●戦場の女神 「さあ、諸君。時は満ちた。我等が戦場の女神、ブリュンヒルデの導きに従いてエインへリャルを迎えに行こうではないか」 大仰な身振り手振りで言葉を紡ぐ一人の男。 彼の背には巨大な砲が二門、鈍い輝きと共に鎮座し、男の言葉を待つ七人の兵士を見下ろしていた。 「同胞と、この轟音と共に歓喜の声を戦場へ響かせよう。アハト・アハトの前に、全ての敵を業火の中へ沈めようではないか!」 砲撃部隊、戦場では女神とも言われるその役割を担った男は声高らかに宣言する。 敵対する者を、この砲にて駆逐する、と。 アハト・アハト、と称され、数多の戦場にて猛威を振るった砲。 その力を持ってして、新たな戦場を焼き尽くすという事を。 過去の戦争にて用いられた88mm、それを改良した砲は、親衛隊隊長リヒャルトが携えし砲とは別の力を、そして栄誉を受けるべき存在。 個人の絶大なる膂力にて運用されるがリヒャルトの物ならば、この砲は隊によって用いられる事に特化した物である。 フィクサードとして得た力、それを前提として改造された砲は、支持要員を置く事にて零度以下まで射角を広げた一品。 砲撃地点を自在に選び、そして広い仰角を持ってして放たれる砲弾は脅威以外の何者でもないのだ。 「我等の目的は、砲撃地点の確保、及び同胞の砲撃要請へ迅速に対応する事である。抵抗勢力無くば目標地点到着後、速やかに砲撃を行い。遭遇戦ならば、脅威の排除によって作戦の続行を行う事とする。諸君等の奮戦に期待する」 砲を前にし、兵士の士気が高まった事を見届けた男は先ほどまでの口調とは打って変わり、冷静に作戦を通達する。 如何に強力な兵器を持とうとも、扱う将兵の士気が低ければその影響は他の部隊へ伝播し、戦況を傾ける。 それを防ぐには、ある程度道化になる事もまた、必要とその男は認識しており、その通りに行動したまでである。 『ミハエル・キュリーゲン少尉』 それが、彼の名であった。 多量の弾薬を積み込んだ輸送車に乗り込む彼を追い、七人の兵士は行動を開始。 砲の運用を任された四名は二人一組にて砲に付き、その膂力に任せた運搬を。 残る三名は砲を護衛し、行軍を開始するのであった。 ●亡霊達の宴へ 「親衛隊たちが動き出したわ。目的は、三ツ池公園の制圧みたいね」 攻勢を仕掛けてきた親衛隊、その動向を察知した真白・イヴが集ったメンバーへ語りだす。 七派の首領が同時に動くという偶発的好機、効率的に動く事を是とした親衛隊ならば、この機会を逃すことは無い。 後援者を得、その武力を高めている親衛隊に対し、経験不足の戦力を当てるのは愚策、無駄に被害をだすだけに終わるだろう。 首領事件に対しエースを駆り出した以上、残存する精鋭で彼ら親衛隊を止めるしか手は無いのだ。 「今まで散発的に起こってきた、狩りと言える戦いとは全くの別物よ。だからって、好きにさせていいはずは無いわ」 時代に逆らい、時計の針を逆行させるが如き行為。 戦争により、秩序ある世界を崩壊させるなどという結果は、なんとしても防がねばならないのだ。 「貴方達に相手をしてもらいたいのは、砲撃部隊。一人一人の戦闘力は、他の部隊に比べて少し見劣りする相手だけど、決して油断できないわ」 砲撃を主とし、公園へ突撃するその一隊。 動きを見るに、遊びの森入り口付近より侵入、ローラー滑り台付近への展開を完了すれば、そこを起点とし要請ありし場所への砲撃。 また、戦況が動けば砲撃地点を変更し、より効果的な砲撃を加える以上、放置すれば多大な被害を被るのは明白。 「まだ、彼らは公園への突入を完了していない。入り口付近での迎撃になるでしょうね。