●山中なう 僕はとっても優しい○○○。 今日は皆とお友達になる為に、コスプレイベントに行くんだ。 だって、この格好凄いだろう? ある意味自前、皆喜んでくれるかな? それにしても……バス、来ないなぁ。 遅いなぁ。 遅いなぁ。 お腹空いたなぁ。 ……お腹空いたなぁ。 ……お腹空いたな。 お腹空いた。 ……腹減った。 腹減ったぞ! このクソが! ふざけやがってチクショウめ! こうなった走ってでもいってやるよ! クソが、クソが、クソがぁぁぁぁっ!! ●今日は楽しいお出かけ日和 「せ、せんきょーよほー、す、するよぉ」 何故かガクブルしながら何時ものセリフを口にする『なちゅらる・ぷろふぇっと』ノエル・S・アテニャン(nBNE000223)、そして兄、『SW01・Eagle Eye』紳護・S・アテニャン(nBNE000246)が妹の頭を撫でて落ち着かせようとしていた。 「こ、このゾンビさんをたおしてほしいのっ!」 スケッチブックを開くと、そこにはぐしゃぐしゃに書かれた一体のゾンビ。 回りは赤いクレヨンで塗りつぶされている。 元々下手糞な絵が、グシャグシャにかかれたものだから、線を引いて『ぞんび』とルビが無かったら分からなかっただろう。 「ターゲットはE・アンデッド、フェーズは2だ。通常時の戦闘力は皆無だが、一度敵意を向けたり、攻撃を受けたりすると……爆発的に強くなる」 何だそれはと疑問が浮かぶリベリスタ達へ、ターゲットの映像を見せる。 ドロドロに溶けた外皮、体毛は無く、ギョロッとした目玉が気色悪い。 意外と歯並びはいいのが癪だが。 「凶暴化するとリベリスタが束になって襲い掛かって、倒せるか倒せないかだ。なのでなるべく凶暴化させずに処理してもらいたい」 そもそも凶暴化しなければ無害という気がしてきたリベリスタからは、放置という手段が提案されるが紳護は首を振った。 「ダメだ。凶暴化のもう一つの条件、空腹になると空腹が収まるまで戻らない」 ゾンビが空腹になったら何を食うのかは大体察しがついたようだ。 苦笑いを浮かべるリベリスタを尻目に、説明が続く。 「何故か山中で発生したこのゾンビは、廃線となったバス停で来るはずもないバスを待ち続ける。そもそもコイツ、何故か近所のコスプレイベントに行こうとしているらしい。良く分からんが変に陽気だ」 こんなバケモノが現れたらホラーイベントに早変わりだ。 苦笑いで済む話でもない。 「で、でもね? ぞんびさんは、海が苦手なの」 ノエルの言葉、その理由を紳護が答える。 「コイツは海水に全身が浸かると暴走状態になれなくなり、じわじわと死ぬらしい。そこでこちらが用意したバスへ搭乗させた後、人気の無い海辺へとバスを向かわせる。」 チャンスは、スクリーンに映し出されたバスルートの最後。 大きな建物が見える海辺のバス停だろう。 「人避けは俺達が行っておく、君たちはバスでゾンビを下ろした後、どうにか悟られぬ様に海水へ沈めてくれ」 バス停の周辺はちょっとした散歩道になっており、海に沿う形で続いている。 絶好のポイントだが、如何に沈めるかが大切だ。 力尽くでやっては、一気に激怒する可能性がある。 「それと……空腹具合は徐々に酷くなる。何か話しかけて紛らわしてやってくれ、場合によっては何か食い物を与えてやってくれ。 ……あー、人肉じゃなくていいからな? 普通の肉でいい」 何で春の終わりに、何が悲しくて腐った死体のご機嫌取りを命がけでやらねばならないのだろうか。 リベリスタ達からは盛大な溜息が聞こえた。 「……面倒だがよろしく頼む」 「みんな、がんばってね?」 紳護の真面目な声と、ノエルの天然な甘い声が背中を押す。 仕方ないとリベリスタ達は行動を開始した。