● 砂が舞い、空気を茶に染める。 霧が立ち込め、その茶色い空気に白みがかかる。 山の中では、霧はよく発生する現象だ。 「……しかし砂嵐ってなんだ?」 ならば舞い上がる砂はどういう事だろうか。山を歩く男性は、その原因を計りあぐねていた。 霧に加えて砂嵐が発生している今、視界は相当に悪い。舞う砂によって目を開けるだけでも辛い状況だ。 本来ならばそんな悪環境が進む先に『見えて』いたならば、彼はこの状況を回避しようと動いていただろう。 だが、この悪い状況は突如として発生した。 回避することも、準備を整える事すらもままならない程に突然に――だ。 「あぁ、くそ……どうする?」 既に右も左もわかりはしない。 テントを立ててやり過ごす以外の道は無いが、どうやらそう簡単にいく話でもないらしい。 あまりにも砂嵐を起こす風が強く、テントを張るどころでもないのである。 もちろんこれはエリューションの仕業だが、一般人である彼にとっては神秘世界の事は知らぬ話。 「……?」 ふと、砂嵐と霧の中に彼は黒い影を見た。 それが何なのかは判らなかったが、自身の状況ならばすぐに理解できた。 「……弾丸……か……?」 あっという間に体を貫いた物体に体を蜂の巣にされ、男性は事切れる。 生きている者の存在がいなくなってしばらくの後、霧と砂嵐は止んだ――。 ● 「精霊? みたいな感じなのかしらね」 起こる事象は少し未来の話だと告げた桜花 美咲 (nBNE000239)は、現われたエリューションを精霊に例えた。 霧を起こす存在。 砂嵐を発生させる存在。 そして最後に男性にトドメを刺した、弾丸のようなモノを放つ存在。 この3体のエリューションは全てがE・フォースであり、操るのは自然現象である。 「判っているとは思うけど、視界はかなり悪いの。全く見えないわけではないのだけど、当てるのには苦労するかもしれないわ」 エリューション達によって発生した霧と砂嵐は、それぞれのエリューションを倒さなければ止まる事は無い。 倒せば倒すほどに視界は良くなっていくが、その最初の1体を倒す事からして苦労するだろう。 しかも戦場は木々の生い茂る山。 敵だと思って攻撃した先にあったのは木や、転がっている岩だった――という可能性もなくはない。 「視界を奪う分だけ火力は低いみたいだけど、それは弾丸……雹を巻き起こすエリューションが補っているみたいね」 そして美咲が言うには、3体目のエリューションは雹を扱うタイプのようだ。 これが他の2体の低い火力を補う存在らしく、弾丸のように打ち込まれる雹は相当に威力が高い。 「……気をつけて? 今回は油断しなくても負けるかもしれない。皆なら大丈夫だと思うけど……」 敵を視認しにくい状況の中、自在に動くエリューション達にどう対応するのか。 苦戦は免れず、敗戦の可能性も高いが、それでも美咲は集まったリベリスタ達の勝利を願う。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:雪乃静流 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年04月29日(月)23:42 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●人を喰らう罠 「ただの山道としてなら、綺麗だとは思うけどね?」 生い茂る木々や、少し悪い足場も、自然のままの姿ならば綺麗だと『死刑人』双樹 沙羅(BNE004205)はありのままの感想を述べる。 確かに、山が好きな人にとってはこの景色を見ることすらも楽しみのヒトツなのだろう。 だが――エリューション達はその美しさの中に罠を敷いた。 獣を狩る罠ならば、獣道に。 人を狩る罠ならば、山道に。 