●小さな来訪者 その者たちの体躯は、まるで子供のようだった。身長120センチそこそこ。数は3人。そのうち2人は、体躯に見合ったあどけない少女であった。しかしもう1人は、髭面の中年である。まるで映画や小説に出て来るドワーフのようだ、と思った者もいるだろう。 キョロキョロしているのは、自分達が現状置かれている現場を理解していないためだろうか。 アザーバイド、と呼ばれる存在だ。もしかしたら本当にドワーフなのかもしれない。 「少し待ってなさい。安全かどうか、見てくるから」 そう言い残し、髭面の男は路地裏から出て行った。幼い少女たちは、肩を寄せ合い路地にて待機。 恐らく、髭面の男は父親なのだろう。彼の帰りを待つ彼女達は、にこにこと好奇心に浮かれた顔をしていたのだった。 と、その時だ。 少女達の背後に、1台のバンが停車したのは。 『え?』 声を漏らす少女たち。気付いた時にはもう遅い。バンから出てきた3人の男たちの手によって、少女2人は車内へと連れ込まれた。ドアが閉まって、急発進。 路地裏には、少女のものだろうハンカチだけが落ちていた。 数分後、路地裏へ戻って来た男が見たのは、居なくなった娘たち。それから落ちているハンカチである。 驚愕に目を見開き、男はハンカチを拾い上げる。それからスンスンと鼻を鳴らした。 「誰の臭いだ……? それにこれは、廃気ガスか?」 都会は異臭に満ちている。それでも男は、脅威的な嗅覚でもって娘たちの追跡を始めるのだった。 一方その頃、娘たちを連れ去ったバンは、廃校の隅で横転していた。 バンの周りには、気絶した男が全部で4人。少女たちを連れ去って、どうするつもりかは知らないが、その目論見は失敗したらしい。 男達を気絶させ、バンを横倒しにしたのは少女達だ。 ひょい、とバンを持ちあげてそれをグラウンドへ放り投げた。 「もう寝ちゃった? 遊んでくれないの?」 子どもならではの残酷さ、とでも言おうか。少女達は遠慮も手加減もなく、人攫い達の意識を刈り取ったようだ。命があるのが奇跡的でさえある。 異世界から来た彼女達は、その身に似合わぬ怪力を秘めているらしい。 ●生まれながらのパワーファイター 「子供達2人は廃校のグラウンドに、その父親は現在街中を駆けまわっている。とりあえず、アザーバイド(ドワーフ)と呼称することにする」 モニターに映った、小柄な体躯の親子を見ながら『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)はそう告げた。小学生ほどの体躯ながら、彼ら、彼女らは怪力だ。車程度なら軽々と持ち上げることができる。 「父親の方は幾分焦って好戦的になっているみたいだけど、娘たちに関しては冒険気分で遊んでいるよう。人攫いたちに関してもも、遊んでくれている程度のに認識みたい」 遊んでいる程度の感覚で、大人数人を気絶させてしまえるのだ。少々力加減を間違えただで、大惨事が起こる。 特に、父親の方は焦っていて人の話を聞く余裕などないようだ。 早目になんとかしないと、事故が起きてからでは遅い。 「できれば急いで止めて来て。怪力に要注意……。送還後はDホールの破壊も忘れずに」 そう告げて、イヴは仲間達を送りだした。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:病み月 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年09月15日(日)22:44 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●焦る!! 