● 「……と、こういう事をクリスティナ中尉が仰るのでね。試験期間だからまだ効果の程は不鮮明だが……やってくれるかな、ベンヤミン」 「Ja.それ自体に問題はないわ。疑問があるとすれば何故貴方がやらないのかと言う事だけど。それはどうなのブレーメ?」 「悪いが、こう見えて俺も色々忙しくってね。俺の分まで宜しく頼むよ」 「あら、忙しいって便利な言葉。……ああ、別に遠回しに貴方が暇そうって言ってる訳じゃないわ」 「ははは。俺はいつだって『マイペース』なのさ。じゃあ、そういう事で。一生懸命頑張っておくれな。――Sieg Heil」 「嫌味が通じない人間は厄介ね。武運を祈ってるわ。Sieg Heil」 へらへらと笑う掴み所のない男と、表情の動かない男の会話から暫し。 夜には似つかわしくない喧騒を聞き流しながら、ベンヤミンは目を細めた。 「対象、事前情報通りの人数と構成を確認。交戦に入った所で仕掛けます、ベンヤミン曹長」 「いいわ。エーミール、始めて」 軍服に身を包んだ男が三名、ベンヤミンの声に敬礼をし闇に消えていく。 エーミールが何事か叫ぶ。がさがさと、答える様に周囲の茂みが鳴った。 困惑の声。制止の声。けれど茂みから現れた影は止まらない。 振り上げられた剣が止まるのが、煌きで分かった。 「『アークの連中は半端な正義感を持っているから、一般人相手は判断が鈍る』――笑い声が耳に障る男だったけれど、流石にこの狭い国で一緒に犇いてるだけあってそれなりに有用な情報ではあったかしら」 「『七派』ねぇ……ま、暫くはありがたく『ご協力』頂くとしましょう。とは言え、あれはどうも初心な連中みたいですから、アークでも精鋭はどうだか知れませんが」 「その辺も追々確認、という所ね。……この分じゃ私の行く必要はなさそう?」 「でしょうな。作戦に影響のない範囲でゆっくり行くとしましょう」 直立不動の姿勢は崩さず、顔だけはにやりと笑うエーミールに、ベンヤミンも軽く頷く。 "Meine Ehre heisst Treue"……その手に握るチェーンソーの刃に刻まれた文字が、雲間に一瞬現れた月光に暗く沈んだ。 ● 「さて皆さんのお口の恋人断頭台ギロチンですが今回は急ぎです。まあゆっくりできる事もあんまり多くはないですけどね、ああつまり、こういう無駄口なしで行きましょう」 普段よりも些か早口で告げた『スピーカー内臓』断頭台・ギロチン(nBNE000215)は、夜間に招集されたリベリスタを前に該当場所の地図と資料を渡しながら、ブリーフィングルームの床を靴底で叩いた。 「皆さん、『鉄十字猟犬』リヒャルト・ユルゲン・アウフシュナイターの事はもうご存知ですね? 『親衛隊』なる私兵集団を率いるバロックナイツの一角です。……で、集まって貰った理由ですが、それとは無関係なはずのノーフェイスの討伐依頼に向かったアークの人員が、親衛隊に襲撃を受けるんです」 眉が寄る。 「厄介な事に、討伐に向かったこのノーフェイス自体が親衛隊の指示下にあると思われます。……更に、何故か一般人多数がこの戦闘に介入しています。彼らもどうやらマトモな判断力がすっぽ抜けている様子です」 溜息と共に首を振る。 リベリスタは、その一般人に囲まれて逃亡も難しくなっているのだと。 「ノーフェイス自体の強さがそれ程でもなかった為、討伐をお願いしたメンバーも実力的にはまだまだ発展途上の人たちばかりです。けど、ぼくらの大事な仲間です。どうか、叶う限り救って一緒に帰って来てください」 そこまでの交通手段は確保済み、故に急いで向かってくれ。 言ってから、ギロチンは微かに笑って頭を下げる。 