● 「えぇい、何をしておる! 奴らの脚を止めぬか!」 小太りの中年男性は部下達を怒鳴りつける。その手の中には中に少女の浮かぶ小さな宝石が握られていた。 男の名前は金山金蔵(かなやま・きんぞう)。こう見えてもフィクサードの端くれである。本人の戦闘力は低いものの、主流七派の1つである『恐山』とのコネクションを有し、また金の力も巧みに利用して権力を築いてきた。 しかし、それも今日までのことだ。 金山が裏で扱っていた『商品』を奪還するため、アークは武力介入を決定し、リベリスタ達はフィクサードと戦った。 そして、アジト地下の隠し通路から逃げようとするフィクサード達を追いつめるに至った。 「奴らを倒せ! 何としてでも、わたしを護るんだ!」 「アォォォォォォォォォォン!」 金山が醜く顔を歪めて部下に指示を飛ばす。それに呼応して、彼の切り札である護衛用エリューションが雄叫びを上げる。 それなりに手強そうな相手であるが、十分に勝てる相手。リベリスタ達がそう判断した、正にそのタイミングだった。 「情報通りだな。カミカゼしか知らん野犬の集団かと思えば、あのアカサカという男はそれなりに信用できる。武闘派集団を名乗るだけのことはあるか」 戦場に氷点下の声が響く。 それと同時に、軍服姿の男女が続々と戦場に姿を現わした。 「な、なんだ、貴様らは!?」 「親衛隊……!」 敵の増援が来たのかと恐怖の声を上げる金山。 気付いたリベリスタがうめき声を上げる。こういう状況だからこそ来る連中であり、こういう状況だから来て欲しくなかった連中だ。 そして、軍服姿を率いる鷹の目を持ったドイツ人――フェヒター少尉は淡々と答えた。 「我々は卿の味方だ。我々もアークを倒すのに協力しよう」 「な、なんだか分からんが……何だって良い! こいつらを倒してくれるならな!」 フェヒターの言葉に従って金山はエリューションを嗾ける。少なくとも先ほどまでの状況が最悪だったのだ。あれ以上悪くなることはあるまいとのこと。 そして、その判断はリベリスタ達にとっては最悪の展開だ。自分達が入って来た退路は親衛隊に封鎖され、目標は健在。 それでも、リベリスタ達は生きることを諦めない。 それがリベリスタ達に与えられた最大の自由だからだ。 ● リベリスタ達は『恐山』派の所有していた人を宝石に変える破界器『グリード・ジェム』の被害者を救出する作戦についていた。『恐山』は破界器を用いて少女を宝石に変え、好事家に売りさばいていたのである。 しかし、リベリスタ達は『グリード・ジェム』を奪い、浚われた少女達は次第に解放されていった。ここで金山を倒して彼の所有する宝石を奪還できれば、全ての被害者を救うことは出来るはずだったのだ。 しかし、後一歩の所でフィクサード集団『親衛隊』が介入を仕掛けてきた。 『親衛隊』とは『厳かな歪夜十三使徒』の1人である『鉄十字猟犬』リヒャルト・ユルゲン・アウフシュナイター率いるフィクサード集団の通称だ。戦闘力、その組織力という面では極めて危険な集団であると言われている。そして、ここ最近ではアークに対してしばしば戦闘行為を行っている。 アジトの隠し通路にある下水道へと繋がる空間で、彼らはやって来た。この最悪のタイミングを選べたのは、噂通り七派による情報支援の賜物だろう。 状況はまさしく前門の虎、後門の猟犬。 それでも、退路は前にしかない。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:KSK | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2013年06月15日(土)22:47 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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● 「あの男……この間の? こんな所に、このタイミングで現れるなんて……」 つい先ほどまでエリューションに注視していた『蒼銀』リセリア・フォルン(BNE002511)はやって来た親衛隊のリーダーを見て、目を細める。 