●小さな恋のうた ――断末魔が響く。 その声は人のものではなく、かつて獣であったもの。 野犬のエリューション。数匹が徒党を組んでいたその生物達は、今はどの個体も生命を宿してはいない。 「ふぅ……」 その死体の側で、深くため息をつく人物がいた。 細身ながらも引き締まった肉体を持ち、その手には一本の大振りのナタ。獣を始末した人物。 彼の名は岸間和人。ある日ある時、不思議な力に目覚めた少年だ。 「お疲れ様、和人」 さらに一人。戦いを制した和人に寄り添い、その傷を癒す少女。 寄瀬瑞希。少年とは古い付き合いである、幼馴染。彼女もまた、ある日不思議な力を得たのだ。 二人は長い付き合い。小さな頃から近所で育ち、お互いに悪い気はしていなかった。 仄かに秘めた恋心。それはお互いが自らの力について、相手に相談した時。その恋もまた成就した。 「まだいるんだよね? 私が和人を助けるから、早く倒してしまおうね」 「ああ。こいつらが町に下りてきたら大変なことになるからな。瑞希も無理はしなくていいぜ」 お互いがお互いを気遣い、信頼している。 「あと六匹。一緒にやり遂げようぜ」 和人は瑞希の手を握り、力強く声を掛けた。 瑞希はその触れる体温に、恥ずかしげに顔を伏せて。それでも力強く、うんと答える。 大丈夫。二人ならどんな困難も乗り越えられる。 二人だけが気づいた、この町の危機も解決できる。 皆を助ける為に、平和を守るために。この力は二人に宿ったんだ。 少年少女は手を取り合い、山の奥深くへと進む。 自分達の育った町の未来を救う。和人と瑞希、二人は使命を心に抱き、戦う。 その姿はどこか微笑ましく、心地良く。 ――ああ、なのに。何故、どうして。 運命は二人を祝福しない? ●ブリーフィング 「恋は盲目。だが、見えないことは恐れないってことだ。二人ならどんな困難も乗り越えて、ハッピーエンドになるって寸法さ」 アークのブリーフィングルーム。『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)はいつもの調子で小粋なラヴストーリーを語る。もしくはノブストーリー。 「人の恋路は祝福されるものさ。若い二人は幸せな未来を夢見、周りはそれを見守り続ける。だけど……」 伸暁の表情が伏せられる。その神妙な空気は、先ほどまでの伸暁とは違うもの。まるで真面目に未来を愁う、預言者のよう。 「人々が祝福しても、世界が祝福するとは限らない。世知辛い話だよな?」 ばさり、と伸暁がテーブルの上に放った資料。そこには二人の男女のプロフィールが記載されていた。 「岸間和人と寄瀬瑞希。二人とも同じ高校に通う、ごく普通の思春期のボーイ&ガールさ。 そして二人はエリューションの力に目覚め、深いことは知らないままに自分達の町の平和を守っている。 町に巣食うエリューションを退治して回ってるのさ。それは褒められるべきことだ。だけどな」 だけど。そう、その次に導き出される言葉は、つまり。 「……残念ながら、二人とも運命にはディスられちまった。フェイトを得ることが出来ず、ノーフェイスだ。 世界の敵になっていることに気づかず、正義の味方をやってるのさ」 ああ、本当に世界は不平等。義心があれど、正しき力を得られるとは限らない。 「今回の依頼は、彼ら二人。そして二人が倒そうとしている野犬のエリューション・ビースト。それらを全部まとめて退治してきてくれ。 手段は問わないし、相手の事情も別に考慮する必要はないよな? 悲劇的なことだけどな」 祝福されなかった正義の味方と、世界に徒名す獣。その価値に優劣等なく、それは等しく世界の敵。 髪をかき上げ、表情に憂いを帯びた伸暁は、言う。 「彼らがいくら頑張っても、世界の為にはならないのさ。 このシェークスピアも将門伸暁も真っ青の悲劇のドラマ、すっぱりとエンドロールを打ってきてくれ」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:都 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年07月17日(日)23:28 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●犬も喰わない とある山中。樹木が生い茂るその場所に、現在喧騒が満ちていた。 唸り声、吠え声。野生に棲む犬、それが常識の楔から解き放たれた生物達。 野犬のE・ビースト。その生き物達は何かを囲み、威嚇し襲い掛かっていた。 「気をつけろよ、瑞希!」 「和人こそいつも無茶するんだから。