●雑務 コンクリート打ちっ放しの殺風景な佇まい、簡素なロッカーに向かい合わせのデスクが幾つか。 傍にあるホワイトボードには地図が貼り付けてあり、白地に黒と赤のラインが残ったままだ。 荒っぽい作りのここは、『SW01・Eagle Eye』紳護・S・アテニャン(nBNE000246)が率いる偵察部隊スカイウォーカーの作戦室である。 デスクワークにいそしむ紳護の傍で、チーム内最年長のメンバーOwlEが溜息を吐きながら受話器を置く。 「……どうした? 珍しいな」 つかみどころの無い、のらりくらりとした彼の表情が陰る事は滅多にない。 小さく溜息をこぼすOwlEは胸ポケット探る。 「いやぁ、あれだよあれ。装備の手配とか頼んでる奴いるだろぉ? んで、労いにバーに誘って仲間と騒がせてるんだけどよ、そこが店畳んじまってな」 煙草を取り出すと、口に銜える。 そしてライターを手に取ったところで紳護は、煙草を取り上げた。 「ここは禁煙だ」 どうやら無意識だったらしい。 思い出したかのように生返事をぼやき、再び溜息が零れる。 「まぁ、今後の事も考えりゃ接待も仕事なわけよ。別の店探さなきゃいけないんだが、時間がねぇしなぁ……まいったまいった」 待遇が悪ければ次の仕事のこなし具合もあるが、いざという時の対応力は変わってくるだろう。 やれやれと頭を振ったところで、OwlEはぽんと手を打つ。 「おい紳護、ここにゃぁいい人材腐るほどいるよなぁ?」 OwlEの口角が上がる。 紳護はそのニヤッとした笑みに、嫌な予感しかしなかった。 ●予報なし 後日。 ブリーフィングルームに集められたリベリスタ達を紳護が出迎えた。 珍しく、何時もなら傍にいる妹の姿はない。 「今日は予知は無しだ、俺の仲間からの依頼だからな」 そういうと、紳護はスクリーンに映像を映し出す。 人が2~3人は自由に動けそうなステージに、バーカウンター、そして丸テーブルの席が幾つか。 何の変哲も無い酒場の映像であった。 「装備等の補給を依頼している集団がいるんだが、そいつらの接待を手伝ってほしい」 接待場所が潰れた事、次の場所を探すまで時間が無い事、聞かされたことをそっくりそのまま説明する。 リベリスタ達の装備は大半が特殊だ、それの補給路に不備を抱えるの面倒なのは彼らとて分かるだろう。 「お願いしたいのは酒とつまみの給仕、それと出し物とそれの仕切り役といったところか」 学校の文化祭でよくある喫茶店的な出し物を思わせる内容に、リベリスタ達も簡単そうだと表情にも気配にも表れる。 だが苦笑いを浮かべる紳護はバツが悪そうに説明を続けた。 「その……出し物なんだが、元々の酒場が妖艶なモノをやっていたらしくてな。ポールダンスだったりだとか、そんなのがご希望らしい」 いきなりのオチに総員がガクッと崩れる。 予想の範疇だった紳護も、表情を変えず頷く。 「気持ちは分かる。だが男臭い場所では酒と女は切っても切り離せないらしい、元の酒場も所謂お触り厳禁だったという話も踏まえれば酷い事は起きないと思われる。出し物はそんな彼等が満足しそうなものを提供してくれ、内容は問わない」 クソ真面目な説明で注意事項と概要を締めくくると、紳護は酒場までのマップをテーブルに置く。 「掛かった費用はこちらで請け負う、費用の報告を後で頼む。何か必要なものがあったら教えてくれ、可能な限り善処する」 こうして戦士達は戦士を接待する奇妙な依頼に取り掛かるのであった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:常陸岐路 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年05月02日(木)22:59 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● アークから召集された美女、美少女達の準備は万端だ。 騒がしさが外から近づいてくるのが分かる、大きなベルがドアが開くと共に鳴り響く。 「いらっしゃい、待ってたわよ?」 