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ようこそSFの世界。或いは、異世界調査ロボ兵団。

●異世界調査団
 ディメンションホールから出てきたのは、巨大なロボット、としかいいようのない者たちだった。のっぺりとした外見。テレビでみる「二足歩行ロボット」に似ているかもしれない。駆動音を響かせ、地面に立つ。その数は全部で5体。それに加え、8つほどの全長1メートルほどの円盤状の飛行物体も。
 大きさ3メートルはあろうかというロボットが5体。どこからどう見てもUFOにしか見えない円盤が8つ。現れたのは、かつての鉱山であった。今でこそ、危険地帯として立ち入り禁止にされている鉱洞の、その入口付近だ。
『------』
『------------』
 理解できない言語でコミュニケーションを取りながら、ロボット達は鉱洞の入口にバリケードを作っていく。ものの一時間もする頃には、半球状の鉄の要塞が完成していた。洞の出入り口を封鎖する程度の大きさだが、見るからに堅固そうである。
 砦の前にロボットが2体。見張り番よろしく立っている。さらに、8つの円盤は砦から離れ周囲の探索に出かけていく。
 見張り番2体の片腕は、銃火器のように変化していた。恐らく、重火器以外の武装も装備していることだろう。時折戻ってくる円盤は、植物や土、鉱物や昆虫などを採集しているようだ。
 なにかしらの調査をしているのかもしれない。
 害をなすものなのか否かは判明しないが、しかし、このまま放置するわけにもいかないのである。

●SFの世界へようこそ
「彼らは機械であり、同時に生命体でもある。そういう存在。円盤に関しては、ほとんどUFOね……。彼らの目的はこの世界の調査。調査してどうするのか、それは分からない」
 と、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は言う。
 モニターに映っているのは、鉱山の入口に設けられた異物。鋼鉄の要塞。鉱山の周辺は、森林地帯と成っている。人里からは離れている為、誰かに見られると言う可能性は低いだろう。だがしかし、万が一山火事にでも発展した場合、大惨事になることも考えられる。消防車など、ここへ来るのに時間がかかるからだ。なるべくなら、あまり事を荒立てずに終わらせてしまいたいところ。
「円盤は(熱感知)に似た性能を持っているため、目視以外でこちらの居場所を把握できる。また、遠距離からのレーザー攻撃には注意。ロボット達がいなくなるか、機能停止してしまうと円盤は止まる」
 全部で8つ。上手く回避してロボットだけを追いかえす、討伐することができれば事は簡単だろうが、上手く行く可能性はさほど高くない。
 かといって、あまり円盤退治に時間をかけると、ロボ兵団に逃走される可能性や、応戦準備を整えられる可能性も高いのだ。すでに相手は、自分達の要塞を建築している。Dホールの破壊には、まず要塞を攻略する必要があるのである。
「ロボットたちは要塞の中に移動式の砲台を用意している。また、装備をいくつか切り替えながらのオールマイティな戦闘能力を有しているみたい」
 科学に力ってやつかしら、とイヴは感心したように溜め息を吐いた。言葉さえ通じれば、なにかしらの会話も可能かもしれないが、いかんせん相手は機械。こちらの言動を理解しているかすら怪しいものだ。
 そうでなくとも、機械というものは、命令された通りのことしかしないものである。
「なにはともあれ、まずは現場へ行ってから……ね。討伐、送還。任せるから。Dホールの破壊も忘れないようにね。それでは行ってらっしゃい」
 豊かな森林の中に突如現れた場違いな機械たち。
 それらに対処するために、リベリスタ達は現場へと向かう。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:病み月  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2013年05月24日(金)23:50
こんにちは、病み月です。
今回はロボットの兵隊たちとの戦闘になります。言葉は通じないので注意してください。
それでは、以下情報。

●場所
森林地帯を抜けた先にある開けた空間。そこにある鉱山出入り口に、ロボット達が小規模な砦を形成している。森林地帯から鉱山付近に円盤が8体。要塞外にロボットが2体。要塞内部にロボットが3体。
足場や視界などに問題はないが、鉱洞内にはガスが溜まっている可能性もあるため、火気の使用には注意が必要。