言うなれば、エリューション達は存在そのものが人を喰らう罠。 「出来れば準備をしてから、ぶつかりたいが……」 そのせいか、敵の出現するポイントはおおよそでしかなく。『Friedhof』シビリズ・ジークベルト(BNE003364)が望む先んじての準備は、針に糸を一発で通すようなタイミングでなければ無駄に終わる可能性も無くは無い。 エリューション達が望むタイミングで攻撃をかけてくる以上、事前に準備を整える事は相当に難易度が高いとも言える。 「なるべく、周囲の位置を把握しながら進むしかないね」 ともなれば、見えなくなる直前まで周りの景色を覚えようという『金雀枝』ヘンリエッタ・マリア(BNE004330)の判断は、準備としては相応に正しく、 「そうだね、砂嵐と霧の中でも多少マシになるかもしれないし」 頷いた『弓引く者』桐月院・七海(BNE001250)も同様に、周囲の景色をしっかりと脳裏に焼き付けようと目をこらす。 「これで良し、と……」 一方では『蜜月』日野原 M 祥子(BNE003389)がゴーグルとマスクを装着し、その2つを砂嵐と霧の双方への対策として採用していた。 本来ならば、目を開けているのも辛いだろう。喋れば砂に口が侵蝕されてしまうだろう。 「お洋服がどろどろになってしまいそうでございますね……」 同じくその2つを装着した『レディースメイド』リコル・ツァーネ(BNE004260)は服の汚れを気にするが、それはエリューションの攻撃方法が攻撃方法だけに致し方ない。 気がつけば、仲間達の殆どがゴーグルとマスクを身につけ、顔もわからない程の防御態勢だ。 「精霊は精霊でも、悪い事をする精霊みたいだね。このまま放置していたらこれから此処を訪れる人が犠牲になっちゃう。だから、私たちで彼らを止めてみせるよ!」 それでも倒さなければ、罪も無い人が犠牲となってしまう。 凛とした声に気迫を乗せ、『月奏』ルナ・グランツ(BNE004339)から『頑張ろう!』と仲間達に声がかかった。 ならば、やってみろ。 倒せるものなら、倒してみろ。 エリューション達は、そう考えたのだろうか。 突如として巻き起こる砂嵐。 何時の間にか、霧もじわりじわりと空気を染め上げようとし始めていた。 視界が悪くなるまでにかかった時間は、本当に刹那の一瞬。 「――来たね」 「左も右も前も後ろも分からぬ程の視界か。成程――さりとて、これで闘争の臭いすら薄れる訳ではあるまい。視界不良如きで何するものぞ」 気をつけろと沙羅が注意を飛ばす中、先程の『難易度の高い準備』を敵の襲来、そして攻撃の合図と共にやってのけたシビリズは、『この程度がどうした』とでも言わんばかりの自信が言葉の端々から満ち溢れている。 事前ではなく襲来の直後ではあるものの、タイミングとしてはこれはベストと言うべきだろうか。 「正直、銃弾というか物理攻撃が効くのか? という気がしないでもないですが。まあ、私達の持ってる力も常識外の産物ですしのう」 砂や霧に対してどのような攻撃が有効なのかはわからないが、それでも戦うしかないと考えるのは『怪人Q』百舌鳥 九十九(BNE001407)だ。 敵は悪くなった視界を盾とし、見えざる位置からの攻撃を得意とする存在。 「くっくっく、隠れてコソコソ攻撃するなんて羨まし……もとい卑劣な真似は絶対見逃しませんぞ」 スナイパーならば最も望むべき状況での開戦であり、九十九にとっては軽い羨望も感じるべき部分ではある。 が、この戦いにおいてその恩恵を受けるのはエリューションのみ。 攻撃の飛んできた方向からおおよそに敵の位置を把握しようと、ゴーグル越しに九十九の目が周囲に網を張っていく。 戦況は視界面だけで考えれば相当に悪い。 