●衝動の中で 「ダメだ、こんな事をしちゃいけない。だってそうだろう、人殺しは悪いことだ、だから、殺したい、なんて思っちゃいけない」 ――へぇ、じゃあ、お前が今手に持ってるソレは何だい? 殺しの道具だろ。 「ちがう、殺すために持ってるんじゃない。大事な預かり物だから……」 ――ハッ、笑わせてくれるな。ソイツを持って、何度殺したい、なんて思ってたのか、回数を覚えてるのか? その度に俺が話し相手をしてやったよなぁ。 「君が殺せと唆すからだろう?」 ――冗談キツイぜ、俺はお前の事を思ってだな。 「だったら大丈夫だ、もう殺そうなんて思わない。落ち着いたよ、君の手を借りる必要は無い」 ――やれやれ。これ以上やせ我慢すると、マジでお前、ぶっ壊れちまうぜ? ま、どうしようも無くなったら俺に任せろよ、適当なヤツを代わりにぶっ殺してやるからよ。 「君に頼るつもりは無いし、無理なんてしていないさ。だからこそ、勝手な事はするな」 ――へいへい、そうさせてもらうかね。ま、お前が本当にぶっ壊れたら、俺が代わりに体、動かさせてもらうぜ? 俺だって死にたくないからな。 「……勝手にしろ、僕は壊れやしないさ」 独り言を呟き、ふらつきながら繁華街を歩く青年の姿があった。 苦痛に歪み、誰かと会話するような言葉を聞いた人々は一様に距離を置き、そして最初から存在しない者として彼を扱い避けていく。 そんな彼の右手には、布に包まれた棒状の物体が握られていた。 もし、この時注意深く見ていたならば、その布がほころびていた事に。 そして、綻びた先から、鋭い刃が覗いていた事に気付けただろう。 数時間後、夜闇の中に、幾つもの悲鳴が響く。 だが、その悲鳴に気付ける者は誰も無く、最後に立つは、嘲笑を浮かべ幾多の死体を見下ろす、先ほどの青年だけであった。 「クック、喧嘩を売るなら相手を選べ、ってね。コイツの先端、よーく見れば出てるのが分かっただろうに」 醜悪な笑みで死体を踏みにじり、刀を触りながら青年が言葉を発する。 「ま、俺の侵食に17回も耐えたんだ、十分持った方だぜ、お前は。勝手にしろ、って言われた通り、お前がぶっ壊れたから好きにさせてもらったけどな」 如何なることがあったのか、時計の針を少し、戻せば話しは速い。 苦悩する青年を避ける事無く、道を我が物顔でのし歩いていた不良グループの一人と、彼が肩をぶつけたのが事の発端。 必要以上に喚き、絡んだ不良達を前にして湧き上がった衝動、振るわれた暴力、そして内面より呼びかける声。 全てが重なり、彼の精神は崩れ、その身を衝動に任せたのだ。 その結果が示すのは、眼前の惨状でしかない。 「さてさて、今度の体はどれだけもつかな、っと。ま、なるべく長持ちしてくれると俺も楽しいんだけどねぇ……」 血糊をふき取り、布を刀へと巻きつけた彼は、何事も無かったかのように去っていく。 次なる惨状、それを生み出す為に。 ●狂人討伐 「アーティファクトがまた、事件を引き起こしたわ。その解決をお願いしたいの」 真白イヴ(nBNE000001)が言葉を紡ぎ、集ったリベリスタへ事件の詳細を語りだす。 今回、発見されたのは刀のアーティファクトである。 所持者の精神を徐々に蝕み、苦痛を与え、限界を迎えた後、使用者の人格を、そして体を乗っ取り、殺戮を繰り返す。 刀にとって、使い手の体などは消耗品、無茶な使い方をされた者達の多くは死を迎え、仮に死なずとも心が壊れ人としての死を遂げる。 「この刀が厄介なのは、使用者自身が危機的状況になれば刀が高速飛翔、戦闘から離脱できる能力があるのよ。