●忍び込むたち Dホールを潜って、こちらの世界へやって来たのは、少々奇妙な3人組だった。何かしら目的があって来たのだろうか? こそこそと辺りに注意を払いながらも、その足取りに迷いは無い。 奇妙な、黒いマントを着込んだ一団であった。 彼らが辿り着いたのは、Dホールから100メートルほど離れた所にある博物館だった。普段は、この街縁の品々が展示されている博物館だが、現在は「世界の盾展」と題して、展示場の一部を使って、様々な盾を並べている。 黒マントの集団が目指していたのは、そこだった。 「気配を感じて来てみれば……」 「全部は持って帰れないぞ? どうする?」 「厳選しよう。我々の世界へ持って帰れば、これらの盾はどれも、素晴らしい武具へと昇華するだろう」 言葉を交わし、黒マント達は盾の品定めを始めた。 どういうわけか、警備員は来ない。警報も鳴らない。 彼らの侵入に、誰も気付いてはいないようだ。 それもまた、彼らの持つ能力なのだろう。 どうやら準備万全の状態で、彼らはこの世界へやって来たらしい。 ●ガーディアン 「彼らの目的は、博物館にある盾を自分たちの世界へ持ち帰ること。放っておいても、盾を回収すれば元の世界へ帰っていくのかもしれない……。だけど、もし帰らなかった場合や、何かしらこちらの世界に被害が及ぶような目的で盾を持って帰っていく場合に備えて、現場へ向かって欲しい」 モニターに映る3人の黒マント達。『』は、それを見て1つ、溜め息を零す。モニターの画像は、ひどく不鮮明だった。どうやら、黒マント達の能力が関係しているらしい。 「アザ―バイドは本当に妙な連中ばかり。彼らは恐らく(守人)と呼ばれるアザ―バイド。その能力は、護る事に特化している」 もちろん、攻撃が出来ない、というわけでもないようだ。 ただ、どちらかと言うと、護る事に長けた存在、というだけの話。 「今回分かっている彼らの能力は3つ。1つは、広範囲に力場を展開させて外部と内部を遮断する能力。防ぐ事に長けた能力」 恐らくこれが、監視カメラや、博物館の警備をすり抜けた能力だ。モニターに映る映像が不鮮明なのも、この能力のせいだろう。 「もう1つは、相手や自身を石化させる能力。攻撃にも、防御にも使える能力ね」 守人、とは言うものの、何かしらの武装はしている筈だ。石化してしまえば、一方的に攻撃を受けるだけである。 「そして最後に、神秘攻撃や遠距離攻撃を喰らう能力。以上の3つの能力を相手は持っている」 奇妙な能力ばかりだ。黒マントに覆われたその身に何を仕込んでいるのかは分からないが、油断はできそうにない。 盾を持ちかえる、ということ以外、なにもかも不明なのだから。 「外見は同じだけど、彼らはそれぞれ違う能力を持っている。一見しただけでは、誰がどの能力を使うかは分からないから、気を付けて」 盾を持ちかえる。それだけが目的ならばさほど問題はないだろう。 だが、その上で何か、この世界に影響を及ぼすのであれば、放ってはおけない。 「殲滅、送還は任せるわ。Dホールの破壊も忘れないでね」 そう言ってイヴは、仲間達を送り出すのだった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:病み月 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年07月11日(木)22:39 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●盾持ち去るは異界の者ども 暗い展示場を照らすのは、非常灯の明りだけ。そんな中、無数に展示された盾を物色しながら、うろうろとうろつく黒マントの3人組の姿が見える。 アザ―バイド(守人)。守ることに長けた一団である以外、全てが不明の者たちだ。 