気をつけてよね」 顔を向き合わせ、二人の人物が言葉を交わす。 野犬が狙っているのはその二人。岸間 和人と寄瀬 瑞希。立ち向かってきた存在を逃すほど野犬達は甘くない。 神秘の力を得、また世界の裏に潜む悪意に気づいた二人は自らの意志を以って、怪異を狩り始めた。 自分達がやらなければ生活する街は危険に陥ってしまう。 使命感に駆られ、二人は手を取り合い戦ってきた。二人一緒ならやれる。そう信じて。 実際、今も二人の戦いはさしたる危なげはない。 和人が前に出て戦い、後ろから瑞希がサポートする。この体制で今までも戦い、これからも戦ってきた。二人きりでだ。 しかし今回は――事情が違う。 「……和人、何か来てる。たくさんの足音がする」 「なんだって?」 民間人かもしれない、そう思い和人に緊張が走る。今は人の領域外の戦いの最中だ、一般人を守りながら戦えるほど二人は成熟していない。 だが、森から現れたのは…… 「いたぜ、目標の犬どもだ」 姿を見せたのは、複数の男女。重装の鎧に身を包んだツァイン・ウォーレス(BNE001520)が、犬を目視すると他の皆に合図する。 「先客がいるみたいだね。援護するよ!」 「皆さんは予定通り展開を」 散弾銃を突撃銃のように構え、犬達へと駆け寄る『ガンスリンガー』望月 嵐子(BNE002377)に、皆へと指示を飛ばしつつ布陣する『魔眼』門真 螢衣(BNE001036)。 見る見るうちに現れた八人は、戦場へ展開していく。 「な、なんだあんたたち?」 突然のことに戸惑う和人。民間人だと思っていた接近者が、武装し、相対していた犬へと布陣していくのだ。惑うのもやむを得ないだろう。 「失礼、敵の気配を感じて参りました。僭越ながら援護を致します」 「あたし達も、犬を倒しにきた……」 『銀の月』アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)が恭しく二人へ告げ、『スターチスの鉤爪』蘭・羽音(BNE001477)が大剣を引き出し身構える。 「どういうことなの? 貴方達は、この怪物達を知ってるの?」 瑞希の問いかけに対し、彼女の隣に立ったゴシックロリータに身を包んだ少女が一瞥し、素っ気無く応える。 「詳しい話は後。今は犬を」 担いだ大鎌を構えなおし、『ナーサリィ・テイル』斬風 糾華(BNE000390)が話を切る。 その言葉に和人と瑞希は我に返った。 今は戦闘中である。細かい話は後にすればいい、それは事実として受け止めた。 共に戦ってくれるというならば、断る理由はない。そのほうが戦いは楽になり、危険も減るのだから。 「それでは遠慮なく援護致します」 『静かなる鉄腕』鬼ヶ島 正道(BNE000681)が仲間達に簡単なハンドサインを送る。その指示に従い、リベリスタ達は自らの力を増す技を使い、予定の配置へつき戦闘を開始した。 「さて、あまり傷つくのは面白くないからな」 『普通の少女』ユーヌ・プロメース(BNE001086)が符を撒き、仲間達の守りとする。より堅牢となったリベリスタ達は野犬を始末するためにそれぞれに合った戦いを行う。 戦闘はさして厳しくもなかった。 多勢に無勢、囲まれた野犬達は包囲され逃げ場もなく一方的に蹂躙されるだけ。 狩る側も和人と瑞希を中心に、犬の動きを制限し二人の高い戦闘力を生かした戦いを行う。 リベリスタ達の戦闘経験による布陣に、二人の戦力。まもなく全ての野犬が駆逐される。 ぎゃうん、と断末魔を上げ最後の野犬が地に伏した。 「すまない、助かったぜ」 野犬より手にした大ナタを引き抜きつつ、和人がリベリスタ達への礼を述べる。 「いえいえ、礼を言われるほどのことではございません」 正道がどこか所在なさげに頭を掻きつつ応えた。 「本当に助かったです。いつも和人は無茶ばかりするから。私達みたいな人って他にもいたんですね」 瑞希も感謝を述べ、率直な疑問を口にする。 「案外良くある話だからね。力を手にすることも。こんな相手が発生することも」 嵐子が呟く。その目は和人と瑞希、二人の様子を伺うように油断なく視線を漂わせている。 「これでこの山も、ふもとの町も安心だな。おしまいおしまい!」 和人が緊張を解すように大きく伸びをした。 「……いいえ、まだ残っているわ」 ――そう、残っている。 野犬達等問題ではない、より大きな崩界をもたらす存在が。 肉を抉る音がし、鮮血が舞う。傷口が爆ぜ、炸裂音が響いた。 糾華が、不意打ちの形で隣に立つ瑞希へと切りつけたのだ。 「……え?」 何が起きたのか理解出来ず、瑞希は半ば反射的に糾華から距離を取った。 その一撃は致命の一撃。