ゆったりとした口調で出迎えた『エーデルワイス』エルフリーデ・ヴォルフ(BNE002334)の声は、色香に溢れていた。 それだけではない。 際どく上がった裾、浅履きで足の付け根のラインが見える下腹部と激しいホットパンツに、かなりたけの短いタンクトップからは綺麗な腹部のラインが男達の下心を擽る。 銀髪に意志の強さを感じる赤い瞳、目を細めた笑顔がたまらない。 丁度料理を運んでいる最中だった為、振り返りながらの挨拶となり、素晴らしいプロポーションがしっかりとくびりだされていた。 男達は予想外すぎる妖艶な先制攻撃を受け、息を呑む。 「ふふっ、そんなところで立ち止まらないでこちらにどうぞ?」 分かりやすい反応に『月光花』イルゼ・ユングフラウ(BNE002261)が笑みを浮かべて、席へとご案内。 エルフリーデとは対照的に、巫女服風味の着物姿だ。 ゆったりとした服装ながらも体のメリハリが良く分かる、つまり、それだけのモノを持ち合わせている証拠である。 尤も、逞しい腕に細い腕を絡ませ引き寄せて案内しているのだから、肘に当たる感触が実感を与えているだろう。 男達の表情は一気に緩む、良くも悪くも単純で御馬鹿な思考回路といったところか。 乾杯の音頭、そして鳴り響くはガラスのぶつかり合う音。 一気に騒がしくなった酒場、男達は酒や料理を運ぶ女性陣の艶姿にご満悦の様だ。 「~♪」 歌を口ずさみながら厨房からエルフリーデが姿を見せる。 手にしているのは大きめの鍋、濃密に交じり合った野菜と肉、そしてスパイスが幾つか。協奏曲が男達の鼻を擽った。 香りの先には彼女、そしてカウンターに置かれた小型のコンロにそれを下ろす。 弱火に掛けながらゆっくりとかき混ぜていくのだが、あえてお玉を両手で握っていた。 腕の間に挟まれた双丘が、Tシャツの上からもどうなっているか想像に容易いぐらい押し潰され、腕の角度によっては窮屈なそこから飛び出し、弾ける様が見える。 間接的ながら男の欲をそそるに十分、更にここからが本番。 厚底の皿に盛り付けると、こげ茶のビンを取り出す。 蓋を外し、逆さにするが出ない。 きょとんとしたエルフリーデが出口の先端を覗き込むと、どうやら凝固した成分が栓となっていたようだ。 クッキングペーパーでグイグイと拭い去ると、入り込んだ空気で圧力が変わり、出口の周りに滞留していた生クリームが一気に飛び出す。 「きゃっ!?」 口元、頬、鼻と飛沫となった白がこびり付き、粘度の高い雫がゆっくりと下っていく。 「もぅ……」 困った様に笑いながら指先でクリームを拭い、口元に運ぶ。 繰り返す度に男達の視線が重なる。 突き刺さる欲視に気付き、エルフリーデは艶やかに微笑むと出来上がったシチューを運ぶ。 若干前かがみ気味にテーブルへと移せば、悪戯な囁きを零す。 「私の胸くらいに柔らかく煮込んでみせたからね……?」 一番の視線を向けた男へ。ストレートな言葉に微笑み、一瞬止まった様に静かになった。 彼女が去って直ぐに、爆ぜる様な歓声が、その答えだろう。 ● 「野郎ども、いい感じに出来上がってきたかお!? 今日はあちき達が存分にお持て成しするから、盛り上がっていくおーっ!」 男達のテンションを一気に高ぶらせる掛け声、『おっ♪おっ♪お~♪』ガッツリ・モウケール(BNE003224)のマイクパフォーマンスだ。 変わった語尾の口調も、酔い始めてきた男達には気にならない。 イエーイ! と在り来たりな返事が男達から返る。 「さぁさぁ、野郎どもお待ちかねのショータイムだお!」 待ってましたと拍手喝采、とても分かりやすい反応だ。 「最初に登場するのは10歳の女の子だお」 しかし、その言葉にどよめきに代わった響き。ガッツリは悪戯っぽく笑いながら人差し指を振る。 「おぉっと……10歳だって馬鹿にしちゃいけないお。バストサイズはなんともうすぐ1mだって言うんだからね」 何……だと? と言わんばかりに静かになる。お前等分かりやす過ぎだ。 「なれてないから初々しい感じもお見逃しなくだお。キンバレイちゃんよろしく!」 