●あるべきものがなくて、ないはずのものがある 「うっ、うわー! ないー! 俺の(ピー!)がどこにも生えてないー!」 冒頭からいきなりピー音である。 トイレに入ったばかりの男子生徒がチャックを上げるのも忘れたまま廊下に飛び出てきた。 いや、男子生徒と言ってもいいのだろうか。 肩幅は一回り小さくなり、制服の袖はだいぶ余りを見せている。その代わり胸の部分にさっきまではなかったはずのたぷたぷとした重量感を感じた。男らしく短く切りそろえていたはずの髪はセミロングの長さまでに伸びていた。 どこからどう見ても、そこにいるのは男子用の制服を着た少女であった。 「いっ、いやああああっ!? 何これええええっ、気持ち悪いよぉっ!」 別の悲鳴が校舎内に響いた。 その生徒はもとから女子であったが、スカートから伸びる生足に黒く薄い何かがべたりと張り付いていた。その何かはじわりじわりとスカートの奥へとよじ登っていた。 「や、やだぁ……っ! そんなとこ、入って……こないでぇ……っ!」 そんな悲鳴が学校内のあちこちで聞こえ始めた。 ごく普通の高校は阿鼻叫喚の渦に叩き落とされていた。 そしてそこは校舎の屋上。 日に照らされているはずなのに物陰にいるように黒い何者かが古い本片手に高笑いをあげていた。 「くくくく、ははははは! 人類全てが女になってゆりんゆりんになってしまえばいいんだ!」 それじゃ滅亡しちゃう! ●だ・い・じ・け・ん♪ 「現代日本が舞台のはずなのに登場人物の性別が極端に偏ってるアニメや漫画ってあるじゃないですか。あれみたいなものです」 などと呼び出して早々に天原和泉(nBNE000024)が言うが、まったく理解できない。 「アーティファクトのせいでその学校の敷地内に入ると、全員女性になってしまうんですよ。アーティファクトは古い本の形をしています」 となると、依頼はアーティファクトの破壊ということでいいのだろうか。 「それともう一つ。その学校の生徒だった山田君がノーフェイスと化して生徒達に襲いかかっています。……怪我人はまだ出ていませんが、その……スカートの中をのぞきこんできたり、太ももに絡みついてきたりします。あと適当に並んでいる女子生徒二人を無理やりくっつけようとしてきたりとか」 なんと迷惑な存在だろうか。 カップリングというものは自然に任せて生まれる奇跡のようなものなのに自分の好みを押し付けて作り出そうとするとは……愚かな行為だ。 「現場はごく普通の共学の高校です。なお、必要な方のためにこちらで人数ぶんの制服を用意しております」 あれ? これって全部女子用の制服なんですが……。 「男子用……いるんですか?」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:桐刻 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年09月07日(土)23:22 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●劇的なびふぉーとあふたぁー ごく普通の平和だった高校は山田君の魔の手により、強制的にゆりんゆりん+触手ワールドへと変化していた。 「さて……『ごきげんよう、タイが曲がっていてよ』な世界ですか……おとーさん大好きなんですが。誰かタイ直してくれませんかね……」 キンバレイ・ハルゼー(BNE004455)は支給されたセーラー服のネクタイをつまみながら呟いてみた。自分に合うサイズがあるかどうか心配していたが、どうやら存在していたようだ。 え、下着? アークはリベリスタのプライバシーに関わるようなことは(たまにしか)追及しません! とにもかくにもこの学校を阿鼻叫喚の地獄絵図から救い出すために、今ここに女性リベリスタの諸君が集まってくれた。 女性しかいないと言ったらいないのだ。 なぜならアーティファクトの力により、学校の敷地内に入ると問答無用に女にされてしまうから! 