代わりに敵の火力は相当に低いものの、果たしてリベリスタ達はこの苦難を乗り越えることが出来るだろうか――? ●Bad Visibility 砂のナイフが、視界を遮る砂嵐と霧に紛れて飛ぶ。 氷の弾は質量もあるせいか、体に当たった時の痛みは砂のナイフの比ではない。 空気に混じったミストに至っては、毒すらも混じっている。 「ここまで視界が悪いのは初めてです。まあ虎穴に入らずんばでしょうか」 「大丈夫、七さんは私が守るわ」 その全てを祥子に庇われながら感覚を研ぎ澄ませた七海は、この状況を虎穴と呼んだ。 準備を怠っていなかった事が不意打ちを防ぐ事には繋がったが、それでもこの状況は最悪と言っても過言ではない。 「このような取り合わせは自然界では滅多にございませんのに、どのようにして結託されたのでございましょうか?」 ふと、リコルの脳裏をそんな疑問が過ぎる。 とはいえそれはエリューションの都合でしかなく、明確な答が出る事は決してない。 多少でも攻撃を弾き返す程の防御態勢を取った彼女は、霧が晴れてからが攻勢に出る時だと、そのまま静かに耐え続ける姿勢を見せた。 「問題は敵がどこにいるか、か。あぁ……酷いね。何も見えない。とにかくはぐれない様に気をつけよう」 ここで最大の問題がリベリスタ達にあるとするならば、ヘンリエッタの言うように敵の位置が完全に把握出来ない点か。 「私の光で皆を照らそうではないか」 対応策があるとするなら、シビリズの施したラグナロクの加護による反射での持久戦か、集中に集中を重ねて敵の位置を慎重に探るかの2つしかないだろう。 幸いな事に多くのリベリスタ達が密集した陣形を取っているために同士討ちの可能性は低いものの、沙羅の姿は近くには見えない。 再び、エリューション達の繰り出した攻撃が砂嵐や霧に混じってリベリスタ達を襲う。 どこから放っているのか? どれほど目を凝らしても、最悪の視界の中では見つけ出す事自体が相当に難しい。 「大丈夫。例えどんな大変な状況だとしても、皆で立ち向かえばきっと乗り越えられるんだから!」 エリューション達が何らかの感情を備えていれば、おおよそではあってもその居場所はルナの感情探査に引っかかっていただろう。 だが相手は思考能力もない、本能で動く存在。 一連の動作は考えるより先に体が動く程に、感情を必要としていないのだ。 ――しかし。 「温度差だけは、どうにもならぬものですな」 氷点下の体温を持つ雹の精霊だけは、九十九の熱感知によってその居場所を確実に見抜く事が出来る。 如何に本能で動こうとも、感情が無かろうとも、温度だけは決して誤魔化しが通用しないのだから。 「さぁ、そこに雹の精霊が潜んでますぞ!」 とは言ったものの、リベリスタ達は雹の精霊を最も後に回す事を考えていた。 まずは視界をどうにかしなければならない。 その一念から、この精霊は最後に倒そうと結論付けたということか。 「う……わっ!?」 どこからか、沙羅の呻く声が聞こえる。 はぐれてしまった彼は、右も左もわからないままに攻撃を受け続けるのみ。 否、風すらも切り裂く居合いで必死の抵抗を試みてはいるが、敵の位置がわからないが故に当てる事もままならないらしい。 「ちょっと、こっちは味方だよ!?」 狙いも定めずに放たれた一撃はルナの鼻先を掠め、霧と砂嵐の巻き起こる中で発生する同士討ちの危険。 もしこの時、雹の精霊を真っ先に倒そうとしていたならば、被害はもっと少なくなった可能性はある。 「ね、七さん、アレ見える? あの辺りに霧のヤツがいるみたい」 しかし超直感を駆使した祥子が、それらしい位置を掴む事が出来たが、結局カンはカン。 「おおよその位置でしかないですが、ここは撃つしかないですぞ」 「そうしましょうか。……あの辺りですね?」 針の穴を通すような九十九の射撃も、直撃すれば相手を呪う七海の弾も、霧と砂嵐に視界を阻まれた先では確かな手応えを感じる事すら出来はしない。 