間違いない。 先日のリベリスタ救出任務の際にいた男だ。 (七派と裏で繋がっているのは間違い無い、か……厄介な事ですね) ギリッと舌を噛み締めるリセリア。アーク内部でも実しやかに囁かれていた噂だ。ここまでくれば、疑うべくも無かろう。 そして、そんな彼女の心情を読み取ったのかのように、リベリスタ達を間に挟んだ状態で、親衛隊と金山一味はこの場限りの同盟を成立させる。そもそもアークのリベリスタを倒したいという点において、彼らの利害は一致しているのだ。 「よろしい。ならば、我々の同盟は成立だ。攻撃を開始するぞ、フォイア!」 「ヤー!」 各々武器を構えて、一斉に襲い来る猟犬達。 しかし、リベリスタ達とてこの状況を漫然と眺めていた訳ではない。 何をした所で、フィクサード達が手を組むのを防ぐことなど出来ようはずはないのだ。だからその間に決めていた。 この場を切り抜けるためにどう戦うかを。 そして、覚悟を。 「よし、みんな。準備は良いな?」 「あぁ、任せろ。戦争狂の職業軍人め。最大級の警戒と軽蔑で駆逐してやる」 『てるてる坊主』焦燥院・”Buddha”・フツ(BNE001054)の言葉に『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439)が頷き返す。親衛隊が動きを見せてから、彼らは何度かこうした状況に放り込まれていた。 アークの中でも世界に名が知れ始めている2人は、しばしば戦いの中に身を置いている。そうすれば、任務遂行中のリベリスタを狙う親衛隊と鉢合わせる可能性が高いのも道理。そして、その戦いの中をタフに生き延びてきたのだ。であれば、今回だって出し抜けない道理はない。 その時、親衛隊のリーダー、フェヒターがほうっと唸る。 どうやら、以前に交戦したリベリスタがいることに、向こうも気付いたようだ。 「これは俺も運が良い。これ程早く再戦の機会に恵まれるとはな」 「フェヒター再び、ってか。でも今回は前と違ってドンパチやってる余裕無いのよね」 フェヒターの言葉に答えると、『狂奔する黒き風車は標となりて』フランシスカ・バーナード・ヘリックス(BNE003537)は黒い翼をはためかせて宙に浮かぶ。以前の交戦で相手の顔も戦闘力も知っている。互いに時間があるならさておき、時間も余裕も無いこのタイミングで戦いたい相手ではない。 「そちらに無くとも、こちらにはある。そのために来たのだ。卿らを狩るためにな!」 フェヒターは背中の大剣を抜き放つ。そして、いざ攻撃に移ろうとした時だった。 チューン 銃声が走り、フェヒターの足元に弾痕が出来る。 『蒼き祈りの魔弾』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)が牽制がてら放ったものだ。 「また会いましたね、悪しき十字の徒よ」 「卿もいるとはな。悪しき十字とは相変わらず、言ってくれる」 「当時の宗教事情」を知るフェヒターにしてみれば、リリの強固な信仰は理解し難いものとして映っているのだろう。だからこそ、彼はその言葉を受け入れようとせず、むしろ憐れむような目を向けてくる。 しかし、そのようなことでリリの信仰が揺らぐことは無い。 「正義を変える等と言う寝ぼけた事を言うのも、止めてはいないようですね。ですが、天上に居られる晩軍の主は常に、いつの時代も絶対です」 それを信じているからこそ、リリの『お祈り』は続けられる。 常に彼女の胸の中には、教えと十字があるのだ。 「フン」 鼻で笑うと改めて攻撃の姿勢に入るフェヒター。 その極めて高い攻撃力で、着実にリベリスタ側の支援役を潰すつもりに相違無い。 (お父様、お母様。どうかわたしたちと、囚われのお姫様方を護って……) 『blanche』浅雛・淑子(BNE004204)は得物の柄を強く握りしめ、今は亡き父母に祈る。 