少人数で砲を使う以上、射撃には少し時間がかかるわ。そこが、突破口になるはずよ」 渡された資料には巨大な砲の映像、そしてそれを運搬する二人の兵士。 簡易な三脚しか備えず、フィクサードとしての膂力に任せ二人で支持、砲撃を行う様子が映っていた。 その砲が二門、そしてそれを護衛する三人の兵士と補給車を駆る指揮官の姿があった。 「最低限、やって欲しい事は砲の無力化ね。砲撃部隊って事だし、砲さえ無力化できればこっちが敗走しても他の部隊に比べて戦線への影響は少ないわ。 ま、負けないことが前提だけどね。それと、もし勝ち目が無いなら。最悪、補給車だけでも叩いて欲しいの。一時凌ぎにしかならないけど、他への悪影響は少しはマシになるから、ね」 厳しい戦いになるのは分かりきっている。 だが、ここを凌がなければ更なる苦境が訪れるのは明白な以上、負けるわけには行かないのだ。 「分かるデータはここに纏めて置いたわ。どこを落としどころにするかは任せるけど、行くなら覚悟はしておいてね」 そこまで伝え、彼女は纏めた資料を手渡し説明を終了。 絶望的な戦線へと、リベリスタ達を送り出すのであった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:プロスト | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年07月04日(木)23:40 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●森よりの攻撃 夜陰の中、時代錯誤の大仰な砲が二門、それぞれ二人ずつの兵士に引かれ木々の間を進み行く。 その砲を囲むよう、正三角形の頂点となる場所に機関銃を携えた兵士が一人ずつ、護衛として配置。 最後尾に重装甲を施した補給車が配置され、目標と定めた地点目掛け粛々と進軍するが、その進軍は八人のリベリスタにより停止を余儀なくされていた。 「さぁさ、ようこそ、三ツ池公園へ! 入園料は先払い、お代は命でご清算♪」 「この公園は、神秘関係者立ち入り禁止よ。私達が居る限り、これ以上は進ませないわ」 歓迎、そして立ち退き命令。 声高らかに宣言し、真っ先に駆け抜ける『断罪狂』宵咲 灯璃(BNE004317) の言葉を皮切りに、立ち退くことを命じる『トゥモローネバーダイ』 レナーテ・イーゲル・廻間(BNE001523) 二人の言葉が響くと共に、視認できる形で八つの人影が砲撃部隊左翼より飛び出し、奇襲攻撃を仕掛けていたのだ。 「敵襲! 総員、行軍行動を停止し迎撃態勢!」 一人の兵士が叫ぶと同時に、護衛として配置されていた三人の兵士が奇襲を仕掛けたリベリスタを退けるべく、左翼方面に駆け出すがそれを阻む様、同数のリベリスタが前進する。 「これ以上、進軍はさせません。さっさと片付けさせてもらいます」 「そういうこった、砲共々、お帰り願うぜ!」 護衛兵に肉薄、そして掌打を繰り出す『荊棘鋼鉄』三島・五月(BNE002662) と印を結び、兵の動きを止めようと動く『てるてる坊主』焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054) 灯璃を加えた五月、フツの三人が其々の護衛兵と接触、その進路を妨害する中、二つの影が砲目掛け駆け抜けていく。 「さあさあここは戦場ではなく都市区画! 軍人ではなく都市伝説の縄張りデス!」 「こっちの奇襲も予想通りっていうんだろ? 知ってるぜ、ならこれでどうだ!」 