肩で息をし、額には大粒の汗。血走った目を走らせ、僅かな痕跡を頼りに駆けまわる小男が居た。子供のような体躯。しかしその身はがっしりとした筋肉の鎧に包まれている。 ある者は、彼のことを神話に出て来るドワーフのようだ、と思っただろう。 それは決して、外れではない。事実、彼は別の世界から迷い込んできた異世界の存在なのだから。一応の呼び名として、ドワーフと呼ぶことにしている。 彼が探しているのは、何処かの誰かに攫われた自分の娘達である。 いくら焦っても自体は好転しない。自分が冷静でなくなっているのが分かる。 しかし彼は、そんな自分を止めることができないでいた。 「御機嫌よう、異界の方。あなたの娘さん方はご無事よ。どうか落ち着いて、わたし達と一緒に来て下さらない?」 彼の前に、『blanche』浅雛・淑子(BNE004204)が立ちはだかる。戦意はないのだ、と身ぶり手ぶりで伝えつつ、彼にそう告げた。それに対し彼、ドワーフは歯を剥きだしにし、怒りの形相で喰ってかかった。 『その言い分! 娘達を攫ったのはお前らかぁ!!』 大気を震わせる怒号。ただ叫んだだけで、この迫力。思わず淑子は数歩後じ去った。 ●遊ぶ娘と、怒る父 「子供を心配する心はい世界共通か」 何か思う所でもあるのか。空を見上げて『影の継承者』斜堂・影継(BNE000955)はぼそりつ呟く。彼を含め4人、廃校へとやって来ていた。時折、地響きと共に何かが壊れる音がする。廃校のグラウンドで、ドワーフの娘達が暴れているのろう。 「力押しは苦手だけれど遊び相手を務めるのは吝かではないわ」 気は進まないけど、と前置きし『宵闇に舞う』プリムローズ・タイラー・大御堂(BNE004662)は廃校へと歩を進める。相手は幼い少女が2人。しかし、異界から来た怪力のアザーバイドである。油断は出来ない。 グラウンドに入ると、そこにはある種異様な光景が広がっていた。きゃっきゃと楽しそうに車を持ちあげ、駆けまわる少女達と、それに追われ逃げまどう数名の男。 男達は、ドワーフの娘達をここまで誘拐してきた人攫いだ。何かしらの目的があって攫ったのだろうが、一目見て、その目論見は失敗したことが分かる。 「小っちゃくたって力持ち! すごいよね! 僕も負けないようにしなくちゃ!」 その光景を目の当たりにし目を輝かせる『チャージ』篠塚 華乃(BNE004643)。少女達に挨拶すべく、グラウンドへと駆けだそうとする。 華乃の存在に気付いたのか、男が1人、泣きながらこちらへ駆けてきた。助けを求めているのか、酷く情けない顔で、手を伸ばし転がるように走ってくる。 「だ、た……、助けて!!」 情けない声で男が叫んだ。 その瞬間。 「この使えねーヤローが!」 飛び出していった『ふらいんぐばっふぁろ~』柳生・麗香(BNE004588)が、男の顔面を蹴り飛ばした。気絶し、地面を転がる男。それを無視して麗香は少女に声をかけた。 「こいつらは虚弱体質でな……おねーちゃんたちと遊ぶか?」 車を地面に降ろし、ポカンとした顔をするドワーフ娘たち。暫しの沈黙の後、2人はコクンと頷いた。 華が咲くような満面の笑み。嬉しさに満ちた元気な声。 「うん! 遊ぶ!」 叫ぶようにそう言って、2人は再度車を持ちあげた。 ドワーフ娘達が、リベリスタ達と遊んでいる頃、そこから幾分離れた市街地の外れでは、ドワーフ父が怒り狂っていた。コンタクトに現れたリベリスタ達を誘拐犯と勘違いした結果だ。一度火が付くと、なかなか収まらない質なのか、怒り狂ったまま暴れ始めてしまったのである。 