● 「皆さんこんにちは、依頼を宜しくお願いします」 『未来日記』牧野 杏理(nBNE000211)は集まったリベリスタ達を見回して言った。杏理が取り出したのは赤色の小さなカプセル。これはとある薬だと言う。 「惚れ薬ってあると思いますか? まあ、現実的に言えばアーティファクトなのですが、最近ソレが出回っている様なのです。 このカプセルもその一つで、まあ、効力は小一時間っていう短い間ですし、後遺症も無いので危険では無いと言えばそれまでですが……」 出回った惚れ薬はアークの別班が回収している最中なので気にする事は無い。問題なのはその生成方法である。 「これを作るのに、誰でも良いのですが『愛情』というものが必要なのです。 それでですね、最近女性が数日だけ行方不明になる事件がちまちまあるので、それがなんらかの形で関係しているのでは無いかと踏んでいた訳です」 つまり、そのヤマが当たったという事なのだ。 「とある場所、本当に人がいない裏路地に、ほぼ毎日ですね、いつも違う女性と面子固定の男性4名がよく防犯カメラに映っているんです。おそらくナンパしてきたんだと思いますが、いつもこの後に、女性は2~3日行方不明になります。 数日後にはいつも戻って来るので、表の世界では大きな事件に成ってないのですが……おかしな事に、神隠しから戻って来た女性は皆、それまで付き合っていた、または結婚していた男性と別れているのです」 段々、薄暗い闇が見えて来たか。 「愛情を喰われているかと、思います。 調べた所、男性4名はフィクサードです、それもフリーです。詳細は資料の通りです。 今日の夜もきっと男性4人と女性が来ると思うんです。誘拐を阻止して、フィクサードから情報を捻り出して下さい。 ああ、情報さえ集まれば、その後のフィクサードの処置はお任せしますよ」 杏理は深々と頭を下げた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:夕影 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年08月18日(日)22:39 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● ビル屋上。強すぎる風が頬を撫で、片耳に携帯を押し当てる女が居た。足もとには意識の無い女が2人程転がっている。 さておき、彼女は目の前に広がる光景を見ていたものの、その瞳は携帯を方へと流れていく。 「アークに嗅ぎ付けられたようですが……?」 電話の相手は、さもダルそうな声を響かせ。 『あ~~~ガチィ? ガッチガチィ? ま、すぐに切れる野良猫を使ったのは俺の頭の良いとこだよなァ』 「と、言いますと?」 『始末しといて~、そりゃもう全滅でなッ』 「了解しました……銀猫」 ● 男4人、女2人。間違いない、フォーチュナが言っていた人物たちで間違いないだろう。『Le Penseur』椎名 真昼(BNE004591)は神秘を宿した瞳を閉じた。 「来ましたよ。もうほんの数メートル先」 「おう、こっちも同じ意見だ」 耳を澄まし、音を聴く『輝く蜜色の毛並』虎 牙緑(BNE002333)は真昼の言葉に同意する。どうやら敵が近づいているのは確実な様だ。 「なるほどねぃ! じゃあちょっと行こうかねぃ!」 『灯色』アナスタシア・カシミィル(BNE000102)は両腕を伸ばして準備体操しながら後ろの仲間たちへと声をかけた。コツ、コツと足音を鳴らして、蔵守 さざみ(BNE004240)はアナスタシアの横を通り過ぎていく。 「愛を奪う薬なんて、気に食わないもの」 叩き潰す――その為に、まずはその闇へ近づくために。