不気味な笑みと共に砲へ接近、砲撃を放棄し迎撃に動いた射手へ両手に持つ巨大な包丁を振るい、その衝撃で吹き飛ばす『飛常識』歪崎 行方(BNE001422) 彼女の狙った砲ではなく、別の砲へ接近。 先ずは攻撃で無く、此方との距離を詰める補給車と砲の間へ駆け設置用トラックを展開する『影の継承者』 斜堂・影継(BNE000955) この二人の接近により、88mm砲は射撃体勢の放棄を選択、砲撃が封じ込められる展開となっていた。 「よしっ、これで砲撃は暫く無いね。あとは、この人達を押し返して……絶対皆で、アークに帰ろうね」 「うん、そうだね。いこう、マイヒーロー。悪者なんて倒しちゃえ!」 最前線に仲間を送り出し、後方にて支援体制を整えたのは『尽きせぬ想い』アリステア・ショーゼット(BNE000313) と『◆』×『★』ヘーベル・バックハウス(BNE004424) レナーテを含めた三人を後方寄りに配置、回復支援の体勢を整えたリベリスタ達。 作戦は相手護衛を封じ、同時に砲へ接近。砲撃を放棄させその火力を封じ、砲の破壊を優先しつつ順次相手の護衛兵から数を減らしていくというもの。 対するミハエル・キュリーゲン少尉の行動は、砲撃放棄による迎撃戦術。 奇襲を警戒していたのもあるだろう、88mm砲を担当する射手、支持手は敵の接近と同時に砲撃を諦め、簡易三脚にてその場へ放置。 横転対策のみを施し、護衛兵と共同しての近接戦闘へシフト。 電動ノコギリの如き音と共に護衛兵が機関銃より銃弾をばら撒き、各々が相対するリベリスタと干戈を交わすに至っていた。 互いの動きは想定通り、戦いの明暗を分けるのは次手以降の衝突となっていく…… ●早すぎる介入 鈍く、それでいて大きな音が戦場に響く。 音を発したのは一気に接近、設置されたトラックを弾き飛ばした補給車であった。 障害物たる設置型トラックに対し、躊躇なく二手目での突撃を敢行したミハエル。 何故、彼が速攻で介入を選択したのか? 第一、軍用補給車ならば通常のトラックなど弾き飛ばせる出力と装甲があり、障害として機能は見込めない事。 第二、分断すべく障害物を設置し、戦闘を開始。ミハエルと砲を分断し続ける意図を見せた為に、合流を嫌うと判断した事。 第三、護衛兵に人員を当てラインを形成、後方に支援手を置く布陣。戦場の重心点を護衛兵、砲の部分に見出した戦術故、対抗措置の必要性。 自軍部隊の中で重心点として運用可能な自身を早期投入、リベリスタ側戦線の破壊を意図したという事。 これら三つの要因が合わさり、彼は早期介入を行ってきたのだ。 「女神と呼ばれる部隊で女性士官不在とはどういうことだ!」 「何をいうか、我々の部隊そのものが女神なのだ。そこに、女性士官の有無など関係あるまい」 護衛兵もろとも、砲も支持手も射手もまとめて、巻き込める範囲全てを狙い黒き瘴気を巻きつつ影継がミハエルを挑発。 感情の昂りによって出来る隙を誘おうとするも、補給車から降りた彼は意に介す事無く冷静に返していた。 「こちらを抑えてきますか……ミハエルを自由にさせるわけにはっ」 「飛んで火に入る錆臭い駄犬共、って言いたいけど、フルコースのもてなしが必要、かな」 五月と灯璃が言葉を交わし、眼前に立ちはだかる護衛兵と衝突を。 初手と同じく掌打を放つ五月の一撃を受け止め、反撃にと護衛兵は円匙で打撃をしつつ彼女をブロック。 近しい場所では灯璃が双剣を華麗に振るい、舌打ちしながら護衛兵と切り結ぶ。 補給車の接近には事前に気付けていた灯璃であったが、ミハエルのブロックは間に合わず。 介入の早さもさることながら、この護衛兵達が二人を通さぬ様立ち回り、フツが拘束した筈の相手は支持手が回復。 此方が護衛兵を止めたのと同様、護衛兵もリベリスタ側の足止めに力を回してきたのだ。 