●射的ゲイム 『射的やってみませんか?』 『射的王だーれだ?』 依頼文には、そう楽しげな文句が踊っていた。 ●作戦概要 とある街。 仮設作戦司令部、地下第一会議室。 『悪狐』九品寺 佐幽(nBNE000247)はコルク鉄砲のオモチャを手に貴方たちへ説明する。 「今現在、このとある街になぜか巨大なアレコレが進撃しています」 立体映像に表示される数々の、巨大なアレコレだ。これは神のイタズラなのか? だとしたら神々の悪ふざけは人知を超えている。 その一角に、ドでかいテディーベアの雄姿がある。一軒家をもふゐ足で軽々踏み潰せるだろう。 「こ、こいつと戦うのか?」 「その後方です」 そこに在るのは、小さな“山”だった。 キャラメル箱、ぬいぐるみ、ロボットの玩具、そういう景品が山ほど満載された射的台だ。 キャラメル箱ひとつにせよ、軽く子供ひとり分ほどの大きさだ。とてもではないがコルク鉄砲では倒せまい。 「Eゴレーム:フェーズ2『シャテキング』です。特異な能力があり、射撃武器による急所攻撃――といいますか、景品を倒すことでのみ有効打を与えられます」 「なにそれ楽しそう」 「本来は、あっちのテディーベアもこの射的屋台の景品だったらしくて、そちらに感化されて射的台までE化してしまったようです。脅威度は断然あちらが上ですが、こちらも放置できませんので別件依頼として皆さんに撃滅をおねがいします」 コルク鉄砲を詰め、佐幽はモニター上のEゴレームに狙いを定めた。 片目を瞑り、撃つ。 「――ふぅ」 しかし命中したのは、真横に立っていた誰かさんの顔面であった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:カモメのジョナサン | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年05月25日(土)23:29 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●残響 冗談じみていた。 蠢く死者。 嘆く生者。 ゾンビ映画を見たことはあるだろうか? 動く死体に噛みつかれた人間が、また新たな犠牲者を求めて蘇る。その連鎖が止まることなく続いてゆく。乱造された作品群は陳腐を通り越してひとつのジャンルを形作り、新鮮味のない恐怖はつまらない冗談に落ちぶれる。 楽団の招いた災厄の真っ只中で、災害救助のために彼は死地に踏み入り、そして目撃する。 二流ホラーより笑えない惨状を。 冗談じみた神秘がために、大切なモノを失った人々の嘆きを。 『遊び人』鹿島 剛(BNE004534)は目撃する。 自動小銃がどれほど戦慄いたとて、死者を屠ることはできなかった。 マズルフラッシュが災厄の夜に明滅する。銃声は、されども楽団の奏でる狂気の調べに埋没する。 ゾンビ映画といえば、往々にしてあるひとつの共通項が散見される。 ――最後の敵は、悪意ある人間だということだ。 ●ニューフェイス 地下第一会議室。 コルク弾がおでこにHITした不運な人は、リンディル・ルイネール(BNE004531)だった。 「やーらーれーたー」 リンディルはノリよく倒れる。旅行好きが講じてやや偏った知識を身につけ、今なお好奇心に灰色の瞳をきらきら輝かせている。 「射的、ですかー。確か“げーむせんたー”なる場所で似たようなものを遊んだことがあります」 指鉄砲を構えて。 「“ぞんび”をやっつけるんです、バーン! って」 少々子供っぽい仕草で得意げに語るリンディルを、大半の面々は微笑ましく見守る。 「ゾンビ、か」 剛は一人、感慨深そうにそうつぶやくと一転してフッと笑った。 「お互い研修で習ったはずだよ。敵の見た目に騙されるな、て」 「流石は元・自衛官ということだな」 隻眼の男『八咫烏』雑賀 龍治(BNE002797)の風格と異形に、剛は一瞬、寒気をおぼえた。 