情報が必要なのだ。 「テンプテーション使ってんの? ナンパ師の風上にも置けねーなぁ!」 『刹那の刻』浅葱 琥珀(BNE004276)の声が裏路地に木霊していく。其処には彼等しか存在しないかのように静かであり、そして敵である彼等の声も耳のすぐ横で喋られているかのように鮮明に響くのだった。 「あ? おまえら……」 勿論、敵フィクサードはリベリスタを見ただけで警戒をしてきた。フェイトを得ているか、力があるか、なんて初歩的なものだ。しかし一般人である茶髪の女性2人は、頭の上にハテナマークでも浮いているかのように着いていけていない顔をしている。 「惚れ薬なんて作りやがって。何に使うのか聞かせてもらおうか、お?」 その女性達を目の端に置きながら、『(自称)愛と自由の探求者』佐倉 吹雪(BNE003319)は大きな手のひらに隠しているナイフを再度握る。まずはその、一般人をどうにかしないといけない訳だ。走り出す――どちらか1人でもいいのだ。此方が拉致って何処か遠くへ行かせられれば。 しかし直後、『やる気のない男』上沢 翔太(BNE000943)が神秘を纏った――自付に走ってくるリベリスタを見れば、敵フィクサードが一斉に武装するのは仕方なく、女達は悲鳴をあげたのだった。 「くっそ、リベリスタが、邪魔しやがってよぉお!!!」 「血の気が多くてやりやすいなぁ」 牙緑が笑う中、 「黒覇様とかも、その薬で惚れさせられますか!?」 一瞬だけ顔がマジになった『ヴァルプルギスナハト』海依音・レヒニッツ・神裂(BNE004230)は強烈な質問を投げかけてみるが、軽く流されて返答は無く。 「ま、そんな薬いりませんけどね」 本気の愛で作った、偽物の愛を作る薬なんて。作るも使うも、下衆としか言えないだろう。 ● 女を1人、それこそどちらでも良いのだが。先程と同じように何処か安全な場所に行かせようと走った吹雪だったが、敵ソードミラージュが立ちはだかった。 「こっちくんじゃねえよ!!」 「っせえな」 もう少し腕が長ければ……なんて考えてもしょうもない事だが。吹雪の手は彼女たちへ届かない。しかし目の前。いつの間に飛んだのか、翔太が既に敵デュランダルの下に身を置き、剣を振るわせていた。 やはり女は『材料』として必要なものなのだろう。舌打ちした――美袋冬芽が女の髪をわし掴んで胴にひと突き。倒れた女を抱えながら後ろを振り返ったのだ。戦場からの離脱さえすれば、この材料をどうにかすれば、彼はそれでいいのだろう。 「おい、逃げる気だぞ」 「解ってる」 どうにもこうにも、それだけはさせる訳にはいかなくて。 来た道を戻りだす冬芽を見て、ぼそりと呟いた翔太の声にさざみが反応した。とん、と地面を蹴ればフィクサード達の頭上を飛び越え冬芽の前に着地するさざみ。 「大人しく捕まっとけばいいのにね」 「んなの……!!」 ――できるか!! と女を投げ捨てて飛び込んできた冬芽の拳がさざみの頬に衝撃を与えた。一瞬、視界がぶれるさざみだが、カウンターとして繰り出した四色の魔力を纏った拳で彼の胴を射抜く。 「格闘技なら負けられないよぅ!」 元気に飛び込んで、冬芽の死角に立つアナスタシア。キラリと瞳を輝かせながらも、冬芽の髪の毛を掴んで地面に叩きつける。 「愛がほしいなら、これくらいアツいのを受け止められるくらいにならないとねぃ?」 ウィンクしたアナスタシアの顔が、冬芽の目には複数人に見える程度には視界がぶれた。しかし其処で止まらない、止まれない――。 もう1人、プロアデプトがスタンガンで黙らせた女を抱えて脇道へと進もうとしていた。 「何処行こうっていうのかなー」 「くそぉお!!」 牙緑がプロアデプトの肩を掴んで止め、刃をそのまま敵の脳天へと叩き落す。