● よくきたな。 おれはおまえのような、ほんもののふぁいたーをまっていた。 はじめようぜ。 たましいをけずりあう、ほんとうのたたかいってやつをな。 ● いよいよ夏の気配も消えてきた9月のある日。リベリスタ達はアークのブリーフィングルームに集められる。そして、リベリスタ達に対して、『運命嫌いのフォーチュナ』高城・守生(nBNE000219)は事件の説明を始めた。 「これで全員だな。それじゃ、説明を始めるか。あんたらにお願いしたいのは、アーティファクトの破壊だ。ま、ちょっと特殊な形になるんだけどな」 守生が端末を操作すると、ゲーム機が姿を見せる。ゲームセンターに置かれるような、大型の筐体だ。 『アルティメットスペシャルバトル』とロゴが躍り、格闘家風の青年が拳を構えたイラストが映っている。 「見ての通り、革醒したゲーム機だ。中身は格ゲーだな。ただちょっと厄介な性質があって、単純にぶっ壊せば良いってもんじゃねぇ」 アーティファクトの能力の1つは「ゲーム機の中に人間を取り込んでしまう」というもの。 一応説明しておくと「格ゲー」とは、格闘技等を使うキャラクターを選び戦わせる、対戦型のアクションゲーム、格闘ゲームの略称である。略称で説明してしまう辺り、守生も年相応の所はある。 そして、このゲームに敗北したものは、精神の一部をゲームに奪われてしまうのだという。精神を奪われた人間は昏睡状態で発見されたということだ。既に被害者は出ている。一方、アーティファクトは奪った精神のエネルギーを蓄えて自分を動かしているのだ。 「この状態でアーティファクトを被害者も一緒に死んじまうってことだ。被害が止められないようなら最悪それも視野に入れなきゃいけないけどな」 という言い方をするということは、被害者を出さずにアーティファクトをどうこうする方向性で考えがあるということだ。リベリスタ達は納得した表情で守生を促す。 「ま、そういうことだ。大体想像ついていると思うが、あんた達にはこのゲームに挑んでもらう」 リベリスタであれば、フェイトという運命の加護によって、最悪の事故を避けることが出来るというのが理由だ。もっとも、油断したら重傷を負う羽目になる訳だが。 そして、アークの技術部によって、プレイヤー側が勝利することによって奪われたエネルギーを取り戻すという手段は確立された。リベリスタ達が勝利することで、アーティファクトの能力に隙を作り、魂を取り戻していくことが出来るのだという。 要はゲームに勝てばいいのだ。 「あ、そうそう。1つ大事な注意点だ。格ゲーの世界にはそのまんまの強さで向かう訳じゃないから気を付けてくれ」 詰る所はゲームっぽい動きになるということだ。たしかに、回復スキルだけでは格闘ゲームにならない。もちろん、本人の戦闘力の傾向に合わせたものになるだろうし、いわゆる「必殺技」も使用するスキルに似たものになるだろう。場合によっては、同じスキルでも「対空」「飛び道具」という使い分けが出来るようになるかも知れない。事前に自分が格闘ゲームの世界に行ったらどんなキャラになるのか、考えておくべきだろう。 「説明はこんな所だ」 説明を終えた少年は、その鋭い瞳で睨むように、リベリスタ達に送り出しの声をかける。 「あんた達に任せる。無事に帰って来いよ」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:KSK | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年10月16日(水)23:27 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 「よぉ兄ちゃん、俺に殴られてぇってのはアンタかい?」 スーツ姿の青年は、目の前に現れた男に対して拳を向ける。