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アイス! みつまめ! シャーベット!

●涼しさと甘みの、別世界
 弱めの冷房であっても外から訪れれば、店内は正に別世界だった。
 メニューには幾つもの写真付きで、たくさんの冷たいデザートが載せられている。

 暑さを凌ぐと考えると、この陽気で真っ先に思い浮かぶのはカキ氷。
 雪のような氷が小さな山になって器にのり、白に映える鮮やかな……赤や青、黄色や緑などのシロップが暑さに弱る者の目を奪う。
 アイスが頂上に載せられたものがあれば、小豆と一緒に練乳が掛けられたものもある。
 それらを一緒に、あるいはそれぞれ口に運べば……氷は音もなくほどけ、冷たさと甘みを口の中へと広げてくれるのだ。

 冷たさを感じられると言えば、シャーベットも悪くない。
 果汁を使った様々な種類の品々を、ちょっとずつ味わうというのは本当に贅沢な気持ちになれる。
 ほお張れば、口の中から喉の奥……熱くなった身体がひんやりと冷やされてゆく。
(今風に言うとソルベなのかな?)
 キウイフルーツのとかは美味しかった。
 シンプルだけど、暑い時にはやっぱりこれという感じも強い。

 冷たさも大事だけど、というのであれば……やっぱり定番はアイスクリーム。
 シンプルなバニラを初めとして、色とりどりで、味もさまざま。
 ベリーやチョコなどのソースも考えれば、種類はきっとシャーベット以上だ。
 そのままチョコミントとかクッキー&クリームも良いけれど、ベリー系も良いし、抹茶とか小豆味とかも美味しそう。

 それでもちょっと冷え過ぎる、あるいは和風が好みなら……外せないのは、みつ豆かもしれない。
 落ち着いたほどほどの冷たさと、望むなら色々加えられるデコレーション。
 基本は、寒天、豆、シロップ漬けされたフルーツ。それらに白蜜。
 シンプルであっさりした雰囲気だけど、トッピングで増してゆくボリューム感と満足感。
 餡をのせれば、あんみつ。
 白蜜ではなく黒蜜もあり。
 白玉、生クリーム、ババロア、ぎゅうひ、アイスはバニラ・あずき・抹茶等々、栗や杏、ミカン、ももやさくらんぼ等のフルーツも追加できる。
 寒天の代わりに同じような形に切ったコーヒーゼリーのもあるらしいし、豆も赤エンドウが基本らしいけど、うぐいす豆とかもあるのだそうだ。
 あまり追加が過ぎると、器が何か別の料理みたいに大きくなるけれど……そういうのも、それはそれで悪くない。
 というか、一度くらいなら良いでしょう。

 他にもたくさんの冷たいデザート、そして飲み物の方は冷たいものだけでなく、温かい緑茶や珈琲、紅茶やハーブティーなども用意されて。
 お店とデザートたちは、夏に苦労するお客さんたちを……優しく、力強く、応援するように冷気を漂わせる。


●「シャーベットとソルベって何か違うんですか?」「日本だとあまり変わらないんじゃないかしら?」
 マルガレーテ・マクスウェル(nBNE000216)の質問に、トニオ・ロッソ (nBNE000267)はそう答えてから、首を傾げてみせた。
「それでまた、マクスウェルちゃんは何故そんな質問を?」
「あ、すみません。先日、冷たいデザートのあるお店に見学に行ってきまして」
 マルガレーテはそう言って、写真付きのパンフレットをみなに差し出した。
「あらやだ、美味しそう。盛り付けがステキなのも多いわよね~美味しかった?」
「はい、とても良い処でした。ですので、良かったら皆さんもと思いまして」
「あら、ステキ♪ 疲れた時には甘いもの、なんて言うものね? 暑いし、ちょうど好いわ~」
「そう言って頂けると、嬉しいです」
 トニオの言葉に笑顔で返すと、フォーチュナの少女は皆へと向き直った。
「アークの職員の方や家族、他のリベリスタさん達も多数利用しているお店です。今回は実質アークで貸し切られている形ですので、ばれないようにとかの気遣いは無用ですよ」
 ジーニアス以外の者も幻視とか気にせず、気軽に楽しめるという事だろう。
 もちろん羽目を外し過ぎない範囲で、ではあるが。
「最近は猛暑日も多いですし、よろしければ如何でしょうか?」
 マルガレーテはそう言って、メニューに乗っている様々なデザートについてさらに詳しく話し始めた。