逃がしたとしても、ある程度ダメージさえ与えておけば、次の事件を起こすまでの時間は稼げるわ」 使用者を乗っ取ったとはいえ、体を自由に動かすには使用者の体と一体化。 腕と融合する事で完全な戦闘態勢へ移行するのだが、この状態では飛翔能力が使用不可能。 一体化の解除、飛翔準備、高速飛翔と手順を踏み、その間は完全に無防備となるのだ。 「相手は、Eフォースを使役しているわ。刀そのものが放つ思念が殺した人の体に入り込んで、自分の周りを歩かせてるの。だから、不用意に接触したら、戦闘態勢に入る前にEフォースをけしかけて、自分は逃げ出す算段が高いのよ」 自分自身の撤退能力に、それを支える配下の存在。 単純に襲撃するだけでは、確実に撃破する事は困難な相手と言えるだろう。 「一体化は瞬間、解除は10秒、飛翔の準備も10秒。解除から飛翔への猶予が短いけど、その間に攻撃が当たれば、必要な時間も延びるわ。どこまで延びるかわからないけどね」 戦況不利を悟れば逃げを打つ。 阻止する手段はあれど、工夫無く挑めば逃走を許す事になる。 「面倒な相手、破壊できれば良いけど、最悪、逃がしても構わないわ。といっても、次の事件を起こすのが難しいぐらいダメージを与えて欲しいけど」 最低限の目標は、引き起こされる惨劇を阻止。 そこからダメージを与えれるだけ与え、可能ならば破壊できれば最上だろう。 「分かる事はここに纏めておいたわ。条件が厳しいけど、頼んだわよ」 そう言って、彼女は纏めたデータをリベリスタ達へと手渡し、アーティファクト破壊の任務へと送り出すのであった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:プロスト | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年07月02日(火)23:36 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●夜陰の中で 閑静な住宅街に、男の小さな悲鳴が響く。 駆け出す後姿を見送り『殺人鬼』熾喜多 葬識(BNE003492) は歪んだ笑みを浮かべていた。 「みっつ数えるどころか、ひとつめで逃げちゃったねー。まあ、ヤンキーなんて愛せないから殺す価値ないけど」 鋏を閉じ、金属音を響かせながら彼は呟く。 同刻、別方向で不良を脅し、人払いを行うは『』三影 久(BNE004524) 「……命令だ、失せろ」 ザックリと切り裂かれた缶ジュース、零れる液体が不良の手を濡らし、一拍置いて不良は逃げ出す。 少々手荒な手段とはいえ、言って分かる相手ではないのなら、こういった暴力を見せつけ屈服させるのは単純で効果が大きいのは事実。 これにより、犠牲者となりうる不良の多くは戦場付近から立ち退きを完了。 同刻、彼らと同じく一般人は各所に散らばった仲間が結界を形成、戦場たるこの住宅街から追い払い、人気は平素より失われていた。 「皆さん、人払いはこの辺までで。動きが怪しいですよ」 それぞれが人払いを行う中、AFから『贖いの仔羊』綿谷 光介(BNE003658) の声が響く。 それは、先ほど不良を追い散らした葬識や久だけでなく、周辺に点在、奇襲の機を狙う者や、脇差を持つ中瀬との接触を待つ面々にも伝わっていた。 「なるほど、どうも獲物が居ないと思ったら、先客でもいたのかね」 くっくと笑う男の前には、初手よりの接触する三名が前に立つ。 先ほど仲間へ連絡を行った光介、『ライトニング・フェミニーヌ』大御堂 彩花(BNE000609) 、『一般的な少年』テュルク・プロメース(BNE004356)である。 