「流石に二人の相手は骨が折れマス」 同刻、苦境に立つのは砲への接近を果たした行方。 厄介な攻撃手段、砲撃を阻止する代償は、彼女に対しツーマンセルにて当たる射手、支持手の猛攻だ。 後方、アリステア、レナーテ、へーベルの三人が戦場全体の回復にて戦線を支えるが、状況が悪い事に変化は見られず。 「っとマズイな、何とかこっちが踏ん張るしか無いかねっと」 フツの口から零れる言葉。 口調は軽いものの、出る言葉は戦況の不利を感じたもの。 「大丈夫、マイヒーロー達は負けない! だからがんばって!」 護衛兵とぶつかる三人を励ます様にへーベルが声を上げ、戦場へ福音を響かせる。 傷を癒しながらの消耗戦、戦況は次なる段階へと移って行く。 ●天秤は大きく傾く 「クソ、勝利の女神が微笑むのは俺達の方だ!」 「不利な戦況、されど勝利を諦めぬ姿勢は賞賛に値する、が。ここまでだな」 数度の攻防の中、倒れても立ち上がり、仲間の支援にて立っていた影継ではあったがその奮戦はここまで。 砲に接近した事で射手、支持手。そして戦場へ早期介入したミハエルと三人が彼を狙い、集中攻撃。 淀み無きミハエルの斬激が幾度も彼を襲い、それに重ねる様に狙い定めた銃弾が、そして閃光が幾度も幾度も降り注ぐ。 結果、彼の生命力は仲間からの回復を上回る勢いで奪われ、奮起虚しく地に倒れ伏す結果となっていたのだ。 「影継君!? くっ、押し切られちゃったわね……」 レナーテが叫び、前線を支える三人と砲を一つ、抑え続ける行方へ警戒を促す。 だが、既に戦いの流れは決していた。 厄介なミハエルの介入が早すぎたことに加え、彼を抑える筈の人員不足。 護衛兵に其々一人ずつ、砲に対し一人ずつという人数では、彼を止める人員が足りなくなるのは避けられず。 護衛兵を抑えていた面々の誰かがミハエルを止めに動けたと仮定しても、その代償は護衛兵一人の自由。 ならば、その空いた護衛兵がミハエルと共闘し足止めをした者を早期撃破する事も、若しくは砲へ向かった行方か影継、どちらかの行動阻害。 射手、支持手の自由を確保し、砲撃を開始する事も可能だったのだから。 「拙いデスネ。影継を助けマス、援護ヲ」 「オーケー、任せといて。砲撃なんてさせないよ」 倒れた影継を死なせぬ為、動きを見せた行方と灯璃。 砲への接近を諦めた彼方が移動、影継目掛け進む中、砲撃を妨害すべく灯璃は狙い定めた銃弾を88mm砲へ叩き込む。 支持手がカバーをするより早く、その銃弾は砲の三脚を破壊、甲高い金属音が響くと同時にその重量溢れる砲は、大地に横たわっていた。 「こっちも続くよ、マイヒーロー! あんな砲、撃たせない!」 二人の動きに続き、へーベルの放った銃弾が別の砲へ吸い込まれるように飛翔する。 その銃弾を命中させまいと、一人の支持手が身を挺して砲を守り、射手が配置に付く間に彼方は影継の回収に成功、一気に後衛目掛け駆け抜ける。 「なるほど、なるほど。素晴らしい、仲間思いの行動だ。だが、それは最大成果を出す手段ではない。私は私で、効率的に成果を上げさせて貰うとしよう」 仲間の保護に走るリベリスタを見逃し、余裕に満ちた言葉を発するミハエル。 彼は行方が影継の回収に向かった際、あえてその行動を容認。 傷病兵の保護に手を使い、自らのリソースを消費するならば態々追撃の必要は無いと狙いを護衛兵と相対する、フツ、灯璃、五月へと切り替えていたのだ。 「本当に、余裕たっぷりですね。憎らしいぐらいに」 肉薄したミハエルの斬激を手甲で受け、衝撃を殺しつつ言葉を紡ぐ五月。 