作戦の開始前にも祈った。 だが、改めて祈る。 これから起きる戦いを生き抜く勇気を分けてもらうために。 「再会の挨拶は済んだかな? あんまし長々話してると、あのおじさんも暇しちゃうだろうしね!」 そんな中、いつも通りに緊張を感じさせない声で、『SHOGO』靖邦・Z・翔護(BNE003820)はおどけてみせる。しかし、その瞳は珍しいことに、油断を感じさせない鋭いものだ。 その視線の先では、小太りの男が部下達にがなり立てている。 「いいか! 奴らを倒せば、上に残した金を取り戻せるんだ! 何としてでも奴らを倒せ!」 そもそもの事の起こりであり、状況から忘れ去られていたフィクサード、金山だ。こんな状況でも自分の財産のことだけを考えられるのはいっそある種の才能か。 SHOGOがそんな中年男の方を指差すと、ついリベリスタ達は噴き出してしまう。 緊張がほんのわずかだけ緩んだ。 「ミーノちゃん、行こう」 「アリステアちゃん、がんばろーねっ!」 互いを背中合わせにして、『尽きせぬ想い』アリステア・ショーゼット(BNE000313)と『わんだふるさぽーたー!』テテロ・ミーノ(BNE000011)は互いの視線の先にいる敵の姿を睨みつける。 仲間達は先ほどまでフィクサード達と交戦していたせいで負傷が残っている。 疲労だって無視できるほど軽くない。 正直、この場にいる敵を数えてみれば、質も量もあちらの方が上だろう。 だけど、それがどうした。 「わたしは皆で一緒に帰るために、できることをするだけ……」 少女達の祈りに応じて、癒しの息吹が戦場を満たし、翼が天を舞う。 そして、戦いは始まった。 ● リベリスタ達の多くは、金山の側に攻撃を仕掛けた。この状況ではたしかに、金山一派の方が戦闘力には劣る。また、リベリスタ達の目的はあくまでも親衛隊の排除では無く、金山が所有する「宝石」――破界器事件の被害者となった少女達の救出にあったからだ。 それを見失わない点において、リベリスタ達の行動は冷静である。 しかし、愚かなことだ。 フェヒターの副官ロッテは、口元をわずかに吊り上げて嗤う。 結果として、リベリスタ達は後ろががら空き。そこへ親衛隊が攻撃を仕掛ければ終わりだ。 「アークの中でも精鋭がいる可能性が高い」との情報を受けていたが、とんだ見込み違い。いや、如何に戦闘力だけは持っているとは言え、所詮劣等民族だったということか。 そう決めつけ、ロッテが攻撃を行うべく魔道書を開いた正にその時、耳に飛び込んでくる言葉があった。 「猟犬ね、とんだ負け犬がいたもんだ」 言葉が聞えた瞬間、親衛隊のフィクサード達は、眦を吊り上げて1人の男に向かっていく。 その男の名前は新田快。 アーク最「硬」峰のクロスイージスだ。 「なるほど、足りない手数は耐えて補うということか……やるな!」 「うるさいね、Falke……いや、Geierの間違いじゃないのか? 死肉漁りのハゲタカ」 フェヒターの攻撃を快は足を踏ん張り耐える。それでもさすがに重たい一撃だ。 しかし、元より耐えるだけで勝てる相手だなどとは思っていない。 それでも、 「私達をそう簡単に抜けるとは、思わない事です」 言の葉に乗り、リセリアが華麗に空を舞う。 すると、彼女の身体は空洞の中を縦横無尽に飛び回り、相手の回復役をしたたかに斬り付けた。 攻めるだけでは潰される。 護るだけで防げる相手でもない。 だから、糸のように細い線上をリセリアは駆け抜ける。拍手も喝采も無いダンス、失敗すれば死あるのみ。 「卿か。同じアーリア人でありながら、あくまでも我らに協力するつもりが無いのなら……切り捨てる!」 それでも、命懸けのダンスを止めはしない。 仲間のためにも、そして、祖国を護るために戦った戦士達のためにも。 「貴方達を不要と切り捨てた世界なのは確かです……そんなに認められませんか。かつて貴方達が護ったものの、今の在り様が!」 