● 「乙女の花園で下着かっぱらってきてください。以上」 「御意」 『悪狐』九品寺 佐幽(nBNE000247)は資料だけ置いて眠たげに自宅(仮眠室)へ帰っていった。 百戦錬磨のアークの紳士淑女のみなさんにはこれしき夕飯前ですよね? |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:カモメのジョナサン | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年08月16日(金)23:37 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●会議室 「この依頼って九品寺さんも問題なく来て参加できるお仕事ですよね?」 第三会議室。 雪白 桐(BNE000185)の何気ない質問に、仮眠室へ帰ろうとしていた佐幽は一言だけ返した。 「――わたくし如き非力な者に、無理をおっしゃらないでください」 ●人生は宝探し 夏期登校日の朝、花冠女学院は華々しくも賑やかしかった。 花冠の夏服は、純白のブラウスに赤と黒のチェック柄のプリーツスカート、簡素ながらも清々しさがある。女学生の大半が行儀よくて歩く姿勢まで整っているため、ただ歩くさまを見つめるだけでも優雅なファッションショーを堪能しているかのようだ。 歓談の花を咲かせる乙女たちは白ブラウスに夏の日差しが反射して輝いてみえた。 一方、通学路の並木道では。 「みつけた、ワタシの桃源郷」 『可愛いは正義』アルメリア・アーミテージ(BNE003516)はkawaiiの宝石箱に恍惚として佇む。 気分はお花畑。蜜蜂のように花々へ飛んでいきたくとも、さりとて制服なしでの潜入は難しい。 「制服、現地調達してくる」 『ネメシスの熾火』高原 恵梨香(BNE000234)は粛々と、淡々と、ひたすらに任務に徹するつもりでいた。その浮世離れした実直さは有名だ。が、時に真面目さが仇になる。 「どう、調達、する?」 『無軌道の戦姫(ゼログラヴィティ』星川・天乃(BNE000016)の質問に恵梨香は冷静に答える。 「魔眼で警備員をごまかして潜入、一般女子生徒を洗脳して『服を脱げ』と命令する」 「問題、ない」 「ある」 『氷の仮面』青島 沙希(BNE004419)は肩をすくめ首否する。つられてポニテが舞踏する。 「脱がせた生徒、着るものがないわよ」 「あ」 「縛ってロッカーに放り込む、のは流石に犯罪ね」 「監禁は、見つからない、場所、探さないと……」 注意:アークは超法規的組織です、よいこのみんなは真似しないでください。 「あたしはこうするけど」 沙希は並木の裏へまわる。 「種も仕掛けもないことをお許しください。1、2、3」 表へ出てきた沙希は完全に別人だった。すらりとしたモデル体型は慎ましく幼い体型に早変わり、衣装は花冠夏服の中等部仕様になっており、顔立ちや雰囲気は――。 「お姉様!」 『雇われ遊撃少女』宮代・久嶺(BNE002940)が驚愕するのも無理はない。『怪盗』は完全無欠だ。 神秘の域に達した沙希の変装は、久嶺の双子の姉をいともたやすく再現してみせた。黒髪黒目。大和撫子然とした佇まい、泣きぼくろに至るまでそっくりに。 「どうしました? 鳩が手榴弾を喰らったような顔をして」 「声まで同じ!」 くすっと妖しく笑い、沙希は久嶺の耳元にまで寄ってささやく。 「ひやっ」 「久嶺ったら本当に愛らしい子ですね」 久嶺の頬はかぁぁと熱を帯びた。 「あ、あ、アタシは偽者になんてだまされないんだからね!」 