●敵
アザ―バイド(ロボット調査兵団)×5
人語は理解していないと思われる。ロボット同士なら、離れていてもコミュニケーションが可能。頑丈な体と、高い計算能力を備えている。大きさは3メートル程。
なにかを調べる為に派遣されたようだ。武装を切り替えながらの戦闘が得意。武装は、銃火器、チェーンソー、パイルバンカーの3種類。通常攻撃は射撃である。
動作はあまり素早くないが、攻撃は正確で無駄がないのが特徴。
【チェーンソー】→物近範[流血][致命]
腕をチェーンソーに変えて、薙ぎ払う用に切り裂く攻撃。
【パイルバンカー】→物遠貫[ブレイク][圧倒]
杭を弾丸のように撃ち出す攻撃。杭は盾や鈍器として使用することもある。
【ボルテックス砲】→神遠範[雷陣][麻痺][弱点]
移動式砲台による攻撃。高威力だが、移動式砲台は1つしかない。


アザ―バイド(円盤)×8
UFOに酷似した1メートルほどの円盤。飛行能力と、熱感知の能力を持つ。ロボット調査団に使役されているようだ。意思のようなものはない。命令通りの行動をするだけ。
素早い移動と、遠距離攻撃が特徴。円盤は刃のようになっているため、体当たりを慣行することもある。
【ショックレーザー】→神遠貫[ショック][呪い]
レーザーによる射撃攻撃。こちらの位置を正確に捉え、撃ってくる。


以上になります。
みなさんのご参加お待ちしています。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
クロスイージス
アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)
デュランダル
新城・拓真(BNE000644)
プロアデプト
逢坂 彩音(BNE000675)
クロスイージス
祭 義弘(BNE000763)
マグメイガス
シュスタイナ・ショーゼット(BNE001683)
ホーリーメイガス
雪待 辜月(BNE003382)
マグメイガス
シェリー・D・モーガン(BNE003862)
ナイトクリーク
浅葱 琥珀(BNE004276)

●異世界調査兵団
 森林地帯を抜けた先。かつては鉱山だったその場所は、今や閉鎖され立ち入り禁止の鉱洞入口が残るだけだった。ガスが溜まっているとかで、ここ数年は訪れるものもいない。そんな場所だった。
 けれど、その日。
 その場所に現れたアザ―バイドたちが、その場を占拠、砦を作って拠点とした。まるでロボットのような外見の彼らは、この世界を調査しに来たらしい。採取してきたサンプルを砦内へ持ち込んで、現在解析中のようだ。砦内に3体、砦の外に2体。加えて、8体の円盤を周辺の調査に出した。まるでUFOのようなそれは、この世界のものを採取する為に飛びまわる。
 そして、見つけた。都合8つの熱反応。それは、人間、と呼ばれる種類の生き物だった。