「無駄な戦闘はしたくないんだが、どうせ聞く気はないだろう?」 道路標識をへし折り、それを武器とし振り回すドワーフ。地面を削って迫る標識を飛び越えながら『アウィスラパクス』天城・櫻霞(BNE000469)は溜め息を零す。 両手に構えた拳銃が火を吹く。放たれた弾丸は牽制の為のものだ。櫻霞が後衛に下がると同時に、『道化師』斎藤・和人(BNE004070)が前衛へ。盾で標識を受け止める。 「あー、うん、気持ちは分かる! 気持ちは分かるけど落ち着けって!」 「喧しい! 娘達をどこへやった!」 標識を投げ捨て、ドワーフは跳んだ。地面を這うように和人に迫り、渾身の拳をその胴に叩きこむ。ゴプ、と奇妙な声を漏らし、和人の口から血が垂れた。 思わず膝をつく和人。上手く動けないようで、冷や汗を浮かべ、焦った顔をしている。 更にもう一発、と拳を振りあげるドワーフの前に『メガメガネ』イスタルテ・セイジ(BNE002937)が割り込んだ。手にした魔導書から眩い閃光が放たれる。 神気閃光。ドワーフが後退するのを見届け、イスタルテは和人を連れて後ろに下がる。 「殴ってでも正気に戻って貰います」 そう宣言するイスタルテ。ドワーフの額に青筋が浮かぶ。怒りを煽る結果になったようである。 「望み薄ではあったけど、やっぱりお話を聞ける状態ではないみたいね」 和人の麻痺を治療しながら、淑子はポツリとそう囁いた。 「さぁたっぷりと遊ぶとしようぜ!」 気合い十分。斧を振りあげ、飛び出す影継。接近戦に持ち込み、ドワーフ少女達と戯れようと考えているのだろうが、しかし、相手はそうでもないようだった。 影継目がけ、車を投げつける少女達。間に割り込み、それを受け止めたのは麗香だった。 「ドゥフフ、こうして見るとただのロリっ娘ですがねー」 機械の右手で車を受け止める。左手に持った剣を車に叩きつけ、車体をそのまま打ち返した。とんだ荒技だ。ガラス片が飛び散って、地面にキラキラと光る軌跡を描く。 「すっゴーい!」 感嘆の声。少女の片方が、握り拳で地面を殴る。ビシ、と鈍い音。地面が砕ける。割れた地面に飲み込まれ、影継の姿が消えた。 「あ、あぶねぇ」 斧を支えに、なんとか落下を免れる影継。頬を流れる冷や汗を拭い、地上へ飛び出す。そんな影継が目にしたのは、自分目がけ飛んでくる、無数の岩の弾丸だった。 地面を砕いたのとは、別の少女が雪玉よろしく岩石を投げつけているのだ。 一難去ってまた一難。岩石に迎撃され、車は地面に落下した。ガソリンが漏れたようで、周囲に油の臭いが漂っている。 飛んでくる岩の弾丸を、素早く回避しながら駆けるのはプリムローズだ。金の髪が風に舞う。 「この踊り、見せ物としてはなかなかだと思うわよ?」 両手の構えた剣で、岩石を斬り捨て軽いステップで少女達へと距離を詰めた。彼女達の周囲を、飛び跳ねるように移動しながら剣を旋回。 「うわっ!?」 焦ったような悲鳴が上がる。その場にしゃがみこみ、少女達は剣を回避。ついでとばかりに地面を殴る。 再度、地響き。割れた地面に足を取られ、プリムローズの動きが止まる。 至近距離での、彼女達の怪力は危険だ。そう判断し、2人に向けて声をかけた者がいる。柔和な笑みを浮かべた華乃だ。視線の逸れた一瞬のうちに、プリムローズは戦線を離脱。倒してしまわないように、できるだけ傷つけないように。 そう考えながらの交戦は、思ったよりも難航していた。 「ねぇねぇ、お名前なんていうの? 私はね、篠塚華乃っていうの!」 「シノヅカっていうの?」 「シノヅカって何?」 