そして舞台裏から現れたのは、際どい白のマイクロビキニに身を包んだキンバレイ・ハルゼー(BNE004455)である。 『お仕事がんばっててんのーしょーの資金を用意するのです!』 意気込みが少々不順ではあるが、気合十分だ。 実はリハーサルとして何度か踊り、バッチリと練習を重ねている。 スローテンポなリズムが刻まれ、艶姿を強調するようにカラーライトが彼女を照らす。 緩やかに、時に激しく。 水着が弾け飛びそうなほどの揺れに、男達もからは食い入る様な視線が送られた。 後ろ手にポールに絡みつき、そして腰を落とす。 弾む胸元と真逆な太股の細さのアンバランスが、言い知れぬ刺激となって胸を擽る。 目を細めながらポールへ背中を押し付けるようにしながら立ち上がると、ポールに向き合う。 小さく跳ねて高いところに掌を絡ませ、腕を体をと続く。 足はバランスを取るために開かれるが、それがまた扇情的な姿となり、ツインテールをライトに煌かせながらゆっくりと回り、下る。 沢山の事は覚えれなかったが、要点を捉えた踊りは男達を魅了するに十分だ。 「あ……♪ はふぅ……♪」 最後に甘い吐息と共に、ポールの元で背を仰け反らせて胸元を強調したポーズでシメ。 音楽が終わると共に拍手が沸き立つ。 「キンバレイのダンス気に入ってくれたなら……おっぱいにチップ入れてくれると嬉しいです~♪」 汗に濡れた体でステージから降りると、ぎゅうっと腕で谷間を作り、前かがみにおねだり。 一気に男達の群集に包まれたのは、当然の事だろう。 ● 先発を飾ったキンバレイのショーは成功だ。 活気止まぬ内に、ガッツリは次のショーへと続ける。 「さて、次は2人でポールダンスをやってくれるお。1人は……もしかしてこの中に知ってる人がいるかもしれないお。ご近所アイドル目指して現在奮闘中で売り出し中。アイドル候補生のミサイルガール明奈ちゃん! もう1人はちょっと前に13歳になったばかり、体も心も子どもでもない大人でもないビターでスイート。真独楽ちゃん! おふたりともよろしくだお」 クラッシックな音楽と共に『ミサイルガール』白石 明奈(BNE000717)と『ビタースイート ビースト』五十嵐 真独楽(BNE000967)がステージに上がる。 ウェイター姿の明菜に対し、真独楽は美しい背筋が映えるナイトドレスと背伸びした格好ながら様になっていた。 手を取り合い、クラシカルなダンスから始まる。 明菜が引き寄せ、真独楽の胸板に顔を寄せ、真独楽のすらりとした脚がドレスのスリットから露になる。 離れ、手を引いて回り、慎ましい雰囲気に変わった瞬間。 そこからが本番だ。 音楽が途切れ、無音の数秒から爆ぜるようなドラム音が鳴り響く。 ハイテンポなエレキギターのリードと共に二人が動き出す。 先程はまったく違う激しいダンスを魅せる明菜は、踊りながらボタンを外していく。 仰け反り、腰をくねらせ、歌を口ずさみながらベストを脱ぐ動きすらダンスの一部。 スタイルを言い表すならばレゲエダンスに近いだろう。 ボタンが全て空いたブラウスを纏い、ひらりと揺れ動く中で短いボンテージビスチェが見え隠れし、強調された谷間が艶かしい。 脱ぎ捨て、腰をくねらせながら滑り落ちたスラックスからは、ホットパンツ風のランジェリー。 迸る情熱を体で表せば表すほど荒れ狂う嵐のように激しく、そして追いすがる体を包む服が弾け飛びそう。 (「まこも楽しくなってきちゃった!」) 真独楽も手品の如くナイトドレスを払う様に脱ぎ捨てれば、ビキニトップスとローライズのショートパンツと小悪魔チックなルックスを見せる。 自慢の足と腹部から腰に掛けたラインを存分に魅せつけ、しなやかにポールに飛びつく姿は尻尾と併せて猫を思わせるだろう。 ポールを抱き寄せるようにしがみつき、片足を背中の方へと仰け反らせていき、頭上にちかいところで爪先を掌が捉える。 一瞬止まってから足を離し、バネの様に脚が前へ。 振り子の如く揺らし、今度は斜めに、そして逆さまになった体を足をだけで支える。 ぱっと両腕を広げて男達に笑顔を見せれば、ポールを掴む。 