● このマンションは、ゴミの捨て方がひどい。 「……はあ」 ゴミ収集車でやってきた作業員達は、その集積所を見て呆れ返る。 確かに、この自治体はゴミの分別が細かい。燃えるゴミ、燃えないゴミ、プラスチックゴミ、資源ゴミ、缶、ビン、粗大ごみ、有害ゴミ……。 それでも、この状況はいかがなものか。もはや、ゴミの分別を行ってすらいない。収集日を守らないのはいつものこと、コンビニ弁当の食べ残しとペットボトルが一緒の袋に入っているし、ただ部屋で出たゴミを一緒の袋に突っ込んだだけという袋も珍しくない。 分別ができていない袋や物は回収できない。そうして、ここのゴミは次第に増えていった。今や手前の通路を塞いでしまおうとするほどの量。収集車も入ることができずにお手上げなのだ。 作業員が手を触れるだけで、ゴミは今にもなだれてきそうだ。それでも、一応は確認し、回収できる物だけ回収していく。 「こんなものか、次行こう」 作業員達が収集車を発信させようとしたその時。それは、車のタイヤへとかぶりついてきた。右後方のタイヤをなくした車は、重さも手伝って進まなくなってしまう。 「な、何だ?」 「う、うわあああっ!」 運転席の2人が後ろを見ると、後ろにいたはずの1人の姿がない。2人が後ろをみると……ゴミの山から、ゴミの詰まった袋が2つ現れ、それがもう1人を食べていた。そして、もう1つ、ゴミが集まって塊となったもの。そいつが収集車を食らっていたのだ。 そいつは運転席の2人に気づき、襲い掛かる! 「ぐああああっ!」 ゴミの塊から現れた巨大な口が収集車を飲み込んでいく。走って逃げる作業員だが、ゴミ袋がそちらへと飛んでくる。それらは作業員を捉えて飲み込んでしまったのだった。 ● 「皆は、ゴミはちゃんと分別しないとダメだよ」 そんな『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)の言葉から、今回の依頼の話は始まった。 イヴの話によると、とある地域にあるマンションのゴミ集積所からE・ゴーレムが出現するという。何日も回収されないゴミが、エリューション化したものなのだそうだ。 E・ゴーレムは大量のゴミに紛れている。誰かがゴミを漁ったり、回収しようとすると襲い掛かるようだ。作業員が襲われる手前半日ほどであれば、いつ仕掛けても構わない。 「皆の手で、ゴミと、E・ゴーレムを分別して」 それができるのはリベリスタだけ。イヴはぬいぐるみを抱きしめながらそう告げ、リベリスタ達を送り出すのであった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:なちゅい | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年04月25日(木)23:46 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●E・ゴーレムはどこに……? 真夜中――。 マンションにはまれに灯りが点いている部屋があるものの、ほとんどの人は寝静まっている時間帯だ。 煙草に火をつける『足らずの』晦 烏(BNE002858)はマンション手前の現状に呆れる。 「まぁ、こりゃEフォースにもなるわなぁと」 マンションの入り口付近にあるのは、集積場に入りきれないほどに積みあがったゴミの山。彼はその惨状をデジカメで撮影していた。 「これは思ったより酷いな」 『Brave Hero』祭雅・疾風(BNE001656)は、想像以上の惨状に思わず引いていたようだ。やはり気になるのがその悪臭。我慢できないほどではないが、鼻を覆いたくなってしまう。 一行はその中でE・ゴーレムとなったゴミを探す。手探りで探す前に、まずは自分達の能力を使ってその捜索を行う。 『飛常識』歪崎 行方(BNE001422)は暗視と透視を使い、ゴミを見つめていた。それなりに時間は要したようだったが、ゴミとゴミの間に埋もれるように息を潜めるE・ゴーレムとなったゴミを、彼女は見過ごさない。 