が、沙希は巧妙に涙ぐむ演技をみせる。 「わたくしのこと、嫌い?」 「大好きに決まってんでしょこんちくせう!」 久嶺は葛藤のあまり、ガッツンガッツン樹木を頭突き、ガリガリ爪で樹皮を削る。 心の闇に触れるべからず。 凶悪な豹変ぶりに沙希は茫然と一瞬、演技を忘れる。 「偽者に!」 ガッ。 「偽者なんかに!」 ガリッ。 「不覚にもときめいたアタシのハート爆発しろ!」 アハハハハッ! と狂った笑いが木霊する。背景では黒百合が狂い咲き、爆炎が踊る。 ヤンデル入ってる。 「あ、あの、久嶺……」 「あはっ、そーだぁー、お姉様が本物かどうか確かめる方法、アタシ知ってるの、知りたい?」 ぶんばっぶんばっと沙希は首を振る。 他の面々は各自避難済み。恵梨香と天乃は他人事と割り切って淡々と任務の打ち合わせ中だ。 「役者役に溺れる」 「生き、ろ」 ズダーンッ。ついに樹木が圧し折れたところで翼を漆黒に染めた久嶺が超低空飛行で迫る。 パンッ。 スカートの下が黒風に暴かれる。 パンツ。 久嶺が高々と天に掲げて勝ち誇った品は、まさしく沙希の下着(詳細は伏せる)だ。 「!?」 「お姉様はこんな下着もってない! 偽者め、正体ついに見破ったりぃっ!」 演技も変装も崩壊しきった沙希は、シスコン堕天使に問う。 「……なぜ知ってるの」 今度は背景が嵐の海に、久嶺は眼帯をつけた海賊船長になる。 「――人間は皆、誰しも宝探しをしているの。そう、私たちは人生という大海原をお宝求めて航海する海賊。けれど灯台下暮らし。本当に大切な宝は大抵、じつはとても近くにある」 荒波を越えて、クラーケンと触手プレイを交えて、海賊船はやがて宝島に辿りつく。 「こんな身近に素晴らしい財宝があったらつい盗んでしまうに決まってる、それが浪漫でしょ?」 そして宝箱に眠る黄金よりも尊い財宝を、掴む。 「毎日お姉様のお召し物を堪能してるアタシに嗅ぎ分けられないパンツはない!」 劇画的衝撃を受け、沙希は膝を折る。 「久嶺……恐ろしい子……!」 世は大海が如し。 惨敗と経験を、明日の演技に結ばんと沙希は強く決意するのだった。 ●背徳献血 「こっちですよ、こっち」 日隠日和の手引きで古錆びた通用口から旧校舎側校庭を囲む鬱蒼とした森林へ入る。案内されたのは体育倉庫だ。半年前までここで秘密裏に仔猫が飼われていた為、整理されているわりに人気がなく調査拠点にぴったりだ。 「頼まれてた夏服、ちゃーんと全員分用意しときましたよ」 日和はさくらんぼの髪留めがついた黒のサイドポニーをくるくる指先で弄ぶ。 「た、だ、し」 愛くるしく小動物めいた幼い顔立ちに不釣合いな妖艶な微笑を湛える。 「生贄、くれます?」 艶めく白牙。 恵梨香は無意識に後ずさり、跳び箱に背中をぶつけてしまった。 「あはっ、まだ疼いちゃうんですか高原センパァイ?」 「――吸血させるのは積極的により大きく貢献してくれたら、その時に」 「ご褒美ってわけですね、でもまずは……」 品定めするように一同を見やる。 日隠、久嶺に注目。 「え? あ、アタシは」 「お姉様のモノ! だよね?」 目と目が逢った瞬間、ふたりの不可侵条約は締結された。 では、生贄は誰か。 『三高平妻鏡』神谷 小夜(BNE001462)と雪白 桐に日和は目もくれない。 桐は凛として淡白、硝子細工のように透明な美しさがある麗人だ。しかし名声ある桐のことを元アークの日和は噂に聞いているので男女の別を間違えることはない。 一方、小夜はといえば桐にばかり視線が集中していることが一目瞭然だ。 「日和ちゃん、ワタシの血をあげよっか?」 アルメリアが嬉々として進み出る。 