●機械の体を持つ者たち
 木々の間を縫うように飛ぶ数体の円盤。円を描くように旋回し、リベリスタ達へ襲い掛かる。
「異界の存在はそれだけで猛毒。残念ですが、お帰り願う」
 円盤よりもロボットの撃破を優先したいのだが、向こうから襲ってくるのだから仕方ない。『祈りに応じるもの』アラストール・ナイト・ロードオブライエン(BNE000024)が剣を一閃。円盤から撃ち出されたレーザーを受け流す。
「要塞に接近しないことには始まらんか……。視界が悪いな、気を付けてな」
 腕に装着したガンブレードから弾丸を撃ち出す『誰が為の力』新城・拓真(BNE000644)。円盤の接近を牽制する。一丸となって森林を駆け抜け、向かう先は鉱山の要塞だ。
「まぁなんだ。ロボは浪漫というけれど、速やかにお帰りいただくとしよう」
 木々の間を縫って矢が飛んだ。『黄昏の賢者』逢坂・彩音(BNE000675)の正確な一射が、円盤を貫く。空中では僅かなベクトルの変化が命取りだ。火花を散らしながら大きくよろけた円盤は、地面に落下し動かなくなった。
「うーん。相手が何をしたいのかよくわからない状態で戦うっていうのは気が引けるけど……」
 四色の魔光が空を駆ける。上空から迫る円盤を迎撃。円盤の放ったレーザーは『尽きせぬ祈り』シュスタイナ・ショーゼット(BNE001683)の肩を撃ち抜く。地面に転がるシュスタイナ。魔光に撃たれ、黒煙をあげる円盤が彼女へ迫る。
「ロボットにUFOなんて楽しいな。こういう任務があるから、リベリスタ業は面白い」
 シュスタイナを庇うように『刹那の刻』浅葱 琥珀(BNE004276)が彼女の前へ。その手に握られた道化師のカードを、円盤へ突き刺す。不吉なオーラが溢れだし、円盤を飲み込んだ。機能停止した円盤が地面に転がる。
「ロボット…、凄いです。人型ロボットと聞くと何だかわくわくしますね。敵にしちゃうと威圧感凄いですけど」
 向かってくる円盤へ向け、魔弾を放つ雪待 辜月(BNE003382)。円盤は魔弾を回避すると、辜月目がけレーザーを放った。間にあった木の幹を貫通し、レーザーは辜月へ迫る。
「妾には鉄の塊が動くなど不気味にしか見えんが……。破壊は可能だろう」
 辜月の頭上から声が降ってきた。見上げるとそこには、翼の加護で得た羽で空を舞う『破壊の魔女』シェリー・D・モーガン(BNE003862)の姿。魔力で作り出した銀の弾丸を撃ち出した。弾丸はレーザーを掠め、円盤へ。軌道を逸らされたレーザーは辜月の頬を掠め、背後の岩を貫いた。
 シェリーの放った銀弾が円盤を撃ち抜く。円盤が砕け地面に落ちた。
「さて……。敵はどこからかやって来たロボット軍団だ。さっさとお帰りいただこう」
 そう呟いたのは『侠気の盾』祭 義弘(BNE000763)だ。視線の先には、鉱山地帯と要塞がある。要塞の前に、ロボットが2体。いつの間にか、目的地のすぐ傍までやって来ていたらしい。
 義弘は、ロボットに気付かれぬよう要塞のサイドへと移動を開始した。

「正面から攻めるな。サイドから攻撃をしかけるぞ」
 先陣を切って駆け出す義弘。リベリスタ達の接近に気付いたロボット2体がこちらへ腕を向ける。腕が変形し大口径の銃口へ。弾幕が張られる。
 要塞内のロボットたちも、リベリスタの襲撃に気付いているだろう。言語によるコミュニケーションを必要としない彼らは、離れていても情報の共有など可能だ。
「未知の場所を機械が調査しに来るというのは理に叶っていると思いますが……」
 今後の面倒を未然に防ぐためにも、このまま放置というわけにはいかない。アラストールの剣が鮮烈に輝く。シェリーや辜月、シュスタイナが弾幕を相殺、土煙りが舞い散る中をアラストールが駆け抜けた。
 輝く剣による一撃がロボットを襲う。ガン、と硬質な音をたててよろけるロボット。追い打ちをかけるべく剣を閃かせるアラストールだが、その瞬間、嫌な気配を感じて咄嗟に背後へ飛び退った。次の瞬間、アラストール目がけ突き出されのはチェーンソーであった。高速回転する刃が、アラストールの肩を切り裂く。
 チェーンソーを突き出したのは、アラストールの一撃を受けたのとは別のロボットだ。しかし、そのおかげで弾幕は止んだ。
 その機に乗じて、仲間たちがロボットへ距離を詰める。
 だが……。
「言葉が通じぬ以上、多少強引に行くしかあるまい」
 ブレードを振りあげ、拓真が駆ける。ロボットへと距離を詰めた拓真の前に2体の円盤が割り込んできた。接近を諦め、拓真は地面を転がる。彼の頭上をレーザーが通り過ぎていく。地面に着弾し、小規模な爆発を起こすレーザー光線。舌打ちを零し、拓真は円盤へ銃口を向けた。射出される無数の弾丸。ハニーコムガトリング。蜂の群にも似た弾丸の嵐が、円盤を撃ち抜く。
 拓真が円盤に妨害されている頃、動揺に琥珀もまた円盤によって進路を塞がれていた。
「やっぱ油断はできねーな。きっちり倒してやるとするぜ」
 レーザーを回避し、後退する琥珀。高速で飛行しながら円盤は琥珀との距離を詰める。このまま刃のような円盤のボディで、琥珀を切り裂くつもりなのだろう。
 円盤の撃破よりロボットの撃破を優先したいところだが、追ってくるのでは仕方ない。円盤の動きを止めるべく、気糸を張り巡らせるが、ことごとく円盤に切り裂かれてしまった。
「前衛で、壁になるはずだったんだが」
 舌打ちを零し、琥珀は道化のカードを作り出した。