当たっているのか? 外れたのか? まるで虚空を撃つような感覚に陥る2人。 「……芳しくないか?」 九十九と背中合わせに立ち、庇うシビリズが問う。 「この視界ですからな。手応えが感じにくいですぞ」 そう九十九が答えるように、結果がどうなっているかは相手が倒れなければ現状はわかりにくい。 「木々が教えてくれてるよ」 「うん、大体だけどそことここ……ってね」 そんな中、さらに敵の位置を割り出す事に成功したのは、植物達と僅かな意思疎通を行ったルナとヘンリエッタだ。 あまりに強い砂嵐に揺らされる木々は、どうやら乱雑に攻撃を仕掛けるエリューションによって僅かながら傷ついているのだろう。 そのおかげか、植物達も攻撃を受ける事を嫌い、リベリスタ達に手を貸したのである。 「味方は周囲にいっぱいいるよ。きっと大丈夫! ね、ヘンリエッタちゃん!」 「うん、大丈夫。本当の自然現象ではないんだ。明確な発生源があるのなら、必ず打ち破れる。まず確実に当てていこう」 仲間達を対物理力場で包み込むルナとヘンリエッタの鼓舞する言葉は、小さな不安を払拭するには十分な追い風。 三度、砂嵐と霧に紛れエリューション達の攻撃が飛ぶも、リベリスタ達は己の役目をまっとう出来るほどには冷静だった。 「おふたりは出来うる限り私が守ります、さぁ……行きましょう!」 流石に同時にルナとヘンリエッタを庇いきる事は出来ないが、近くに立つ2人のどちらが攻撃されても良いように陣取り、盾となったリコルが仲間達を攻勢へと誘う。 「まずは霧だけでも……ですな!」 「当たって欲しいね、この一撃!」 虚空を撃つ感覚に陥っても構わない。 九十九と七海の一撃が、先の見えない霧と砂嵐の先へと放たれていく。 倒せたか、倒せていないのか。 その結果は、霧が晴れるかどうか次第であり――そして、霧は晴れた。 「これで少しはマシになったのでしょうか……?」 問いかけるリコルではあるが、霧が晴れ、砂嵐だけになった現状は確実に先程より視界が良好になっている事は実感できる。 「あぁ、霧がないだけでも十分にな。……続けようか」 激しい砂嵐はそれでも視界を悪化させ続けているものの、それでも霧とダブルで悪くなっていたさっきまでよりはマシだとシビリズも言う。 彼の施したラグナロクの加護による反射が、僅かでもエリューションに傷をつけ返していたことが、迅速な霧の精霊撃破に繋がった事はいうまでもない。 とはいえ、跳ね返すのは攻撃だけ。 体内を走る毒までは、流石のシビリズにもどうにかなるものではなかった。 「準備も整ったしね、ここからは俺も攻撃に回るよ」 「もちろん、私もだよ!」 そして仲間達へのハイバリアを展開させ終わったヘンリエッタやルナも、ついに攻勢に出る態勢が整ったらしい。 「次はあの辺りでしたかな?」 「そう、その辺りだよ」 砂嵐で視界が悪い中でも、会話を交わす九十九はヘンリエッタの装着しているワークライトを頼りに彼女の居場所はわかる。 彼女が指差した先に、ほぼ間違いなく砂嵐の精霊が潜んでいる事は間違いない。 「面倒は私が引き受けますよ」 「すまない、助かる」 霧に混じっていた毒や、雹によって凍りついた体は、リコルの邪気を祓う光がなんとかしてくれる。 礼を述べたシビリズもその恩恵にあずかり、体内を駆け巡る毒がすうっと消えていく感覚に顔色も良くなったようだ。 「では反撃といきますぞ」 そしてリベリスタ達の3度目の攻撃の口火を切ったのは、やはり九十九だった。 「この砂嵐、いい加減止まってほしいね……!」 「うん、止めよう、ヘンリエッタちゃん!」 当たろうが当たるまいが、倒せば砂嵐は止まるのだとヘンリエッタとルナも彼に続く。 どれほどに砂嵐や霧に身を隠そうとも、彼女達がいる限りは周囲の植物達もリベリスタ達の味方なのだ。 