ぐいんと半回転、ポールに抱きついたままクルクルと回りながら落ちていく。 時に傍でダンス中の明菜と回りながらのハイタッチをしたりと、二人ならではのアクセントも見せる。 (「褐色ツインズのセクシーな肌を見やがれ!」) 最後は二人でポールで回り、寄り添いあって決めポーズ。 結果は勿論万雷の拍手だ。 ショーも前半戦が終わり、一休みに入る。 「お疲れ様です、沢山飲んで楽しんでくださいね?」 イルゼは男達の隣に腰を下ろし、若干密着気味にお酌をしていた。 和服美女という点はかなり大きい、男達の国籍は多くが日本以外。 フジヤマ、スシ、ゲイシャ ダイスキという奴だ。 清楚で艶のあるイルゼの見上げる視線は、グッと来る。 「こっちにもくれよ~、イルゼちゃん~」 既に酔い始めているのもいる。 差し出したグラスが、不規則に揺れていた。 「今行きますね」 席を立ち、酔っ払ったオッサンのほうへと向かうのだが長い裾が椅子の足に引っ掛かる。 ぐいっと足元を掬われ、途端にバランスは前へ傾いた。 「きゃっ!?」 転倒、顔はソファーの背もたれに埋もれ、何も見えない。 そして胸元に感じる違和感、ぶつけた額を摩りながら体を起こすと直ぐに分かった。 たわわに育った胸元を思いっきり男の顔面に押し付け、覆いかぶさる形で倒れてしまったのだ。 胸元の陰から見えた男のだらしない顔に、色々と理解が及ぶ。 「し、失礼しましたっ」 居た堪れなくなり、傍にいた明奈に場を預けて別の男達の接客へ逃げていった。 入れ違い際、イルゼのハプニングに乗っかる様に伸びてきた手を、明菜はやんわりと払う。 「おっと、お触りは厳禁です。握手券は発売予定のCD付属ですので!」 男もばれたかと悪戯っぽく笑い、つまみへと手を伸ばした。 ● 「さぁ、お次は? 給仕の場からいなくなったのは誰かな?」 ガッツリの声がスピーカーから響く。 ショーの再開を告げる声は、問いから始まっていた。 「少し話して彼女の魅力にうっとりしちゃった人いるんじゃねーかお? 現代の大和撫子と言っても過言じゃない! 日本大好きイルゼちゃん。今夜はどう舞ってくれるのか。それではお願いするお!」 いつの間にか姿を消していたイルゼが舞台裏から姿を現す。 ぱっと見たところ、姿に代わり映えがないように見えるが……どう違うかは後に知れる事。 それより流れ始めた音楽の方が驚きだろう。 琴、小鼓、笛、所謂日本舞踊で流れるような古めかしい音楽だ。 ばっと広げた扇子、水流の様に滑らかで少し無機質感を与えるそれは、正に舞いというところ。 それだけでは勿論驚かせただけだ、しかし。 「おっ?」 男達は徐々に気付く、踊り自体の激しさはそれほどではないのだが、格好は実は激しい。 袴の左右に入ったスリットが異様に深く、回る度に太股と臀部に掛けた白いラインが際どく覗ける。 腕の動きと共に引っ張られる裾は、先程よりも大きく開かれており、豊かな双山の丸みも勿論、谷間も良く見えるのだ。 緩いという事は胸元への締め付けも淡い、山は大きく揺れていく。 ぴたりと音楽と共に舞が終わる頃には袴は浅穿きに留まり、裾は臍が覗けるほど開いたが大事なところだけは隠れており、趣がある。 「野郎ども魅入ったお? イルゼちゃんでしたお~!」 沸き立つような拍手がイルゼを称えていた。 「さて、ここまで楽しくイケイケムードだったけども、ここからはしーずかに見てみるかお?」 ガッツリの唐突なお願いしに、男達は訝しげに視線を向ける。 にやっと笑ったガッツリはその理由を続けた。 「だって……お義姉様とその妹のあまぁいあまぁいイチャイチャを覗きたいとおもわねーかお?」 おぉ~! とこれまた分かりやすい返事が返れば、満足げにガッツリは頷く。 「そう、見たいだろお。 ということで、今夜あなた達は秘密の花園を覗き見る! それじゃお願いしますだお」 おずおずと舞台に上がるのは『蒼き祈りの魔弾』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)と、『薔薇の吸血姫』マーガレット・カミラ・ウェルズ(BNE002553)だ。 