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:メロス  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2013年08月05日(月)22:33
●このシナリオはイベントシナリオになります。
イベントシナリオについては本部利用マニュアルなどを御参照下さい。


オープニングを読んで頂きありがとうございます。
メロスと申します。
今回は冷たいものを食べに行きませんかというお誘いになります。


●お店
時村関連のお店のようで、アークの協力者である一般人の方が経営しています。
アイスやシャーベット、ジェラート、みつ豆、かき氷、等々、洋風和風の冷たいデザートの品揃えが豊富なお店です。
広めで、大きめのテーブルなども複数あり、グループなどでも利用しやすい感じ。
飲み物の方は、お茶や珈琲、紅茶やハーブティーなどのホットの飲料もあります。


●備考
・参加者が多数の場合、内容を絞ったプレイングをかける事をお勧めします。
・特定の誰かと絡みたい場合は『時村沙織 (nBNE000500)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。
・グループでの参加の場合(絡みたい場合)は参加者全員【グループ名】というタグをプレイングに用意するようにして下さい。
(タグで括っている場合は個別のフルネームをIDつきで書く必要はありません)
・NPCに話しかける場合、ID等は必要ありません。

マルガレーテを含め、他のリベリスタたちやアークに勤めている一般の人とかも利用しています。
御希望の方はそういった参加者と絡む描写をさせて頂きます。
マルガレーテは皆の様子を見たり、知り合いとデザートを食べたりしています。
トニオは隅の方で動物のリベリスタの子とかが食べやすいように、一匙ずつデザートをあげたりしています。
特に何事もなければ、背景描写以外では登場しません。


それでは、興味を持って頂けましたら。
宜しくお願いします。

参加NPC
マルガレーテ・マクスウェル (nBNE000216)
 
参加NPC
トニオ・ロッソ (nBNE000267)


■メイン参加者 24人■
インヤンマスター
朱鷺島・雷音(BNE000003)
ホーリーメイガス
悠木 そあら(BNE000020)
デュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
ソードミラージュ
司馬 鷲祐(BNE000288)
ホーリーメイガス
アリステア・ショーゼット(BNE000313)
ホーリーメイガス
天城 櫻子(BNE000438)
クロスイージス
新田・快(BNE000439)
スターサジタリー
天城・櫻霞(BNE000469)
覇界闘士
鈴宮・慧架(BNE000666)
クロスイージス
祭 義弘(BNE000763)
デュランダル
遠野 御龍(BNE000865)
インヤンマスター
ユーヌ・結城・プロメース(BNE001086)
ソードミラージュ
天風・亘(BNE001105)
スターサジタリー
モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)
ナイトクリーク
神城・涼(BNE001343)
デュランダル
蘭・羽音(BNE001477)
覇界闘士
宮部乃宮 火車(BNE001845)
ソードミラージュ
鴉魔・終(BNE002283)
クロスイージス
日野原 M 祥子(BNE003389)
ダークナイト
フランシスカ・バーナード・ヘリックス(BNE003537)
ナイトクリーク
鳳 黎子(BNE003921)
ホーリーメイガス
テテロ ミミミルノ(BNE004222)
ホーリーメイガス
丸田 富江(BNE004309)
インヤンマスター
エイプリル・バリントン(BNE004611)


●好みの冷たいスイーツを
(実家では毎日のようにアイスクリーム食べていた気がする)
「そんなことはどうでもいい、目の前のメニューに集中だ」
 エイプリルはメニューと対峙していた。
(これは難敵だ)
「定番のバニラアイスクリームもいい、シャーベットも捨てがたい……」
 悩んだ末に彼女は、みつ豆にしようと結論を出す。
 基本ドコロは押えてあんみつにし、蜜は黒蜜。
(トッピングは乗せられるものすべて! といいたいトコだけど……)
「全部乗せというのはレディとしてはしたないよね」
(食べ過ぎて父さんのようにふとっちょになるのは嫌だし)
 ほとほどにして、緑茶とセットで注文する。
(あぁ、黒蜜たっぷりのあんみつをスプーンですくい上げる瞬間が待ちどおしい!)
 周囲の皆を見たりしながら、エイプリルはその時を待ちわびる。

