●常夏バカンス 青い空、白い砂浜、透き通る海、サンサン太陽、弾けるバデー。 きゃっきゃうふふと水着の妖精たちは戯れる。 ここは屋内レジャープール『トコナッツ』そこは肌色の宝石が光輝く、美少女の宝石箱である。 遠くでは、ビーチバレーに興じる少女たちの姿もある。 「いいね! その笑顔サイコーだYO伊予ちゃん!」 「だんだん(ありがとー)!」 その一角では、夏を先取るグラビア撮影も行われていた。モデルは西園寺 伊予。元気がとりえの愛媛県出身柑橘系アイドル(ただいま十六歳)で、育ちかけの慎ましいボディーラインと裏腹に弾けるシャイニースマイルが純真無垢で健全なエロスを醸している。白と橙のフリルつきの水着が、ことさらコドモっぽいが愛くるしい。 シャッターフラッシュが焚かれるたびに、伊予の表情とポージングは七変化する。 パラソルの下で体育座り、小首をかしげて何かをねだるようにこっちを見つめる仕草は悩殺的だ。 ピカッ。謎の明滅。 「……?」 シャッターが押される。そのファインダーに収まっている伊予は、すっぽんぽん。 撮影陣の誰もが、言葉を失った。 「……は?」 「にぇ? ごめんぞなー! ポーズまずっとったぞなー?」 異変に気づかず、立ち上がろうとする伊予を「待った!」とカメラマンが押しとどめる。 「そ、そのまま動かないで! 落ち着いて、これから話すことをよーく理解するんだ」 「リョーカイなんよ」 カメラマンは深呼吸し。 「……ユーは今、全裸だYO!」 ちらっ。伊予の装備:葉っぱ一枚。 ちらっ。カメラマンの装備:葉っぱ一枚。 「……ミーも全裸だYO!」 「……ぞなぁぁ!?」 混乱、混乱、大混乱。 プールの人々の大半が強制ヌーディスト状態になってしまった。 葉っぱ一枚だけが生命線となった人々の醜態を、カメラでパシャリと収める影一匹。 「たぁーぬたぬたぬたぬ! こいつぁー傑作たぬ!」 海パン一丁にほんのり日焼けした肌に、緑髪の少年が腹を抱えて笑っている。たぬきのごんぶとい尻尾を隠そうともしない。その背後には、山積みになった美少女たちの水着とDホールが。 たぬき少年――ぽん太之介は水着をポイポイDホールに放り投げた。 「こいつを売ればガッポリ稼げるらしいたぬ! チョロいもんたぬ! たーぬたぬたぬたぬ!」 常夏の海に悪の笑いが木霊する――。 ●夏だ! 海だ! すっぽんぽんだ! 「エロ狸にすっぽんぽんにされる依頼にようこそ」 作戦指令本部、第三会議室。 フォーチュナー『悪狐』九品寺 佐幽 (nBNE000247)は緑の即席たぬきそばにお湯を注ぐ。 貴方たちは例によって例のごとく、ホイホイ依頼に召集されてしまった。 「とかく、ひとつ騙されたと思って皆さんわたくしの依頼に応じてくださいな」 立体映像が表示される。 場所は、年中いつでも常夏で水あそびができる屋内レジャープール施設『トコナッツ』の砂浜だ。 「アザーバイド『ぽん太之介』は喋る化けタヌキです。一定空間を自己の支配領域に置くことで、自由自在に自他の装備を交換できる『ヌーゲル空間』を展開します。交換ですので、ぽん太之介の葉っぱと装備や衣服が置き換わるわけです。 リベリスタさん全裸ですよ、全裸」 「急用を思い出しました」 起立するリベリスタ。閉鎖される特殊防護隔壁。振り返れば、佐幽が憐れみの視線を向けてくる。 おのれ悪狐。 「ぽん太之介は、要するにイタズラ大好きな悪ガキと解釈してください。皆さんにはまず、『トコナッツ』で一般客にまぎれてリゾート気分を満喫していただきます。そうして油断させ、ぽん太之介が現れたところを撃滅、もしくは捕獲か説得してDホールに還してください」 「てことは、Aパートは水着回?」 「はい、水着回と温泉回を強引にでも挟んでおくのが映像媒体の売れる秘訣です」 「もし筋肉マッチョの全裸が乱舞する地獄絵図になっても?」 「N♂Hな人に売ります」 天国か、地獄か。それが問題だ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:カモメのジョナサン | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年05月21日(火)22:39 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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