「前衛と重ならないよう、気をつけて」
 岩影に身を隠し、戦況を窺うシュスタイナ。レーザーや銃弾を警戒し、隙を見ては魔弾で攻撃を加えている。シュスタイナ同様、辜月やシェリーも後衛で身を隠している。
 その時だ。ワンドを構えたシュスタイナの頭上に、2体の円盤が現れたのは。
「っく。すばしっこいわね」
 放たれたレーザーを回避するシュスタイナ。完全には避けられず、その肩と足をレーザーが掠める。肉の焼ける嫌な匂い。苦痛に顔をしかめながら、シュスタイナは地面を転がる。追撃とばかりに体当たりを敢行する円盤。刃のような円盤がきらりと光る。
「シェリーさん! 間に!」
「了解じゃ」
 辜月の指示で、シェリーが銀弾を放つ。魔力で作られた銀弾が、縦に並んだ2体の円盤を撃ち抜いた。円盤がよろける。その隙に、辜月はシュスタイナの元へ駆け寄った。足を怪我した彼女を助け起こし、岩影に潜り込む。
「妾の一撃、掠めるだけでもただではすまんぞ」
 続けざまに銀弾を撃つシェリー。それを回避するように飛びまわる円盤。シェリーが円盤の気を引いている間に、辜月がシュスタイナの傷を治療する。淡い燐光がシュスタイナの傷を包み、癒す。
「いつか平和に交流できる世界があれば、と、そう思うのですけど」
 なんて、寂しそうに笑う辜月。
 手当を終えたシュスタイナが立ち上がる。掲げられたワンドから解き放たれる四色の魔光。銀弾に終われる円盤の1体を、連続して撃ち抜いた。魔光に包まれ、墜落する円盤。その場をり出すしようと残る1体の円盤が空へと舞い上がる。
「熱量上昇!? レーザー来ます!」
 辜月が叫ぶ。一拍遅れて放たれるレーザー。レーザーを回避し、シェリーが銀弾を放つ。銀弾はまっすぐ円盤を撃ち抜き、その機能を停止させた。
「ちと頼りないが、最高の男じゃ」
 ふふ、と笑ってシェリーは一言そう呟いた。

 アラストールと義弘がロボット2体と斬り合っている。琥珀や拓真がこちらに合流するのは、もう少し先になるだろう。
 鮮烈に輝くアラストールの剣と、ロボットの杭が衝突。甲高い金属音と共に、衝撃波が撒き荒れる。
 何度も斬り合った結果、ロボットもアラストールもボロボロだ。剣を打ち払い、パイルバンカーを撃ち出すロボット。杭は、アラストールの肩に深々と突き刺さった。
「瀕死なようだね」
 ロボットの背後に現れた彩音。物影に隠れ、隙を窺ってたようだ。至近距離から放たれる矢が、ロボットの首元へ突き刺さった。アラストールの攻撃により装甲の剥がれていた部分だ。ロボットの首が引きちぎれ、落下する。機能の停止するその寸前、ロボットは杭を撃ち出した。高速で飛ぶ杭が、彩音の胴へ突き刺さる。血を吐き、よろける彩音。
「が、は」
 途切れそうになる意識を必死に繋ぎとめ、指先から無数の気糸を伸ばす。気糸は宙を駆け、地面に落ちたロボットの首と、義弘が相手をしていたロボットの関節へ突き刺さった。
「その装甲を叩き割ってやる」
 義弘のメイスが鮮烈に輝く。動きの止まったロボットの頭部を、輝くメイスが叩きつぶす。地面に倒れるロボットの巨体。苦し紛れに放たれた弾丸が、彩音の胴を撃ち抜いた。彩音の意識が遠のいていく。戦闘不能。
「やっぱり、油断はできない……」
 朦朧とする意識の中で、彩音は一言、そう呟いた。