「御機嫌ようマルさん、お隣いいでしょうか?」
「あ、先輩どうも」
 亘の挨拶に、マルガレーテは丁寧に頭を下げた。
「ふふ、外で会うのは久しぶりですね」
「……そう言われると、そうですね?」
 頼んでいた温かい珈琲と緑茶のどちらかをと言えば、少女はお礼を言って珈琲を選ぶ。
「んー色々とあって全制覇したい位ですが……とりあえず夏にはこれを食べねば!」
 そう言って亘はカキ氷のブルーハワイを注文した。
「味も色も好きですが最後舌が青くなるのを見るのって楽しいですよね」
「なるほど……」
 どこか感心した様子で呟きながら、マルガレーテはアイスを注文する。
 食べながら近況や、アークの皆の事(自分を除く恋バナ)とか、色々な事を話して……最後にチョコミントを追加オーダー。
「あ、マルさんはこれって好きですか?」
 好きならチョコミン党仲間として語り合いたいと思いながら、亘は少女に笑顔でたずねた。

●冷たさと、心地好さと
「この手の冷たい食べ物が恋しい季節になりましたね」
「やっぱり冷たいスイーツがおいしいですよねー」
 モニカの言葉に慧架が頷く。
 自分のお店の紅茶でない事を残念に思いつつ、ふたりは一緒にメニューを見た。
 飲み物が先か、食べ物が先か。
 みつ豆とかカキ氷……宇治金時は、お茶で。
「ジェラードとかアイスとかは紅茶でいきたいですねー」
 慧架の言葉を聞きながら、モニカはメニューからスイーツを幾つか選ぶ。
 間もなく届いたデザートを、ふたりは早速味わい始めた。
「私も毎日しんどいですよ」
 そんなモニカの言葉に苦笑しつつ、慧架は小分けに取った自分の分を少しずつ味わう。
 モニカも洋風和風それぞれのスイーツを、スプーンで掬いながら御茶を飲む。
(こんなナリしてるから体感温度低いんじゃないかとか勝手に思われがちですが)
 実際そんな事はない。暑いものは普通に暑いのだ。
「まあ寒いのも苦手ですけど」
 他愛ない話をしながら、ふたりは一緒の時を楽しむ。

「やあトニオさん。こうやって挨拶するのは初めてだよね」
「フフ、初めまして~人気者に挨拶されちゃって嬉しいわ♪ ファンに嫉妬されちゃうかも?」
 よろしくと挨拶してから、快はお近づきの印にとリキュールをかけたアイスを注文してみせた。
 濃厚なバニラアイスに、リキュールで味と香りをプラスα
「クレーム・ド・カシスのようなベリー系のリキュールなら酸味とアイスの相性は抜群だし、アマレットみたいなナッツ系の香ばしさを合わせてもいい」
 アフォガードのアレンジとして、コーヒーリキュールを掛けて食べるのもいい。
 そんな、大人のデザートの提案。
「アイスやジェラートにリキュールを掛けるデザートは広義のアフォガードだけどね」
「イイわよね~アタシの方が、溺れちゃいそ♪」
 名前通りアッフォガード(溺れた)アイスと、香るリキュールを楽しむように、トニオが微笑む。

「えとえと、かきごーり、しらたまいりのイチゴあじ、コンデンスミルクはたっぷりめでおねがいしますですっ」
 ミミミルノの注文に応えるように、かき氷はすぐに運ばれてきた。
「おー! こおりがきらきらしておいしそうですっ」
 さっそく彼女はスプーンを取る。
 冷たいものは、ちょっと苦手。
「でもせっかくのおさそいなのでがんばってたべるですっ」
 小さな氷の山を一匙しゃくり、ぱくりとほお張る。
 しゃくしゃく、しゃくしゃく。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
 キーンってなった頭を、う~っと押さえる。
「むむむ……おいしいけどやっぱりこのキーンってなるのが、にがてなのですっ」
 でも残すのはよくないと、ミミルノはがんばって1杯をたいらげた。