一体、何のためにこの世界へ来たのかは知らないが……。 守人達にお帰り願う為、リベリスタ達はこの博物館に足を踏み入れた。 ●博物館の攻防戦 非常ベルが鳴り響く。警備員詰め所には数名の警備員の姿。一斉にモニターに目をやると、監視カメラに映るのは数名の男女の影だった。強盗か? と、一斉に飛び出す警備員たち。警察に連絡を入れようと、そのうち1人が電話機に手を伸ばした。 しかし、横から伸びた腕が警備員の手から電話機を払い落した。 「今夜は大事な日。邪魔しないでほしいんだが……」 埴輪片手にそう告げたのは『Dr.Tricks』オーウェン・ロザイク(BNE000638)であった。いつの間に警備員詰め所に紛れこんだのか。電話線を引っこ抜いて、警備員たちに視線を巡らせる。 「私はこの博物館の美術品に宿る霊でな……」 そう言って、手にした埴輪を掲げて見せる。一瞬、虚をつかれたようにポカンとしていた警備員たちだったが、次の瞬間には一斉にオーウェンへ飛びかかる。 「……ぬぅ」 ロープを取り出し、オーウェンは唸る。警備員を留めるのが彼の仕事だ。今頃展示場は戦場と化していることだろう。 危険の中で、一般人を飛びこませるわけには、いかないのだった。 リベリスタの接近に気付いた黒マント達が振り返る。並んだ7人の男女。闘志に溢れ、中には騎士のような格好をした者もいる。それを見て、黒マント達は戦闘体勢を整えた。どうやら、武器を手に突然現れてた相手を見ても困惑しない程度には、危うい世界で生きて来たのだろう。 「もし、コトバがつうじるなら……できれば、あなたがたのセカイへかえっていただけませんでしょうか?」 柔和な笑顔でそう問いかける『不倒の人』ルシュディー サハル アースィム(BNE004550)。一見して丸腰ではあるものの、その片腕には紋章の描かれた手袋を嵌めている。 盾を物色する手を止めて、黒マント達は一か所に移動。ルシュディーの問いに応えるつもりはないようで、無言を貫き通している。 「盾はナイトにとっても欠かせないものである。彼らの世界の盾にも興味はあるが仕事優先だ」 盾を掲げ、剣を突き出す『白銀の鉄の塊』ティエ・アルギュロス(BNE004380)。盾を持ちかえる以外の目的が不明な為、攻勢に出て良いものか判断に困っているようだ。 「まぁ、何が目的か分からん以上、放っておくわけにもいくまい」 咥え煙草。紫煙を吐き出す巨体が前へ出る。『癒し系ナイトクリーク』アーサー・レオンハート(BNE004077)である。ちなみに、博物館内禁煙だ。 「オイコラ、全部戻してとっとと帰んなら見逃してやんぞ?」 パキパキと拳を鳴らす『Spritzenpferd』カルラ・シュトロゼック(BNE003655)。握り拳をまっすぐ黒マント達へ向けた。 「守人ではなく盗人の間違いではないデスか?」 槍と盾を構えた『騎士の末裔』ユーディス・エーレンフェルト(BNE003247)。ティエと並んで、守人との戦いに備えている。騎士の格好をした女性が2人並ぶ。2人の持つ魔力盾に惹かれたのか、黒マント達が動き出す。 「退ける。行くぞ変身!!」 ポーズを決めて武装を身に纏う『Brave Hero』祭雅・疾風(BNE001656)が、床を蹴って飛びだした。ナイフと銃とを手に持ってまっすぐ前へ突っ走る。 「盾という装備は受けに回る消極性のイメージがありますが、実際にはそうでもないんですね」 重火器を構える『デストロイド・メイド』モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)。物々しい外見の銃身から、轟音と共に弾丸が放たれる。駆け抜ける疾風と、それに続くユーディスとティエ。その3人を援護するような大火力の銃撃。 『……』 黒マントの1人が飛び出した。マントを翻した下から、巨大な牙と口の付いた盾が姿を現す。