期待に満ちた金色の瞳に後ずさる日和。日和という少女は、自分のペースを乱されることや距離感の掴みづらい相手が少々苦手だったりする。 「ワ、ワタシイマ、イナカオッパイダナア」 「大丈夫よ、首筋とか耳とか色々なところをなめるだけだから」 攻守逆転。右手に猫を、左手に太刀を。 「はい、じょーだん」 寄せては引く波のように、アルメリアは当て勘を働かせた。星射手は目が命だ。日和の目が泳ぐさまをよく観察して引き際を見極めた。 「可愛がりたいのに、怖がらせちゃ本末転倒だもん」 安堵する日和に、アルメリアも破顔した。 「……アメリお姉さま」 日和は面を伏せ、恥らいつつ小声でたずねる。 「て、呼んでもいい、ですか」 「よろこんで」 日和は慎ましく花やいでアメリへ微笑みかけた。 ●第一 いよいよ本格的に調査開始だ。 夏期制服に着替えた面々は各自バラバラに分かれて調査する。花冠女学院の敷地はだだっ広い。お互いにAFで随時連絡を行いつつ高等部、中等部それぞれを探索することにした。 高原 恵梨香の千里眼がこの作戦の中心だ。 運動場の片隅にダンボールが積んである。 動いた。ダンボールが歩行した。 中の人は恵梨香に他ならない。人目を避けるため隠密行動中である。 千里眼は無機物や植物を透視でき、なおかつ鷹の目のように遠くまで見通せる異能だ。透視できない場合、それは動物か、革醒した存在だ。本来これはマイナス要素だが逆手に取ることで破界器の発見に活用できるわけだ。 グラウンドでは真夏の太陽の下、煌く汗をスポーツという青春に捧げる少女たちの姿がある。 そのすべてを見落とさないよう透視した時、その光景は、筆舌に尽くしがたいハレンチさを孕む。テニスコートで躍動するアンスコひとつ透過するだけでも思春期の少年には夢物語だ。 しかし任務は常に真剣に、機械的なまでに一途な恵梨香にとっては単なる作業だ。 さながらヒヨコ鑑定士のごとく。 発見した。 部室でひとりロッカーで更衣中の一般人。サッカー部のマネージャーを務めているらしい少女を魔眼でおとなしくさせ、催眠状態に置く。名は木野薫。ごく普通の、明るく愛嬌のある少女だ。 「貴方はアタシに従う」 「はい」 「貴方は下着を脱ぎ、渡す」 「はい」 「貴方は代わりの下着を着る、そして目覚めた時にはこのことを忘れている」 「はい」 一連すべてを事務的にこなして首尾よく恵梨香は第一の破界器を確保した。黒のレースという健全な部活動と相反する勝負下着ぶりを気にも留めず、恵梨香は粛々と事を終えて立ち去った。 「……最後に質問。ここで何してたの?」 「先輩の下着で」 扉をそっと閉じる。守ろう個人のプライバシー。 ●第二 「……狐?」 幻視がバレた。相手は在野の革醒者。名札によれば大文字 佐鳥というらしい。 小夜は内心あわてふためきつつも平静を装い、大嘘をつく。 「部活の様子を見に来たOGです」 「どちらの部で?」 「!」 桐に助け舟を求めたくても、今はバスケ部室の中だ。早く、早くなにかを。 「げ、ゲー研です」 後の祭り。こんなお嬢様学校にゲーム研究会なんてあるはずない。混乱中の小夜の頭上では、バーカバーカと偉そうなお狐様が後の祭り音頭をぴーひゃらこんこん踊っている。 「ああ、ゲー研の!」 「……え?」 「案内します、どうぞこちらへ」 「えと、狐耳はいいの?」 「リベリスタは歓迎です」 手狭で暗い部室に通されたと思いきや、途端にアップライト筐体の数々に明かりが灯る。新旧多数のゲームが揃ったプチ博物館に小夜は狐の幻術ではないかと頬をつねった。痛い。 そして部室中央の台座には堂々とパンティーが飾られていた。 