相手の男も応じるように半身の構えを取った。それだけでもう、彼らに言葉はいらない。 今日もこうして、どこかの路地裏で戦いが始まる……。 ● キャラクター 選択ヲ 行ッテ下サイ 『無軌道の戦姫(ゼログラヴィティ』星川・天乃(BNE000016) 『一人焼肉マスター』結城・”Dragon”・竜一(BNE000210) 『三高平妻鏡』神谷・小夜(BNE001462) →『ナイトオブファンタズマ』蓬莱・惟(BNE003468) 『ラック・アンラック』禍原・福松(BNE003517) ルー・ガルー(BNE003931) 『悪童』藤倉・隆明(BNE003933) 『山紫水明』絢藤・紫仙(BNE004738) ● 打ち捨てられた夜のスラム。 月の光と酒場から漏れる光が2人の姿を照らし出す。 惟とボブだ。 後ろからは酔っ払いたちが無責任なエールを飛ばしてくる。どちらが勝とうが、彼らにとってこの戦いが上等な酒の肴になることは間違いない。 しかし、そのようなことは些細な問題だ。どのような状況にあっても騎士としての矜持を失わない姿勢。その信念こそが、蓬莱惟を真に騎士足らしめているのだ。 だから、今宵も闇の騎士は戦場に名乗りを上げる。 「騎士、蓬莱惟、参る」 どこからともなく明るい音楽が聞こえてくる。 一面に降り積もった雪のお陰もあって、辺りはかなり明るい。眩しいと言っても良いだろう。 そんな中で薄着の男女が立ち会っているのは、一種異様な光景とも言える。もっとも、この環境で育ったルーにしてみると普段通り。むしろ、ギャラリーである森の仲間に向かって手を振っている始末である。 「ルー、タタカウ、タノシイ」 やる気を主張するように大きく飛び上がると、ルーは四足獣を思わせる姿勢に構えた。 彼女の戦いの本能は、これが紛れも無い真剣勝負だと伝えていた。 かぽーん 何の擬音かはよく分からないが、ここが風呂場であることは読者諸兄の想像した通りである。 日本の何処にでもあるような銭湯の中。 そこで竜一は……叫んだ。 「きたぁぁぁ! 俺は! 今! 格ゲーの世界にいる!」 そう、ここはゲームの世界。ゲームを遊んだことがあるものなら、一度は行きたいと思う夢の空間である。まして、竜一はゲームやアニメに親しんで育った世代。この興奮もむべなるかな。 しかし、同時に彼は経験を重ねた危険な戦士でもある。 同じく戦場に降り立った敵の存在に気付き、素早く武器を構えた。 敵は女豹の如き身のこなしの女戦士。油断ならない相手なのは百も承知だ。 加えて言うならば、今いる場所は破界器が作り上げた仮想空間。魂を懸けて、神秘の犠牲者となった人々を助けなくてはいけないのだ。 だからこそ、竜一は1人のリベリスタとして、1人の男として。己の信念と共に戦いに挑むのだった。 「格ゲーの女キャラにサバ折り決めてやるぜぇぇぇ!? ゲヘヘヘヘ!」 何も間違ったこと言っていないっすよ? 「……ん」 物憂げな表情で戦いの場に降り立った天乃は周囲を見渡す。ゲームの中の世界と聞いてはいたが、こうしてみると普段戦う場と何一つ変わることは無い。ただ、あえて言うのであれば、バトルマニアとして幾多の危険な戦いに乗り込んできた彼女としては、普段と違う環境と言うだけで興味深くはある。 犠牲者の魂が云々と言われたが、天乃に言わせると割とどうでも良い話だ。 自分は戦えればそれで十分。 ブリーフィングルームでも言われた通りだ。要は勝てば良い。その経過を楽しむことが出来たのなら重畳というもの。 そんなことを考えていると、ふいに殺気を感じた。 どうやら対戦相手が現れたようだ。 天乃は無表情な顔で、現れた格闘家に誘いの声を掛ける。 「さあ、踊って……くれる?」 その声は、どこか弾んでいるように聞こえた。 静寂に包まれていた夜の海。「ゲームが行われていない時の戦闘ステージ」というものは、これ程までに静かなのか。 