「はいはいゴミの中のゴミを見つけたデス。資源ゴミですらなく生存ゴミデスネ」 「事前学習で知ってはいたが、ゴミもエリューションになるのか」 『白銀の鉄の塊』ティエ・アルギュロス(BNE004380)はその報告に少しだけ驚く。それもそうだが、彼女はこの地において、ゴミの種類が多すぎることにも驚き、そして、辟易としていたようだ。 さて、リベリスタ達が発見できたE・ゴーレムはゴミの塊のみ。中身が詰まったゴミ袋のE・ゴーレムは、かなり深い部分にいるようだ。ここから見えない集積場の奥に潜んでいると思われるのだが……。一行は出来る限りすでに発見したE・ゴーレムを避けつつ、1つ1つ、ゴミ袋を取り除く作業を始める。 「皆、気を付けてね」 少しだけ離れた位置で結界を張り終えた『』ファルティナ・エルトーラ(BNE004398)は、仲間達を気遣う。いつ、E・ゴーレムが飛び掛ってくるか分からない。彼女は少し離れ、敵が動き出さないかどうか、ゴミの状況と仲間の様子を見守る。 同じ位置で、『エゴ・パワー』毒島・桃次郎(BNE004394)は用意していた懐中電灯を点けたり消したりしている。仲間の呼びかけに応じて、彼女は……もとい、彼は明かり役を買って出ていたのだ。とはいえ、周囲に漂う臭いに、彼は顔をしかめる。 「う~んゴミの臭いが服に染み付いたりしないかな……?」 彼は時々、自身の服へと意識を向ける。やはりそれだけゴミの臭いがきついのだ。 『ハルバードマスター』小崎・岬(BNE002119)は桃次郎へと明かりを消すようへとお願いした後、自身のハルバード、アンタレスでゴミ袋を突付く。しかしながら、そこに集められた膨大な量にうんざりしていたようだ。 「分別してないと持ってかないんだー。衛生面考えんなら持ってって焼いた方が良くねー?」 勉強してきたファルティナの情報によると、基本的にゴミを燃やすと有害物質が出るそうなので、燃やすべきではないそうだ。焼却温度や煙の処理など、自治体の焼却場の能力にもよるそうだが。 「それにしても、ゴミの分別って面倒なのは確かだよね~。紙とビニールは別って言われてもさー、ぴったりくっ付いちゃってる包装用紙とか、どうしたら良いんだろね?」 そもそも、仕分け方法が分からない物だってあるのだ。懐中電灯を消した桃次郎は、ゴミの中身を見てふと思う。その場合は、できるだけ包装用紙を取り、後はビニール側の分別でいいのではと疾風が話す。 「面倒なのは分かるけれど、分別すれば資源にも成りえるからね」 疾風はそんな岬や桃次郎を諭しつつ、E・ゴーレム捜索を進める。 「へ? 分別? すんまへん、紙もプラもまとめて燃やすゴミに入れとるぅ!!」 ここにも分別が面倒と思っている大人が1人……。『人生博徒』坂東・仁太(BNE002354)がゴミを掻き分けつつおどけてみせた。 「燃やすとイケナイものとか、役立つものに作り替えられるゴミとか、色々あるんだって。ゴミも大事な資源になるんだってさ。凄いねー」 「E・ゴーレムは倒してくから、今回は許してや!」 それに対し、異世界人のファルティナが、しっかりと勉強してきたことを言い聞かせると、彼は冷や汗をかきつつ頭を下げるのであった。 結局、ゴミの山に潜むE・ゴーレムとなったゴミ袋は確認できない。烏も集音装置を使いつつ、風上から敵の居場所の把握を行っていたが、首を横に振る。これ以上ゴミを漁ると、ゴミの塊へと手をふれてしまいそうだ。 「反応、全くないね……」 ゴミに動きは全くない。ファルティナは自身の周囲に存在する魔力を取り入れていく。……準備は万全だ。 リベリスタ一行は手前のエリューションへと触れることに決めた。 「いくぞ」 「任せるぜよ」 仲間達の準備を待ち、ティエが声をかける。仁太の返答を聞き、彼女はゴミの塊へとそっと触れる……。 その時、ゴミの中から飛び出してきた、中身の詰まったゴミ袋。そいつらは自分達の存在に気づかれているのを察していたようで、奇襲をしてはこない。リベリスタ達に警戒をしていたようだ。 