「ロボット撃破。次は要塞です」
「綺麗に入口が封鎖されているなら、そこも破壊しなくてはな?」
 辜月の指示で、シェリーが要塞へ視線を向ける。直後、要塞周辺に巻き起こる業火。渦巻く炎が要塞を焦がし、溶解させていく。
 その直後、だ。
 鈍く重い音をたてながら、要塞が左右に開いていった。

 要塞から出て来る2体のロボット。その後ろに続く、小型戦車のような乗り物。移動式砲台、ボルテックス砲だ。要塞内に溜まったガスに引火することを恐れ、シェリーは炎を消した。
 ボルテックス砲はすでに発射用意完了のようである。方針が輝いているのは、溜まった電気によるものか。
「できれば使えなくしておきたいけど……」
 よろよろと起き上がる彩音。限界を超えた体に鞭打って、それでもなお、戦闘を続行しようとする。そんな彩音を抱えあげ、アラストールと義弘は大急ぎでその場から離れていくのだった。

「あれがボルテックス砲か……」
 道化のカードが円盤に突き刺さりその機能を停止させる。直後現れたボルテックス砲を見て、琥珀の頬を冷や汗が伝う。巻き込まれては叶わない、と琥珀は大急ぎで踵を返す。
「中への突入も考えていたが、その必要はないようだな」
 大量の弾丸によって蜂の巣にされた円盤を踏み越え、拓真はそれに視線をやった。このまま要塞へと攻め込もうと考えていた拓真だったが、どうやら一旦、引き返した方が良さそうだ。そう判断し、要塞からの死角へと姿を隠す。
 
『-------!!』
『ーーー。---』
 聞き取れない言語で会話するロボット達。直後放たれるボルテックス砲。大量の電気を撒き散らし、大口径の光線が撃ち出された。地面を抉り、土砂を巻き上げながら光線が進む。
 衝撃波で前衛を薙ぎ払い、光線は後衛、シュスタイナやシェリーの目の前に着弾した。落雷にも似た轟音が地面を揺らす。土煙りが舞いあがり、辺りを覆い尽くすのだった。

●ロボ兵団
 不気味の谷、と呼ばれる現象がある。人型をしたロボットの動作が、ある一定のラインを超えて人間に近づくと酷く不気味に感じてしまう、というものだ。
 ボルテックス砲を放った後、ロボット達は自然な動作で周囲を確認し、首を傾げてみせた。思ったほどの成果をあげられなかった為である。
 それを見たシュスタイナは、不気味だ、とそう感じた。いかほどかは分からないが、人に似た感情を有しているのかもしれない。
「せめて自分の身は自分で守らなきゃね……」
「うぅ……。さっさと元の世界へ帰るがよい」
 半ば土砂に埋もれたシュスタイナとシェリー。呻き声を上げる2人は、全身に酷い火傷を負っていた。シュスタイナの魔曲と、シェリーのフレアバーストがボルテックス砲の威力を削いだ為である。
 倒れた2人と、傷を負っている彩音の体を燐光が包む。
「力及ばず、誰かが倒れては悲しいです」
 そう囁くのは辜月だ。泣きそうになりながら、仲間の回復に専念する。2人に守られる形でボルテックス砲の被害を免れたアラストールと義弘、治療を終えた彩音が立ち上がった。ボルテックス砲の再充電を始めるロボットたちへと、駆けていく。
「正面突撃です。罠があったら踏み潰し、攻撃が来たら受け止め、弾き返し、叩き潰す。それだけです」
 アラストールの剣が鮮烈に輝く。ボルテックス砲の再充電までにそれを叩くつもりだ。迎えうつべく、ロボットの1体が前へ出る。パイルバンカーを構え、アラストール目がけ振り下ろした。

「い、てェ。これじゃアークに持って帰っても意味ないな」
 焼け焦げた円盤を地面に投げ捨て、琥珀はよろよろと立ち上がった。咄嗟に倒した円盤でガードし、ボルテックス砲のダメージを軽減したのだ。とはいえ、それなりにダメージを負っている。視線の先には、3体のロボット。うち1体はアラストールと交戦中だ。それならば、と彼はボルテックス砲に乗っているロボットへと駆けていった。

 杭と剣が衝突。力に押され、アラストールは地面に膝を付いた。なんとか持ちこたえてはいるが、体格差はいかんともし難い。
 だが、これでいい。アラストールの横を、義弘と彩音が駆け抜けていった。まずはボルテックス砲の撃破が優先だ。