アウトサイドとして深化を遂げた龍治は、風体こそ人の形を留めている。しかし内に秘めた幻獣の因子は、まるで檻で眠る猛獣のように不気味な沈黙を湛えて、こちらを見つめ返しているようだ。 「雑賀 龍治だ、よろしく頼むぜ。俺は今回、補佐に回る。仕切る訳じゃないが、初陣の面々にはこれを良い訓練の場としてくれ」 一呼吸置き、 「猟犬が嗅ぎ回っている今、その標的となる新米がこうして万全に初陣に望めるだけでも上出来だ。うっかり気を抜きたくなる相手だが仮にもフェーズ2、しっかり片付けるとしよう」 「ま、何にせよ撃てば良いんだろ? あまり射的に興じたことはないんだが」 『アッシュトゥアッシュ』グレイ・アリア・ディアルト(BNE004441)は少々複雑な心境なのか、黒の軍服にそぐわぬ黎明の小川のような銀の長き髪を指で弄んだ。 ●獣を屠る狩人たち 時は夕暮れ。 二台の輸送ヘリが迎撃目標地点に到着する。 片方は、『<進撃の>テディーベア』に赴く一同だ。先行する巨熊と別働隊が交戦している間、後方から迫ってくる巨大射的台を足止め、撃滅するのが今回の任務だ。まず成功すると見込まれているとはいえ、万が一に失敗すれば別働隊にも大きな損害が出かねない。 両チームは合同で最終チェックを行い、お互いの健闘を称えあって出撃する。 片や、もふもふとの死闘へ。 片や、射的ゲイムとの遊戯へ。 ●想定外 でかい。 ドでかい。 田園風景をホバー走行しながら微速前進するEゴレーム:フェーズ2『シャテキング』は圧巻だ。戦艦じみたソレが進路上の雑木を薙ぎ倒しつつ、こちらへと迫ってくる。 『月奏』ルナ・グランツ(BNE004339)は強結界を張り巡らせつつ、宣告する。 「ちょっと其処行くシャテキングちゃんっ! 私達が今から貴方に射的勝負を申し込むよ!」 と、その時だ。 「合意とみてよろしいですね?」 突如として茜空に瞬いた星が地上へと凄まじいスピードで墜落、ちいさなクレーターを作った。 「ひとーつ、贔屓は絶対にせず」 土埃の舞い上がる中、 「ふたーつ、不正は見逃さず」 人影は仁王立ちする。 「三つ、見事にジャッジする! さすらいの審判アザーバイド! レフェ・リー参上!」 白黒レフェリー着の女は、トンボのような四枚の薄い羽根に怪しげなドミノマスクを着けている。 「わわっ、審判の人だっ! 私も知ってる、知ってるけど……どちらさま?」 「名乗った通りでございますです」 「い、いや、だって事前説明には影も形も……」 そこに佐幽よりAF通信が届く。 『状況確認しました。そのアザーバイドはフェイトを得ており、かつ無害です。先ほどこちらに審判をやりたいと申し出がありましたので許可しときました。作戦内容には変更なし。そのまま続行してください』 「……アークって本当、自由だなぁ」 レフェ・リーはテキパキと簡素にルール説明をこなすとホイッスルを鳴らした。 「射的ゲイム、スタートッ!」 ●遊戯開始! 「アッアレはー!プレミアムが付いている『賢者合体DXダイケンジャー(箱つき)』じゃないか! あまりの大きさに箱の保存状態が悪くて査定度の幅が広いのにこの保存度だと!!!」 『弓引く者』桐月院・七海(BNE001250)の解説は、そのまま事細かに延々とつづいたので彼の手番はタイムアウトですっとばされてしまった。 波乱の幕開けとなった射的ゲイム、その二番手。 『怪人Q』百舌鳥 九十九(BNE001407)はぞりぞり精神を削ってくる奇怪な姿形と裏腹に、ある小さな過去の思い出を想起していた。ちなみに素顔はアザーバイドだとか美少年だか美少女だとか、そういう噂もある。 「射的ですか。昔やったことが有りましたなー。そう、あれは私がまだ……」 都合により回想シーン省略。 