「て、手強そう、ですね」 光介が一歩、後ずさる前には脇差を携えた中瀬、そして彼の周りに立つ四人の男。 生気を失った目で三人を見つめつつ、男が前に立ち中瀬が刀を構えれば、応じる様に彩花、テュルクが身構え睨み合う。 一秒一秒がとても長く、そしてゆっくりと流れる感覚。 その拮抗を破ったのは、以外にも逃走を警戒されていた脇差所持者、中瀬の方であった。 「ククッ、逃げないってことは似たようなもんか。なら、相手してやるぜ。偶にはマトモな奴を斬り刻まねぇと、鈍っちまう」 その言葉、呟くと同時に脇差の柄が形状変化。 柄巻が解け、解けた紐が肘まで覆うように伸び、体との一体化を果たしていたのだ。 瞬時の変化、しかしながらそれは予測した者にとっては願っても無い好機。 「武器の側に消耗品として使い潰されるだなんて、迷惑なものですね。これ以上、人の心を蝕む前に退場いただきます」 呼吸を整え、彩花が体を硬質化させつつ地を蹴れば、それが合図となり双方が激突する…… ●伏兵の価値 人数差、そして光介が恐怖を感じる存在としての演技。 己が実力を考えれば、少数の伏兵が居ようともなんとでも出来る、と思っていた中瀬にとっての最大の誤算は、半数以上を伏兵として配置したリベリスタの作戦であった。 「ふざけやがって……」 忌々しげに言葉を発し、中瀬が脇差を振るうと同時に、甲高い金属音が夜闇に響く。 インファイト、拳が届く距離まで詰めた彩花がその斬激を受け止め、反撃にとばかりに冷気を纏った拳を振るう。 間一髪、その一撃を避けたものの、続けざまにテュルクが接近、こちらは対照的に炎を纏った拳を脇差に叩き込む。 「逃がしませんよ、炎と氷、折れるまで付き合ってもらいますから」 テュルクの拳が脇差を捉え、金属音と共に中瀬が飛び退く。 予想以上の相手、ならば自身も用意した手駒を最大限に利用するだけ、と中瀬が四人の兵へ指示を出そうと一歩踏み出した瞬間、黒きオーラが飛来していた。 咄嗟に右手の懐刀を翳し、一撃を受け止めた中瀬であったがそれと引き換えに、行動が遅れを取る。 オーラの軌跡を目で追えば、その先に居たのは『痛みを分かち合う者』街多米 生佐目(BNE004013) 。 三人が中瀬と接触した際に、じっとりと距離を詰め。 中瀬本人を操る脇差そのものを狙う機会を、虎視眈々と闇に隠れ伺っていたのだ。 更に、同じく影に身を潜めていた葬識、久も隠れる意味は無いとばかりに姿を現し、葬識は黒きオーラを戦場へ漂わせていく中、久は一人の男に肉薄、その動きを阻害。 同時に脇差目掛け、得物たる蛇腹剣を振るい、曲線的な攻撃を仕掛けていく。 一瞬にして人数差は逆転、初手に中瀬を狙った生佐目も駆け、死体を仮初めの肉体として間借りする死者の思念との距離を詰めていた。 「いい予感はしないんですよ、ラインを踏み越えてしまう、ということは」 小さく呟き、首筋狙い噛み付いてきた男の頭部を弾く生佐目。 狙いを外し、力強く閉じられたその顎は、バクンと虚しく空を食む音を響かせていた。 伏兵を置いての奇襲は、事前の人払いと戦闘場所の調整、そして時間稼ぎも相まって成功。 それは、単なる個々人の働きではなく、其々が役割の認識、分担しての結果であろう。 「クソ、お前ら! 良い様にやられてるんじゃねえ、こっちをカバーして一人ずつぶち殺せ!」 伏兵からの攻勢にて崩れた戦況、それを立て直す為に中瀬は指示を出し、脇差、懐刀を構え直す。 