●湯けむりと共に 奴が来る。 古代文明の頃から人と共にあり、日々の汗と疲れを流し人々を癒し続けた奴が。 ――風呂が来る。 ●中身は菖蒲湯 「エブリバディ。バスタイムだぜ」 『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)の後ろのモニターに映っているのは檜風呂だった。 別角度からの画像は、立ち上る湯気の向こうに、長い緑色の物体――菖蒲の葉が浮かんでいるのが見える。 「こいつはE・フォース『檜風呂』だ」 うん、訳がわからない。 「でかくて広い風呂に入りたい。こいつは、そんな思念が寄り集まって出来たってわけだ」 なんだってそんなもんが革醒しちゃったのやら。 「出現するのはある街の郊外の山間部だ。麓のシティ目指して進撃する間に、フェーズ2まで上がる」 モニターに表示される予想進撃ルート。 「どうも他にも色んなサムシングが進撃してるみたいだが、お前達にはこいつを撃破して貰いたい」 進撃してくる風呂。シュールと言うか何と言うか。 「こいつがシティに侵入、溢れたホットウォーターでノーフェイスが生まれる未来はバッドだ。郊外にいる内に頼むぜ」 檜の浴槽からお湯が枯渇する事はない。 そのお湯に一般人が触れてしまえば高確率でノーフェイス化すると予想される。 「革醒者ならお湯が掛かる程度、大した事はない。むしろ、気持ちいい筈だ。ソウルが奪われる程にな。あと、リーフがシャープだから気をつけろ」 元となった思念が癒しを求めたものだからだろうか。あまり攻撃的な能力はないようだ。 「後これは大事なインフォメーション。こいつの進撃を一時的に止める手段がある。誰かがバスタイムすることだ」 はい? 「どこまで行ってもこいつは風呂だって事だ。誰かが中に入っていれば、その間はNOTムーブ」 動き回るお風呂なんて、落ち着かないもんね。 「但しリスクもあるぜ。ソウルが奪われる上に、いつまでも入っていたくなる。……だが、最大のリスクは、装備が見えなくなることだ」 え? 「服を着たまま風呂に入るのはノーマナーってことだろうな。水着なら残るがな」 水着残るのはきっと最後の良心。 「詳しくはプリントしておいた。じゃあ、後は頼んだぜ」 言うだけ言って、爽やかな笑顔を浮かべてNOBUは去っていったのだった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:諏月 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年05月26日(日)22:42 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●これは戦闘任務? 色んなサムシングの進撃。 なぜ、どうして始まってしまったのかは誰にもわからない。 だがまあ、理由はどうあれ、進撃してくる事実が変わる事はない。 ならば、食い止めなければならない。それがアークの宿命である。 進撃してくるサムシングの1つ、でっかい檜風呂を止める為に8人の乙女が集まった。のだが。 「すげー、ホントに檜風呂が動いちょる……E・フォースってもうなんでもありだね……」 『魔獣咆哮』滝沢 美虎(BNE003973)が見上げる程にでかい檜風呂を前にして、呆然と呟く。 「まるで移動式露天風呂ですね~。E・フォースでなければ~、アークにお持ち帰りしたいですよ~」 ユーフォリア・エアリテーゼ(BNE002672)の場合は、間延びした口調はいつもの事なので、驚いているのかいつも通りなのか良く判らない。 「ひょー! いくら広い風呂に入りたいからって、深さ5Mとかどんだけ!?」 