「さっき視えてしまった、『彼らが全員帰ってこない』という未来を嘘にして下さい、ぼくを嘘吐きにして下さい、……どうかお願いします」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:黒歌鳥 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年06月18日(火)23:20 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 彼らは世界を守りたかった。 彼らは無辜の人々を守りたかった。 彼らはほんの少し、手の届く幸せを守りたかった。 故に。固まったばかりの信念が、心情が、想いが、その手と足を引いた。 なんらかの覚悟を持って向かって来たならば、苦悩しながら覚悟で迎え撃ったかも知れない。けれど自分たちに向かってくる相手は、明らかに正気を失っている。救えるのか、救えないのか、その判断すら自分たちには不可能。そして降り注ぐのは容赦のない、攻撃の数々。 「飛べる奴だけでも逃げろ」 「駄目。私がいないと持たない」 「ええ。それに飛んだら逆に連中の的かも知れません」 方針も定まらない。相手は明らかに格上で、不利となる負傷者もこちらは抱えている。 気付けば半数だ。武器を捨てて命を乞うて見逃してくれる相手とも思えない。何より彼らは。 『――アークね』 確信を持って、こちらを呼んできた。ならば、逃す気などは有り得まい。 ああ、なんていうのか。これは、そうだ。絶体絶命。震える手で武器を握って、それで回りに蠢く人々を薙ぎ倒す覚悟を持てたならば、それはなんて幸いだったろう。 けれどこの場で持てる覚悟は、死か――。 『お待たせ。よく頑張ったね』 幻聴。そう思った。予知を扱う万華鏡、『誰かが助けに来てくれる』という希望の空回り。けれどそれは、確かに支給の幻想纏いから聞こえてきた。 『オレはメイ。君達を助けに来たのだ』 「あ、……」 『名前は?』 「や、安上純、ですっ……!」 『分かった。ジュン。――今着いた』 意味の通らない呻きの合間に、確かに聞こえた。駆けて来る足音は複数。 羽ばたきの音。上空を駆ける、青い翼。幸せの青い鳥が、囲みの向こう、攻撃の飛んでくる方向から自分たちを遮るように降り立った。 「後ほんの少し、耐えろ!」 声と共に灯る明かりに照らされるのは――直接の面識はなくとも、『見知った』人々。 緑の瞳が光を反射し、闇夜の獣の如くラインを描いて闘気と共に跳んだ。 「お帰りを待つ方が、私の知る限りでもおひとりいらっしゃいます」 柔らかに笑う女性が、その背に翼を下ろした。 「ご無事にお戻り頂かなくてはいけませんの」 「ああ。お使いに出た飼い犬の、更にお使いに群がられて大変だったね」 唇から零れる言葉は、抗いがたい魔力を以って場に流れる。空ろな目が、そちらを向いた。 向日葵の如く鮮やかな黄色が、咲いている。 『折れぬ剣《デュランダル》』を追う様に、影が染み出した。 「兎を全力で狩るでもなく、小突き回して甚振って。猟犬と言うより遊びを覚えた仔猫かな」 舌打ちだ。無音の追撃を繰り返した敵が、卒塔婆と刃を携えた影の言葉に忌々しげに舌打ちをする。 「動けないものはいるかっ!?」 赤金の髪を夜風に舞わせ、男性が引き寄せられた一般人の合間を潜り抜けて前に立ち塞がった。首を振れば、軽く笑って彼は前を見据える。 「ここは俺が守る!」 「貴方達の障害は、私達が撃ち抜くわ」 硬い音。軍靴の音にも似て、それは場を奮い立たせる撃鉄の音。 「さあ、今の内に!」 眩い光が、暗闇を穿った。 ● 「楠神風斗、ミュゼーヌ・三条寺、天風・亘……事前情報と一致。間違いありません」 「あんなクズみたいな戦力に、いいのを割いた事」 「雑魚を多数寄越してくれた方が此方としては割が良かったですねえ」 「構わない。『追々』がすぐに来たと思いましょう。何にせよ、此処で本気のつもりはないわ」 「Ja。じゃ、行きましょうかね」 ● 暗闇を割いた、青い翼。『幸せの青い鳥』天風・亘(BNE001105)は誰よりも早く場を抜けた。 前に立つのは軍服を来た男達。灯りの一つも持たず、彼らは亘を捉えている。 「"忠誠こそ我が名誉"ですか」 「何か喧しく囀る?」 大型のチェーンソーに刻まれた文字、"Meine Ehre heisst Treue"。本来ならば短剣に刻まれていたはずのそれ。冷淡とも言える、だが返って来た反応。 「いいえ。彼の思想や存在はともかく、信ずる思いを貫き生き抜いた人は……強いと、自分は思います」 光の飛沫、Auraが弾けて魅せて飛ぶ。鮮やかな光に照らされて、亘は不敵に笑って見せた。 「だから、実験紛いの狩りではなく、その牙を見せて下さいよ鉄の猟犬!」 「吼えた事」 簡潔に返すベンヤミンの表情は相変わらず変わらない。鉄の如き無表情だ。が、その声に、目に、変化が出たのを亘は悟る。 「いいわ。じゃあ」 ああ。これは。戦に狂った連中の目だ。思想信条を取っ払って尚、彼らは狂人の類らしい。 刃が唸る。青白い雷が、刃に這っている。 「牙に引き裂かれて、四肢ブッ散らかす覚悟は決まってるのね」 「今宵は古きに倣いましょうか。――神風の如く、なんてね」 「玉砕覚悟? 殊勝な事、じゃあその啖呵に応えて――一番いいの、一発あげる」 地を蹴った。ベンヤミンは一気に距離を詰めて来た。その勢いのまま、チェーンソーが、Osteotome L&Rが唸りをあげる。 己に群がってくる人。人。その顔と言ったら! 『デイブレイカー』閑古鳥 比翼子(BNE000587)は、一枚奥底に隠した心で溜息を吐く。今夜も何の変わりもなく、夕飯を食べて、語らって、寝て起きて、そんな日々を過ごすはずだったろう人々が、焦点の定まらない目で此方に敵意を剥き出している。楽団の死体にも似ているが、成程これは『生きている分』思い切りも悪くなる。 「ねえきみ、神気閃光持ってる?」 「ご、ごめんなさい、ないですっ……!」 比翼子の言葉に、張り詰めていた神経が、見知った顔の登場で緩んで感情が一気に噴出したのか、涙声でホーリーメイガスの少女……純が首を振った。 或いは、一人二人で済むならば、彼らとて歯を食いしばって一般人を打ったかも知れない。だが。二十を越す『想定外』に対し有用な手を持っていなかったが故のこの泥沼である。元より彼らの任務は4人のノーフェイスの相手。精鋭と違いできる事の未だ少ない彼らは、対不特定多数ではなくその相手にのみ対抗しうる戦術を組んできたのだろう。 なければないで問題はない。そのカバーさえも含め、援軍である彼らは来ているのだ。 「さあさ、泣くのはお早いですわ。ならば一緒に皆さんを癒しましょう?」 「オレが手の届く限りカバーする。だからジュンと皆は倒れた人を抱えて欲しい」 『哀憐』六鳥・ゆき(BNE004056)がその背を軽く叩いて微笑めば、『刃の猫』梶・リュクターン・五月(BNE000267)が小さな体でその前に立った。 数が増えたからと言って、それだけで撤退するとは思っていない。遠方から投げ込まれた閃光弾は、彼女の目を灼いて足を止める。けど。 「回復はどこまで?」 「天使の歌までなら……!」 「十分ですわ。じゃあ、重ねて」 目を細めて凌いだゆきが、純と重ねて傷付いたリベリスタを癒していく。