前線にて行動阻害、動きを止めに掛かっていた生佐目と久に其々一体の死者を当て、自身を狙う彩花、テュルクの内、片方へ残る二体の死者をぶつける。 各個撃破を狙い、人数差を覆しにかかるその動きを、夜闇の中から見つめる四つの目が潜むことを、彼はまだ知らなかった。 ●逃走行動 「相手は手一杯だ。でも、まだ攻撃するには早い。わたしの攻撃、刀に届かない」 「ええ、その様ですね。拮抗から押し返し、対等になりつつある今、不用意に動けば逃げを打つでしょう。制圧する為、同時に行きましょう」 今だ姿を見せず、物陰にてアクセス・ファンタズムにて連絡を取り合っていたのは『ならず』曳馬野・涼子(BNE003471) と『クオンタムデーモン』 鳩目・ラプラース・あばた(BNE004018) の二人。 これまでの奇襲が上手く運んだのは、戦場の選定、伏兵として潜むべき場所の確認を、千里眼を用いて行っていた涼子の行動の所が大きい。 それに加え、最大限の効果を持ち、効率的に脇差を破壊する事を優先するあばたが適切な位置に伏せれば、後は追い討ちの機会を待つばかり。 「術式、迷える羊の博愛!」 追い討ちを待つ二人を隠し、激戦を繰り広げる仲間を援護、癒しをもたらす息吹を戦場へ吹かす光介。 その風にて、中瀬の斬撃より生じた傷を彩花、テュルクが癒し、膝をつくこと無く氷と炎の拳が継続的に放たれる。 「そろそろ観念したらどうですか? 武器は使い手が使う為の物であるべきです」 「いい気になるなよ、小娘が。お前ら人間は、俺みたいなのに使われてるのが一番幸せなんだよ、何もかも忘れてな」 使用者である中瀬ではなく、執拗に脇差を狙う彩花の拳をいなしつつ、中瀬が嘲笑いながら右手の懐刀を突き出し鮮血が地を染める。 事の元凶、意思持つ刀としての脇差の破壊のみに皆が注力する故に攻撃は必然的に似通った場所に集中する。 ならば、防御と回避にかかる負担は軽減、それが脇差の、中瀬の余裕へと繋がり反撃を容易としていたのだ。 「へーえ、すごいじゃない、じゃさ、次の体は俺様ちゃんにしない? 俺様ちゃんと組んだらいっぱい殺人できるし、とりま、ここにいる連中殺しちゃおっか☆」 葬識が哂う。 釣られて中瀬も哂う。 殺人鬼と殺人衝動をもたらす武具、双方通じるところがあったのか、問いかけに対し返された哂いが、戦場に奇妙な音を響かせる。 「仲間じゃないのか、こいつらは。まあいい、そろそろ俺も飽きてきた、次に一人で会ったら考えてやるよ」 持久戦、人数不利、配下の損耗。 自分ひとりで互角には戦え、使い手の損耗も抑えられる状況ではあったが執拗に脇差本体が狙われる以上、配下が斃れれば余裕は無くなる。 全ての配下が健在な今なら逃走は容易、無理矢理戦い続ける価値は無いと葬識の誘いを断り、絡みついた柄巻きが綻びた瞬間、その変化は訪れた。 「ぶち抜く」 「制圧する」 別方向から聞こえた言葉、そして二つの銃声。 逃走の気配を見せた、脇差を打ち砕くべく今まで息を潜めていた涼子とあばた、双方が狙い定めた銃撃が脇差を捉え、虚空に幾つかの金属片を撒き散らす。 「なっ……が、まだ、いたのか……!?」 中途半端に解除をしていたが為に強烈な衝撃が走り、まともに抵抗することすら出来ず中瀬はよろける。 その好機を逃す事なく、残る面々が攻勢を。 「気に食わねぇ、とっとと折れろ」 射線を遮ろうと立ちはだかる男を無視、噛み付かれながらも狙い定めた銃弾を放つ久が呟き、直撃を受けたが為に戦闘態勢の解除が遅れる。 続けざまに距離を詰め、テュルクの、そして彩花の凍てつく拳は態勢を崩した相手にとって、回避は不可能。 