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ガンマ線バースト!

●ガンマ線バースト
 地球は、限りなくギリギリの上で成り立っているのである。
 吐き気を催す程に広大なる宇宙は、毎秒単位で超現象が繰り返されている。
 とかくガンマ線バースト。という現象は、超大質量の恒星が一生を終える時に極超新星となって爆ぜた時、ブラックホールが形成され、強大なエネルギーがブラックホールより飛び出す事によって生じる現象である。ただの一撃。たった一回のバーストが、地球に降り注いだ場合、それは地球にとって滅亡を意味している。
 オゾン層の破壊によって、太陽からの紫外線が地上や海・湖沼の表面近くに生息する生命の大半を死滅させ、食物連鎖が破壊されるのである!



●「空から変なメカが降ってくるので倒せ」と粋狂堂は言った
「こんな顔をしている」

 ∩<|´w`|>∩ <ですぞ

 『参考人』粋狂堂 デス子(nBNE000240)がモニターを操作すると、物体Xが映しだされた。
 広い原っぱ。
 ミステリー・サークルの如く円環の文様を作りながら、その物体はUFOのようにジグザグ飛行をしていた。
 物体Xは、10mほどの巨大な顔である。顔の左右には回転ランプの様なものが光って浮く。
「宇宙のアレな何かでできているらしい。『宇宙エレメントγ』と識別名をつけることにした」
 リベリスタが問う。
「アレな何かってなんだ?」
「……」
 沈黙で返される。デス子自身、実際、真面目によくわからないらしい。
 デス子のいつもの無表情に、やや汗が浮いているのが見えた。
「奴は、毛穴からビームを放ってくる。そこまではいい。良くはないだろうが」
 頭痛に耐えるかのように、額に掌を当てたデス子は溜息の後に。
「ガンマ線バースト(仮称)という音波に当てられると――その、なんだ。『ホモホモしてしまう』らしい」
 沈黙がブリーフィングルームを支配する。
 滴る汗が玉となって落ちる音さえ判別できるほどに、そこは静寂が支配した。
「と、ところで、名古屋に似――」
 沈黙に耐えかねたリベリスタの一人が声を発する。
「それ以上言うな、わかってる。わかっているんだ」
 デス子は声を絞り出すように、しかし声に余力がなくなっていく。
「敵は空を飛ぶ。しかし『本物さん御用達の本』を原っぱに置いておくと着陸してくる。また、火力は低いが、防御力と耐久力がかなりある。物凄く硬い。リアルでホモホモしている者がいると防御力は大幅に下がる。――つまり『そういう事だ』」
 どういうことだ!
「――宜しく頼んだ!」
 デス子は、『本物さん御用達の本』を置いて突如ダッシュで部屋を離脱した。
 後には8人のリベリスタが残されるのみである。



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:Celloskii  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2013年06月16日(日)23:26
 Celloskiiです。
 なんと言いますか。お気軽にどうぞ。
 大体、某STのせい。

●成功条件
 ・『宇宙エレメントγ』を倒す
 ・セイセイセイッ!

●状況
 時間は昼。天気です。
 地形は、開けた原っぱです。
 『本物さん御用達の本』を置いておくと、やってきます。

●エネミーデータ
E・エレメント『宇宙エレメントγ』
 ∩<|´w`|>∩
 よくわからない宇宙(そら)からのXです。
 10mほどの巨大な顔。全体的に金属質です。
 超高い耐久力と、物神共に超防御力を持ちますが、部位狙いで特定の場所を狙うと大きくダメージが通ります。
 また、ホモホモしている人が視界内にいると全身柔らかくなります。マジで。

  A:
   宇宙からの物体γ   物遠範  [混乱]あんまり痛くありません。
   毛穴からビーム    神遠貫  [混乱]あんまり痛くありません。
   ガンマ線バースト   神遠2全  男性限定。近くの男性にホモホモしたくなります。
                        ブレイクフィアー等での解除はできますが
                        むしろ、『正気のまま事に及んで』良いんですかね?