立て直していく。彼らが離脱するまで護り切ると己を信ずるならば――足掻いて足掻いて、それを現実にしてみせよう。 比翼子に群がる一般人に息を吐き、アメジストは凛と前を見据えた。 「さぁ、悪足掻きを始めよう」 「守れるだけ、守ってみせよう! 逃げろ!」 リーツェの放つ光は、目を焼く光とは違う。優しく周囲に降り注ぎ、刺し貫く光に乱された視界を和らげて行く。 逃げろ、と一般人にも言いたかった。だが、どうにも――彼らには話が通じない様子だ。 比翼子の言葉に反応したのは、それが神秘を秘めたものだったから。 守りたい、と願っても、現状彼らは障害物でしかない。 だから、彼が今できるのは――動けない者を癒し、守る事。 絡んだ来たのは、プロアデプトの放った気糸。だが、それはこの場で最も誤った選択であっただろう。 絶対者、ほぼ全ての不利を受け付けぬ『0』氏名 姓(BNE002967)は事も無げに振り解き、未だ迷った様子の新人へと声をかけた。 「敵の駒に情けをかけて死ぬより、自分の命を優先して。回復しても君らは撤退」 「でも……」 「奴らは戦争の価値観で戦ってる。一般人を助けても、私達が死ねばこっちの負けなんだよ」 死んでしまえば、それで終わり。戦う人員が減れば、それだけ被害は拡大する。 「もし護るなら、この場で一番失いたくない人を護って」 例え冷たく聞こえようとも、優先順位は誤ってはいけない。でなければ、先のプロアデプトの一撃の様に――効果もないまま、無駄な手ばかりを打ちかねない。 『鋼脚のマスケティア』ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)は、そこまではっきりと割り切れている訳ではない。それでも、表向きは『そうでなくてはならない』のだ。 弱みを見せれば喰い付かれる。そこに慈悲など存在しない、効率重視の冷徹には冷徹を。はじけた閃光弾を振り切ったエーミールの前で、彼女はコートを翻し、マグナムリボルバーマスケットを構えた。 「方舟は、全ての命を収容はできないのよ」 「――『正しい人』のみの救済か。成程、結構。我々も『君たちと同じ』だからね」 砕けたエーミールの口調は、どこまでが素でどこからが煽りなのか。 フィクサード、それも極端な差別主義の彼は、ミュゼーヌに向かってにやりと笑う。 「叶うならば退いてくれるかな、Fraeulein.前に立つだけで弾を食い止めることができるなんて、『まさかアンタは』思っちゃいまい?」 小型の榴弾砲にも似た武器から、蜂の巣の如く周囲を穿つ弾丸が放たれた。 知っている。そんな事は知っているのだ。けれど。 荒れ狂う銃弾の中、『折れぬ剣《デュランダル》』楠神 風斗(BNE001434)は、悟られぬようほんの少しだけ唇を噛んだ。 名声は行動の積み重ね。それが仲間の内ともなれば、『どういった信念の持ち主か』などは大なり小なり知れている。風斗を見た、純やその仲間の目に浮かんだ安堵に、『叶う限り、犠牲を少なく収めてくれるだろう』という願望が含まれていた事に気付けぬ程には彼は疎くない。いや。心の機微に疎くとも、それは同種の望みだからこそ、聡いのか。 「――死なせるものか」 幻想纏いに囁いたのは、彼らの望む言葉で、風斗の望み。 聞こえた言葉に、救われた彼らは目配せをして――仲間を抱えると、離脱の体勢を整えた。 ● 深夜には相応しくない音が、仮初の平安を持つ地では相応しくない音が鳴り響く。 銃声、爆発音、稼動音、悲鳴、呻き。 「そう簡単に、此処を退く訳にはいかないんですよ!」 ベンヤミンの一撃で体力を大きく削られながら、その身をエーミールの前に移した亘はそう牙を剥く。