しかし、ゲームのスイッチが入った以上、戦いは行われるのだ、例外も無く。 ざっぱーん 沈黙を破り、盛大に、豪快に、無遠慮に「それ」は現れた。 「行けるものですね、結構」 現れたのは巨大な戦艦。港を占拠するかのように堂々と突っ込んできた。しかし、その上にいる少女は平然とした顔で、自分の両腕に付いた対空砲を自慢げに振り回している。 今の小夜の姿を評するのに、戦艦よりふさわしい言葉はあるまい。下手なことを言うと、何かに引っかかるし。 ゲームの中に干渉する仕組みである以上、自分に対するイメージが影響を与える。今回は小夜のイメージが勝ったということだ。 そして、地面に降り立った小夜は、驚いて口をぽかんと開ける軍人風の男に向かって叫んだ。 「別にいいじゃないですか。戦車が格ゲーに出てくる時代です、戦艦が出てきたって! 対艦戦闘用意!」 すっと紫仙が目を開くと、自分が荒野にいることに気が付いた。目の前には黒い道着を纏った青年の姿があった。どうやら、戦いの場所はここのようだ。 「私の出番か?」 右目を瞑ったままで相手の観察をする紫仙。 相手の取った構えが返事であるのに相違あるまい。 見て取った紫仙は煙管で一服する。相手の気勢を削ぐのが半分、自分の気持ちを落ち着けるのが半分といった所だ。状況はどうあれ、真剣勝負であるのに間違いは無い。フォーチュナの話を聞く限り、負け即死亡と言うほどの危険性は無いが、無事でいられる程安全なものでも無い。 「ふぅ……」 紫仙が大きく息をついた。 そして、それが戦いの合図となった。 荘厳なオーケストラが鳴り響く。 豪奢な雰囲気に飾り立てられた部屋に、福松は思わず口笛を吹く。 「こいつは大したお迎えだ」 目の前に現れた大柄な男に対し、福松は一歩も引くことは無い。相手はいわゆる「ボスキャラ」。たしかにそれなりの風格は持ち合わせている。 しかし、それがどうした。 「だがな、別にドラマは求めちゃいねぇ」 軽く手をぶらぶらさせると、福松は帽子の向きを直す。 分の悪い賭けは好きじゃない。これは勝てる戦い。だから、自分はここにいる。福松は自分に言い聞かせる。だが、現実は違う。 体躯に勝る相手を、より強い相手を倒したい。福松自身は否定するだろうが、そのロマンを求めてここに立っているのだ。 「カーテンコールと行こうじゃねえか」 挑発気味に手招きする仕草を福松がした、その時だった。 戦場に声が響いた。 F I G H T ! ! ● ゲーム機の宣言と共に、リベリスタ達とゲームキャラ達の戦いが始まった。 外の世界でなら幾多の強敵と戦ってきたリベリスタ達。しかし、ゲームの中においては相手と同じように力は表現されてしまう。ならば、技と魂こそが戦いの行方を決めることになるのだ。 ゲーム世界における竜一は動きの癖が強い。普段の彼を知る者ならば、苦笑交じりに認めざるを得ない所であろう。そしてそれは、対戦相手のサナエとの相性を考えれば厳しい所だ。しかし、巧みに間合いを詰めて確実に打撃を与えて行く所はさすがと言わざるを得まい。 素直に勝負を優勢に進めているのは天乃だ。どのような戦場であっても戦姫の戦闘センスは健在だ。空中を自在に駆け、対戦相手のソウマの体力を削って行く。 バランス型の敵とは言え、天乃よりパワーに勝る設定になっている。しかし、それがどうした。力に勝る相手など、何度でも戦ってきた。それをスピードで翻弄するのが彼女の戦い方なのだ。 福松もまた、巧みに戦いをコントロールして戦うタイプだった。相手に攻撃を許さない戦い方……ハメと言っても良いだろう。体力に劣り、リーチに劣る彼にしてみれば、それしか勝利への道は無いのだから。 だが、勝利への執念は人一倍だ。 蛇のように何処までも喰らいつき、足掻く姿を笑う資格がある者などいようはずもない。 