あどけない表情。些細な疑問。問いに応える気はないらしい。困ったような笑顔を浮かべ、華乃は2人に近寄っていく。 華乃の動作を、遊びの合図と判断したのか。嬉しそうに駆け出す2人。華乃が手を広げると、その胸に向かって少女達は飛び込んで行った。 ドスン、という衝撃。思わず笑顔が凍りつく。 「うぉ……」 「これはきつい」 それを見ていた影継と麗香が声を漏らす。 リベリスタとドワーフ少女の遊びは、苛烈を極めていた。 「少しは大人しくしてくれるとありがたいな……」 2発の銃声。振り回される道路標識の隙間を縫って、正確にドワーフの右肩を撃ち抜いた。針穴を通すような、という言葉がしっくりとくる命中精度。眼鏡の奥で、櫻霞の瞳がキラリと光る。だが次の瞬間、ドワーフは血の滴を撒き散らしながら地面を蹴って飛び出した。 まっすぐ伸ばした太い腕。強烈なラリアットが櫻霞の喉に食い込んだ。ミシ、と軋んだ音。櫻霞の首の骨が軋んだ音だ。 吐き出した血がドワーフの顔を濡らす。 「小賢しい!」 怒号と共に腕を振り抜く。櫻霞の体が宙を舞う。意識はあるが、身体が自由に動かせない。そんな櫻霞を受け止めたのは急降下してきたイスタルテだ。 「は、話がまったく通じませんね……。やーん」 翼をはためかせ宙へ舞い上がるイスタルテ。燐光が舞って、櫻霞の傷を癒す。優しい光だ。ほわり、と蛍みたいに飛びまわる暖かい光だ。 空中に逃げたイスタルテ目がけ、ドワーフは石を投げつける。剛腕から放たれた石は、まるで弾丸のようだ。それを紙一重で回避する。イーグルアイ。鷹の目にも似た視力の良さによるものか。 「お願い。どうか話を聞いて頂戴」 降り抜かれた淑子の大斧が、ドワーフの持つ道路標識を真っ二つに叩き折る。使い物にならなくなったそれを投げ捨て、ドワーフは左腕に力を込めた。右腕を庇っているところを見ると、どうやら先ほど、櫻霞から受けたダメージが尾を引いているらしい。 「穏便に済ませたかったんだけど、そんなに暴れるんならちょいと痛い目見てもらうぜ?」 和人は改造銃片手に、淑子とは反対側からドワーフに接近する。 頭上にはイスタルテ&櫻霞。正面には淑子、後ろには和人。4方を囲まれながら、しかしドワーフに引く気はないようだ。 それどころか、尚更闘気に満ちている。 逆境になればなるほど燃える質なのか。 ドワーフが拳を振りあげる。真っ先に反応したのは和人だった。手にした銃が鮮烈に輝く。ドワーフの拳が地面を打つ寸前、その拳を和人の銃が受け止めた。 衝撃が走る。地面に小さなクレーターが刻まれた。本来なら地割れを巻き起こすはずだった一撃である。そうならなったのは、和人の反応が速かったからか。 ちっ、と舌打ちを零しドワーフが和人の胸を殴った。息が詰まる。一瞬、肺と心臓が活動を停止したような錯覚に陥る。地面に倒れた和人に代わり、淑子が前へ飛び出した。振り回される大斧を、しかしドワーフは右腕で受け止めてみせた。 斧の刃が腕に食い込む。大量の血が零れ、地面を赤く濡らしていく。使えないなら盾として使う、ということか。嘘、と思わず呟いた。 その一瞬の隙を付き、ドワーフのラリアットが淑子の胸を強打。ぐらり、と淑子の体が傾く。 ドワーフの包囲網が崩れた。地面に転がった淑子の斧を、ドワーフが拾い上げる。 それと、同時。 「倒しちゃいけねーってのは忘れずに」 銃声が1発。ドワーフの拳を撃ち抜いた。地面に倒れた姿勢そのままに、和人が銃の引き金を引いたのだ。彼の全身を、淡い光が包んでいる。イスタルテの回復術だ。 咄嗟に頭上を見上げたドワーフは気付く。そこに櫻霞の姿がないということに。 