続けざまに繰り出される、四肢を狙った刺突を捌ききれず鮮血に身を染めつつ、彼女は反撃に繰り出した燃える拳はミハエルの左腕を捉えていた。 同時に走る、硬質な物体を叩いた感触。 左腕を盾代わりとしたミハエルの、軍服が燃え上がりその下に覗く金属の輝きは、彼が左腕部を機械部品とした証左であった。 「……もう、撤退したほうが良いかもね」 前線が奮起する中、行方が回収した影継を受け止めたアリステアが進言を。 現状、想定していた損害ラインに此方は達しておらず、戦闘継続は可能。 護衛兵の消耗も激しく、このまま戦えば撃破をする事は決して難しくは無い。 だが、厄介な戦力と目したミハエルの参戦は完了、そして88mm砲は二門とも健在であり、三脚を破壊したとは言え発射に支障はない様子。 その証拠に、双方の砲へ支持手、射手が共に配置、砲弾を選定し狙いを定めつつあったのだから。 「悔しいが、そうせざるを得ないな。殿は俺たちで何とかする、早く引き上げるぜ」 「そうね、このまま戦えば……誰かを死なせる事になる」 フツとレナーテが撤退の提案に応じ、残る面々もこれ以上の戦闘は不可能と判断、撤退戦へ切り替える。 「逃げるか、ならば! 砲撃手、炸裂弾にて追撃を。このアハト・アハトの号砲を聞かせてやろうではないか!」 ミハエルが叫び、追撃時の砲弾を指示、己もより損害を与えるべく護衛兵と共に追撃を。 「と、少しばかり戦果を考えすぎてないかい? 少しは後ろも気にしなよ」 進軍を開始するミハエル達に対し、フツが呪力にて戦場へ冷たき雨を生じさせ、その進軍を妨害する。 彼の生み出す雨は、ただの雨にあらず。氷の力を持ったその雨は、戦場全体、ミハエルの部隊全てに降り注ぎ、その体へ氷の責め苦を与えていく。 「そっちもボロボロ、だけど無理するね。ま、最後に置き土産だけでも置いてくよ♪」 フツの攻撃に続き、数多の銃弾を放ちつつ灯璃が後退。 弾幕による進軍妨害の役目を果たし、時間を稼ぐ事で撤退支援を。 だが、それらの妨害を受けつつも砲はその狙いを完了、無慈悲に、そして強力無比な砲弾を、轟音と共に解き放つ。 爆音、そして同時に襲う爆風はリベリスタ達の立っていた場所を抉り取り、無残に倒れた木々がその威力の程を物語る…… 「つー……流石に今のは厳しかったわね、けど。こういう見晴らし悪い場所に小回りが利かないのを持ち込むのは、ちょっと甘かったんじゃない?」 直撃は何とか回避、煤けた顔を見せつつレナーテが精一杯の強がりを。 次弾装填の間に彼女は木々の合間にその身を隠し、射線から逃れる事で後退を完了。 「絶対に、誰一人死なせない。皆で生きて帰るから」 同刻、追撃を振り切るべくアリステアが反撃を。 彼女の翼が強烈な風の渦を巻き起こし、五月、フツ、灯璃を追いかける護衛兵、そしてミハエルまでもを巻き込んでいた。 続けざまに繰り出される広域への攻撃、それらを受けつつ強引な進軍は損耗が大きいと判断したのか護衛兵、ミハエルの進軍はそこで停止を。 突風が収まった後、ミハエルの目に映った物は、動く者が居なくなった、闇に支配された公園の一角であった…… 「総員、装具の点検を行え! 戦闘は今だ継続中である」 「こちらミハエル、砲撃地点への進軍中、敵との遭遇戦となる。撃退には成功したが、砲身への損害、及び護衛兵の損耗が激しい」 「機関部の状態は良好、砲身の換装が完了次第、目標地点へ進軍、要請箇所への砲撃支援を開始する」 「戦闘により目標地点への到着が遅れている。砲撃要請への対応は想定より遅れる事を通知し、連絡を終了する。以上!」 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|