「……のはずなんだけども」 四条・理央(BNE000319)は依頼を受けて本部に集まったときの記憶と、学校内へと足を踏み込んだ現在の光景を比べてみた。 服装が違う人がいる。それはささいなことだ。理央だって支給された制服を着ているのだから。 「どこかおかしい?」 同じセーラー服を着た『エゴ・パワー』毒島・桃次郎(BNE004394)は首を傾げた。目の前にいるのは女子高生にしてはちょっと小柄な少女だ。おかしなところと言ったら身長くらいしかない。 「おかしいところはないと言うか、ちょっとくらいあってほしかったと言うか……えーと、目に見える変化無し?」 男は強制的に女になると聞かされていたはずなのに、なんだろうこの『あるべき違和感』が存在しない違和感と言うものは……。 「そんなことありませんわよ? ほら」 「きゃああっ!?」 突然小さな悲鳴があがった。『天邪鬼』芝谷 佳乃(BNE004299)が『History of a New HAREM』雪白 桐(BNE000185)の背後から胸を揉んでいた。 「あらあら雪白様。とてもかわいらしい悲鳴ですこと。まるで本物の女の子みたいではありませんか、うふふふふふ」 佳乃の指が桐の胸で妖しく蠢いていく。それは確かに男の胸板ではなかった。 「師匠! ……胸ありますね、女の子ですね」 目の前で師匠と呼ぶ人物が凌辱されているというのに、『興味本位系アウトドア派フュリエ』リンディル・ルイネール(BNE004531)は止めるどころか興味津々に桐の胸をのぞきこむだけだ。 「やっ、あのっ、ほんとに、んっ! ……やめてくださ……っ!」 基本的に感情を表に出さないはずの桐は息を荒げて顔を少しだけ赤くた。 「ちょっとちょっと落ち着いてよ!」 慌てて理央は佳乃を桐から引きはがした。 「私としたことがつい……」 「まだ学校には入ったばかりなんだからね!? こんなところじゃ山田だって見てないよ!」 「あらまぁつまり人目がある場所でならよろしいと。……それはそれで燃え上がりますわね」 「……人目があるところならほどほどにね。濃厚なのダメだって聞いてるよね?」 「おとーさんは濃厚な方が好きだって言ってましたよ。あ、これは百合じゃなくて母乳の話なんですけど、」 「すとっぷすとっぷすとぉーっぷっっ!!」 社会的フェイトが虚数になりかけているキンバレイの話は理央が大声を出して止めてあげた。 「雪白さん! 私が送ったセクシーな下着、ちゃんとつけてくれました? 食い込みがすごいやつ!」 なのに今度は神谷 小鶴(BNE004625)がとんでもないことを言い出した。 「ボクも今日は女物の下着履いてきたよー。でも男の娘、じゃなくてロリには手を出さないんだよね? ねぇ灰森さん、のぞきこんでくれると思う?」 「さぁどうなんでしょうね。割烹着且つ小柄な私はのぞきの対象外になりそうだとは思いますが」 桃次郎が『永遠の隠しボス』灰森 佳乃(BNE004526)に聞くが、灰森さんはニコニコとうなずき返すだけだ。ちなみに読みは違っても佳乃さんはもう一人いるから灰森さんは灰森さん。 「……そりゃね、スカートの中のぞきこんでくるらしいからね? ボクだってスパッツ履いて太ももガードしてるけどさ」 女になってしまうのは学校の敷地内に入ってからのはずだ。つまりこの元男の二人は学校に集合する前は……。 アークはリベリスタのプライバシーに関わるようなことは(基本的には)追及しません! 「あ、雪白さんにメイクもしてあげないと! 市民、かわいいは義務です」 小鶴は化粧ポーチを取り出し、桐の顔に化粧水を塗り始めた。 「ふふふ、師匠! おっぱいはあたしの方が大きいですよ! これでもFカップあるのです」 リンディルは胸を張って偉そうにした。 「誰かが言ってました! 大きいことはいいことだと! でも小さいのも希少価値だと! ……あれ、でもそう考えると、桐さんの胸って中途半端な大きさですよね」 「……少し、怒りました」 化粧をしてもらったばかりの桐はリンディルのこめかみをぐりぐりと拳で押さえつけた。 「桐さん痛いですー。