「手荒な真似をしたな……」 ドワーフの後頭部に、硬い何かが突きつけられた。拳銃だ。 「………好きにしろ。だが、娘達は解放して欲しい。頼む」 苦渋の決断なのだろう。抵抗を諦め、ドワーフはその場に座り込んだ。敗北を察した男の姿がそこにある。 「ですから、話を聞いてくださーい」 地上に降りたち、イスタルテがそう告げた。敵ではないのだと、そのことを伝える為に。傷ついたドワーフに治療を施す。不思議そうな顔をしているドワーフ。それを見て、淑子は一言「やれやれ」と呟いたのだった。 ●遊びの終わり ついに車は、無残な鉄塊へと姿を変えた。何度も何度も、投げられ、打ち返され、また投げられ、落下し、と繰り返した結果である。トドメを刺したのは影継である。全身全霊を込めた一撃で、車は哀れ真っ二つに切断された。 「レディ相手にゃ“加減”するのが漢って奴だぜ」 飛んでくる岩の弾丸も、大斧で木端微塵に撃ち落とした。それを見て、ドワーフの少女達はパチパチと盛大に拍手。どうやら楽しんでいただけたらしい。 「そろそろ満足してくれたかしら? すきんしっぷ!」 背後から近寄り、少女達に抱きつこうとする麗香であったが、少女達はそれをなんなく回避。逆に麗香の腕を掴んで、空中へと放り投げた。くるり、と視界が反転。少女たちからすればただ戯れただけなのだろうが、しかしそこは怪力による戯れ。思いの外あっさりと、そして高く空中へ投げ出された。 「まー投げられても平気なんですがー」 くるり、と空中で器用に反転。落下制御のスキルを活用し、着地した。先ほど砕かれた地面の割れ目に足を取られるが、しかし着地は着地。駆け寄ってくる少女達を回避するため、麗香は素早く戦線を離脱。 代わりに少女達を受け止めたのは華乃だ。 「えへへ。あっそびっましょー!」 力にはそれなり自身がある。とはいえ、ドワーフ少女達の力は華乃のそれを上回っているようで、受け止めることに成功しても動作を止めていられるのはせいぜいが数秒ほど。 ガクン、と華乃はその場に膝をついた。 それでも、笑顔を浮かべたまま少女達の手を離そうとしない。「もっとあそびたいの?」と、首を傾げる少女。 その背後を、金色の風が駆け抜けた。 金色の軌跡。さらりと流れる美しい髪だ。両手に持った剣を翻し、少女達の周囲を飛び回るプリムローズであった。 タタン、と軽いステップの音。素早い動きに翻弄される少女達。 「見栄え重視よね」 閃く剣。峰打ちに留めるつもりではある。怪我をさせたくない、というのが本音だ。彼女達は被害者である。誘拐されたことに気付いていないだけだ。 剣の柄で、少女の首筋を狙う。意識を刈り取ってしまおうという算段だ。 だが、その時。 「待ってくれ!!」 野太い叫びが、木霊した。 ピタリ、と止まるプリムローズの動き。声のした方に目を向けると、そこには1人の男の姿。ドワーフの父親だ。転びそうになりながらグラウンドへと駆けこんでくる。 それを見て、娘達も駆け出した。 数十分ぶりの父親との再会だ。嬉しくない筈もない。少女達の目には涙が浮かんでいた。いくら楽しそうにしていても、やはり不安だったのだろう。 ふぅ、と小さく溜め息を吐いてプリムローズは剣を納める。代わりに、傍に倒れていた誘拐犯の男性を蹴飛ばし、グラウンドの隅へと転がしていく。 「寂しいけど、ばいばいだね」 少しだけ寂しそうな笑顔を浮かべ、しかし心から嬉しそうに、華乃はそう言って少女達に向け手を振った。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|