「認められるか……我々は護ることが叶わなかったのだからなぁ!」 ● 快とリセリアが決死の戦いに挑んでいる間、金山一派と相対するリベリスタ達もまた、必死の戦いを強いられていた。少なくとも、金山の切り札として用意されていたエリューションは雑魚ではない。あわよくばリベリスタ達を撃退したいというのがフィクサード側の願いなのだろうし、あながちそれも不可能ではない程度の戦闘力を秘めていた。 しかし、それを嘆いた所で逃げ場がない現実に変わりはない。 だからこそ、リベリスタ達は運命の檻を打ち砕くために戦う。 「ほらほら、かかってきなさいよ!」 炎をまとって暴れるエリューションの攻撃を躱し、フランシスカは中空へと舞う。 そして、相手との距離を作った所で、力一杯巨鉈を振り下ろした。 すると、現れた暗黒の顎が敵を噛み砕いていく。 「相変わらず大したものだ」 「はっ、お世辞くれる位なら、この場は放っておいて欲しいね!」 フェヒターの言葉を笑い飛ばすと、一層勢いを増してフランシスカはフィクサード達の間を駆け巡る。 金で出来た結び付きとは言え、敵方の防御は固く、そう簡単に抜かしてはくれない。 しかし、だからといって悠長に構えている暇などありはしない。今、自分たちの後では、まさに文字通りその身を削って、自分達を守ってくれている仲間がいるのだ。 「それじゃ、この場はお姉ちゃんに任せてもらおうかな」 『月奏』ルナ・グランツ(BNE004339)はこのような苦境にあって、悪戯っぽい笑みを浮かべた。齢80を数える「少女」は、こんな時だからこそ笑うことの大事さを知っている。 「ディアナ!」 ルナが相棒の名を呼ぶ。 すると、現れた光は炎へと変じ、戦場を焼き尽くしていく。 それはエリューションの撒き散らす獄炎と相まって、戦場を過激に彩る。 フツがエリューションの動きを縛れば、淑子が斧で畳み掛けるように激しい一打を見舞う。 リベリスタもフィクサードも無数の弾丸を交わし合う。 フランシスカは自らの生命力を代償に、激しくエリューションたちを傷つけた。 親衛隊と戦う2人は自分達が傷つくことも厭わず、氷の刃でフィクサー度たちの足を止めた。 そんな中で、リベリスタ達が戦えたのは、尽きせぬ想いを胸に、仲間を支える少女の力があったからに相違ない。 「待ってて、取り返してちゃんと解放するからね。もうちょっと我慢してね?」 醜い中年男の手の中で語る言葉すら奪われた少女たちに優しく語りかけると、アリステアは仲間達へと癒しの息吹を届ける。囚われの少女たちは、まだ「手遅れ」にはなっていない。だったら、救うためには何処までだって力を出すことは出来る。 相手はタフネスにおいても勝っている。だから、自分達がその分を補うのだ。 そして、その声に力を与えられ、リリは二丁の拳銃で敵の殲滅を狙う。横には同じ射手であるSHOGOもいた。 「わかるかいリリちゃん。オレ達今、かなり面白いポーズになってる」 たしかにSHOGOの言う通りだ。 戦場にいる全ての敵を狙い打つため、かなり無茶のある動きをしていた。 でも、この程度の無茶で済むのならどうということはない。彼の言葉に微笑を浮かべて答えると、リリは引き金を引く。 「抜けられますか、躱せますか、この神の魔弾を」 全ての正しきを護るため、一切の悪を滅ぼすため、リリの放った弾丸はフィクサード達を焼き尽くす。 「えぇい! 役立たずめが! こんな所にいられるか!」 目の前のクロスイージスが倒れたのを見て、金山は悲鳴を上げて、この場を逃げ去ろうとする。そもそもからして、戦いの行く末を見定める目を持つような男ではないのだ。事、ここに至ってようやく事態の急を理解したらしい。 「ま、そうはいかねぇんだけどな」 しかし、それは明らかに手遅れだった。並のリベリスタならいざ知らず、相手はBoZのボーカルにして国内有数のインヤンマスター、焦燥院フツなのであるからして。 「そう簡単に逃げられるたぁ思わない方がいいぜ?」 フツの呪印ががっちりと金山を抑えこむ。 