●ふたりの夏
「この時期になると冷たいものが恋しくなるのは何でだろうな」
「夏真っ盛りですもの、冷たいデザート日和ですにゃぅ」
(櫻霞様と甘味デートなのです♪)
 櫻子が嬉しそうに笑顔を見せる。
 恋人のそんな様子に、櫻霞も自然と表情を綻ばせた。
 横並びで座ると櫻子は手渡されたメニューを見て、猫耳を動かしながら悩み始める。
「はぅ、目移りしますにゃ~」
「どれにするか決めたのか?」
 暫し時を置いてたずねると、彼女は少し気恥ずかしげに櫻霞にお願いした。
「えっと……櫻霞様、はんぶんこしませんか?」
「一種だけだと飽きるからな、構わんよ」
 頷くと、櫻子は嬉しそうに礼を言いながら、ベリーソースをかけたバニラのアイスを注文する。
 櫻霞の方は、白玉抹茶のみつ豆を頼んだ。
「夏は冷たい甘味が美味しいですよね♪」
「適度に身体も冷えるし、どうしても食いたくなる時はあるな」
「にゃん♪ 美味しいですぅ♪」
 先ずは其々の品を味わうと、櫻子はアイスをスプーンで掬った。
「櫻霞様、あーんして下さい♪」
「……む、食えと?」
 微笑みながら差し出されたスプーンに一瞬躊躇したものの、櫻霞は大人しくアイスを味わう。
「お返しだ、ほれ」
 そう言って差し出されたスプーンに乗ったみつ豆を、櫻子は真っ赤になって照れつつ頬張った。
「あ、あぅ……美味しいですにゃ~」
 照れ隠しに櫻霞に抱きつき、尻尾をぱたぱた揺らす。
 彼女を抱きとめ撫でながら、櫻霞はひっくり返りそうになったアイスの器を、慣れた様子でさり気なく押さえた。

●夏の味わい
「いやぁあー夏! サイコーだな!!」
「おぉ……は、はい、夏よいものですね」
(うわあ超テンション高い!)
 家に突入される前にと黎子を呼び出した火車のテンションは、いつもと異なり黎子が心配になるくらい高かった。
「大丈夫ですか!?」
「海山河! レジャー最高! 太陽目一杯充電できるぜぇ!」
「まさか早くも酔ってるんですか!?」
「服着込まなくて良いから動き易ぃし! スグ出かけられっし! そんでもって短い夜がまた……良いんだなぁコレが……サマーバケーション!」
 色々と話してみるものの、火車のテンションは更に高まっていく様子すらある。
(……ほんと夏好きなんですねえ)
「私も嫌いではありませんけどね! 黒い服着てるとあっついですけど」
「黒髪に黒服ってのはチョイ野暮ってぇんじゃね? たまには別の色……どした?」
「って脱線しまくってますけど! どこ行くか覚えてますか!」
「あ? あぁ……冷菓だっけ? 良いねぇ! 甘いん苦手だけど冷てぇと控えめだし夏だし!」
 そう話して、ふたりはお店を訪れた。
「うあー涼しい……この瞬間は至高ですね」
「店入った時の涼しさも最高だろ!? 風邪ひきそうだぜ! ははーっ!」
 席に着くと、火車はクッキー&クリームとマカダミアナッツのアイスを頼み、黎子はせっかくなのでとイチゴミルクのかき氷を頼む。
「……ああ……これも夏らしいっていうか……頭痛い」
「そーだろそーだろ……夏を引き立てる要素は全て良い」
「というか先程さらっと流してましたけど……自分の誕生日覚えてます?」
「ん……? 悪ぃ悪ぃ!」
 なんだって? と、楽しげに笑顔で聞き返す火車に。
「い、いや。別に何でもないのです。何でも」
 そう返して黎子は、熱さを覚ますようにかき氷をほお張った。