「その時は、それほど良い結果を残せはしませんでしたが神秘の力に目覚めた今の私なら……サジタリーな訳ですしな。 さぁ今こそ、過去を乗り越える時ですな!」 「ピーッ! タイムアウト! 次!」 がっくりと気落ちする九十九の肩を、七海はポンと優しげに叩いた。 燃える闘志を瞳に滾らせ、突撃娘は今日も今日とてずっと俺のターン! 『スーパーマグメイガス』ラヴィアン・リファール(BNE002787)の手番がいよいよ巡ってきた。 「日本のお祭りって大好きだし、射的ゲームっていっぺん挑戦してみたかったんだよ。 そんじゃー俺の射撃の腕前、魅せてやるぜ!」 護符手袋の具合を確かめ、魔剣ヴォルカニックハートの切っ先を獲物へ向ける。 「狙うはトップスコア! お前だ!」 金色の狐のぬいぐるみ。艶やかな質感とふわふわの手触り、軽く大人ひとり分の大きさなれど射的のコツさえ踏まえればマエストロの技量を誇るラヴィアンには造作もないはずだ。 「むう、アレは」 「知ってるんだぜ七海?」 濃い顔つきで。 「アレは金剛稲荷神社のマスコット金魂のぬいぐるみ。モノホンの毛をこっそり毟って編み込んであるファンにはたまらない一品!」 「とにかく高いんだな? っしゃー! 大物はど真ん中を狙ったってダメさ。上部とか、バランスを崩しやすそうな所を部位狙いだぜ!」 魔剣を中核に黒き術式を展開、高速詠唱が瞬時のチャージを可能とする。 葬操曲・黒。 「ロックオン・マエストロ! 狙い打つぜ!」 四条の黒鎖が螺旋を描き、錐穿つ。 直撃! 黒鎖は見事、金魂ぬいぐるみの頭部を撃ち貫いたっ! 「GETだぜ! やったーーー!」 宙を舞う、もげた狐の首。 ぽてり。 射的台の下に落ちた景品のぬいぐるみは首と頭が泣き別れていた。 「もげたーーっ! やだーーー!」 首だけ狐の巨大ぬいぐるみは恨めしげにいつまでもラヴィアンを見つめている……。 「それじゃ、初体験と行きましょうか」 鹿島 剛はショートボウの弦を張り詰め、狙いを定める。が、すぐに弦をゆるめ、手番を譲った。 「一発必中は自衛隊のお家芸、確実に仕留めたいからな」 集中を重ね、新進気鋭の射手は眠らぬ山猫のように息を静めた。 グレイの手番だ。 スピアに闇を滾らせ、アメジストの如き瞳を爛々と輝かせる。 「審判、複数の的を一気に当てンのはアリなのか?」 「はい、狙えますですよ」 「エル・ハイバリア!」 極めて強靭な対物理力場が、淡い燐光となってグレイを護る。 余計なことを、と言いたげなグレイに対して、ルナは優しく微笑んだ。 「より良い環境で楽しめるように皆を支える。それがお姉ちゃんの務めですから」 「……いつからオレの姉貴分になったんだ、テメェは」 ルナはくるりとその場で横回転して銀のポニテを躍動させる。髪先が、グレイの鼻先を掠めた。 「ほら、やさグレ屋さんのグレちゃんとお揃いの銀髪だし」 はにかみ笑って。 「こうみえて八十一歳だもの」 絶句するグレイ。 「はいはーい、あたし72! ルナさんは十分お姉ちゃんよねー」 「ねーリンちゃん」 調子が狂うと言わんばかりにグレイは頭を振ると、深呼吸をして構えを正した。 「ハッ!」 暗黒の瘴気が渦巻き、ヘビースピアに宿る。 刺突一閃、闇走る。五叉に枝分かれしたダークスピアは夕刻の景色に五線譜を刻む。 命中は三つ。コントロールしきれず、二つは反れた。 弾き飛ばされるたわしが見事に二つ。 残るひとつ、ハムスターのぬいぐるみにも暗黒は命中する。ぐらつき、倒れかけるが当たり所が悪く横転するのみ。審判のレフェ・リーは即座に「台から落ちてないからアウト」と宣告する。 「こんなところか」 グレイが踵を返そうとしたその時、真後ろから投擲されたひまわりの種ボムが炸裂する。 「くっ!」 爆発、閃光。 しかしグレイは健在であった。ルナの施した対物理力場が、衝撃の殆どを打ち消していたのだ。 「大丈夫!? 回復、回復っ!」 