白い翼で上空に舞い上がっている『箱庭のクローバー』月杜・とら(BNE002285)も、眼下に見える檜風呂に思わず声を上げていた。 「ここはしんちょーにいきましょう、しんちょーに!」 こちらは神秘の作り出した小さな翼で舞い上がり、『鉄壁の艶乙女』大石・きなこ(BNE001812)が檜風呂を見下ろす。 でかい。これは苦戦必至の強敵の予感がする。 「安全第一で時間をかけてじっくり攻略するべきだときなこさんは思うのです! けっしてやましい気持ちがあるわけではないですからね!」 誰に向かっての弁明かイマイチわからないが、きなこの視線は檜風呂に釘付けである。 E・フォース討伐の為に集められた筈だった彼女達だが、女性ばかりが集まったためか、既に気分は入浴に傾いている者がほとんどであった。 「わーい、おっふろおっふろ大きなおふろ~」 『幼い心に大きなおっぱい』ティオ・ココナ(BNE002829)は、はしゃぐ心を隠そうともしていない。 「素晴らしい露天風呂ですっ」 地上から見上げている巴 とよ(BNE004221)の目も、心なしか輝いている。 「ふぅん」 と、あまり気のない様子の声を上げたのは、宵咲 灯璃(BNE004317)である。 「広いお風呂に入りたいって気持ちはよく判るよ。羽を伸ばして入れるサイズのお風呂って少ないんだもん」 どうやらあまり表に出ていないだけで、風呂の大きさには心引かれるものがあるらしい。 「ただでおっきいお風呂入れるって聞いて来ました!」 キンバレイ・ハルゼー(BNE004455)に至っては優先順位が怪しい。 「ま、まぁともかく、これが街に着く前にぶっ壊せばいいんだねっ! まかせとけっ!」 ぐっと拳を握り、美虎が敵を見据える。 「まず止めないとですね」 とよも戦いを忘れたわけではない。距離がある内に魔法陣を展開し、自身の魔力を高めておく。 「わたしたちにかかれば問題は無いですけどね」 その手に風呂桶を持っているのが、なんともしまらないけれど。 「それじゃあ、一風呂浴びようか?」 同じく風呂桶を持った灯璃の言葉に、全員が力強く頷いたのだった。 ●入浴タイム×4 でっかい檜風呂が動き出すよりも早く、動き出すリベリスタ達。 「一番風呂いっただきー、皆頑張ってねっ♪」 上空から、とらと檜風呂の中を目掛けて急降下。そのままお湯にざぶんとダイブ。 「一番風呂はいただくのですよー!」 同じく上空にいたきなこもまた、ざぶんとダイブしていた。 2人が上昇していたのは、これを狙っていたからだ。 さらにきなこに至っては、ダイブ直前に全装備(衣類含む)を幻想纏いに収納したため、一糸纏わぬ姿なのである。 「お風呂には裸が正しいスタイルなのです。恥ずかしがる必要なんてないのですよ~」 お風呂に何かを着て入るなんてノーマナー。この場に男の目はないし、何を気にする必要があろう。 きなこが何の気兼ねもなく力の入らなくなった手足を伸ばしゆったりしていると、その横にぷかぁと、白い翼が浮かんできた。とらの背中だ。 「しびび……」 どうやら底まで潜ろうとした途中で、お湯の気持ち良さに痺れた様に手足の力が奪われたようだ。 「ぷはっ」 流石にうつ伏せのままだと息が出来ないので、くるんと仰向けになるとら。 「穴だらけにして壊しちゃうぞー」 「行くぞっ!! とらぁ……あっぷぁーーーー!!!」 顔を起こすと、地上からは檜風呂に攻撃しているらしい仲間たちの声と攻撃の音が聞こえてきた。 「大きなお風呂で大自然を眺めながら入浴できるなんて何て贅沢!」 「うん。大自然の中で、風呂はええのう……」 力の入らない手足を伸ばし、仰向けに湯船に浮いて檜風呂を堪能する2人。 片やビキニの水着、片や何も来てない女性が2人が漂い入浴中。 真上から見たらさぞサービスカットであろうが、そこは湯煙が全てを隠している。さうんどおんりー。 