「なに、これ」 「フブキのパンツです。伝説の卒業生フブキの履いてたありがたい破界器ですよ」 「……効果は?」 「逆立ちパンチラしながらゲームをやると上達します」 小夜、絶句。 「試してみます?」 「ノーサンキュー!」 第二の破界器、管理十分。危険度、極小。回収、無用。 ●パンツァー テニス部の更衣室。 拝借したテニスウェアに着替えた天乃は、もこもこのアンスコの不慣れな感覚にそわそわしながら『一人ぼっち』で一般人の意識の外に逃れて脱衣を観察していた。 五感を研ぎ澄ます。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、ついでに味覚。その大半をパンツに集中させる。 今、天乃は女豹と化している。 そう、パンツァーだ。 パンツという獲物を狩る為に、カモシカのような庭球少女たちの太腿を虎視眈々と狙い、脱衣やパンチラの瞬間を逃さない。脈拍や鼓動、息遣い、さらに嗅覚に至るまでをフル稼働させてパンツを狙う。野生の血が滾る、まさしくこれぞ狩猟だ。 常日頃よりあえて履かないことで野生の緊張感を養っている天乃にとっては絶好の訓練だ。 次の狩場へ移動する。 その幕間、ふと香ばしいドーナツの香りに二階の窓を見上げた。 「生き、てる」 輪島 虎子。五感の全てが訴える。過去に死んだ筈のリベリスタがそこに実在することを。 一体なぜ。 『敵だ!』 『エゴ・パワー』毒島・桃次郎(BNE004394)のAF通信。一瞬の間に虎子の姿は既に消失した。 「場所、教えて」 『男子職員用ロッカールーム!』 「今、行く」 ●第三 時は少々遡る。 気分はまさに有頂天。桃次郎は終始ご満悦であった。 スキップを刻み、鼻歌を歌う。ただ歩くだけで廊下は乱れ咲きの花畑と化してゆく。 お嬢様学校の女子制服というだけあって、着心地もよくて作りもしっかり、何より愛らしくも慎ましくコスプレ用の女子制服とは異なる重みと赴きがある。 嗚呼、恋焦がれた夢の一時よ。 任務にかこつけて乙女の花園で潜入調査。あくまで女装癖はあってもノーマル嗜好な桃次郎にとってはサービス展開満載だ。 素敵ガールズの下着を調べてブランドチェック、お気に入りを見つけてお取り寄せチャンスだ。 ――と商品名をメモっていると。 「ちょっと……あなた、何してるんですか?」 肩を掴む手。強引に振り向かされる。 「うちの生徒じゃないですよね?」 「ひっ」 女生徒が鬼のように凄む。桃の目にも涙。 「あなた、男の子? 警察に通報しますよ」 「ご、ごめんなさいっ!」 桃次郎のエル・ドゲザ! そのあまりの見事さに、女生徒は一笑する。そして自らの面の顔を剥いだ。 「大丈夫、あたしよ」 青島沙希の『怪盗』術にまんまと騙されたと知り、桃次郎はむくれつつも安堵した。 ――で、男子職員室周辺を調べることを頼まれた。 「はぁ、ボク以外は純正女子(※気づいてない)だから適任は他にいませんけどー。汗臭いシャツに男むさいブリーフ、滅入るなぁ……」 憂鬱な作業をしくしく涙ながらにロッカーを調べる。 「はは、むしろショーツやブラが見つかったら変態の巣窟だよ!」 パサッ。 天使の肌触りが顔を覆った。この感触、高級ブラ。 「はぁ!?」 天国と地獄。 夢にまでみた素敵な下着の山が、ロッカーに詰め込まれていた。 「見ぃーたぁーなぁー」 振り返れば、映画俳優も顔負けの濃いイケメン男子教師が鬼気迫る形相で仁王立ち。 「オレの秘密を知ったからには生かしては帰さん! ぬぅぅぅんっ!」 男性教諭のスーツが弾けた。筋骨隆々とした肉体美がセクシーな天使めいた純白のパンティーとブラを纏い、後光を放つ。 