「その必要はない。……誰かさんのおかげでな」 ●懲りない子 リンディルの手番! マジックミサイル! ミス! ミス! ミス! ミス! 帝王ペンギンの帝王ペンギン・ツヴァイ! 石化にわとりの石化ブレス! 白魂うさぎの杵もちプレス! 賽銭箱うみがめのたまごうみ! 「ばったんきゅ~」 リンディルは目をぐるぐる回してふらつきながらも立ち上がる。 「ハイバリアがなければ即死だった……」 「無茶しちゃって」 ルナはエル・リブートを唱えつつリンディルの特大バンソーコ(ダメージ表現)をひっぺがす。 「なにこれ硬ぁ~い」 そこで見かねた雑賀 龍治が助言する。 「――命中精度は、悪くない。問題は、どこを倒せば落とせるかを知らないことだ」 「え? 頭狙いじゃダメなの?」 「下から斜め上、突き上げるような弾道。真ん中より若干下、へそを狙ってみろ」 そして五度目の正直。 「当たったーっ!」 帝王ペンギンのぬいぐるみ、といっても二メートル台かつ横幅も広くて担ぎ上げるのも困難だが――をぎゅっと抱きしめ、リンディルは大喜びする。 そのさまを龍治とルナは微笑ましそうに見守った。 「よーし、オレも……」 にししと笑い、ラヴィアンはムーンサルト宙返りを無駄に決めて、 「射的王に、俺はなるっ!」 葬操曲・黒。 白魂うさぎのぬいぐるみのド真ん中を黒き奔流が貫く。 猛毒、流血、呪縛、不運。 地に落ちたうさぎはどてっぱらに風穴を空けられて、毒に蒼ざめ口の端から血をぼたぼた零して呪縛と不運の呪詛を刻まされた末、内臓(わた)を晒して恨めしげにこっちを見ている。 「……天丼かよ!?」 ●VSダイケンジャー 銀のライターが轟音をあげて倒れ伏した。 魔弓・告別を美しい所作の残心で降ろすと、七海は深呼吸をする。次の一射まで集中せねば。 「ほいほいっと」 1$シュートが鮮やかにキャラメル箱の上端を撃ち、転倒させる。これで大小合わせて三つ目だ。 「九十九選手、30P入手。現在120P、暫定第二位です」 「ほっほうー! 過去とは違うのですよ、過去とは」 「亀の頭がもげたー!」 「ラヴィアン選手、40P入手。現在150P、暫定一位です」 「うっしゃー!」 着々と標的は残り十五まで減少してきた。残り少数になれば全員で掃討する手筈になってる。実質、射的をのびのび楽しめるのは残り五個くらい。問題は、一番の大物である。 『勇者合体DXユウキング』 『賢者合体DXダイケンジャー』 重量級トラックを三台重ねにしたような箱の大きさには圧倒される。反撃も強烈。心して挑まねば。同時に、トップを狙う上では避けて通れぬ道であろう。 七海、九十九、ラヴィアンは互いに静かな火花を散らした。 「さて、そろそろ俺も混ぜてもらおうか」 火縄銃 弍式を担ぎ、龍治も白線に陣取った。雑賀衆の末裔を名乗る彼のこと、最後まで傍観に徹しては名が廃る。 ESPで勘の研ぎ澄まされていた九十九は何かに感づく。 「さては彼女にぬいぐるみを持ち帰りたいのですな」 「黙って集中してろ」 火縄の銃口がグリグリと九十九の仮面の頬を小突いた。図星である。 「シャテキングちゃん、まだ倒れちゃダメだよー?」 ルナは魔弓を手に菓子束に狙いをつけ、眼帯をつけ耳にもこもこをつけて英霊の如く宣告する。 「いくぞ射的王――景品の貯蔵は十分か?」 体は菓子で出来ている。血潮は砂糖で心はバニラ、幾たびのデートを越えて不敗(中略)この体は、 無限の菓子で出来ていた。 「無限の甘製《UNLIMITED SWEET WORKS.》――! って、龍治ちゃんが言ってたから」 そう冗談を述べつつもルナは菓子束を見事に打ち落とした。 龍治は無言を貫く。 ツッコんだら負けだ。 堅牢強固。ロボ箱の鉄壁たるや、アーク精鋭が揃いも揃って驚愕するレベルだった。しかしどうにかロボ箱はそれぞれ土台から落ちる寸前にまで至った。 「あと少しだったのに!」 