完全な油断を突いた技故に、並の相手ならばそれで終わっていただろう。 だが瑞希は倒れなかった。それは並を遥かに越えた能力に至っているが故に。 ――より深い、フェーズ故に。 「お前ら……!?」 和人が瑞希に駆け寄ろうとする、が。出来ない。 リベリスタ達はすでに二人を分断するように布陣していた。 そう、野犬と戦っている最中から。彼らはその為に、この時の為に動いていたから。 「許して欲しいとは言いません。 でも、お二人が終わって下さることで助かる命があることを知って下さい」 螢衣が申し訳なさそうに告げる。だが決して二人を逃がしたりはしない、その覚悟が篭った声色だった。 「どういうことだよ……なんで俺達が襲われなくちゃいけない!?」 和人の叫びにツァインが口を開く。 二人の疑問に答えるために。この残酷な世界の真実を伝えるために。 「ある日突然人並外れた力を得て、こうやって誰かの為に使っている……俺達も同じだ。 でも力の得方には二通りあってな――」 ●道化達の戯曲 和人と瑞希。二人は伝えられた真実にしばし呆然としていた。 いきなり作られた深い傷を癒すことも忘れるほどに、二人にとってそれは衝撃的だった。 自分達は正義の味方のつもりだった。しかし、いくら正義の味方であろうとしてもそれを許されない。存在するだけで世界を蝕む。その現実を突きつけられた。 「貴方達がいくら良いことをしても、世界を脅かすという事は変わらない……。 出来ることなら見逃してあげたいけれど」 搾り出すように声を出す羽音。やるせない現実に耐えるように。 「けれどまた、他のリベリスタが……貴方達を討伐しにくる。 愛する人が目の前で、無残に、殺されるかもしれない…… だから、そうなる前に……二人で共に、死んで欲しい」 「だからって……死んでくれって言われて素直に死ねる奴がいるかよ! 俺なら構わないけれど、瑞希もだなんて!」 和人の反論に目を伏せ、唇を噛む羽音。彼女の耐える心の痛みは彼らだけのものではない。 自分にも思いを通わせる大切な相手がいる。彼らの分と、自分の分。二組分の心の痛みが、彼女を苛む。 それは胸を強く締め付けて。痛みを遮断しても、心の痛みは消えなくて。 「死人に口なし。泣き言恨み言、今のうちに吐き出せ。 ……そのほうが、安心して殺せる」 ユーヌはぶれない。自らのやるべきことの意味と、やらなくてはならない理由を理解しているから。 「和人だけでも……見逃すことは、出来ないの?」 瑞希が問う。自分自身の傷を省みることもなく、和人の安否を気遣う。ずっと続いてきた、お互いを気遣い合う関係。それも不条理という形で終わりを告げる。 「蘭さんも仰っておりますが、仮に逃げ遂せたとしても、世界の敵となった貴方達を追う者は我々だけでは御座いませんぞ」 変えようのない事実。もはや捕捉された以上、二人は世界の敵。どこまででも彼らを倒すため、追ってくる者が現れる。 「こんな不条理……受け入れられるか!」 和人が吠える。当然である。いくら正義に生きようとも、彼らは自らの意志で戦ってきたのだ。 お互いに自分達の周りの大切なものを守るために。その自分達が殺されては、守ってきた意味もない。 「ならば抗いなさい。貴方がたは正義の味方なのでしょう?」 だから私達を憎みなさい。不条理ながらも貴方がたが生きた世界を憎まないで。その秘められた思いは伝わったのか伝わらないのか。 自分達こそが正義などと嘯くつもりもない。アーデルハイトは現実として今の状況を受け入れ、執行する。 ――闘争が再度、始まる。 ●活劇、そして終幕 そこからの決戦は凄まじいものだった。 「お前ら、そこをどけよっ!」 「悪い、通すわけにはいかないんだよ」 怒鳴りあげつつ、囲みを突破しようとする和人をツァインが押さえ込み、無言のままに剣を振るう羽音の一撃が、和人の足を引き戻させる。。 ひたすら突破を図る和人を羽音が、ツァインが、和人を抑え交互に対処を行う。 凄まじい殺傷力を持つ、和人の手にした大ナタ。それをぎりぎりの所で凌ぎ、かわし、時には食らう。 堅牢なツァインと痛みをなくした羽音。二人はお互いの状況を補い合い、時間を稼ぐ。 「おん、ころころせんだり、まとげいに、そわか」 螢衣が経を読み解くと、二人の噴出す血は螢衣が塞がっていく。 「おとなしくしていろ、哀れな顔無し。出来るだけ速やかに慈悲深く殺してやろう」 ユーヌが呪縛の印にて動きを拘束しようと試みる。その呪詛は和人の動きを完全に拘束するには至らないが、確かな足止めとなる。 瑞希を守りにいきたいが、突破が出来ない。和人の焦燥は増すばかり。 和人が自由にならない間に行われるのは、瑞希の対処。 瑞希の持つ癒しの力、守りの力は厄介だ。