明らかに不慣れといった雰囲気が溢れかえる二人に、男達も今は声を抑えている。 (「……って、リリ姉さんシスター服のまま」) 制服というもの自体、コスプレの様にも見える。それを踏まえれば修道服というのも同じ様なものか。 静かな分、視線が一層突き刺さって感じるマーガレットはポールを軸に回る様にステップを取る。 (「この支柱は、こんな風に使うのでしょうか」) ポールダンスそのものを良く分かっていなかったリリは、見様見真似でマーガレットに続く。 急かされる様な視線に浮かされ、ダンスを続けるも期待されているものは分かっている。 覚悟を決めよ、マーガレットは決心を固めるとリリの後ろに回り込む。 「リリ姉さん、服脱がすね?」 そっと囁かれた言葉に、びくりと体が跳ね上がる。 「えっ、あ、はい……っ! やはり脱がないと、ですよね」 戸惑いながらもこくりと頷く。 ケープが滑り落ち、ボタンが外れていく。 黒衣がぱさりと足元に広がり、白いドレスだけが残る。 背中のジッパーが音を立てて滑り落ち、今度は白花が咲く。 隠れていた白に青のフリルをあしらったモノキニ姿が露となり、先程までの格好と相成って強い背徳感を感じさせる。 じわりと沸きあがる歓声、それが異様に羞恥を煽り、二人の頬を紅潮させた。 (「今度はボクも……」) こうされるのか? 姉と慕う彼女に脱がされていくのか。 何故か心臓が早鐘の如く脈を打つ中、腰を抱き寄せるにリリが寄り添う。 「さぁ……次はメグ様ですよ」 唇がリボンタイを銜え、しゅるりと宙に舞う。 制服のジッパーは脇の下から腰へと続く、小さな摘みを指先が捉え、時間を掛けて引いていく。 まるで爪先で体をなぞる様な甘美な流れは、先ほどまでの慎ましさが嘘の様だ。 小さくなった黒いビキニ姿はきつく体を包み、張り付くような布地がマーガレットの体付きを晒す。 「メグ様、凄い……大人っぽいです」 暖かな溜息が首筋を擽り、ひくりとマーガレットの体が波打つ。 向き合い重なる視線、ダンスとかけ離れた世界。 それでも男達の熱線が二人を引き戻す、彼ら焦れきっておりお願いの野次が響く。 「こうかな?」 期待にこたえる様にまずはマーガレットからダンスを再開。 勢いをつけてポールに摑まり、曲げた膝を絡めて回る。 反対の足は突き出す様に伸ばされ、魅力的な体付きは一切隠れない。 寧ろ見せ付けるような動きだ。 「リリちゃんは――」 「えっ! そ、そんな事を……!?」 男達のオーダーは、リリの耳まで赤くするほど。 ポールを掴んで逆さに回り、片膝をポールに掛ける。 伸ばされた足、そして体でポールを挟み込むポーズは明らかなほどに股座を強調したポーズであった。 恥ずかしい、けれどそのままするりと回りながら最後は綺麗に着地する流れは何処と無く楽しい。 扇情的なポーズをとるにしても、アクロバティックな動きを求められる。 純粋な動きの難しさをこなす達成感が、徐々に羞恥心を薄れさせた。 気付けばリリが大きく仰け反り胸元を強調しつつ、腕を広げ、空を舞う様にポーズを決め。 マーガレットがポールの下で軟体運動を思わせる開脚をしつつ、ポールにしなだれかかり、頬を寄せ。 妖艶さ溢れるポーズでショーを締めくくっていた。 「野郎ども、今日に悔いはないかおー!?」 ガッツリの掛け声に、酔っ払い共がグラスを掲げる。 こうしてショーも無事に終わり、酒にも料理にも満足した男達は千鳥足で帰路に着く。 「ところで、何時まで恥ずかしがっているお?」 舞台裏を覗き込めば、水着姿でぺたりと座り込んだ女二人。 リリは俯き顔を隠し、指の間から見える肌が真っ赤なのが分かる。 マーガレットも頭を抱えて朱に染まっている。 熱気とは恐ろしい、勢い任せながら満足させた達成感と盛大に蘇る羞恥心に焼かれる二人が顔を上げるのは暫く経ってからだった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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