまるごと『なかったこと』にしたのだ。 「……ご無事ですか?」 「おかげさまで、どうも」 リリとユウは互いの顔に銃を突きつけた状態で目を覚ました。 照準をそれぞれスライド。肩越しに連射し、双方の背後から迫る機竜を蜂の巣に変えてやった。 「それじゃあ『いつも通り』、いきましょーか?」 ●シアターへようこそ 銀髪の少女が、男に手を引かれて歩いていた。 胸にはぬいぐるみをひとつ。 男は二枚のチケットを誰かに渡して、両開きの扉へ少女と共に入っていく。 いくつかの椅子が並べられた薄暗い部屋。 映写機の回るカラカラという音。 席についたところで、『アンデファインド』街野・イド(BNE003880)は瞬きをした。 胸に抱いた正十二面体がちかちかと淡く点滅する。 『呑まれたのが夢なのはお前だったのか』 低く、そして抑揚の無い声だった。 「I、私は現在の状態を自覚していません。夢に呑まれるとはどのような状態を指しますか? そして、あなたは誰ですか?」 『ボブというのがオレの名前だ。どうでもいい。苦手なのが会話で、文法が難しいのがこの世界だ。そう考えている』 「同感です。もう一つ質問を追加しても?」 『言え』 「これは私のコアですか? それともあなたの?」 『言えないのはどちらともだ。オレの知識によるなら、脳髄のようなものがコアで、原理の近いものが、お前の持っているそれだ』 「原理が?」 『人間の脳が最大公約なのが、全魔法と全科学だ。魔法と科学を理解する人工脳と言っていいのが、コアだ』 「人工脳を複雑に配列化させたものと解釈しても?」 『そう考えているのがオレだ』 「では今の現象は、『メタトロン』によってローカルエリアネットワーク化した生命エネルギー線を介し、我々の夢が直結していると推測しますが……」 『だからこそ見れるのが、他人の夢だ』 カラカラと回る映写機。 スクリーンがカウントをはじめる。 ピアノ演奏による軍歌が流れ、モノクロの実写映像が流れ始める。 軍服を着た男たちがG3小銃を担ぎ、訓練キャンプのアスレチックを走っている映像だ。 その中に一人の女が居た。 「ジークリンデ・グートシュタイン(BNE004698)と分析します」 「そうね、私みたいね……」 イドの隣にはジークリンデが腰掛けていた。 射撃演習の映像が、彼女の瞳に映っていた。 「訓練を受けていない新兵に遠隔ロボット兵器を操作させると、何のボタンか分からずに軽機関銃を味方へ乱射してしまうことがある。そもそも戦争での死者は半数くらいが味方の銃撃だって言うくらいだし、珍しくはないんだけど、威力が問題だったわね……」 映像の中で、女が急に銃を振り回し、訓練兵や教官の身体を水風船のように破裂させていった。 「革醒者がひとり生まれただけで村が一つ消えるなんてこともある。私の場合、『訓練キャンプひとつ』で済んでラッキーだったかもしれないわね……なんて」 足を投げ出し、彼女はポップコーンのバケツを手に取った。 「酷いのはその後よ。見て、味方殺しの爆弾が大切に扱われてるわよ。肩の星がどんどん増えて……誰を殺した評価なのかしら」 「誰を殺した、ね」 彼女とは反対側の席に、ルクレツィア・クリベリ(BNE004744)が深く腰掛けていた。 ソフトクリームを舌の先でひとなめするが、それっきりで保持している。 見れば、映像はどこかの洋館に変わっていた。 サイレントムービーらしく、合間合間に文字のカットが挟まっていた。 村から人が次々に消える怪事件。 ついに真相を突き止める村人たち。 庭に捨てられた無数の死体。どれも少年のものだった! 恐怖、少年趣味の殺人鬼! ショットガンを腹に浴びせ、見事狂気の男を討ち取ったのだった。 めでたしめでたし。 「わたくしのためだと言って、お父様はみんな殺してしまったわ」 狂気にかられ心中を迫る男。 少女は男の魔の手から逃げ延びることができるのか! 「あの人は一緒に死んで欲しかったのね。それができればどんなに……」 次々と流れるショートムービーは全て、男が情熱の末に悲惨な末路をたどるものばかりだった。 全てのムービーの最後には常に、赤いドレスの女が映っていた。 「愛さなければ、出会わなければ、もっと幸せだったでしょうに。まるで毒に触れたよう……かわいそうに」 サイレントムービーの横で、ゆったりとした、それでいて高音域のピアノ曲が流れ始めた。 次いで文字だけのカットが続く。 私は爆弾。 私は毒。 私は兵器。 罪とは? 鉄のベッドに眠る少女。 目を開ける。 「理解できません」 ベッドから起き上がり、部屋の隅のスクリーンを見た。 ドレスを着た少女と、ぬいぐるみを抱いた少女、それにぎこちなさげな新兵が椅子に座ってこちらを見ている映像だ。 自らの両手を見て、まばたきを三つだけした。 「鉛の塊を高速で発射する機械が、人体を再生不能なまでに破壊したとして、それは罪になるでしょうか?」 手を叩き、架空の銃を握った。 「I、私は否定します」 スクリーンが穴だらけになり、前後左右の壁が外側に倒れ込んだ。 そして閉じていた目を――。 「任務続行」 開いた。 既にこちらの陣形をめちゃくちゃにかき乱した機竜は大量のエネルギーミサイルをアンナめがけて連射している所だった。 そこへ、メタトロンで空中ドリフトをかけながら割り込むジークリンデ。 幾重にも重なったエネルギー障壁が生まれ、ミサイルの衝撃をことごとく吸収していく。 「お待たせ。まだ飛べる?」 片目を瞑って見せる。 するとレクレツィアがアンナのすぐ後ろから姿を現わした。 「よろしくね、栄光の天使さん」 彼女の跨がったメタトロンから無数の茨が出現。エネルギー体の茨はそれぞれが意志をもつかのように真っ赤な稲妻をまき散らした。機竜を飲み込んでいく稲妻。 イドが三つだけ瞬きをした。 『telepath call――敵戦力の低下を確認しました。残存数4。平行しての撃破を提案します』 「どういう意味だ?」 「要するにぶちのめせってことだ!」 稲妻にひるんでいた機竜へ風斗と琥珀が急速に接近。 迎撃ミサイルを準備するも、その真上を高速で通過したリリの絨毯射撃をうけて崩壊。二機の機竜が同時に切断された。 『残り2』 「はいはい、お任せですよー」 ライフルを構えるユウ。 トリガーを引いたのは一回だけだった。 それだけで弾丸が機竜の頭部を貫通。そのままもう一機の頭部を貫通。続けざまに二機とも爆破させたのだった。 墜落していく敵影を見下ろして、ジークリンデは目を細めた。 「こんなところで、過去におびえて居るわけにはいかない。罰が与えられないなら、代償になるその日まで……戦う以外に道は無いから」 責める者は、誰も居ない。 罪が罪であることが、最大の罰なのだから。 そして今日、またひとつ世界が救われた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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