●ダブルデート
「アリステアのデートプランの手伝いしてたらいつの間にかだが」
「賑やかなのも楽しいよね」
「悪くはないな?」
 アリステアの言葉にユーヌが相槌を打つ。
 ユーヌに聞いたお勧めのお出かけ先に、折角なのでと4人で来ることになったのだ。
 アリステア&涼、ユーヌと竜一とのダブルデート。
「うん、良い味。当たりだな、ここは」
 これだけ美味しいと他のも気になってくる。
 そう言ったユーヌに、アイスの乗ったスプーンが差し出された。
「はい、あーん♪」
「おや、感謝」
 ほお張り美味しいなと言ってから、お返しにとユーヌはスプーンに乗せたひと口を差し出す。
「いただきまぁす」
 そう言ってお返しをほお張って、アリステアも笑顔を浮かべてみせた。
「なんか、あーんさせて女性陣二人がいちゃいちゃしてるが……」
「ほほえましい感じだけれども」
「いや、神城なんかに俺はしてやらねえぞ! ユーヌたん! 俺にも俺にもー!」
「って竜一お前も混ざるんかーい」
 その光景を眺めていた涼は、ユーヌに向かって口を開けた竜一に、なし崩し的にツッコミを入れる。
「竜一もして欲しいのか?」
 一口食べてからアイスをすくうと、あーんと言いながらユーヌはスプーンを差し出した。
「ふぅー! やっぱり夏にはアイスだよね!」
「勢いよく食いつかなくても良いんだが。美味しいか?」
「もちろん! って……もうユーヌたんったら、こんな所にアイスつけてー!」
「ふむ、変な所についてたか」
「アイスはやっぱり溶けやすいのかねえ」
「舐め取られると少しくすぐったいんだがな?」
「もう、ユーヌたんは今日もかわいいなあ!」
「……竜一おにぃちゃん、何やってるの……?」
「ふふふ! 仲の良しカップルっぷりでは負けないぜー!」
 ふたりを見ていて硬直したアリステアに向かって、竜一がそう宣言する。
(仲がいいのは知ってるけど。その、どうしたらいいのっ)
 ふたりの様子に寧ろ自分が赤くなり始めたアリステアを見守りつつ、涼は呟いた。
「他人の前でよくそこまでやるよなあ」
(……っつっても、まあ、デートだしね)
「……アリステアも食べる?」
 そう言ってスプーンで一口掬うと、涼はアリステアの口元へとアイスを運ぶ。
「ほぇ? 涼までこの流れに乗るの?」
「ま、これくらいなら大丈夫でしょ?」
「お友達の前でって、そのあのえっと……い、いただきます……」
 新鮮な二人の様子を生暖かく見守るという様子のユーヌに、更に顔が赤くなるのを自覚する。
(こういうの、恥ずかしすぎるんだけど皆平気なの? わたしだけ??)
 一口食べると、お返しにとあわててスプーンでアイスをすくって、涼へと差し出す。
「ああ、そうだ、神城。聞きたかったことがあったわ」
「……あー、リア充になった感想?」
(リア充なんだよなあ。俺も)
 実感があるような無いような……ハッキリしない、けれど何処かふんわりと温かい気持ちを感じながら、涼はそれを言葉にした。
「そうだなあ。月並みな感じだけれども、アリステアのお陰で毎日楽しいよ」
 普段とあまり変わらない様子で竜一と話す涼を見ながら。
(りあじゅうが何か分かんないけど)
 わたしも、毎日しあわせだよ。
 アリステアは彼にそう伝えようと決意した。
 今じゃなくて……あとで。
 できれば……ふたりきりの時に。


●冷たさと、暖かさと
「一人で抱えこまないで欲しいのです」
 そあらの言葉は、そっと静かに、とけるように……雷音の内へと、しみこんだ。
 そあらがマルガレーテとヤミィと一緒に用意した、大きな器のかき氷。
「らいよんちゃんがとても落込んでるのです」
 元気を取り戻して欲しい。
 だから、そあらは2人に協力してほしいのですとお願いした。
「らいよんちゃんにとって家族同然の人が亡くなってしまったのです」
 一人で一杯抱えこんで大きく圧し掛かっている状態。
 それを何とかしたくて。
 そあらは驚いた表情の雷音に、言葉を紡いだ。
「一人では大変でも皆で分け合えば、この氷の山みたいに辛いことも少しずつ減って軽くなるですよ」
 だから。
「一緒にゆっくり前に向かって進んでいこうです」
 言いながら、彼女の兄にとって大切な人の事を……少しだけ、思い返して。
「ずっと落込んでるとお空から『無様ね』って喝を入れられちゃうですよ」
 自分が感じ、想った言葉を送る。
 どこか遠い目をしたマルガレーテも、そうですねと相槌を打ってみせた。
 少しでも親友の心が温まってくれれば。
 そう願い、想いを紡ぐ。