  P:
   ぎんがをまたにかける我
    ホモホモしている1組がいると、物神共に防御力0になり、物神の攻撃力が+100されます。
    2組、3組になる度に更に物神防御力が-200ずつ補正を受けます。攻撃力も+100ずつ増えていきます。

参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
スターサジタリー
マリル・フロート(BNE001309)
ナイトクリーク
★MVP
朧深 黎明(BNE001356)
マグメイガス
セッツァー・D・ハリーハウゼン(BNE002276)
デュランダル
羽柴 壱也(BNE002639)
マグメイガス
セレア・アレイン(BNE003170)
クリミナルスタア
ジルベルト・ディ・ヴィスコンティ(BNE003227)
ソードミラージュ
佐倉 吹雪(BNE003319)
覇界闘士
小金井 春(BNE004510)

●濡れた薄い本
 雨天の多いこの時期は、原っぱの緑にしずくが垂れている。
 ぬくもった土の香りが足元から漂い来て、柔らかい感触が靴を伝う。
 見事なあじさいの紫は、やや妖しく。嗚呼、何とも風情ある、六月である。

「また妙なエリューションが出てきたもんだな」
 『(自称)愛と自由の探求者』佐倉 吹雪(BNE003319)は、風流を胸いっぱいに深呼吸しながら、嘆息混じりに誰へともなく、バリトンで独り言つ。
 誰かといちゃついてみたりした方がいいのかね? と、顎に手をやってふふんと微笑む視線の先。∩<|´w`|>∩が、豆粒の様に空を漂っていた。
 『ぴゅあで可憐』マリル・フロート(BNE001309)も、∩<|´w`|>∩を見据えながら、『ねこみみロボットが俺様博士にごほうしするような本』を握り締める。
「思春期真っ只中。お年頃なあたしがこの時期に出会ってはいけないもの。見てはいけないものな気もするのですぅ」
 今日の為にちょっぴりドキドキしながら買ったのだ。やるしかないと覚悟を決めて、ひょこひょこと本を原っぱに置く。
 続く様に『腐敗の王』羽柴 壱也 (BNE002639)も、配給された本物さん御用達の本だのではなく。
「腐の本物さんが書いたもの持ってきたよ!」
 右手で本を天高く掲げて、どーん! と原っぱに叩きつける。
「BLEにて好評発売中!」
 すかさずカメラを取り出して、チェックする。
 『┌(┌^o^)┐の同類』セレア・アレイン(BNE003170)も油断無く二冊の本を持ってきた。
 一冊目は――
『この世の平和と秩序を守る正義の組織「アルク」で、悪と戦う正義の少年やお兄さんが、敵からの混乱魔法を受けて、気がついたらアッー♂になっちゃってる、ややハードな内容です!』」
 おそらくフィクションである。おそらく。
 二冊目は――
「『マッチョな男性が仲睦まじくしてる本』! 男性ほもほもすべし、慈悲はない」
 ぱーんと、原っぱに置く。
 並んだ本は既に四冊である。最初からクライマックスと言えようか。
 見事なあじさいの紫は、やや妖しく。かたつむりの粘液もただ妖しい。自ずから来たりて自ずから去る。公平なる宇宙の意(こころ)である。
 掌(たなごころ)に顎を乗せたる『LUCKY TRIGGER』ジルベルト・ディ・ヴィスコンティ(BNE003227)の心は、来るもの拒まず、去るもの追わず。
「できれば美女がいいよなァ、そりゃ俺様も男の子ってモンですから」
 厄介な依頼に飛び込んじまったモンだと胸裏に走らせ。
「仕事だと思って心決めてよろしく頼むわ」
 準備運動とばかりに、掌の筋を「うーんっっ!!」と伸ばす。男子である。
「よし、宇宙からの侵略者をぶっ潰せばいいんだな? 腕が鳴るぜ! 純戦ってやつだよな?」
 拳(フィスト)と掌をぱちんと打ち据えて、『青碧の焔』小金井 春(BNE004510)は、やや現実逃避気味に、闘志を燃やす。
「ホモホモなんてしねーぞっ! 絶対にだ!」
 女性陣が原っぱに叩きつけたる本は、しっとりと水分を帯び始めている。ただ妖しい。見ないことにする。
「ガンマ線バーストになんて負けねぇ! 堅い装甲も撃ち貫く! 普通に戦って普通に勝てばいいんだよ! な、先輩達もそう思うだろ?」
 見れば、吹雪はスピードスターの超敏捷性のスペシャルギアで、セイッ! セイッ! と高速でラジオ体操をしている。ジルベルトは二刀流♂っぽい流し目で春を見る。
 オッス♂ オッス♂。
 『「Sir」の称号を持つ美声紳士』セッツァー・D・ハリーハウゼン(BNE002276)は、何とも解しかねていた。
「なにやらこれは違う意味で厄介な依頼なのかもしれないな……」
 なぜこうも身震いするのだろう。人手が足りないと聞いて飛び込んだは良いものの、男性陣と女性陣が妙なテンションである。
「なぜ準備運動が必要なのだろう。映像を取る? 男性陣のみ? よくわからないが……とりあえずは心得た」
 アーアー、こほんと、声楽家としてBGMを声(うた)わせてもらうと!
 BGMの準備も整った♂。
 『おにいちゃんといっしょ』朧深 黎明(BNE001356)は、『おにいちゃんが黎明ちゃん意外とらぶらぶしちゃったら黎明ちゃん悲しいからぶっころすだろうなぁ』とか思いながら、更にもう一冊ダメ押しする。
「ほも本、黎明ちゃんわざわざ買ってきたぞ。宇宙エレメントγはよこないかなぁ。黎明ちゃん23だから、R指定も買えるねばんじゃい!」
 ばんじゃいして叩きつけたるスゴイ本。これで五冊目である。
 とかく、支給品の『本物さん御用達の本』など児戯に等しいとばかりに、各々の欲望の凝り固まった精髄をかき集めたが如く、はらっぱに鎮座させた書は、しっとりとした梅雨の露を集めて、蓬莱の霊液で解いて、揮発して毛穴から染みこむかの如き空気を、自前で形成する。
 公平なる宇宙の心は、この空気に惹かれるかの如く、甘き髄をすする蜜蜂の様に往来する。