「動くなよッ!」 福松のリボルバーが火を噴き、エルダリオンの動きを封じる。距離を突き放し、着実に相手の体力を奪っていく。時間切れまで粘り切れれば自分の勝ちだと思いながらも、福松の額には嫌な汗が浮かぶ。 ソウマの突進を凌ぎ切った所で天乃の姿がスッと掻き消える。 「……動く、な」 気糸で敵の動きを封じ、そのまま大地に叩きつける。さらにそこから追撃を入れて、空中に逃れる。 着実に、着実に、天乃は勝利への距離を縮めつつあった。 「れっぷーじん! 動くな! 距離詰めさせやがれぇぇぇ!」 竜一はというと……距離を詰めるのに必死だ。 動き回る相手には厳しい所ではあるが、決めたい技があるというのも大変なものなのである。 どちらかと言うと、戦況はリベリスタ側有利に進んではいた。 しかし、ゲームの条件はあくまでも対等。いつ覆されてもおかしくは無い、薄氷の上での戦いだ。 とりわけ小夜の場合、特殊なキャラ立てをされてしまった都合上、弱キャラにならざるを得ない。この手のタイプは妙に強いか、使い辛いかのどちらかになるのがお約束である。 癖の強さは惟だって負けてはいない。 元となった惟自身のスタイル――ダークナイトの特性もあって、本気の攻勢にはそうそう移れないのだ。距離を測り、互いの狙いを読んで、先に攻撃を決める。 間合いとは「魔逢い」。 テクニカルタイプとパワータイプの戦いとしては、意外な程に心理戦が発生していた。 心理戦と言うと、紫仙も同じ。当身を主体とするスタイルである以上、相手の動きをどう読むかは勝敗を左右する要素だ。ましてや、相手は飛び道具持ち。うかうかしていると真価を発揮できないまま倒されかねない。 だが、そんなことは織り込み済み。紫仙とて飛び道具の備えはある。 後は……タイミングを計るだけだ。 「強火でいくよ」 紫仙の宣言通り、ソウマの身体が炎に包まれる。攻撃を仕掛けるタイミングを見事に紫仙が読み切ったのだ。カウンターの形で拳が決まり、ソウマの身体が炎に包まれる。 この好機を紫仙は見逃さない。 一気に攻勢へと転じ、追撃を仕掛ける。 「主砲……キャアッ!」 一方小夜はというと、技の完成前に反撃を受けて潰されている。そもそも基本性能が弱めに、というか偏って設定されてしまったのだ。トリッキータイプが相手ということもあって、苦戦してしまうのは否めない。 それならばと対空ミサイルを織り交ぜて、確実な戦い方に移行する。相手の癖さえ掴んでしまえばこちらのものだ。 ルーが頭を押さえている。 ゲームの仕様上、血こそ流れないし、痛みも遮断しているものの、あれだけしこたま投げられれば痛い気もする。 言われてみれば、格ゲーのキャラもダメージが溜まれば意識を失うことだってあるのだ。 だが、お陰で野生の世界を生き抜いた狼娘は学んだ。学んだ以上は、そうそう負けはしない。ルーはそもそもパワー型だ。ここからだって、十分に勝ちの目は拾える確信がある。 「ルー、ガクシュウスル。オンナジシッパイ、ナンドモシナイ」 隆明もまた、怪我は浅くない。乱打戦の形にもつれた以上、互いに満身創痍になるのは当然のことだ。 だが、いや、だからこそ隆明の中の暴力衝動に火が点いた。 「はっはっは! 楽しくなってきやがった!」 そして、傷つき倒れそうなのは惟も同じ。 だが、同じように傷付いた惟を奮い立たせるものがあった。 それは、己の傷を呪詛へと変えて敵を傷付ける暗黒の力であろうか? いや、違う。 逆境を力に変えて、目の前にいる敵を倒そうという騎士の矜持だ。 「騎士の誇りにかけて……」 漆黒の闇が武具へと姿を変じて行く。 本番はここからだ。 ● 「……さあ、踊ってくれる?」 言葉と共に敵を追いつめた天乃の姿が消える。 口にした台詞は最初と同じはず。しかし、どことなく妖艶な響きを伴っていた。 しかし、そこから始まる惨劇は、声の響きからは想像もつかない阿鼻叫喚。 