 向けられた言葉と想いが、慰めてくれる友情が。とてもあたたかく、うれしかった。
 だから。
(ボクは3人に笑顔を見せないといけないのだ)
「うん、そうなのだ」
 だから、雷音は微笑んでみせた。
「こんな大きなかき氷は一人では食べれない。でも皆でたべるなら、できるのだ」
 冷たいかき氷なのに、心は暖かくなっていく。
「そあら、マルガレーテ、ヤミィ……ボクは君達が大好きだ」
(抱え込まなくてもいいんだな)
 友達が、いてくれる。
「……ありがとう」
 3人に抱きつく。
(暖かい)
「……らいよんちゃんに冷たさとか、感じて欲しくないんです……」
 我儘だって解ってるけど。
 小さく呟きながら、ヤミィがぎゅっと雷音を抱きしめた。
 3人をぎゅっと抱き返しながら、雷音は呟いた。

 皆に逢えて
 ボクは
「本当に、幸せだ」


●翼を休めて
「最近どうだ? 復帰はのんびりという感じだろうが」
「うん……のんびり、頑張ってるよ」
「案外、いい奥さんになるための修行中……ってところか」
「もちろん……花嫁修業は、年中無休だよ……♪」
 鷲祐の言葉にちょっと照れつつ、羽音は答える。
 彼女は訳あって三高平を離れていて、最近戻ってきた処だった。
(会えなくなった人もいるけど……鷲兄さんは元気そうでよかった)
 今日は義兄妹2人で、のんびりしたい。
(可愛い妹なんだ。この子は)
 鷲祐にとっても、こうして話す時間は大切なものだった。
 不思議と、もてなすような気分になるのだ。
 互いに懐かしさのようなものも感じながら話し、メニューを広げる。
「アイスコーヒーと……みつ豆と抹茶アイス。あと、そうだな。わらび餅なんかはあるか?」
「あたしはレモンと苺のアイスを」
 注文を済ますと話は自然と、早さと深さを増した。
「……ああ、深化した。見た目は変わらないけどな」
「皆、どんどん強くなるんだね……」
「お前は、深化したらどうしたい?」
「あたしは……どうなるかな……深化してみないと、わかんないかな……?」
 すぐに冷たいスイーツが届く。
(鷲兄さんは相変わらずいっぱい食べるなぁ……)
 どこか感心するような気持ちで見守った羽音は、もっと食べるかという鷲祐の言葉に頷いた。
「……俺も食べる。羽音、お前が決めてくれ」
「鷲兄さんのアイス……? それなら……黒ごま味とか、どうかな」
 提案しつつ、羽音はチョコアイスを追加する。
「……ふー。体温が下がって楽になった。羽毛、大丈夫か……?」
「羽毛が生えてて暑いから丁度いい感じ」
 互いに一息つくと、ふたりはそんな言葉を交わした。
「またどっかいこうな」
「うん。また、遊びに行こうね……♪」
 今度はお肉がいいなと羽音が言えば、鷲祐はお互い肉食だしなと肩を叩いた。

●しあわせの時間
「日差しも厳しくなり、すっかり夏だな」
 こういう時は冷たい物が欲しくなる。
 義弘は祥子と席に着いた。
 メニューを見て色々と悩みつつ、今日は宇治ミルク金時を食べようと心に決める。
「祥子はどうするんだ?」
「あたしはジェラートにしようかな。チーズケーキ味と……んー、ブラッドオレンジにしよう」
「……そうか、それも捨てがたいな」
「あたし、普通のオレンジ味はちょっと苦手だけど、ブラッドオレンジ味は好きなのよ」
(何でだろう?)
「甘いからかな」
 少しだけ考えてから、祥子はそんな答えを出した。
 義弘がかき氷と一緒に、温かいお茶も注文する。
 さほど間を置かず、ふたりの頼んだ品が運ばれてきた。
「……うん、抹茶の風味がいい」
「ひろさんは抹茶のスイーツが似合うわね」
「餡の甘さもミルクの甘さもちょうどいい」
「あたしも抹茶かき氷好きよ。白玉とか練乳とかあんこが入ってると、高級感があるわよね」
「祥子が頼んだのも、うまそうだな。ちょっと俺のと交換しないか?」
「うん、あたしもそれ一口食べたいな」
 匙の上にうまく餡やミルクを乗せ勧めれば、祥子は笑顔で応じてみせた。
 ぱくっとほお張り、お返しにと祥子はジェラートをあーんと差し出す。
(イチャイチャしながら甘いものを食べるのが、すごく幸せで楽しい♪)
 そんな、嬉しそうな彼女の様子に幸せを感じながら。
 自分もさらに精進しなければと義弘は思った。
 こんな幸せな光景を、守りたいから。