とは言え、気持ちいいばかりではいられない。 時折、湯船の中に急激な流れが発生する。それは2人の体力を多少なりとも奪っていた。特に全装備を収納したきなこにとっては軽くないダメージである。 「ごふり……こ、交代を……」 「そろそろ~、交代しませんか~」 とらが交代を考え始めた丁度その時、待ちきれなくなったかユーフォリアがぱたぱた羽ばたきながら上がってきた。 ふにゃんふにゃんで動く気力がなくなってる2人を引っ張り上げて、入浴メンバー交代。 次に湯船に入ったのは、ユーフォリアとティオの2人だ。 「ちゃぷちゃぷおふろで泳いじゃお~」 ティオが力の入らない手足をそれなりに動かし泳いでるっぽい動きをしている。さっぱり進んでないけれど。 「良いお湯ですね~」 ざぶんと潜ったとらと違い、ユーフォリアは翼を濡らさないように湯船の縁から外に出している。 彼女もまた、全装備を幻想纏いに収納しての入浴である。何も身に着けないのが日本の入浴マナーだと聞いたから。 下にいる仲間からは、湯煙の向こうに時折ユーフォリアの剥き出しの背中が見えていた。 しかしそこは女性のみの場。彼女自身も下の仲間も気にした様子は無い。 「早く順番来ないかなっ」 とよの様に自分の番を心待ちにしているばかりである。 「これは、お酒が進みそうですね~」 風呂に入ったまま、昼間から焼酎で一杯。ユーフォリアがそんな贅沢を始めようとした所で、気づいた。ティオの姿が見えない。 焼酎を出そうとした手を止め、辺りを見回すユーフォリアの目の前のお湯の中から、にゅっと伸びてくる白い手。 「はうっ?」 いつの間にか潜って近づいていたティオの手が、むにゅんと鷲掴みにしていた。(どこを、とは敢えて言わない) 「ユーフォリアのはやっぱり大きいから気持ちいいよ~」 むにゅむにゅ。 「あの~、ちょっと~……はうっ」 湯船の中に流れが発生しても、ティオは手を離さない。掴んだまま、むぎゅんと押し付けられる手。 下にいる仲間たちには、中の様子は見えない。まあ、聞こえてくるユーフォリアの喘ぐ声で、大体どんな事になってるか想像は付いたけれど。 「うおーい。そろそろ交代しないかー」 はしごを登ってきた美虎が声をかけるまで、ティオの手が離れる事はなく、結局焼酎を飲み損ねたユーフォリアだった。 「うひゃぁはぁ……」 気の抜けまくった声を上げて、サラシに褌という和の水泳スタイルな美虎がぷかぁっと浮かび上がってきた。 栓でもあれば引っこ抜いてみようと、深くまで潜ろうとして途中で力尽きたのだ。 ちなみに栓はなかった。お湯が尽きないとNOBUも言っていたではないか。 「気持ちいいぃ……」 地上では、削岩機も裸足で逃げ出す土砕掌ぱわーを見せつけんと、悪魔喰らいの名を冠した武具に包んだ拳をカチ上げ気味に叩き込んでいた美虎も、ここではすっかりふにゃっと力が抜けている。 「ほふぅ……のんびりできますー」 白いVストリングの水着姿のキンバレイは、手足を伸ばし広いお風呂を堪能していた。 「家だとおとーさんと一緒なのでおっきいお風呂入れると嬉しいです」 「おとーさん? 一緒に入ってるんだ?」 「一緒ですよ?」 美虎の問いに、にこっと笑顔で返すキンバレイ。 「この水着も、みんなでお風呂に入りに行くって言ったらおとーさんが買ってくれました」 この年齢に買い与える水着としては布地が偉く少ないものだが、主に胸が年齢不相応に育った身体にはあまり違和感は無い。 なにせ、お湯の中でもぷかぷかと浮力を保つ程である。どこぞの塔の魔女に迫るんじゃないだろうか。 そんな育った身体で父親と入浴はどうなのと思う人もいるかもしれないが、美虎が抱いた感想は異なる。 「そっか……良いおとーさんだね」 革醒時に父親を亡くしている美虎には、どんな関係性であれもう得られないものだ。 