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:常陸岐路 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年05月13日(月)22:59 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●フレッシュネス☆ゾンビ @Zontan 50分前 むくりなう、今日はイベントあるっぽいから行こうかな 「こんにちわ、今日はよろしくお願いしますね?」 『月奏』ルナ・グランツ(BNE004339)は運転手の男に挨拶を掛ける。 中年の男は、バスの後部座席に向かう彼女をミラー越しに目で追う。嗚呼、ああいうのが嫁にいいとかなんだとか。 早速ルナはスマホを取り出すと、アプリを立ち上げ、何かを探していた。 (「これかな?」) 見つけたのはフレッシュネス☆ゾンビとHNを語るアカウントだ。 ご丁寧に腐った顔でピースした自撮り写真のアイコンつき、愉快なゾンビに思わずくすっと笑う。 その様子に『ひーろー』風芽丘・六花(BNE000027)が、興味津々な視線を向けて問う。 「丁度、ゾンビさんを見つけちゃったんだ」 六花が覗き込んだディスプレイには次の投稿が表示されていた 『フレッシュネス☆ゾンビ @Zontan 5秒前 朝飯の鳥、もぐもぐうまうま』 一般人と変わらぬ日常っぽい呟きに、六花も思わず笑いが込みあがる。 そしてバスは坂道を上がっていった。 ●フレッシュネス☆ゾンビ @Zontan 40分前 バスが来たー、これからイベントへ向かうなう! 山中、寂れきったバス停に1体の影があった。 それを1体と呼ぶのは、人ではないからだ。 腐敗した皮膚は表面が崩れ落ち、紫色に変色した筋繊維が覗ける。 そのクセは白く、浮き出たように目立つ目玉が印象的だ。 まさにゾンビ、なのだがスマホに繋いだイヤホンから音楽を楽しみつつ、鼻歌すら奏でていた。 待ち侘びたバスが坂の向こうから競りあがるように姿を現せば、かぱっと口が開く。 笑ったようにも見えたゾンビはアプリを立ち上げ、何かを入力した。 その間にディーゼルの音が直ぐ傍へ。 ガスが抜ける音と共にアコーディオン風味なドアが開く。 さも当たり前に乗り込んだゾンビを出迎えたのは、既に乗り込んでいたリベリスタ達である。 ●フレッシュネス☆ゾンビ @Zontan 38分前 まさかのモテ期、ktkr! 「おにーさんイベントに行くんですか?」 最初に声を掛けたのは、キンバレイ・ハルゼー(BNE004455)である。Tシャツにジーンズのホットパンツと涼しそうと見える格好だが、その下に着た水着はもっと激しい。 それは後のお楽しみだ。 「今日は。よければ隣に座りませんか?」 淡い微笑を浮かべて、『愛を求める少女』アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)隣の席を勧める。 「じゃあ遠慮なく」 一番後ろの真ん中の席、、キンバレイとアンジェリカの間に当たる席へゾンビは腰を下ろした。 が、しかし。腐敗し、自然に還りかかった肉の匂いは強烈である (「おとーさんのおむつ交換してますし……」) 父親との思い出が、キンバレイの脳裏を過ぎる。 要介護者というワケではなく、ネットゲーに集中するあまりにそんな状態なので一応心配はしなくていい。 それがまともかは別の話だが。 「ごめんなさい、あたしの香水ちょっと強すぎたかしら」 キンバレイの表情が崩れそうになったところで、『氷の仮面』青島 沙希(BNE004419)が苦笑いを浮かべてフォローを入れた。 実際に、香水も強めにつけてある為、信憑性も高い。 併せて匂いをある程度緩和させてくれているのも心強い。 「ぇ、あっ、はい、一気に吸っちゃったからびっくりしました」 キンバレイも上手く相槌を重ね合わせ、言葉を繋ぐ。 そして、アンジェリカもこの腐臭に記憶を思い起こす。 (「あの時によく嗅いだ匂い……」) とても大切な神父と出会う前の事だ。