手刀や蹴りが縦横無尽に踊り、その一撃ごとに血飛沫が上がる。 「濡れる……最高、だね」 そして刹那、世界は真紅に染まった。 紫仙は既に戦いの主導権を握っていた。 カウンターを主とするものにしてみれば、相手の癖を見抜くというのは明白なアドバンテージだ。 そして、追い詰められた相手は最後の逆転を狙って攻撃を仕掛けてくる。 「凍てつくといい」 それが互いに最後の攻防となった。 隆明は倒れた。倒れたはずだった。 だが、その程度で彼を倒すことは出来なかった。 暴力そのものの本性を現し、立ち上がった彼は暴れ出す。 「テメェ、もう止まらねぇぞ! うるぉおああああ!!」 相手の胸ぐらを掴むと大地に叩きつける。 そして、そのままマウントを取ると、ひたすらに拳を振るう。 殴る。 殴る。 ひたすら、殴る。 勝利が告げられるまで、隆明はひたすらに拳を叩きつけるのだった。 爆発音が何度も繰り返されたのは、リベリスタ達の拳のせいだけではない。 リベリスタの「砲撃」もその1つだ。 対空砲で着実に命中させていく小夜。 だが、これで勝ったなどとは思っていない。案の定、弾丸を飛び越えて相手が乗り込んでくる。そして、それこそが小夜の狙いだった。 「改めて……主砲発射!!」 「うぉぉぉぉ! サバ折り! 120%!」 狙いの技を決めたのは竜一も同じ。最初からこのためにやっていたようなものだ。 全力中の全力を出して、サナエを締め上げる。 だが、この手の技も長くは通じない。振りほどき脱出するサナエ。そこへ竜一は全ての思いの丈を込めて、超必殺技を発動させる。それこそ、黙示録すら発動させかねない集中力で。 「いくぜぇぇぇ! デッドオアオーララッシュさん!!」 デュランダルの全てを注ぎ込む、ロマン色の強い技だ。 これで倒すと相手の特殊なやられ姿を拝むことが出来る訳だが、その内容は読者諸兄の想像にお任せしようと思います。全年齢ゲームなんで。 惟は全ての制限が解除された状態で、一気に攻め立てる。この状態になったから勝ちが決まった……等と言うことは無い。強力な効果と弱点は表裏一体。最終的には自分が倒される前に相手を倒さなくてはいけない形になった訳だ。 しかし、それこそ惟の望むところ。 敵の巨体が飛び込んでくるとき、惟の剣が冥くオーラを放つ。 「冥界の常闇よ……」 振り抜かれると同時に、闇のオーラが戦場を貫いた。 エルダリオンが距離を取ろうとした時、福松のストールが伸びて、逃げる姿を捉えた。 「大蛇の牙を以って喰らい尽くす!」 ドラマティックな展開を求めてはいない。 ただ、辿る道筋が勝利に繋がるのなら、避ける必要性も無い。 黒い蛇のオーラが現れ敵を打ち据える。そして、勝利に向かって拳を大きく振りかぶると、福松は思い切り振り抜いた。 「三千大千世界の果てまでフッ飛びやがれ!!」 空中戦を行わないため、ルーはそれなりの苦戦を強いられた。 それでも、攻撃が当たれば不利を覆せる。そんな危険なシーソーゲーム。 戦えば戦うほどに、ルーの動きは洗練されていった。物事には直球で当たるタイプなのだ。何をやるのかさえ分かってしまえば、狼娘は真っ直ぐに向かっていく。 そして、最後の魔氷拳で敵をKOして、お座りの姿勢と共にルーは快哉を叫んだ。 「ルーノカチ! アォーン!!」 ● 「YOU WIN !」の文字が画面に表示させる。どうやら戦いは辛くもリベリスタ達の勝利に終わったようだ。 暗いゲームセンターの中で、紫仙は無事に魂を取り戻せたことを確認し、満足げに笑った。 「格闘ゲームか。ははっ、こういうのも悪くはないな」 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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