だからこそ、先に倒さないといけない。 (――詳しい話なんて言えるわけなかったのに) 元より彼らに真実を伝える気等なかった。それはお互いに辛い思いをするだけだから。 けれど、知った所で変わらない。終わってしまった物語を本当に終わらせるために、唇を噛み耐えながら糾華が大鎌を振るう。 「やめて! 私は、和人を助けたいだけなのに!」 ただ只管に癒しの力を行使し、自らと和人の傷を塞いで行く瑞希。その姿に嵐子は軽い苛立ちを持ちながらも銃撃を続ける。 「命を削ると言ったのにね」 嵐子は事前に癒しの力は瑞希の命を削る、と言った。それを信じたならば和人は癒しの力を使わせたがらない。事実あまりいい顔はしなかった。 だが瑞希にとっては関係のないこと。和人の為、自分の為。自分の命なんてその程度なのだ。ましてや世界にいてはいけない命なら。 それは独りよがりな献身の心。 だが、連携を切られた二人は長くは持たない。 和人に近寄ろうとする動きは正道が塞ぎ、念糸にて拘束を図る。その糸は、何かに守られたかのような瑞希の身体を長く拘束することは出来ない。だが一瞬なりとも手を止め、身を蝕んでいく。 なにより彼が遮断することにより、二人は苛立ち冷静な動きを行うことが出来ない。 やがて、一つ目の終幕が訪れる。 アーデルハイトの魔力の矢、嵐子の銃弾。それらが瑞希の命を削り続け、やがてその身は限界に至る。 ふらりと膝をついた瑞希。もはやこれまで、とその瞳に覚悟がよぎった。 「和人……」 「瑞希!」 ぼそり、と口から出たのは思い人のその名前。混戦の中、その一言は場にいる全ての者の耳に、不思議と届き。 「……ごめんなさい」 糾華の大鎌が銀光を照り返し、閃き。瑞希の上半身を断ち切った。 どさり、とそのまま力なく倒れる瑞希の身体。 それを目の当たりにした時、和人の中でなにかが弾けた。 「お前らっ……くそぉっ!」 爆発的に殺意が増す。それは復讐心故に限界を超えたか。それともフェーズを増そうとしているのか。 「ああ、納得なんてしなくていい。そうやって叫べばいいんだ」 ツァインが和人を睨み付けながら、声を掛ける。 「女の子を残す訳にゃいかんだろう? 送ってやんな、男の子……」 「……煩い! お前らも全員、アイツの為に送ってやるよ、向こう側にな!」 押し寄せるリベリスタ達に対し、渾身の力を込められた大ナタが一閃された。 その刃は烈風を生み、凄まじい衝撃が取り囲む者と、彼らの纏う力を吹き飛ばす。 切り刻まれ、膝を付くリベリスタ達。だがある者は耐え、ある者は渾身の力を振り絞り再度立ち上がる。 螢衣が、ユーヌが、印を切り和人へと次々と呪縛を行う。 纏わり付く束縛を引きちぎり、振り払い、和人は抗い続ける。しかし次から次へと襲い来る呪詛の為、最大限にその力を発揮することは出来ない。 「特別扱いはしない。――いつものように君達の悲劇も、今終わらせてあげるよ」 嵐子によって引き絞られたトリガー。放たれた銃弾は寸分違わず和人の胸を打ち抜き……ごぶり、と血を吐き、倒れこんだ。 「瑞希……俺達は、なんで、こんなことに――」 戦う力は残されていない。ずるずると無様に地を這い、和人が動く。それを見下ろすリベリスタ達のことなどもはや忘れたかのように。 和人はそのまま手を伸ばし……絶命する。力を失った手がぱたり、と重力に従い落ちる。 ――その手は、瑞希の手に重ねられていた。最後の力を振り絞り向かった場所は、復讐ではなく愛する相手の下。 「……お見事。しっかり刻んだぜ。二人の生き様」 ツァインが黙祷を行い、何人かがそれに習う。 「せめて、来世での幸運を祈る」 「――救われないのは私達なのかしらね」 ユーヌが呟き、糾華が独白する。それぞれの心中に生まれるはそれぞれの思い。 使命感、虚無感、罪悪感。様々な感情が入り乱れ、リベリスタ達の胸中に漂う。 「もう誰も貴方達の邪魔はしないよ……おやすみ」 羽音が、二人の手を取りそっと握り合わせた。せめて最後は、強く結びつくように。誰からも邪魔されず、二人きりで死後を穏やかに過ごせるように。 共に生きることが叶わないならば、せめて。それは彼らの為なのか。それとも自分自身の願いなのか。 ひとつの悲劇はさらなる悲劇で上書きされ、完結する。 世界の理はともまでも無慈悲で、不平等。 選ばれてしまった者達の物語はこれからも、続く。 選ばれなかった者の未来を犠牲にして。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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