こんなゴミ箱同然の匂いの部屋に押し込められ、虐げられてきた。 感情と心が腐り落ちていく、ある事が辛くなってしまう。何時しか失ったそれは、今の自分の感情に爪痕を残している。 望んだ結果ではないだろう。自分を重ね、胸が締め付けられる想いだ。 「はっはー、いや、俺もファ○リーズしてきたんだけど、除菌されてなかったかも。ごめんごめん。漂白すると流石に解けちゃうからさ」 自らざっくりと匂いを認めて笑い飛ばすゾンビ、筋肉が引き攣る所為か歯がカチカチとぎこちなくぶつかって響いた。 (「気さくだけれどちょっと難しいところのあるゾンビね……」) 明朗な反応に、『黒渦』サタナチア・ベテルエル(BNE004325)は心の中の独白と共に苦笑いを浮かべそうになる。 (「でもノエルと紳護からの依頼だもの。絶対成功させるわ! 喜んでもらいたいし」) その思いが自然と彼女の微笑を柔らかくしていた。 「あ、そのチラシ……わたし達もコスプレ大会あるって聞いて来たんだけど、ひょっとして同じところに参加するんですか?」 『ゲーマー人生』アーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)は同じチラシを広げてみせる。 「そうそう、いやーもう、この自前のゾンビルックしかできないけど」 寧ろそれ以外に何をする予定だったのか? 「初めまして私はルナ。私も貴方と一緒でコスプレイベントに向かう予定なんだ! ほら、私の姿もソレっぽいでしょ?」 青色のドレスは所謂カジュアルな服装とは離れている、彼女にとっては何時ものものであるが世界が変わればそれも変わるというところか。 ゾンビも おぉ と、感嘆の声をこぼし、小さく拍手する。 ぺちゃぺちゃと響くあたりが皮膚の具合を物語っていた。 「それにしてもそっちのコスプレも凄いわね、こんなにクオリティ高いの初めて見たわ! なんて作品?」 サタナチアの問いにゾンビは再び不恰好に笑う。 「いや~ゾンビだからどの作品でもいけるよ、あっ、でも常磁 路目雄(じょうじ ろめお)さんの作品とかは好きかな」 流石にベタかと一人で突っ込みつつ笑うゾンビ、実は結構空腹具合は酷くなってきているのだが、こうした雑談がそれを忘れさせてくれる。 「そうなのね、その路目雄さんのお勧め作品は何かしら?」 すると白い骨が見える人差し指をびしっと突きたてた。 「死者の大地とかかな、いやぁゾンビが農作物をガチ栽培する作品は驚いたんだ。それでいて農業内容凝ってるし、とってもお勧め」 己が肥料になるのかとは言いたいところだが、それを食っても感染しそうである。 しかし、美女、美少女に囲まれ。このゾンビ、ノリノリだ。 そこを逃さず、アーリィが距離を詰める。 「もし良ければ……一緒に行ってみたりします?」 「マジっすか? 寧ろこんな腐れ系男子でいいんですか?」 身を乗り出す勢い、寧ろ、これが普通の椅子だったら物音が立ちそうな勢いだ。 「勿論だよ、ここにいるのは皆、イベントに行くつもりで集まったわけだし。そんなすごい格好が出来る人と、ご一緒できるのはこっちも歓迎さ」 『金雀枝』ヘンリエッタ・マリア(BNE004330)が満面の笑みで頷く。 「うぉぉ、ゾンビ冥利に尽きるっ! 皆、ありがとう!」 そして早速喜びの言葉が文字となって投函された。 ●フレッシュネス☆ゾンビ @Zontan 30分前 バス間違えた…… (´・ω・`) でも、お昼ウマウマ! (`・ω・´) 「さて……と、そろそろ到着ね。それに、わたし達以外誰も居ないし、いいよね?」 確かめる様に呟いた沙希は、バッグの中から衣装とタオルを取り出す。 器用にタオルで体を隠しながらの生着替えが傍で始まるのだが、このゾンビは男である。 衣擦れの音に喉を鳴らし、思わずタオルの隙間のお零れにありつきたいと視線が泳ぐが、駄目だと思い直す辺りウブな様だ。 マズイマズイとスマホに視線を集中したのだが。 