地団太を踏むラヴィアン。ぷすぷす黒焦げなのはユウファイアーを浴びたせいだ。 龍治の手番だ。 ここまで来れば、後一押し。それだけに周囲の視線が暑苦しい。 「……土産が必要だからな」 ぬいぐるみを的確に撃ち抜き、お茶濁し。 七海の手番。 告別を引き絞る。七海の魂が、心の底から渇望していた。神秘の魔弾が、欲望に応える。 夕闇を切り裂く、一条の輝矢。 激しい衝撃。ぐらり、ぐらり。落ちかけた箱。台の端で重力と抵抗がシーソーゲームを演じる。 「落ちろ、落ちろ、落ちろ」 台に戻りかける、その時。 「落ちろカトンボーっ!」 隣で剛が端のたわしを打ち落とした衝撃で、ほんのわずかに台が揺れた。 ぐわん、どさっ。 大賢者、堕つ。 「いぃぃぃぃやったぁぁぁーーーーっ! ありがとう神様、皆様、鹿島様!」 「ちょ、おま」 大喜びしすぎて鹿島に抱きつきもふもふする七海に、皆、なんとなく祝福の拍手を贈るのだった。 ●決戦 夕月の淡き加護を光帯びて、九十九は魔弓を射構えて、ラストシューティングを撃ち放った。 難攻不落のDXダイケンジャーがついに陥落する。 「私はついに過去を乗り越えましたぞ!」 「うう、優勝がぁ……! いや、まだ集計と掃討がある!」 歓喜の九十九、不屈の闘志を滾らせるラヴィアン。 「そんじゃ、最後の一仕事だな」 残り十個、コザコザとした小物ばかりが残っている。一同は横一列に並び、一斉射撃に備える。 「……これが射的、な」 感慨深げにグレイはつぶやく。 「まァ、童心に帰れたようで楽しかったぜ。その点だけは感謝しておくことにしようか」 「皆を楽しませてくれてありがとね、シャテキングちゃんっ!」 一斉射撃。 壮絶な魔光と銃弾の流星群は、宵闇の田園風景をあたかも花火の如く美しく彩った。 ●結果発表 「皆さん、無事のご帰還なによりです」 地下第一会議室。 佐幽は報告を改めて受けた後、本依頼の成功を告げ、リベリスタ一同を称えた。 「依頼遂行ご苦労さまでした。報酬は後ほど口座をご確認あれ。では、おやすみなさい」 「……景品は? 順位は?」 「ああ、順位ですか」 くす玉を引っ張る佐幽。ぱんぱかぱーん。 『“射的王”百舌鳥 九十九様! 優勝おめでとう!』 「これはこれは、どうもどうも」 「やはり高得点の箱モノロボが大きかったのかと。おめでとうございます」 なお、順位は以下の通り。『順位』点数:名前@主な獲得品。 『一位』250点:九十九@DXユウキング。 『二位』210点:七海@DXダイケンジャー。 『三位』200点:ラヴィアン@ぬいぐるみ大量。 『四位』130点:リンディル@ぬいぐるみ、菓子。 『五位』120点:グレイ@たわし、ぬいぐるみ。 『六位』100点:鹿島@ぬいぐるみ、たわし、菓子。 『七位』 80点:龍治@ぬいぐるみ。 『八位』 60点:ルナ@ぬいぐるみ、菓子。 「それとルナさん」 「はい?」 「仲間への心遣い、素敵でした。愉しい遊戯の一時を過ごせたのは貴方のおかげです」 「……はいっ」 佐幽の、一同の贈る拍手に、ルナは100%スマイルで応えた。 「皆さんお楽しみ頂けたようでしたら何よりです。では、おつかれさまでした」 射的ゲイム ――了――。 「……え? 景品? そもそもEゴレームの一部であって、第一巨大すぎますし」 佐幽は涼しい顔でさらっと言ってのける。 「わたくし一言も景品を持ち帰れるとは申し上げておりません」 思い出してほしい。 ――最後の敵は、悪意ある人間だということを。 ※なお、お菓子景品は現地で食べてもいいとのこと。 この後、スタッフがおいしくいただきました。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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