 ∩<|´w`|>∩<ですぞ!

 そいつは最初、豆粒の如く浮かんでいた、ゆらゆらと豆からビー玉へ。ビー玉からそら豆へ、一気にりんご位の大きさまで近づいて。あっという間にやってきた。
 嗚呼、『戦いは始まってすらいない』事に、気付かされた。



●宇宙を感じろ

 宇宙にまで広がる薔薇色!!
 男同士の秘めやかな情事!!
 それを主食とし繁栄する女子!!
 それを人はヤマトナデシコという

                      ――――『腐敗の王』羽柴 壱也

 濡れた薄い本は風情がある。趣がある。
 まるで、橋の下の放棄されたかの如く、小、中学生が、思春期に凝る時分に出会ってしまう追憶の一コマと言えようか。或いは隠れたる星印やモザイクを憎悪して、濡れた紙の上から鉛筆の先を擦って付け足そうと努力するも、濡れた紙には書きづらいと失意に溺れるかの如くに。とかく格別なる追憶の宇宙である。
 いとおかし。
「いとおかしじゃねぇ!」
 春は、幻聴を覚えて割と必死になった。
 女性陣の機材がうぃんうぃん動いて、ホモホモを収めようと迫り来る。
「なんでみんなノリノリなんだ!? みんな敵か? 敵なのか? まともなのは俺しかいないのか? それとも、俺がおかしいのか?」
 ∩<|´w`|>∩は、まだガンマ線バーストを撃っていない。
『ですぞ! ですぞ、ですぞ……(エコー)』
 いやさ、今、撃った。
「ま、仕事仕事。だから軽い気持ちで体任せてくれていいぜ。全部俺様の気の迷い、俺様のせいにしてくれて構わねェから」
 ジルベルトが二刀流♂的に春を攻める。
 マフィアのボスとして一々動揺する訳がないプライドと、実際、春がかわいく見えて来るから、ノープロブレムである。
「俺様が全部エスコートしてやるからサ」
 春の肩に手を回す。
「落ち着け、落ち着いてくれ!! 冷静になろう、話せばわかる」
 途端、ジルベルトから逃れようとした春の眼前に、大きな胸板が生じる。
 吹雪の逞しい胸筋であった。
「あら、やだ、逞しい体って……ちげーよ! オレにそんな趣味無いから」
 吹雪も春の肩に手をまわしながら、甘い声を紡ぐ。
「俺たちはやらなきゃならねぇんだ、名古屋……じゃなくて、あのE・エレメントを倒してこの世界の崩界を止めるためにも」
 吹雪のねっぷりしたバリトンに、ジルベルトも負けじと春の首筋に息がかかる距離へと顔を近づける。
「元々かわいいンだけどいつも以上にってやつか」
 ジルベルトが甘い声で春を誘惑する。吹雪も先じて。
「大丈夫だって、慣れてねぇなら俺がちゃんとリードしてやるし、すぐにこういうのもいいって思えるようになってくるさ」
 準備完了。
「顔を近づけないで! フワッ……吐息が首筋に掛かってる! ヤメロ! 触るな! 触らせるな!」
 ここで素晴らしい声が響き渡った。
「極上のオペラをお聞かせしよう ~~♪ ~~~♪」
 セッツァーの声楽による、BGMの追加である。
 声楽の鑑識が無くとも、重厚で、低音で、響き渡る声は極上の歌声であると直感出来る見事なBGMである。薔薇を朝露で彩るが如く、場に響き渡る。