盾に付いた口が開く。モニカの放った弾丸を、盾が飲み込む。遠距離攻撃、神秘攻撃を喰らうというグラトニーシールドだろう。 グラトニーシールドの口が開く。盾の中央に、光が集中。喰らった攻撃をエネルギーに変え、撃ち出すつもりだろう。 「災いを持ち込むつもりなら話は別だ」 疾風のナイフが閃いた。飛び込むようにグラトニーへ突進し、ナイフを突き立て押し倒す。 「問題を起こさず帰るつもりはないようですね」 剣を振りあげ、ティエが言う。向かう先にはグラトニーの姿がある。ティエの剣と、グラトニーの剣が激しく打ち合った。盾を抑える疾風。剣を抑えるティエ。グラトニーの動きをその場に封じ込める。 そんな2人を攻撃すべく、残る2人の黒マントが動く。 しかし。 「ッラァァ! 手間取らせてんじゃねーぞ盗人がぁァ!」 素早く突き出されるカルラの拳が、黒マントの1体を殴り飛ばす。止まる事無い連続攻撃。それを受け止めたのは、巨大な槍だ。黒マントが破れ、その姿を晒す。鱗のような装飾が施された濃緑色の鎧を着た男だ。無数の蛇が絡みあったようなデザインの盾を持っている。 「ちっ……」 ゴーゴンシールドの蛇が蠢く。するすると伸びて、カルラの腕に喰らい付いた。蛇に噛まれた所から、カルラの体が石化する。 「余り時間はかけられませんね」 ユーディスの手が光る。石化したカルラを包み込み、状態異常を回復させる。盾と槍で、ゴーゴンを牽制することも忘れない。 カルラの石化が解け、再度攻勢に出ようとした、その瞬間。 「ァうっ!?」 悲鳴を上げるユーディス。次いでカルラも突如襲ってきた衝撃に目を白黒させる。吹き飛ばされ、床を転がる2人。 最後の1体、エアトスシールドがマントを脱いだ。鏡のように周囲の景色を反射させる全身鎧を纏った男だ。盾は持っていない。恐らく、その鎧自体が彼の盾なのだろう。不可視のシールドを展開し、2人を吹き飛ばしたようだ。 「気の済むままに使っていただいて構いませんよ。どうせ私の弾はそれら全部通り抜けますから」 モニカが呟く。轟音が鳴り響き、博物館が揺れた。放たれた弾丸を、エアトスの盾が受け止める。不可視の盾と、モニカの弾丸が同時に砕け、周囲に爆風を撒き散らした。 「おっと……」 両手を広げ、アーサーは衝撃波を受け止める。弾丸の破片が彼の体を切り裂き、辺りに鮮血が飛び散った。アーサーの後ろで、ルシュディーはじっと戦場に目を凝らしていた。 「盾をしょうかって言ってましたが……どうするつもりなのでしょうか?」 ルシュディーの周囲に燐光が舞う。淡い光がアーサーの傷を癒す。 現在の所、リベリスタ側が優勢だろうか? しかし相手は異世界の存在。この世界の理の通じぬ連中だ。 まだ油断はできない……。 「さて、皆は今頃どうしているだろうか……?」 博物館の入口に立つオーウェン。そう呟いて、視線を博物館の外へと向ける。警備員室にいた数名の警備員は、すでにロープで拘束して身動きを封じている。 彼らの呼んだ応援や、通報を受けてやってくる警察官達の相手をするため、オーウェンはここに立っているのだ。 「出来れば荒い手は取りたくなかったのだがな」 暗闇に灯る複数の光。懐中電灯を手に、応援の人員が駆け付けたらしい。 「怪しい男を発見!」 「君、そこで何をしている? こっちへ来なさい」 オーウェンに駆け寄る男達。オーウェンは、物質透過の能力で壁をすり抜けると、そのまま男達を抑えにかかる。 「今日だけは大人しく帰ってほしいのだが」 まっすぐ腕を伸ばす。警備員の1人を掴み、その身を素早くロープで拘束する。その間も、全身から伸ばした気糸で、他の警備員たちの動きを阻害。 そうしながらも、オーウェンの意識は博物館内へ向いていた。 今もそこで、守人たちと戦い続ける、仲間達を想って……。 「素直に帰り二度とこの世界に来ないなら手荒な事はしない。