目の前で如何にも逃げますという体勢をされて、逃がす程リベリスタは甘くはない。 「大人しくしてくれたら……悪いようにはしないから。たぶん」 自信の無さ過ぎる発言をしながら、真昼は気糸をプロアデプトの身体に巻きつけた。まるでそれはマリオネットの如く、両腕から伸びた光るそれはかの敵の行動そのものを封じたのだ。 「今の内だ、行け!」 牙緑に促されるままに、いや、促されずともやっただろうが。デッドオラアライブの衝撃に、フィクサードの手から落ちた女の服を掴んだ海依音。そのままぞりぞりと引きずっては闇の先へと動かしていく。 「いやあ、気絶させる必要が無いのはいいですね!」 「いいから早く行って」 真昼の手に絡んだ気糸が早くも千切れかけていた。おっとそれはいけない、そんな言葉を置き土産にした海依音はそのままそそくさと闇へ消えていった。同じように一般人を離脱させる役を担う吹雪だったが、冬芽のナイフが女の首を狙っていて近づけない。 「は、はは、女の命は大事だろ、なぁ?」 「いやーそうやってとっかえひっかえすんのはどうかと、お兄さん思う訳でなー」 琥珀の声が聞こえた瞬間、冬芽は自分の首を抑えた。いつ斬られたか、首から血が流れてはその量は大量なもの。口から血が溢れて言葉もままならないまま、冬芽の目線が畜生と叫んでいた。 「悪いな、こっちのお嬢さんも貰っていくぜ」 担いだ吹雪。そのまま海依音の後を追うようにして戦場から離脱していった――。 それでは遠慮なくふるぼっこしましょうか。 「大人しくするなら殺しはしないから。それはココに居る仲間全員同じ考えだよぅ、だからココは投降してみない?」 アナスタシアは相変わらず眩しい笑顔で語り掛ける。しかしそれに首を縦に振る者はいない、というのは彼女も解りきっていた事であり。では武力行使だ。 オレンジ色の長い髪が揺れる――音も無く置かれたアナスタシアの腕が冬芽の腹部に直撃した瞬間、冬芽の背中部分の服が衝撃に破れた。次いで彼の身体は琥珀によって切り刻まれていく。赤い線を作る度に、投降するんだと叫ぶ琥珀だが冬芽はそれに応じようとしない。 「なら、仕方ないわ」 恋だって愛だっていつかは終わるものだ。しかしそれが第3者の手によって強制中断される事はけして起きてはいけないのだと。内心に燻る、許せない想いにさざみは拳に魔力を纏い、振り上げた。 真昼にはその恋や愛はまだ解らない。それでも大切なものだとは理解していた。失って恋人の大切さに気づいたり、そんな人間的な感情まで忘れてしまう――悪魔の様な薬め。 「オレはそれだけは許さない」 気色がデュラの身体を結び、そこに牙緑の得物が強大な力と共に振り落されてきた。 「なあ、お前等が作ろうとしているそれって惚れ薬なんだろ? いまオレがそれ飲んだらオマエに惚れちゃうの?」 「――……うるさい!」 「まあそう言うなって。でも1時間の効力って物足りないよな。せめて3時間くらい欲しいよな」 「ま、まあ、そうだな……ってうるさいわい!!」 額から血を流したデュラの男の剣が牙緑の胸元を狙うが、それは翔太の剣によって上手く逸らされてしまう。刃同士が擦れる、そんな耳に残る音を裏路地に響かせながら、翔太は攻撃へと移った。 「まあそういう薬って昔から都市伝説的にあるからなぁ」 何気なく、それはまるで友達にでも話しかけるかのように和やかな声で言った翔太。しかし攻撃は一級品の様。精密に冬芽の背後を制してブロードソードを突き付けた。 「おい、戦力差は明らかだろ。友達が死ぬ前に、解れよ」 翔太の言葉にはっとした冬芽が、細道の奥から帰ってきた海依音と吹雪を見つけた。 「お待たせしまし――あれ、もしかして終わりそうです?」 