そのまま、2人は時に湯船の中を流されながらも、静かにまったりと入浴し続けたのだった。 我慢出来なくなった灯璃が呼びに来るまで。 「やっと順番ですよっ」 最後はとよと灯璃の番だ。 「入らずにはいられないッ!」 と先に飛んで風呂の縁に腰掛けて待っていた灯璃が先行、少し遅れてとよもはしごを登ってお湯の中へ。 「はふぅ~」 「ふぁ~……はぁ~」 2人とも、全神経を集中させた死神の一撃や、魔力の黒い大鎌を放ち続けていた。 待ちに待った入浴に、2人同時に漏れる感嘆の息。極楽である。 「良い湯だねぇ♪」 とよにぎゅーっと抱きつく灯璃だが、実は実は2人とも、姿は肌色全開である。 とよは防具の下に水着を着ていないし、灯璃は全装備を収納している。まあそういう事だ。例によって湯煙が濃いので、外からは何も見えない。さうんどおんりー。 「灯璃さんっ」 とよの声に灯璃が顔を向けたそこに、えいっとかかるお湯。 「ぷはっ、やったなぁ!」 そのまま始まるお湯の掛け合い。やはり2人もこれまでの仲間たちの例に漏れず、力が入らなくなっているのでお湯の掛け合いと言ってもパチャパチャと小さな水音を立てて互いの顔を僅かに濡らす程度であったが。 「もうちょっと入っていたかったですが、敵ながらあっぱれですよ」 とは言え、いつまでも遊んでいられない。 敵を褒めつつ、意志の力で脱力する手足に力を入れ、とよが湯から上がろうとしたのだが。 「え~、もう出ちゃうの? もうちょっと入ろうよー?」 その背後から伸びた灯璃の腕が抱きすくめ、それを止める。発揮した意志の力を別方向に使ってみせた灯璃。 「あ、灯璃さんっ!?」 背後からの不意打ちに逆らえず、ばしゃんと音を立てて湯の中に引き戻されるとよ。 支えきれず、2人とも一瞬湯船の中に沈む。浮かび上がって顔を見合わせ、始まるお湯の掛け合いぱーと2。 「お二人とも~、そろそろ交代です~」 聞こえてきた声が、2人を現実へと引き戻した。 ●進撃したい檜風呂 とよと灯璃がお湯を掛け合っている頃、地上にいる6人は軽く頭を悩ませていた。 「あー、もう! しぶとい!!」 美虎が残る気力を振り絞り、掌打でカチ上げる。 打撃と同時に流し込んだ気が檜風呂から溢れるお湯の流れを止めるが、恐らく数秒後には檜風呂はまた流れ出すだろう。 お湯の心地良さに、強パンチが弱パンチになるくらい力を奪われているのも影響し、内から壊す破壊の痛打もこの巨大な敵を崩しきるにはまだ届かない。 「本当に、しぶといですね~」 カツン、と乾いた音を立てて返ってきたチャクラムを手に、ユーフォリアがのんびりと呟く。 視線の先には、変わらずそびえ立つでっかい檜風呂。 とは言え、最初から2人ずつ交代で入浴し続けたので、この檜風呂、なんと山を抜けてから1センチも移動していない。 そこだけ見れば実に順調と言えるのだが、実はそうでもなかったりする。 檜風呂はまああちこち煤けたり削れたり、最初の立派な姿からするとだいぶ傷んでいるものの、まだ中の2人は変わらず入浴出来ているようだし、外から見るお湯の溢れる勢いもさっぱり衰えない。 こんなになっても、どんどこお湯が溢れてきているのだから、大したものである。 そしてお湯が止まらないと言う事は、リベリスタ達の気力が削られ続けている事に他ならない。 「大丈夫ですか、皆さん」 キンバレイが高位存在の力の一端を癒しの息吹として渡らせ仲間を支えるも、その回復量は彼女本来のものには遠く及ばない。 檜風呂のお湯は、リベリスタ達から攻撃力のみならず回復力も奪っていた。 だというのに、檜風呂からざっぱーんっ、と勢い良く流れ出すお湯は、彼女達の体力も気力も奪っていく。 時折飛んでくる菖蒲の葉の切れ味は鋭く、避けそこね貫かれたティオが戦線離脱を余儀なくされた。 