お引取り願えないか?」 疾風のナイフが閃いた。しかし、グラトニーはその攻撃を全て盾で裁き、反対の手に握った剣で疾風の肩を切り裂いた。鮮血が散って、床に血溜まりを作る。 「ナイトが盾泥棒に敗れるとか認可がおりない」 叩き付けるように剣を振るったのはティエであった。グラトニーの剣を受け止める。火花が散って、甲高い金属音が響き渡る。肩を負傷しながらも、疾風は素早くナイフを振り抜いた。盾をすり抜け、祭雅のナイフがグラトニーに届く。 何度も何度も、左右から斬りつける疾風とティエ。流石は守人とでも言うべきか、グラトニーは2人の攻撃を盾で捌いているが、完全には防ぎきることはできないようだ。 時折、剣やナイフの刃を体に受けている。 元々、遠距離攻撃が専門なのだろう。今だって、隙を見てはモニカの弾丸を横から盾で受け止めている。 だが、しかし……。 「盾ごと断ち切る!!」 ティエの剣が輝いた。眩く、強く、鮮烈な光を放つ。グラトニーがモニカの弾丸を喰らった、その一瞬の隙を、彼女は逃さない。 大上段から振り下ろした輝く一閃。まっすぐ、グラトニーの持っていた盾を真上から叩いた。衝撃。ティエの1撃は、グラトニーシールドを地面に叩きつける。 「この力は、護る為にあるんだっ!」 雷撃を纏う疾風のナイフ。バチバチと放電し、疾風の拳は加速した。 一閃、二閃、三閃。目にも止まらぬ連続攻撃。盾ごと、グラトニー本体を切り裂いていく。血が噴き出し、盾が傷つく。血が飛び散って、周囲に肌の焦げる嫌な臭いが漂う。 『………おのれェ!』 くぐもった叫び声をあげるグラトニー。盾の口部分から、エネルギー弾が発射された。回避し損ねた疾風の胴を、エネルギー弾が掠めていく。 直後、ガラン、とグラトニーの盾が地面に転がった。 グラトニーの撃破に成功。しかし、最後の最後に放ったエネルギー弾は、未だ止まらずまっすぐ後ろへ飛び抜けて行った。 風切音。次いで、吹き荒れる衝撃波。エネルギー弾が展示場を駆ける。疾風の胴を掠めたそれは、勢いを殺さぬままに後衛へと飛んでいく。 そこには、回復術を展開させようとしていたルシュディーの姿がある。 「しまっ……」 ルシュディーの顔に焦りの色が浮かぶ。けれど、時すでに遅い。スキル使用後の隙をつかれ、回避に移れないでいるルシュディー。飛び散る淡い燐光が、モニカやユーディスの傷を癒す。 後ろへ飛び退ろうとするルシュディー。 だがしかし、不意に彼の動きが止まった。背後を振り返ってもなにもない。だが、彼はそれ以上後退できない。 エアトスの放った不可視の盾だ、と気付いた時にはもう遅い。 エネルギー弾がルシュディーに当たる、その直前。 「おっと……。そうはさせない」 割り込む人影。ルシュディーの代わりに、エネルギー弾を受けた大男が1人。エネルギー弾は男の胴を撃ち抜いた。アーサーの口から大量の血が零れる。咥え煙草が床に落ち、灰が散った。 「ぐ……むぅ」 途切れそうになる意識を、辛うじて繋ぎとめるアーサー。彼を助けようと、ルシュディーが動く。 だが、間に合わない。 エアトスが展開した不可視の盾が、アーサーの全身を打ちのめした。 意識を失い、床に倒れるアーサー。彼の体を中心に、血の池が広がる。 「……。回復役につとめます」 倒れたアーサーを庇うように、ルシュディーが移動する。飛び散る燐光。しかしアーサーは目覚めない。戦闘不能に陥ったようだ。 手袋に描かれた魔方陣が光る。 アーサーは倒れた。ルシュディーはまだ無事だ。 戦いはまだ、終わらない。 石化するカルラ。ゴーゴンシールドの攻撃をまともに受けたのだ。牽制に突き出される槍が厄介だった。接近戦を得意とするカルラは、槍と盾に翻弄され本領発揮できないでいた。 そんなカルラの石化を回復させるのはユーディスだった。 「礼儀がなっていませんね、異界人。