辣腕のフィクサードですら恐れる呪印、明らかに実力の劣る彼が逃げられるはずもなく。 「女の子を拐かして宝石に閉じ込めるだなんて、まるで悪い魔法使い。悪趣味極まるわ」 たおやかな佇まいへ静かな怒りを秘め、「良き魔法使い」である淑子は一気に距離を詰める。 手に握る大戦斧は「魔法使いの杖」と言うにはやや物騒に過ぎるが、やることは変わらない。悪を降し、囚われた姫を救い出すのだ。 「ま、待てぇ。金ならいくらでも払う! いくらだ、いくらで頼まれた。その金の倍……いや、3倍は出すぞ!」 「聞く耳、持ちません!」 空を翔ける「魔法使い」の杖が振り下ろされると、金山は潰れるような声を出して動かなくなる。 そして、仲間達に呼びかける。 「急いで女の子たちを……!」 しかしその時、淑子は目にする。 絶望を引き連れてやって来る、鋼の鷹の姿を。 ● 「まだま…だ、ここから先へは……」 快を包むラグナロクの光が薄れていく。強靭なサイバーアダムの肉体だからこそ耐えられたとは言え、親衛隊の集中砲火もまた苛烈であった。 「言ったはずです……そう簡単に抜けるとは、思わないで、下さい」 リセリアは魂の炎を燃やして、必死に立ち上がる。同じ国に生まれたものとして、彼の前で倒れる訳にはいかない。 しかし、状況は確実に詰みを示していた。 親衛隊・金山一派、傷つきながらも戦力は健在。親衛隊の囲みを突破するには、エリューションの火力は明白に邪魔をする。 そして、フェヒターは鬼札を抜く。容易な範囲攻撃を可能とする破界器だ。命中精度にやや難は残るも、威力は保証済み、今のリベリスタを一掃するのなら十分な代物。 「抜く気ですか? そう簡単に行くとは思わないで下さい」 この絶望的状況にあって、リリはフェヒターを睨みつける。同じ射手同士だ。負けてやる訳にはいかない。珍しく、その瞳に熱いものが宿っている。 親衛隊の者達は悟る。こいつらなら自ら死すとも、相打ちでもう数人、フィクサードを道連れにしかねない。 わずかに時が止まる。 その緊張を打ち砕いたのは、 「キャッシュからの……」 SHOGOが見せるいつものポーズだ。 「パニッシュ☆」 表を向けられた彼の中には、少女を囚えた宝石。 右手に2、左手に1。 正しく握られている。 「今週のSHOGO占い! こっちに逃げ道確認したよ! おっさんの部下を叩きのめせば、逃げられそうだ!」 そう、SHOGOは戦いが始まった時からずっと探っていた。 ここは金山の逃走経路。たしかに、扉は隠され、しかも固く閉ざされていた。それでも、親衛隊を打ち砕いて進むよりははるかに楽だ。フィクサード達がここをすぐさま使わなかったのは、鍵で開けるには時間がかかるのと……捨てきれない欲望のためだったのだろう。 「まだ続けるお心算?」 「お前たちにはもう用がない。攻撃されたら反撃するが、逃げたきゃ好きにしろ」 リベリスタ達の行動は迅速だった。 淑子とフツが残った金山の護衛にひと睨みを利かすと、すぐさまエリューションへの集中攻撃を開始した。 少なくとも、ナイトクリーク達の戦意は尽きている。 「させるものかよ!」 フェヒターがマシンピストルの引き金を引くと、リベリスタ達を無数の弾丸が襲う。 しかしそんなものは、希望を見出したリベリスタ達にとって見れば、足止めにもならない。 「悪いけど遣り合うのはまたの機会、今回はさっさと目的果たして退かせて貰うさ」 傷ついた翼を広げて、フランシスカはフェヒターに手を振ると、猛然とエリューションに殴りかかる。 リベリスタ達は燃える世界の中に飛び込んでいく。 その道は辛く険しく、彼らの身を苛むだろう。 それでも、リベリスタ達は知っていた。 この困難な道の果てには、必ず希望の青空が広がっていることを。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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