「ヤバイ……マジヤバイ」 「大丈夫? もうすぐ着くから」 空腹に理性が消し飛びそう、というわけではない。 空腹が相成ってバス酔いに苦しんでいた。 そもそもこの腐った輩が吐き出すものがあるのか些か不明だが、出たとしても酷いものが出てきそうである。 アンジェリカに手を握られ、励ましの言葉で耐えるゾンビ。 そして、バスは海沿いの終点に到着する。 「あれ、乗るバスを間違えたのかな? これは終点みたいだし、一度降りてバスを待とう」 コスプレ会場からはまだ離れているこの地点を怪しまれないように、ヘンリエッタがフォローしながら移動を促す。 酔っていたことも幸いし、ゾンビは促されるまま、リベリスタと共にバスを降りる。 「次のバスまでまだ1時間あるみたいだ。良かったら一緒にごはんにしないかい?」 バス停の時刻表を確かめているように見えるが、フェイクである。 演じてお昼のお誘いを掛けると、ゾンビが困ったように笑う。 「嬉しいんだけど、俺、会場ついてから何か調達するつもりだったから……」 何を調達するつもりだったのやら、想像はつくがしたくはない。 「私、作りすぎちゃったし食べきれないだろうから、貴方も一緒にどうかな?」 「んじゃあ、お言葉に甘えて……」 ともすれば、お昼を食べる場所を確保せねばならない。 潮の香りがリベリスタ達の鼻を擽る。 「この近くって海とかあるみたいですね、時間あればちょっと遊んだりもできるのかな?」 アーリィがそれとなく、海の話を切り出す。 ゾンビが海に対して警戒心を抱いていれば、簡単には押し込めない。 除きこむような視線、そしてアンジェリカが言葉を連ねる。 「そういえばそうだったね、海は好き?」 ゾンビは解けた顎に指当てて、暫し考える。 「普通? というか、見たことはあるけど触れたことなかったや」 触れたら死んでしまうんだけど。 リベリスタが異口同音に心の中で呟いた。 しかし能天気なゾンビの返答で、警戒心がないことがはっきりする。 「ねっ、海でイベント用の写真を撮りたいって子が居るんだけど、協力してもらってもいいかな? お願い!」 一瞬、悟られぬ様に視線で合図を送った後、ルナが手を合わせてお願いする。 「コス写真を撮るのを手伝ってほしいの。私、人魚姫のコスプレしようと思って準備したのよ。尻尾は準備できなかったけど……それに貴方の格好もすごいし、是非一緒に撮りたいわ」 サタナチアの提案に、沙希も頷く。 「私のコスプレも海に関わる作品だし、イベントの前に海で撮影したいわ。」 カヌーで旅をする女性の冒険記、沙希はその主人公と同じブランドのウェアを纏っている。 なるほどと頷くゾンビは、そんなに深く考えることもなく承諾すると、一同は海辺へと向かうのであった。 「今はゾンビっ娘というじゃんるが流行しているんだよ。その流れで女の子にはぞんび男子が人気なんだとか」 その真偽は知らないが、ヘンリエッタは別のリベリスタからそんな話を聞いたらしい。 「ほー、寝てた間にそんなジャンルが出来たんだ。でもこんなガチゾンビじゃ駄目じゃないかな、ほら、BLとガチホモが違うのと同じで」 ゾンビも意外と驚きを示す。 雑談を続けながら、海辺へとつくと涼しい潮風の中、お弁当を広げ昼食の時間だ。 「皆、上手だな~。てか、好物が多くて吃驚だよ」 それはそのはず、既に予知されていた情報なのだから。 かといって悟られては面倒なのも事実だ。 「コスプレイベントって体力使うからご飯もちゃんと食べておかないとね?」 ルナの言葉は尤もで納得がいく。 そして、ごそごそと何かを取り出したゾンビの手にはマイ箸。 彼曰く、ゾンビの嗜みだそうだ。 「ほら、よく噛むのよ。その方が満腹になるって雑誌に書いてあったから!」 お弁当を差し出しつつ、サタナチアが促す。 カラアゲや豚の生姜焼き等、肉が満載のお弁当に目を輝かせる。 「了解~、いただきます!」 