大人しくお帰りなさい」 槍が旋回。ゴーゴンの盾を打つ。蛇が伸びて、ユーディスの盾を絡め取った。咄嗟に槍から手を離すユーディス。 代わりに、魔力盾でゴーゴンを殴りつける。 大きくよろけるゴーゴン。地面に転がるユーディスの盾。素早く拾い上げ体勢を立て直した。 瞬間、突き出されたゴーゴンの槍。ユーディスの首筋を切り裂いた。 と、同時にカウンターで突き出すユーディスの槍。ゴーゴンの肩を貫く。 「よしっ!!」 金髪を振り乱し、小さく笑うユーディスだった。 その直後だ。 盾から伸びた無数の蛇が、彼女の体に喰らい付いたのは。 ユーディスの体が石化する。 「うっらァぁァ!! 俺1人でもこいつくらい潰してやんよ!!」 怒声と共にカルラが駆ける。高く飛んで、拳を振りあげる。落下の勢いそのままに、素早く拳を振り抜いた。ゴーゴンの槍を叩き落すカルラの拳。目にも止まらぬ高速打撃。盾を抑え込むユーディスのせいで、ゴーゴンシールドの能力を発揮できない。 その隙をついて、叩きこまれる拳の嵐。 「カッコ付けて盗み正当化するなんて、碌なもんじゃねーっての」 ゴーゴンの顎を、カルラの拳が撃ち抜いた。脳を揺らす1撃。白目を剥いて、ゴーゴンは倒れる。ガラン、と硬質な音が響いた。 ●守人の守るもの 不可視の盾と、弾丸の撃ち合い。ある種の膠着状態に陥っているモニカとエアトスである。いくら傷を負っても、リベリスタ側にはルシュディーがいる。これ以上仲間が倒れる事もないだろう。 しかし、相手は鎧に身を包んだ守人。守ることに長けたアザ―バイドだ。中々倒しきることができない。 「時間はかけずに人目は避けたいんですがね」 轟音。振動。放たれる弾丸。煙で視界が薄く霞む。 カラン、とモニカの足元に何かが転がった。 「……っえ?」 音の正体は、エアトスの投げた手榴弾だった。後退するモニカ。その背が不可視の盾にぶつかった。閉じ込められた、と判断した時には既に遅い。 直後巻き起こる大爆発。重火器の影に飛びこむモニカ。飛び散る破片と爆風が、モニカの体を切り裂き、焼いた。 不可視の盾が解除される。煙が溢れだす中、ふらふらと起き上がるモニカ。煤に塗れ、傷だらけ。しかしまだまだ戦える。 血まみれの手で、重火器を構えた……。 と、その時だ。 「さて、扱えるか?」 モニカの前に、オーウェンが姿を現した。その手に握られているのはグラトニーシールドだ。落ちていた物を拾って来たのだろう。 「回復はまかせてください」 モニカの傷を、ルシュディーが癒す。 放たれる不可視の盾。エアトスシールド。オーウェンが盾を掲げた。盾の中央で口が開く。 不可視の衝撃がオーウェンを襲う。受け止めきれず、思わず盾を手放すオーウェン。不可視の盾は、グラトニーシールドが喰らったのか、ほとんど彼にダメージはない。 オーウェンが地面に倒れる。 それと交差するように、モニカが弾丸を撃ち出した。 気付いた時にはもう遅い。エアトスが盾を展開させる、その直前、モニカの弾丸はエアトスの胸に着弾。炸裂した。全身鎧に罅が入る。血を吐き、その場に倒れるエアトス。 「さて、Dホールにぶち込んで帰りますか」 血に濡れた頬を拭い、モニカは一言、そう呟いた。 Dホールの中に、守人達を放り込む。彼らの所持していた盾をどうするか悩んだものの、一応、彼らと一緒に送還しておいた。 守人の姿が見えなくなったことを確認し、ユーディスがDホールを破壊した。 守人の送還は完了。博物館に若干の損害は出たものの、盗まれたものはない。 これ以上騒ぎが大きくならないうちに、リベリスタ達は急いでその場を後にした. |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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