 ベートーヴェンの運命の如くに最初から、抑制を利かさずに入ったそれは、場を妖しく高揚させる。まさしく宇宙と一体となるかのごとくに。
 心である。意(こころ)である。いとおかし。

「期待の新人ツンデレ少年小金井くんを取り合うフェロモン男子たち!
 佐倉さんのたくましい胸板で抱きしめられてしまうのかっ!
 ジルベルトさんの柔らかいエスコートに腰を取られてしまうのかっ!
 それともダンディーな紳士に骨抜きにされてしまうのかっ! 注目のダービーです」
 壱也が『んほぉぉぉぉ』と高揚して、悶えながらカメラを回す。
「更に、燃え上がれ!あたしの瞬間記憶! ほもほもな全てを脳裏に焼き付けます!」
 セレアも、ぱしゃぱしゃとフラッシュを煌めかせ、カメラに納めながらも、加えて瞬間記憶で逃さずに。
 腐の宇宙。
 公平なる宇宙の心である。
「こ……これが大人の世界! 本物はちがうのですぅ! いいのですぅ! もっとやれですぅ!」
 マリルが大人の階段を上ったり下ったりする。
「はっ! 男性の皆さんがホモホモしてる間にあたしたち女子が∩<|´w`|>∩をやっつけるですよぅ!」
 マリルがしれっと、翼の加護を付与して、壱也とセレアが良いアングルで撮影できるようにする。
「攻撃されても痛みはきっと快感に変わるですぅ!」
 ∩<|´w`|>∩は、∩<|//´w`//|>∩になって、男性陣の爛れた現場をガン見している。スキだらけだ。
「部位狙い? できるか! 当たんねえって言ってるでしょう!」
 黎明がブラックジャックでもって、∩<|//´w`//|>∩を叩く。手応えとしてはかなり柔らかい。
「というか野郎同士がいちゃらぶしてるから、黎明ちゃんみたいな可哀そうなおひとり様がうまれるんですよぅ! 見せつけやがって! しね!」
 怒りを込めてぺちる。効いてのか効いてないのか。
 ∩<|//´w`//|>∩を叩いていると、毛穴から変な汁が噴き出してきた。
『ですぞ~』
 毛穴からのびーむ! ほもほも中は攻撃力が上がると聞き及んでいただけに、それなりの被害がリベリスタを襲う。ようやく戦いらしくなってきた。
 春は、もみくちゃにされながら、必死で懇願する。
「女性の中にも一人くらい手を差し伸べて助けてくれる人が……助けて、誰でもいいから助けてください」
「これで夏●ミの新刊も万全です!」
 セレアはダメだった。
「薄いピンク色に染まってきた小金井くんの頬をそっと包み込む柔らかな手つき。かと思えば強引にワイルドに引き寄せられてしまう」
 壱也もダメだった。
「ん? したくないって? 仕方ねぇな、だったら全部俺がしてやるから、したくねぇならされてるだけでもいいぜ、天井のシミ……はねぇから、空の雲の数を数えてるうちの終わるからな」
 吹雪の腕に春は、絶望する。
 まるで生まれたての子鹿の様である。
「~~♪ ~~♪ ……何、BGMはいらない? ワタシも出演する、だと?」
 原っぱの草を動かすように、セッツァーの低い声が四方より響き、「アッー」に彩りを添えた。