本当は女の子じゃないのにどうして怒るんですかー」 ちなみに外に飛び出してきた生徒さんはアークの処理班の方々が保護し、記憶処理という名の心のケアをしています。安心! すでに突っ込みが足りなくなりつつある現状に理央はため息を吐いた。 「……常識人同士、仲良くやろう?」 「えっ? ええ、そうですね、お手柔らかにお願いします」 理央が話しかけると上の空だった灰森さんは慌てて返事をした。 実はこの時灰森さんはこんなことを考えていた。 (男が女に変わってしまうというこのアーティファクト……。個人的には女の奴隷たる男を消し去るのは許せませんが、何か使い道はないものでしょうか。しかし皆さんにバレてしまえば私の世界征服という野望が水泡に帰してしまう。誰にも気づかれずに持ち去ることは……) などと実にフィクサードらしいことだった。 おっとリベリスタでした。失礼失礼。 ●匠の手によりなんということでしょう 「お、お前、こっち見るなよっ!」 「うわーん! こんな姿じゃお婿に行けないよぉー!」 「うへへ、これが生おっぱい……!」 学校の中はエリューションとなった山田君が暴れていることよりも、男が突然女に変わったことのせいで混乱に陥っていた。 「ああっ! なんということでしょう! 殿方が女性になってしまい、羞じらいの様相を見せていらっしゃいます! しかも服装がそのままというのも素晴らしいですわ! ここは天国なんでしょうか!?」 「落ち着いてください。まずは学校内を探索すべきだと思います」 佳乃が今にも一般生徒に襲い掛かりそうになっているので、桐は一応注意しておいた。しかし桐は忘れている。自分自身も元は男であること、佳乃の毒牙にかかる可能性があるということを。 「面倒ですけど、雪白さんがそう言うのでしたら」 小鶴は強めの結界を張った。半径二百メートル。この学校の校舎ならすっぽりと入ってしまうほどの大きさだ。これで中で起こったことは皆忘れてくれる。これでもう恥ずかしくない。 「なるほどー、ここが学校という場所なんですねー」 リンディルは探索のためというより好奇心のために教室の扉を開けた。教室は騒ぎのせいで空っぽになっていた。 「師匠! ここで超高校級の人達がテニヌって競技で人死にが出かねないくらいの戦いをしたり、ゴースト退治してるんですよね!」 「それは情報が混ざりすぎです。……さてと」 桐はイーグルアイで廊下の奥を確認した。廊下にいるのは姿が変わったことで悲しんだり喜んだりしている生徒だけのようだ。更に集音装置も使って音を集めた。 「……! 悲鳴が聞こえました」 「こっちですよ!」 千里眼で遥か先まで透視できるようになった小鶴は仲間達を悲鳴の発生場所まで案内した。 「きゃああっ!」 「何これ、虫!? 気持ち悪いっ!」 軽音部と思われるそこでは部員の女子生徒達が影に襲われていた。襲われているとは言うが足元に張り付いてスカートをのぞきこんできたり、我慢できずに太ももに絡み付いたりしているだけなので怪我はないようだ。 「こっちの太もももぴちぴちですよ?」 おもむろに桐は小鶴のスカートを軽くめくった。 「やっ!? ひどいです、雪白さん!」 やはり性別は変わっていても男相手にスカートをめくられるのは嫌なようだ。 「雪白さんはする方じゃなくてされる方なんですよ!」 そっちか! 「雪ちゃん、今日も可愛いわね。さ、いつもみたいにお姉さんと楽しいことしましょ?」 小鶴は桐にぎゅーっと抱きつき、頭を撫でた。 「……普段から何かしてるみたいな言い方やめてください」 それでも桐は小鶴に軽く抱きつき返し、すりすりと頬ずりした。 「お姉様! あたしとも遊んでください! そうでないと、あたし、いじけちゃいますよ?」 その様子を見たリンディルは小鶴の反対側から桐に抱きついた。ゆりゆりサンドである。真ん中は偽造品だが。 「いじけちゃったら……こういうこと、しちゃうんです!」 はむっ。 「ひゃうっ」 いきなり桐の耳を甘噛みするリンディル。さすがに声が出る桐。 軽音部の皆さんは突然始まった百合劇場に影のことも忘れ、呆然としたままだ。