 彩音と義弘を阻むべく駆け出すロボット。振り回されるチェーンソーを義弘が受け止める。
「これ以上後衛には撃たせない」
 輝くメイスが、チェーンソーを打ち払う。振り抜かれたチェーンソーの真下を彩音が駆け抜ける。逃がすまいと方向を変えるロボット。
「行かせない」
 ロボットの背を、十字の閃光が撃ち抜いた。ジャスティスキャノン。ロボットの顔が、義弘へと振り向く。

「使えなくしておきたいんでね」
 ボルテックス砲目がけ矢を放つ彩音。放たれた矢は正確に、ボルテックス砲の銃口へと飛びこんで行った。しかし、砲台に溜まった電気に焼かれて消し炭となる。
 ボルテックス砲のチャージ完了まで、あと僅か。遠距離から破壊できにないのなら、至近距離からだ。一気に駆け寄り、ボルテックス砲へと飛びかかる。
 しかし……。
「……っつ!?」
 ボルテックス砲に辿り着く直前、彩音の脇腹に杭が突き刺さる。勢いに押され、地面に叩きつけられる彩音。杭を放ったのは、ボルテックス砲の操縦をしているロボットだ。
「つまり、お前を縛っちまえばいいわけだ」
 ハンドルへ伸ばされたロボットの手が止まる。いつのまに巻きついていたのか、ロボットの体中に巻きつく無数の気糸。その先は、琥珀の指先に繋がっていた。
『-------!!』
 ロボットが何かを叫ぶ。それと同時に、アラストールや義弘の抑えていたロボット2体が振り向いた。2人の相手を止めて、ボルテックス砲の元へと戻ってこようとする。
 ロボット達にとって、ボルテックス砲は守るべき最終兵器なのだろう。
 だが、間に合わない。
「多少の装甲程度、俺には意味をなさん! 我が双剣、その身に刻むが良い!」
 砦の上から飛び降りて来る影が1つ。ガンブレードと黄金の剣の2本を大上段に振りあげた拓真であった。身体ごとぶつかるようにして、剣を大きく振り下ろす。捨て身の攻撃、とでも言おうか。着地も、衝撃の緩和もなにも考えていないような斬撃がロボットを襲う。体を縛られたロボットは、叩きつけられる剣に対応できない。
 一刀両断。頭から足まで、否、ボルテックス砲の操縦席まで含めて切り捨てられる。機能停止したロボットが地面に転がった。それと同時に、ボルテックス砲のチャージも止まる。
『------!』
『--』
 残る2体のロボットは一瞬、その動きを止めた。僅かに迷いを見せた末、ボルテックス砲の操縦席へ飛び乗り、何かしらの操作をした。周囲に鳴り響くアラーム音。
 ロボット達は、要塞の中へと逃げていった。再び閉まる要塞の入口。追うか否か、リベリスタ達が迷いを見せた一瞬の出来事だった。
 要塞が閉じると同時、ボルテックス砲は爆発した。

 要塞の周辺は地面が抉れ、鉄くずが転がっていた。ロボットや円盤、ボルテックス砲の残骸だ。要塞も半ば、壊れている。中を覗くと、すでにそこにはロボットの姿は無かった。サンプルだけ回収して、元の世界へ帰っていったらしい。
「一段落、か。容赦なく攻撃とは、些かやり過ぎたかな」
 Dホールを破壊し、拓真は呟く。要塞内にはすでに何も残っていない。ロボットの残骸も、ボルテックス砲共々吹き飛んでしまった。
 ロボット達の目的は不明のままだが、任務は達成である。
「逃がしたか……」
「何か手がかりになるようなものはないの?」
「意外とこの世界と似た文化を持っているのかもしれませんね」
 シェリー、シュスタイナ、辜月の3人が要塞内を調べるものの何も出てこない。仕方なく彼らは、ロボットの残骸を拾って帰還することにしたのであった。
 

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした、依頼は終了です。ロボットたちの目的は阻害され、元の世界へと帰還していきました。
任務は成功です。

ロボット兵団との攻防戦、いかがだったでしょうか?
お楽しみいただけたなら幸いです。

それではそろそろ失礼します。このたびはご参加ありがとうございました。
縁があれば、また別の依頼でお会いしましょう。