●801
 戦闘は激化した。
 ∩<|//´w`//|>∩から、立て続けに変な汁が飛んで、天空から降り注ぎ、些か邪魔になってきた。
「適当にソニックエッジでも叩き込んでおくか。さ、続行だ」
 吹雪が放ちたる疾風の一撃が∩<|//´w`//|>∩の巨大な顔に亀裂を作る。傷口からまた変な汁が噴き出してくる。
「『∩』が弱点ですぅ?」
 マリルが銃でもって、澄ましたる狙いは、真っ直ぐに『∩』を貫く。砕け散る『∩』。 予備のカメラはマリルが持ってきている。壊されても大丈夫!
「一応、ブレイクイービルしときますよ」
 セレアの清々しいヲトメパワーを伴った破邪の光が降り注ぎ、元々混乱してんのかしてないのか、立ち直ったらしき壱也がカメラを三脚に置いて攻撃に回る。
「仕方ない、がんばった男子は庇ってあげよう。そのままホモホモを続けてくれたまえ」
 仕方なく『∩』を砕く。
 <|;w;|><いたいですぞ~
「かわいい顔しやがって!殴りづれえなちくしょう! ……なんて言うと思ったか!」
 ずぎゃんとブラックジャックでもって、顔面を凹ます。『セッツァーも加わり2組』。ホモホモが多いほどに防御力が低下するのだ。まるで薄い鉄板の如く容易くめり込む。
「非生産的なのにどうしてなの種として滅ぶだけなのにどうしてなの。黎明ちゃんわからない。黎明ちゃんは別におくされさまじゃないですし。黎明ちゃんぶん殴る係だし」
 よく見たらブラックコードを巻いて殴った拳に、変な汁がべったりついている。黎明はちょっとアンニュイな気分になった。
 戦闘は激化した。
「そんな目で見るのはやめるんだっ! ワタシにはそのような趣味は無い、無いのだよ……!」
 セッツァーも加わり、社会的フェイトは放り投げたかの如き有様が展開される。
「愛と自由の探求者さ」
 吹雪が二の腕に血管を浮かせ、セッツァーの衣類をあーしてこーして探求する。
「しかしワタシは声楽家としてプライドにかけても何があろうと、声(うた)いきってみせる…! みせるっ……せるっ……るっ……!」
 BGMが再び展開される。
 ジルベルトが春の手の甲にキスを落とし、腰を引き寄せる。
「俺様ンとこにこいよ。幸せから覚めないようにしてやンぜ」
 甘き露を、かつ甘くすすりたる蜜蜂の、そのこころは遠慮もなく吹き抜ける春風である。今は六月だ。
「仲間を信じていた時期が俺にもあった」
 春の視線は空へと抜けて。嗚呼、雲がふわふわ浮いている。