こんなときどんな顔すればいいかわからないの。 そして影の方も生徒達から離れ、百合劇場が行われてる方へとそろりそろり近寄っていた。 「今です、皆さん!」 桐の号令と共にリベリスタ達は影をふみふみっと潰した。影はまるで煙のようにその場から消え去った。 「スカートの中見られちゃいました……」 桐はスカートの裾を押さえながら小さく呟いた。 ●スパッツ萌えるじゃん 山田君の分身たる影は迷っていた。 目の前にいるのは割烹着を着た幼女、灰森さんだ。ロリには手を出さず愛でるのが山田君の信念だ。 だがしかし、目の前の幼女から感じる気配はかなり年上の女性のものだ。 影は手を出すべきか迷っている、そうロリババa 「誰がババアですかっ!」 灰森さんは割烹着の袖から毒針を取り出し、影に向かってぶっ刺した。影は簡単に霧散した。 「このっ! このっ!」 理央は自分の足に絡み付こうとしていた影の一匹を踏み潰した。 「……気のせいかな。さっきよりずっと狙われてる気がするよ。踏み潰してるんだからボクがスパッツ履いてるって気付いてもいいはずなのに」 仲間の中にはセクシーな大人の下着を履いてきた人だっているのにどうして自分ばかりが集中的に狙われるのだろうかと理央は悩んだ。 しかしわかってない、わかってないぞ理央。 スカートの中のスパッツというものは少々邪道かもしれないがスパッツに締め付けられる太ももや臀部はとてもとてもすばらs 「こっ、このおおおおおっ!!」 マニアックな欲望を感じ取った理央は近寄ってきた影をぐりぐりと踏み潰した。 「さーて、本体の山田君はどこかなー?」 桃次郎はきょろきょろと周りを見渡した。ロリい姿をしているせいか影に手を出されることはあまりない。 「それにしても不毛な空間だねー」 少し離れた場所ではキンバレイが元男の女子に正面からはぐーと抱きついていた。キンバレイの身長だとちょうど顔が胸に埋もれる形になってしまう。もちろんわざとだ。 「(元?)男子のおっぱい全制覇!」 まぁ、元は男であるからしてロリ巨乳に抱きつかれて悪い気はしないらしい。頭を撫でられたり、時には抱きつき返されたりしていた。 「おねーさまー!」 「ふにゃっ!?」 キンバレイの様子を他人事のように見ていた桃次郎だが、いきなりターゲットにされて抱きつかれてしまった。身長はあまり変わらないのでおっぱいとちっぱいがむぎゅうと潰れた。 「ちょ、ちょ、あのっ、ハルゼーさん、胸が当たって……っ」 桃次郎は慌てふためいた。今は性別が変わっているし、普段からも女装をしているが中身は真っ当な少年だったりするのだ。 「当たってますけど女の子同士だから問題ありません!」 「……そ、そーかなー……」 押しのけることもできず、桃次郎は真っ赤な顔でされるがままになっていた。 「…………」 そしてロリ二人(一人は偽造)がイチャイチャしてる様を一つの影が凝視していた。その影は他の影と違って厚みがあった。 理央はその影、山田君本体を指さして叫んだ。 「みっ、みつけたーっ!」 ●これが匠達の仕事です 理央の叫びは集音装置を使っていた桐の耳にも届いた。 離れて探索していた桐達は理央達のいる場所へと駆けつけた。 「覚悟してくださいまし! この変態!」 瞬時に闘気を爆発させた佳乃は山田君へと強い一撃を放った。 「みなぎるゆりゆりパワー!」 しかしその一撃は簡単に避けられてしまい、廊下の床に傷跡を残すだけになった。 「ふはははは! いけませんよ、お姉さん! 百合アニメにバトルシーンは出てきません! 存在していいのはほのぼの日常だけ!」 山田君の分身たる影が佳乃の脚に絡み付こうとした。しかし佳乃は踏み潰すどころか冷たく影を見下ろし、こう言い放った。 「下着の中、むしろ私の中心に向かってこないような腰抜け程度に、何の感情を持てとおっしゃいますか」 普通ならお礼を言うべきところなのだろうが、迫力に押された山田君の影は慌てて本体の後ろまで逃げてしまった。 「やはり普通に攻撃しても命中しないようですね。……それなら」 桐は小鶴に抱きつき頬に手を添えた。 「……いいですか?」 