互いの軌道を干渉しあう事無く、テュルクが真正面から駆け抜けるように一撃を加え、側面から彩花が突撃、打撃。 続けざまの攻勢の前に再度の戦闘態勢を整える事も出来ず、かといって解除も出来ず中瀬の左腕は脇差もろとも氷りつき、その動きを止めていた。 「く……そ、がぁぁぁ!」 「人間が勝手に決めた基準、踏み越えるのは憧れてしまいますけど、それを唆して越えさせる、そういうのはやはり良くないと思うんですよね」 「はい。そして、殺戮を繰り広げるなら。ボクはそれ以上に癒すだけ。そして、あなたの衝動は、ここで終わりです」 喚く相手に対し、諭す様に言葉を選んだ生佐目、そして最後通牒を突きつける光介。 四人の配下は今だ健在、なれど被害を顧みず、回復を光介に任せ脇差に集中攻撃を仕掛けた結果、戦況は完全に決していたのだ。 己を守らせようと指示を出すも、其々がリベリスタの手により足止めされた今、中瀬を、その脇差を守る者は存在しない。 最後に、人の心を壊し、そして体を操った脇差に残った記録、それは愉悦の笑みを浮かべつつ、手にした鋏で自分自身、脇差を断ち切った葬識の歪んだ笑みであった…… ●事後始末 「ごめんね、美学の無い殺しってカッコ悪いからさ☆」 全く悪びれる様子も無く、脇差を断ち切った葬識がチラリ、と舌を出す。 大本である無銘の脇差が破壊された影響か、それまでリベリスタ達へ攻勢を仕掛けていた四人の男はただの骸と変化、その場に崩れ落ちていた。 「強さではなく、殺戮を目的とし、不利を悟れば即座に逃げる。実に正しい殺人鬼、戦うことそのものを目的と履き違えている奴に、これの錆を煎じて飲ましてやりたいですね」 静寂が戻った中、あばたが淡々と呟き残骸となった脇差を回収、アークへ提出する準備を終えていた。 「……おしきせの感情になんて、カケラのいみすらない」 倒れた中瀬の半身を起こし、涼子が呟く。 自分自身の心ではなく、押し付けられた感情のまま殺意を振りまき、そして終わった彼の姿は彼女からすれば、死んでいるのと同義に見えていたのだろうか。 「気分はどうだ……自分の意思はあるか?」 「体の方は無事、みたいですけど……精神は、手遅れ、みたいですね……」 意識を取り戻した中瀬の顔を覗き込み、久が問いかけるが、それに対して真っ当な返答は無く。 顔を伏せ、彩花が無理だったかと頭を振った。 「道具に頼って踏み外す、それも難しいものでしてね。彼は本心から踏み外したかったわけではないのでしょう」 「ええ、そうですね。ただ衝動だけ、厄介な能力と性質を持ったアーティファクトに、たまたま魅入られてしまっただけ。自分から、望んで一緒になったなら……もっと、戦い難い相手になっていたと思います」 生佐目の言葉に光介が頷き、虚ろな目の中瀬を介抱する。 彼から、この脇差の入手経路について聞く事は最早不可能だろうが、彼を含めて一般人の犠牲者が出なかったこと、これは誇るべき成果であろう。 「さて、そろそろ引き上げましょう。夜道で不良に絡まれでもしたら怖いですし、亡くなっていた方の亡骸は、アークに後始末を頼んでおきましたので」 人目に付かぬ場所へ亡骸を隠し、一息ついたテュルクが促す。 不良に絡まれたら怖い、などと言ってはいたが、今現在揃っている八人の方が、不良より怖いという事実には目を瞑り。 幾つかの謎を闇へと溶かし、一同は帰還の途に付くのであった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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