 かたつむりの粘液の如く、変な汁を撒き散らしたる<|´w`|>であったが、男性陣のンッ―!! な奮闘により、大きく防御力を喪失し、壱也と黎明の打撃が大きく通る。マリルの狙い撃ちが強力に弱点跡を貫く。セレアの破邪の光が混乱を抑制する。
「超必殺技『破滅のオランジュミスト』なのですぅ!」
 マリルがみかんの皮の汁を、奴に叩きつける。
「メタル的なボディに酸がじわっときくので――にゅ!?」
 マリルがえっへんと腰に手をあててふんぞり返ると、べちゃあああっと変な汁っぽいびーむが顔面にかかった。
 <|>w<|><しみますぞ~!
 汁を撒き散らす。撒き散らす。
「うっせーです758、額の数字を801に書き換えますよ!」
 セレアが黒き鎖を放出して、<|>w<|>を縛り付ける。動きが止まる。
「気合入りすぎて知らない間にジャガーノートかけてた」
 壱也は、混乱してたんだか、してないのか、その結論としてジャガーノートであった。つまり終始正気という事実である。はしばぶれどおおおおおおおおおおおおでもって、雷撃を伴った一刀をめり込ませる。
 黎明が変な汁に運命をくべるに至る。回復手が無き戦い。最早チキンレースの如きもの。
「使わねーと立ってられないんですよぅ! ただでさえひ弱で撃たれ弱いのにほもいると攻撃力あがるとか鬼か!」
 壱也がめりこませた後から、黒きオーラを放り鼻先に叩きつける。
「「「アッー!!」」」
 ここで、いよいよ事に及んだか。男性陣より悲鳴が上がる。最初からクライマックスではあったが。
 <|//´w`//|><ですぞぉ~
 黎明の一撃が齎したか、男性陣の悲鳴に満足したか。
 エリューション・エレメント『宇宙エレメントγ』は、ほっこりした顔つきで、汁を撒き散らしながら消滅した。



●ンッ――!!
「おっと、なんだ随分慣れた手付きで誘ってンなァ。俺様が春ばっか構うから拗ねたンか、可愛い所あるな」
 ジルベルトが吹雪の顎を持ち上げる。
「吹雪なら俺様とどうする? 楽しませてくれンの? それとも優しくしてほしいのかねェ。俺様はどっちでも大歓迎だぜ」
 未だノリノリであるジルベルトの肩を、セレアがぽんと叩く。
「終わったよ? 続けて良いけど! 良いけど!」
 セレアに同調して、壱也とマリルも。
「構わん。続けたまえ」
「大人の階段ですぅ(どきどき)」
 仕事、であると割り切っていたジルベルトは、途端に吹雪から手を離す。
「終わったか。はい、ごくろーサン。春が嫌がってるからカメラは回収な」
 視線の先。春はうなだれている。
「絶望した、この世界は間違ってる……」
 春はすっと立ち上がり。
「撮影機材の回収、破壊隠し持ってるものすべて破壊させてもらうぜ。後の世に残してはいけないものなんだ」
「「「らめえええ!」」」
 黄色い声。これを眺めて、黎明はべとべととアンニュイになりながら、湿気った五冊の本を見る。
「需要ないなら、ないないしよう」
 ここで吹雪は一息つく。
「ふぅ……」

 あじさいの花の紫に、梅雨の露が珠のように滴って。
 かたつむりが呑気に這う、六月の昼。
 なお、セッツァーは、依頼後もともと良い声に更に艶が出たという。



                                    ...∩<|´w`|>∩<ですぞ

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 Celloskiiです。
 ごちそうさまでした。