準備した箸は両方の端で摘めるタイプのもの。 腕をにゅっと伸ばし、丁寧に肉を摘むと蓋を皿代わりに一度そちらへ移す。 そして食べるときは箸の先端を逆にして摘んでから食べてと律儀な作法だ。 キンバレイからはステーキを、ヘンリエッタからはローストビーフと、ちょこちょこと摘み食いの様に御相伴に預かる。 皆から分けてもらった昼食に、ゾンビの腹も満たされ、これで空腹での暴走はなくなった。 (「あとは……」) 海にどう沈めるか、役者ながらのポーカーフェイスで微笑みながらその手段を改めて考えていく。 ●フレッシュネス☆ゾンビ @Zontan 0分前 皆と海で撮影なう、後ちょっとで会場入り~ 「海の側から望遠で撮っていただけるかしら? 浜辺で皆の姿をとりたいの」 腹も落ち着き、早速と沙希がゾンビにカメラを渡す。 任せろとサムズアップするゾンビは、特に躊躇する事無く海へと足を踏み入れる。 「可能ならもう少し深くがいいかな」 ヘンリエッタが沖へと追いやる誘いを掛け、促されるままザブザブと波を腐敗した足がかき分けていく。 「うん、もうちょっと……」 腰ぐらいまで浸かりそうなところまで来ると、足元がぐらりと揺れる。 そろそろ力を失いかけてきたころあいかと、ルナが身構えそうになるが。 「んー、これ以上いくとカメラ濡らしちゃいそうだからこの辺が限界かな」 もし、命の危機に気づいただけなら容赦なく攻撃を浴びせられた事だろう。 何も意識せず、ただこのひと時を楽しむゾンビの姿に直ぐに攻撃に移れなかった。 特に感情を読み取っていたルナには、痛いほどにそれが分かるのだ。 「ほら、笑って笑って~」 ルナが握っている杖もイミテーションとしか考えていないのだ。 その隣にいるヘンリエッタの衣装が、創作ファンタジーの服装と聞かされているものの、実は戦装束であることにも気づかない。その武器も小道具としか思っていなかった。 故に弦が引かれていても何も警戒していない。 彼の言葉に釣られて笑みがこぼれ、小さく高い機械音が響く。 「次、何撮る?」 このままでは海から上がってしまう。 「どうせだし、水遊び、一緒しません?」 ふと呟かれた言葉、同時にキンバレイが服を脱ぎ、きわどい水着姿を晒す。 幼いながら激しい体つきにゾンビの視線も釘付けだ。 「そうね、どうせ水着なんだし」 サタナチアも続き、海へと入る。 「じゃあ、カメラは濡れない様に回収しませんと」 沙希もカメラを受け取りに海へ。 どうぞと手渡されたカメラ、これでもう彼を止めるものは何もない。 肩まで浸かるような水位へ足を踏み入れれば、水面を揺らし、キンバレイがはしゃぎ、じゃれ付く。 匂いも海水の冷たさが弱らせてしまうほど水温は低く、身震い一つしないゾンビは、気づけないほどに皮膚が壊死していることを示す。 「いや~、海ってこんなところだったのか、楽しいねぇ」 笑い続ける彼はいつしか動きが鈍くなっていた。 「わぶっ!?」 波で頭から塩水をかぶると、途端に彼の気配が弱くなっていく。 「うわ~何かいい気分……」 温泉にでも浸かったかのようにリラックスする彼に死の恐怖は見えない。 既に死んでいるためか、それとも理解できていないのかは定かではない。 「……ごめんなさいね。あなたから聞いたおすすめ漫画、絶対に読むから」 聞こえたかどうかは分からない。 既にゾンビの体に魂は宿っていなかったのだから。 「ごめんね」 波音と共に彼を誘う、アンジェリカの鎮魂歌。 せめて安らげるように。 可愛らしいゴシックロリータのドレスを纏ったアンジェリカの姿を最後に、この物語は幕を引いた。 検索結果:フレッシュネス☆ゾンビ は 見つかりませんでした。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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