海依音がきょとんと見つめた先、伸びているプロアとデュラに、血相を変えて相手しているソミラと冬芽が居た。 「終わってなんか……ていうかマジなんなんだよリベリスタがよぉ!!」 叫んだ冬芽が拳を振り上げたが、その拳が誰かを殴る前に彼の首元の服を無理やり掴んで引き寄せた吹雪。 「人を愛する気持ちってのはな、他の奴が外からどうこうしていいもんじゃねぇんだよ、人の恋路にちょっかい出す奴がどうなるか、しっかり教えてやるから覚悟しな!」 「は、……はひ………」 服から伝わってくる、瞳から伝わってくる、吹雪の憤り。惚れ薬なんて無ければいい。そんな、誰も幸せにならない、一部の人間だけが甘い汁を吸う薬なんて。早々にこの世から消さねばならないのだ。もはやこれ以上の犠牲は出したくない、そんな事を想いながら、吹雪の声はつい荒くなっていた。 「ま、尋問は後ほど。今は」 さざみの腕に四色の魔光が彩った。しかしそれを静止させ、海依音の杖が冬芽の頭を穿つ。 「殺してはいけませんし、この程度で」 にこっと笑った海依音にさざみは拳を引いた。 ● 縄やらワイヤーやら、気糸やらで縛られた滑稽なフィクサードが転がる風景が広がっている。それはなんだか情けなくも感じるものだが。 「やんやん! なんだか魅力的な光景ですねぇ!」 「まあ、面倒なところが終わってよかったってこったな」 合流した海依音と吹雪がそんな事を言いながら、さあ、これからが本題である。 「さぁて、始めようかねぃ! 尋問大会の始まり始まりーぃ」 じゃらり、赤黒い鎖の先についた得物をぶるんぶるん回転させながら、アナスタシアは足で冬芽の顎を上げさせた。 「とりあえず知ってる情報を吐いてもらおうか。あ、言っとくけど拒否権はないぞ?」 「誰が……吐くか……」 戦闘不能していても、フィクサードはフィクサードか。最後まで口は割らぬという目線が翔太へと向いた訳だが。 「おーっと手が滑ったねぃ」 バキィ! と音を立てて冬芽の武器であった拳銃がアナスタシナの一撃で解体されたのだった。口をぱくぱくさせて、声無き絶叫をあげた冬芽はかなり涙目になりながら木端になった愛器を見ているしかなく。次はこっちのナイフも壊してしまうぞーと笑顔で得物を振っているアナスタシア、怖い、すごく怖い。そんなアナスタシナの表情に冬芽の顔が青冷めていく。 「……あ、アナスタシアさん……?」 あれ、アークってこんな怖い場所だったんだ。と改めて実感した真昼。フードを深くかぶって、何故か流れが止まらない汗を拭うので精一杯だ。 「でも聞きたいな。何でこんな事をするの? 惚れ薬を売る為? それとも薬は自分の為に誰かに使ったの?」 「……」 声は震えた。薬をどう使うであれ、全てが許せない真昼は憤りを覚えつつ、同時に恐怖があった。例えば、自分から大切な感情が奪われたら――なんて想像した所で背筋が凍るのも少年らしい反応であると言えるのだろう。そして大切なものがあるからこそ、怒れるのだろう。 「ね、答えて……下さい」 反応が無いのに苛立ちを覚え始めたのは真昼だけでは無い。 「可愛い美袋君、大好きなお友達が死んじゃう前にこの薬の出処をおしえてくださいますか?」 なんという圧迫面接。冬芽の目を見た後、隣でガクガク震えるデュランダルの男を見た海依音。彼が最初の犠牲者ですよ、と言われているのは一瞬で理解はできた。冬芽の頬から冷や汗が流れ、地面にポツポツと湿った円ができていく。 「解るわよね。痛いことはしませんてば! ワタシタチ! 正義の味方!」 「脅しておいて、今更何言ってんだ」 「丈夫大丈夫10数える間にいうこと聞いてくれたら悪いようにしません、はい、いーち、にーぃ、さーぁん」 パーン!! と音が響いたと同時にデュラの男の絶叫が響いた。