時を重ねた過去の亡霊。それと打ち合う為には、自らの翼を染める覚悟も必要だ。 振り向いて慮って、それで全てを無駄にするくらいならば前を向き続けよう。 「やれやれ、羽持ちだってのにしぶといね」 運命を燃やし立ち続ける亘に肩を竦めたエーミールの前方で、風斗と姓が後ろに飛ばされる。 範囲を捉えるチェーンソー、亘が先程受けた刃。 それは姓の肉をも切り裂いて、血が流れるのを止めさせない。ぱりぱりと、風斗の体に、剣に、チェーンソーと同じ青白い雷が這っている。それはささやかであれ――彼の体力を削り、動きを阻害した。大振りな一撃でありながら、それは確実に彼らの『弱いところ』を狙って来る。 リーツェが呼ぶ光も、彼自身が動きを止められれば叶わない。 何より庇い手は、一般兵の攻撃を最も執拗に受けたのだ。 「っ、まだだ……!」 既に一度運命を消費した彼は、ゆきと純の癒しを得て立ち続ける。大物と一般人の抑えはあれど、逆に一般兵はほぼノーマーク。人数比からしても、ベンヤミンやエーミールを一人で抑えれば突破の危険性も高かった事からしてもそれは全く以って不可避の事象であり、天秤に掛けて仕方のない事。 とは言え、攻撃自体が軽い訳でもなく……連携の取れた兵士は、行動を阻害されない限りは『狙える所から』狙っていく。その真っ先が、リーツェと五月であった。 「不運なうさぎさん方が、怯える事のありませんよう――もう少し、お耐えになって」 ゆきの癒しの歌が響く。五月がこくりと頷いて、透き通る刃に闘志を込めて、プロアデプトを薙ぎ払う。 「全力で抗うのは得意分野。任せてくれ」 重ねたのは、時間にすればほんの短い時間だっただろう。先に判断を下したのは、風向きに聡い猟犬だ。 風斗の放った真空の刃が、黒い制服の背を芯から捉えた。吹き飛ぶ仲間の血を気にした風もなく、エーミールが軽く放つ。 「ベンヤミン曹長。二名落ちました」 「そう。誇れる成果ではないけれど、此処で張る意地はないわ」 一気にベンヤミンが後ろに退く。エーミールが異国の言葉で何かを叫ぶ。 駆けて来たのは、自爆を警戒し後回しにしていたノーフェイスだ。 退く姿勢を見せたレイザータクトに、比翼子が狙いを定めた。 「あたしからは一言だけ」 距離をつめて、薄刃を振り上げ幻影と共に切り刻む。 「さっさと死にやがれよ」 目が合う。侮蔑と屈辱。互いに理解出来ないものだ。 それでも命令には忠実に、退こうとする彼の頭をミュゼーヌの弾丸が貫いた。 「時代遅れの鉄屑を引き摺って、無様に帰りなさいな」 応えはない。次に行う事など分かっている。リベリスタとベンヤミン、エーミールの間を遮るように――そして一般人の只中で、行われる自爆。 不完全であった。煙幕の、目晦ましの意味が強ければ、全てを巻き込んだ訳ではなかった。 呻く人々の多くはまだ息がある。それでも。消えぬ土煙の中、風斗は思い切り顔を顰めた。 「『無駄な事』ご苦労様」 既に気配の消えたその奥へ――姓が声を掛ける。 仲間は、誰一人も欠けなかった。 「……さあ」 ゆきが、笑う。 「皆様、お待ちですわ。……帰りましょう?」 そして足音は、猟犬の狩場から遠ざかる。 ● 「ブレーメ曹長への報告、如何致します?」 「一般人を使うなら、単に束にしても無意味。屍を積み重ねて盾にするのも悪くはないかも知れないけど――いいわ、詳細は私が伝えるから」 「了解です」 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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