さらに黒の紐パンを×字の仮面として被り、変身。黒き天使の翼を生やした。 「フォォォォッ! 我が名は堕教師ランジェル! そこの男の娘、オレの仲間になぁぁれいっ!」 「絶対イヤですよ!」 「コーホー、私はお前の父だ……!」 「ノォォォッ!!」 しばらく お待ちください。 死闘だった。 極限ギリギリ放送コードぶっちぎりのバトルは一部始終を報告書に記載できないほどに、だ。 以下、規制済みハイライト。 「エックスタシィッ!!」 トドメの紐パンXビームが充填される中、下着を根こそぎ失った一堂はまさしく絶体絶命に。 「アタシの下着を返しなさい、このパンツ泥棒!」 久嶺は激昂する。 「フォォッ! 自分のことを棚上げするのか!」 「最後に愛は勝つ! 姉のパンツは妹の既得権益よ!」 しかし久嶺も花冠夏服のスカートの短さと履いてない感覚に立つことさえままならない。 唯一、ノーパン修行法を実践する天乃さえも既に満身創痍だ。 「まさ、か、女の攻撃を、ほとんど無効化する、なんて」 「我々の業界ではご褒美です」 明滅、閃光。 しかしそれは破壊神が如き白雪 桐の戦気の迸りであった。 「さて、斬り合いましょうか」 圧壊巨剣まんぼう君をかざして凛と告げる。 「ご褒美ご褒美ッ! エックスタ」 一刀両断。 視界が左右に二分されたまま、堕教師ランジェルは絶命する。 「な、ぜ」 「私、男ですから」 「マジ、で」 爆発昇天。 かくて破界器諸共にノーフェイスを抹殺した為、残る下着はひとつだ。 「アメリ、お姉さま……よかった、ご無事で」 「ダメ、おねがい、目を覚まして! 日和ちゃーんっ!」 「行こう。日隠の、犠牲を、無駄にできない」 主に精神的な爪痕の癒えぬまま、余力を振り絞って一同は調査を再開した。 ●第四 演劇部の楽屋の外では、小夜が尻尾をぱたぱた跳ねさせている。 「失礼、タオル忘れちゃったんで」 この作戦も何度目になるか。タオルを忘れた振りをして部室に混じる桐の作戦を、小夜はこっそりカメラで撮影している。ある腐女子の命令、これも任務のうちだ。 「ああ、雪白さんプレゼントしたエロかわ下着をあんなに惜しげもなく晒して……」 と、ここでようやく最後の破界器「金羊毛糸のパンツ」がお目見えする。しかし演劇部の女生徒は気づかず外へ出た為、沙希に連絡を。 廊下で激突、バケツの水がひっくりかえる。 「ごめんなさい、ごめんなさい!」 ドン臭いドジっこの振りして保健室へ誘導、沙希は言葉巧みに下着を脱がせようとした。 が、だ。 「優しく、してくれるよね?」 「え」 ベッドに寝転がり、火照った頬で恥らう少女の可憐な仕草に沙希は冷や汗を流す。 カメラは回る、小夜の掌で。 と、窓辺にカンペを掲げた久嶺が出現、助け舟を出す。 星明かりの一矢。アメリの援護射撃が背景を神々しく彩った一瞬で変装、沙希は久嶺に化けて白翼を拡げ、迫真の大芝居を打つ。 「私は大天使ランジェル! ようやく見つけました! 邪悪なるランジェリー! これは人々を不幸のどん底に突き落とす恐ろしいぱんつなのです! 代わりに、この幸運を呼ぶ聖なるしまぱんを授けますわ」 少女、茫然自失。 「ありがとう人の子よ、御機嫌よう! とぅ!」 窓ガラスを砕き、沙希は脱出した。 「――何してるの、私」 真実を克明に記録しすぎた小夜のビデオカメラ、その行方は報告書にも記されていない。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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