海依音の灰塵がデュラの足元に命中したのだった。 「おおおおおおおおおおおおい!!! まだ10数えてねええええ!!」 「ちょっと調子のっちゃいました、てへぺろ! 大丈夫ですよ、お帰りする際は翼の加護をしてあげますので」 「翼の加護って数十分も持たないだろ」 キャピキャピと、まるで少女のように、まるで少女のように、まるで少女のように笑う海依音に翔太が的確なツッコミをいれながらため息を吐いた。 「おーおー、女は怖いなぁ」 くっくっと笑う牙緑。 「まあまあ……」 今度は琥珀の得物がデュラの首元につけられた。 「おーおー、琥珀も怖いなぁ」 牙緑は琥珀の刃をじっと見た。きっと口を割らないならば今度こそ、その刃は首を引くのだろうと思考しつつ。とまあ、だが情報は欲しい。 「愛情を吸って薬に変えるAFでもあるのかな? それと、黒幕とか居るんだろう?」 「く……っ、アーティファクトはある……んじゃないか? 黒幕も居るんだろうな、お、俺達は、ただ、金が貰えるから雇われただけで……本当にあまり知らないんだ」 やっと返って来た返事にさざみは顔を斜めに傾けた。まだ、まだ情報は足りない。 「目的や『薬』の流通ルートは知っているの?」 「『飼い猫』っていう……女が居る。そいつに拉致った女を渡せば金が貰えた。1人につき、数十万くらい……既婚者だともっとだな」 ふむ、と手を顎に当てた吹雪。 「どうやら犯罪組織があると見て良いだろうな。規模は小さそうだが」 「そうみたいですね」 頷いた真昼。更に吹雪は知っている事はあるかと冬芽に問う。しばらく地面に着いた汗の数を数えながら考えていた彼だが、しばらくして顔をあげた。 「確か……恐山とか、なんか、そんなのに繋がっているだとか……。ほら、惚れ薬とか使って大企業の社長とかを一時的に魅了催眠して、契約結ばせるとか、そういうのに使ったとか聞いた事ある」 成程。それは大変なものを作ってくれたものだ。翔太が他に何か知っている事は無いかと言いかけた時だった。 「もういいだろ! もう何も、知らないんだ!! だから、友達を助け――……」 ――銃声が響いた。 瞬時、冬芽の額には大きな風穴がひとつ空いて、即死していた。 「え、な、なに!?」 真昼は力無く倒れる冬芽を受け止めながら周囲を見回す。 「う、う、うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 叫び始めたデュラの男。必死に拘束を抜けようと抗うフィクサード達。 突然の出来事に困惑する状況だ。琥珀が誰だと叫んでみるが、かなり遠くから狙われている――それもビルの上階からだ。 「おい! おい冬芽! 冬芽ぁぁ!!」 「リベリスタァァ!! これ解けよぉおお口封じだよどうみてもこれええうああああ!!」 「こんな事になるとか聞いてなっ、くそおおお!!!」 そして再び銃声は響くのだ。体力がギリギリまで無い彼等を殺すなんて容易い事でもあった。何より、アークへ引き渡して更生させるよう考えていた琥珀の拳に爪が食い込む。 だがそれは、とてもどうこうできるものでは無く。死体が仲良く積み重なっただけであった。自業自得、と言えばそれで終わりだろう。息絶える男が、最後に『銀猫』と呟いたのは、報復を託したメッセージの様にも聞こえた気はした――。 ● 「始末しましたけど……」 『あ、ガチィ? じゃあ戻って来いよォ。ご褒美に餌に肉でもいれてやんよォ』 「いらないです」 嗚呼、踏み込んだ闇はなんて深いんだ。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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