きなことキンバレイが2人で癒しの息吹を渡らせて、それ以上の被害を出さずになんとか持ち堪えているが、この回復は消費も大きい。 「ああ、もう! こーしー牛乳欲しーのに!」 おかげでとらは2人に変わりばんこに自分の気力を分け与えるので手一杯だ。 2度目の入浴に向かうつもりもあったけれど、その余裕はない。 とらの気力が尽きるか、きなこかキンバレイのどちらかが倒れるかすれば、状況は一気にリベリスタの不利に傾きかねないのだ。 「あたしが~、もう一度行きましょうか~。もうスキルも使えないですし~」 ここでユーフォリアが再度の入浴を名乗り出た。 力の入らぬ身体でチャクラムを投げても、檜風呂に与えられるのは、かすり傷ばかりだ。 ならば進撃を止める方に一役買った方が良い。 「お二人とも~、そろそろ交代です~」 この提案に反対は出ず、再び入浴するべくユーフォリアがパタパタと上昇していった。 「今まで入った中で一番のお風呂でしたよ」 やがて、濡れた髪から湯気を立たせながら、とよと灯璃が降りて来て戦線に復帰した。 「もう手加減無しですよ」 まだいくらか余力のあるとよが、距離を取って黒い大鎌を檜風呂のお湯の届かない外からぶっぱなして削っていく。 「それじゃ灯璃も……ん?」 灯璃も止めを刺しにかかろうとして――とよと一緒に入浴中には気にならなかった、スキルを使う気力がない程の疲れに、ここに至って気づく。 「締まらないなぁ……行け! 赤伯爵、黒男爵!」 ぼやきながら、鎖を習いして愛用の刃を飛ばし、檜風呂に突き立てる。 「このぉっ……いい加減に、壊れろぉー!!」 もう何度目だったろうか。美虎がアッパーで檜風呂をカチ上げる。 既に土砕掌ぱわーを見せつける気力は尽きて、ただのアッパーになっている。 「大丈夫ですか、月杜?」 「実はしんどい。ちょっと拙いかもねえ」 きなこが気遣うも、とらの気力はもう底を尽きる寸前まで来ている。 このまま気力が尽きれば回復が途絶えて――そんな予想が2人の頭をよぎったその時。 ビシィッと音がして檜風呂全体に大きなヒビが広がった。 急激に起きた変化に、目を丸くする7人の前でガラガラと砕けて崩れる傍から薄くなり、徐々に消えていく檜風呂。 「……またね」 消えゆくその姿を見て、とよがどこか惜しむ様に小さく呟いた。それほどに気持ち良かったか。 「いきなり崩れて~、びっくりしました~」 残骸の中をパタパタ羽ばたいて、ユーフォリアも降りてきた。 「まだ飲みかけだったんですけどね~」 良く見ればその顔は心なしか、僅かに赤い。 どうやら、一人になったのを良い事に、中で先ほど飲みそこねた焼酎を飲んでいた様である。 「んあー、もーなんか戦闘のあったせいかお風呂中途半端気分! ねー。良かったらこれから仕切りなおしってことで、みんなも呼んで銭湯かどっかに入りに行かない? ちょーど全員女だし!」 「そうだね。上がってから戦ったら、汗かいちゃったし疲れたし」 「バスタオルはまだあります」 美虎の提案を灯璃が首肯し、とよがまだ使っていなかったバスタオルを出してみせる。 「今度こそ、こーしー牛乳も!」 「もう一回さっぱりするのも、いいですね!」 とらとキンバレイも反対する気はどこにもなさそうだ。 「じゃあ、ココナを起こしていい気分になってみんなで帰りましょ~」 きなこの言葉に頷いて、乙女達は戦いの疲れを流しに向かうのだった。 進撃のでっかい檜風呂。その筈だったのに、結局1mも進撃出来なかったなんてそんな。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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