たとえ確実に視認出来ていなかったとしても、おおよその位置がわかってさえいればそれでいい。 「周囲の全てが味方。……良いですね、こういうの」 最後に矢を放った七海は、頼もしい仲間の存在にどこか感慨深げであり、また一方では、沙羅の風を裂く居合いが飛んで来ない事が気がかりでもあった。 と同時に視界に映る、砂嵐の先に見える黒い影。 (……あれが砂嵐の精霊かな?) 別に狙ったわけではない。 だが、その黒い影に吸い込まれるように仲間達の攻撃が着弾していく様子に、七海はその影こそが砂嵐の精霊なのだろうと感じている。 最後に放った自身のカースブリットを受けたその黒い影はパァンと弾け――、 「砂嵐……止まりましたね」 ほっとリコルが息をついた時、砂嵐も止んだ。 もう、エリューション達を有利な状況へと導く盾は存在しない。 即ち、唯一のアタッカーであった雹の精霊はもう、丸裸。 フィアキィをちょっと大きくしたような雹の精霊がふよふよと宙を漂う姿は、無防備そのものだった。 「くっくっく……ようやくその姿を拝見できましたな」 仮面の下でにやりと笑う(?)九十九は、ようやく視認できた雹の精霊を何時でも撃ち抜く準備が出来ている。 何となく『今までよくもやってくれたな』的オーラが出ているが、それは他のリベリスタ達にも同じ事は言えよう。 「さぁここからだ。ここからが私の全力だとも。楽しもうか、盛大になッ!」 最早、敵は一体のみ。だが、だからこそ訪れた攻撃のチャンスに、シビリズの胸も躍る。 「姿が見えると意外と可愛かったのは、オレちょっと意外だったかもしれない」 どこかいじめるような感覚に陥るヘンリエッタだが、これまでを考えた時、攻撃することに一切の躊躇はない。 「汚れた服のお礼くらいは、させて頂きたいものです」 にっこりと笑うリコルに至っては、双鉄扇を握り締める手が笑顔とは裏腹に全力だったとか。 まぁそれはともかくとして、 「じゃあ、最後の精霊……倒しちゃおうよ!」 「そうですね、雹の精霊ならこれが最もキツいんじゃないですか?」 杖を力強く構えたルナが先陣を切り、炎を纏った矢を放つ七海が、そして仲間達が続き、雹の精霊に対して行われる一斉攻撃。 リベリスタ達を苦しめた『Bad Visibility』――悪い視界が失われた時、リベリスタ達はもう勝利を手にしていたのだ。 ●余計なお土産? 「このような姿では、お嬢様の前には立てませんね……」 苦笑いを浮かべるリコルは、自身や仲間達の服の汚れ具合からそう言わざるをえなかった。 霧は良い。 ただ、視界が悪くなるだけだから。 だが砂嵐はそうは行かない。 「うむ……凄まじくどろどろだな」 ゴーグルとマスクで目と口を保護してはいたものの、舞い散る砂に汚された服は茶色く染まっており、シビリズがそう言うほどにドロドロだ。 加えて雹によって水分も含んでしまったせいか、一部は泥を被ったような汚れすら見せている。 最悪の視界のもたらした、二次被害――。 帰還したリベリスタ達には、これから服の洗濯という戦いが待っている。 どこまで落ちるか、はたまた落ちないかはわからないが、色々な意味で面倒なエリューションだった事は彼等の脳裏に焼き付けられた事だろう。 「……ありがとう、皆が援護してくれたおかげだよ」 そんな中、風にざわめく木々にルナが告げた。 この戦いにおいて、共に戦ったのは労いあうリベリスタ達だけではない。 エリューションの攻撃に傷つきながらも、その位置を少しでも伝えてくれた植物達も、彼等と共に戦った戦友なのだから――。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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