「ええ。構いませんよ。……でも雪ちゃん? 頬っぺたにだけなんてそんな甘いこと許しませんからね」 小鶴は同じように桐の頬に手を添え、そして…… ちゅーっ、ちゅ、ちゅ、ちゅっ…… 唇と唇が深く重なり合い、手と手、指と指が絡み合い、やがて二人はセーラー服のネクタイを 「それ以上の展開禁止! 相手が引いてるからっ」 どこからともなく取り出したハリセンで理央は二人を叩いておいた。山田君は背後に無数の分身を従わせながらわなわなと震えていた。理央が止めなければ無数の影達が二人に絡み付いていただろう。 「軽いキスまでなら許す! しかし過剰なエロは日常ものへの冒涜なのだーっ!」 「もうワガママですねー。これならどうですか? ……お菓子持ってきたんですよー! 一緒に食べませんか? はい、あーん」 キンバレイは持ってきたお菓子を取り出し、リンディルへとつまんで差し出した。 「えっ? あ、あたしにですか? ……あーん」 リンディルは口を開けてキンバレイの指先のお菓子を食べた。指先は少しだけ唇に触れていた。 「あっ! ごめんなさいっ」 「ふふふ、おねーさまの唇、とても柔らかかったです」 キンバレイは指先についたお菓子のカスをぺろっとなめた。 「うおおおおおっえくせれんつ! ぐああああっ!?」 すっかり動きを止めた山田君は桐のデッドオアアライブと理央の1$シュートに撃ち抜かれた。 「お姉さま……タイを直してくれませんか?」 「ふふふ、構いませんよ」 佳乃は桃次郎のネクタイに指をかけ、そっと直した。そして優しく桃次郎を抱き寄せた。 「毒島様は困っていることはありませんか? (女としての)先輩ですもの、私が手取り足取り腰取りなんでも教えて差し上げますわよ、うふふふふ……」 「えっと、その……」 ゆりゆりするなら佳乃に抱きついた方がいいはずなのに、佳乃からにじみ出てくる妖しいオーラが桃次郎を躊躇させる。 だがしかしその戸惑う態度こそが山田君にクリティカルヒットしたらしい。 「イィヤッホォオオオウッッ!! おぶぁあっ!?」 リンディルが放った雷により、山田君は後ろに待機していた分身達ごともみくちゃにされた。 「ゆ……許さん、絶対に許さんぞぉーっ!」 怒りに震える山田君はとうとうリベリスタ達に反撃する意思を見せた。 「雪ちゃんの下着ちぇーっく!」 「っ!!」 小鶴は桐のスカートを大きくめくりあげた。自分で送ったから知ってるくせに。 「せいっ!」 「がああっ!」 桐の太ももに視線を奪われた山田君は灰森さんが取り出した毒針にぐっさり刺された。 あっ、山田君やっぱりダメっぽい。 ● ――こうしてリベリスタ達のゆりパワーにより山田君は倒され、学校に平和が戻った。 「く、くそ……この僕が倒れてもいつかきっと第二第三の山田が……!」 出てこなくてもいいです。 ちなみに山田君本体はアーティファクトを持っていなかったが、探索を続けたら図書館のテーブルの上に置かれているのを発見した。 アーティファクトはリベリスタ達の手により回収され、アークへ引き渡されることになった。 「はぁー……」 灰森さんは大きくため息を吐いた。 (さすがにこの場で私的に回収することは無理ですね。ですが機会があればいつかこの手に……!) 野望に燃える灰森さんであった。 「女の子になったら、男相手ってのが『うげぇ』だけど、ゆりりんならそうでもないのか……うーむ」 桃次郎はやや危ない方向に目覚めつつあった。 「今まで女装だけだったし女の子になりたいなんて思ってなかったけど、断然違う下着のフィット感とか知っちゃうと、憧れちゃうよね。ね、雪白さん」 桃次郎は同類として桐に同意を求めた。 「あ、その……」 桐は少し口ごもり、小鶴の方へと顔を向けた。 「これ、どうすればいいんでしょうか」 スカートの裾をめくりながら桐は小鶴に聞いた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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