●夏は、続く
「アイス美味しいです、アイス。シャーベットもいいよねー☆」
(すっきりするし)
「ああ、でもグラニテのざりざり感もいいよね……」
(もちもちの白玉も食べたいよう><)
「どれにしようかな~??」

 暫しの間、悩んでから。
「抹茶アイスのっけた白玉あんみつに決めた(>▽<)」
 終は注文を決定した。

 つべたくて癒される……
 抹茶美味しいです、抹茶……
 黒蜜も上品でいい味出してるなあ……
 白玉まじ白玉……!

 あんみつを味わった後は、夏バテによさそうなハーブティーでほっと一息。
(上質な午後ティーを堪能した……)
「疲れた現代人はきっとこんな時間を取るのが大事だよね!」
 また来ます! ごちそうさま☆
 そう言って、終はお店を後にする。

「あーいすあいすっ♪ 冷たいアイス楽しみだな♪」
 フランシスカは嬉しそうにメニューを広げた。
(最近暑いし冷たいもの食べるのいいよね!)
「んー、何がいいかなー。やっぱりアイスはバニラだよねー」
(あ、抹茶も良いなー)
「どっちも乗せて食べちゃおう」
 そう決めて2つを注文する。
「うーん、冷たくておいしっ」
 冷たさと甘さを味わいながら、もう一つと追加。
(このままずっと食べてたいー)
 そんな時、頭にキーンと来て彼女は小さな悲鳴をあげた。
「……あー、びっくりしたぁ。慌てて食べると駄目ねー……」
 自分に言い聞かせるように呟いて、今度はゆっくりとアイスを味わう。

「マルガレーテちゃんみてみてぇ! べぇーアオジタトカゲみたいでしょうぅ? まぁあたしは狼だけどぉ」
「アオジタトカゲって、どんなのですか?」
「知らない? アオジタトカゲぇ。舌がきれいなブルーなトカゲなんだよぅ」
「舌が綺麗なブルーって言われても、ちょっと想像できないです」
 マルガレーテと話しながら、御龍はブルーハワイのかき氷を食べる。
「ブルーハワイも好きだけどぉ、かき氷の上からビールかけるのがもっと好きなんだよなぁ」
「もちろん私はどんな味か分からないですけど……」
「大人の味だよぅ。マルガレーテちゃんも大人になったら試してみてねぃ」
 そう言って笑い、御龍は冷たさと甘みを味わう。

「夏といえば冷たいおやつだよねっ」
(折角の機会だっ、色々おいしいものを食べ捲くろうじゃないかっ)
「アタシはやっぱりカキ氷だね」
 富江は、みぞれ金時を注文した。
「あーミルクはかけないでおくれっ」
 運ばれてきた氷を、まずは一口。
「ん~おいしいねぇ。夏はやっぱりカキ氷だね」
 ハワイの方ではシェイブアイスと言って、日系人が広めたという噂のカキ氷。
「……ニホンじゃあまり見かけない味もあるらしいし、そっちも一度食べてみたいねぇ」
 呟きつつ富江は店内を見渡した。

 皆がそれぞれの形で、楽しそうに、美味しそうに、嬉しそうに。
 冷たさを味わっている。
「うんうん、この笑顔をいつまでも見ていたいものだねぇ……っ」
 笑顔で最後の一口までたいらげると、富江は席を立った。
「さてと、おいしいものも食べたし。また頑張って仕事しようかねぇ!」


■シナリオ結果■
成功
■あとがき■

御参加ありがとうございました。
参加して好かったと少しでも感じて頂けたら嬉しいです。

暑い日が続きますが、みなさまも体調等にはどうかお気をつけて。
それではまた、御縁ありましたら。
よろしくお願いします。