そして、のそりとゴミの山から現れたのは、直径3メートルほどあろうかというゴミの塊。その大きなE・ゴーレムは、近づくリベリスタ達を敵と認識したようだ。 「ゴミは元のゴミに戻って貰って処理を待ってもらうのデスヨ」 行方が現れたエリューションに、その目と、両手に持つ包丁を怪しく光らせたのだった。 ●ゴミを片付けろ! 「ゴミは片付ける! 行くぞ変身ッ!」 疾風は戦闘開始と同時にアクセス・ファンタズムを起動させる。すると、現れた装備が彼の体へと纏っていく。 しかしながら敵の動きは素早い。ゴミ袋が彼へと迫り、その身を預けるように疾風へと体当たりを繰り出してくる。彼はその威力に吹き飛ばされてしまうが、そのゴミ袋へと張り付くように再び前へと出ようとした。 そこで投げつけられる閃光弾。烏によってゴミの塊へと投げつけられた一撃だったが、それはゴミ袋をも巻き込む。 「坂東君、ティエ君。今のうちだ」 強烈な光が敵を包む間に烏が2人へと呼びかけた。敵をおびき出すべく率先してゴミを触っていた2人は、体勢を整えるべく一度身を引こうとする。 変わるように前へ出てきたのは岬だ。彼女はゴミの塊へと迫り、自身のハルバードを振り下ろす。そいつの身体が裂かれたようにも見えたが、ゴミは見事にその周りからくっつく。少しばかりのダメージでは、この塊は崩れはしないようだ。 その上で、塊は岬へと大きな口を開く。事前情報の通りならば、トラックすらも飲み込まんとする口だ。彼女はハルバードを使ってその口を押さえつけようとするが、それでも、抑えきれずに噛み付かれてしまう。 「誰か手が空いてんのいねー?」 彼女は自分1人ではこの塊を抑えられないと感じて、仲間に救援を請う。 そこで、ティエが風上から押さえに入ってきた。悪臭を放ちながらこちらへと攻撃を仕掛けるゴミどもを、彼女はあからさまに嫌がる。いくら攻撃をガードしたとしても、それと共についてくる臭いはどうしようもないのだ。 「飛ぶな、飛ばすな、倒されて謙虚に収集車に回収されるべき!」 ティエは風上へと立ち回り、塊に向けて暗黒の瘴気を放つ。残念ながらゴミ袋には届かなかったものの、その瘴気が塊へと纏わりついていた。 さて、その他のメンバーは片方のゴミ袋へとターゲットを絞り、集中攻撃を浴びせる。 「よーく狙って……撃つべし!」 ファルティナが動き回るゴミ袋に狙いを定める。現れたフィアキィの力で光の球を生み出し、勢いよく飛ばす! その身体を光の球で穿たれた袋。そいつはゴミ袋の口からゴミを撒き散らす。かなり広い範囲に撒き散らされるゴミは、後ろにいた桃次郎へと飛ばされる。 「臭い汚い! やだ~、しんじらんなーい」 桃次郎は身体にゴミを浴びて泣き叫ぶ。出来る限り早くゴミを片付けて、着替えたい。彼はそう考えながら、弓を射る。桃次郎の矢は一直線にゴミ袋を射抜いた。 「普通のゴミは散らかしたらあかんで~」 ゴミを飛ばすE・ゴーレムへ、仁太は両手に握った銃から幾度も銃砲を放ちまくる。弾幕のように銃撃を受けたゴミ袋。ダメージが深いのか、袋から空気が漏れ出して萎みかけている。 これを見て、好機とばかりに行方がにいっと笑みを浮かべた。 「さあさあ飛び散り砕け朽ちるデスヨ」 自身の生命力を戦闘力へと転化していた行方はその力を両手の包丁へと込め、一気に切り刻む! 「塵は塵に、灰は灰に、ゴミはゴミ箱に! アハハハハ!」 その外装が飛び散り、そして中身も露わとなるゴミ袋。ついには空気が抜けた風船のように萎み、そいつは動かなくなってしまった。 ●不要なゴミの処分を! ゴミの集まりである今回の敵。人間に如何なる想いを抱いて攻撃を仕掛けているのか……。 それに対し、リベリスタ達は、あくまでもエリューションを排除すべく攻撃を仕掛ける。ゴミがどういう気持ちで攻撃してこようとも。 ゴミの塊は、岬、烏、仁太、ティエの4人で抑えていた。烏は隙を見計らって敵に向けて銃砲を放つ。目にも留まらぬ速さでの連射攻撃に、ゴミの塊は対処ができずに銃弾を浴びていた。 そこで、ゴミの塊はその身を突き出す。かなり大きな塊だったが、そいつは前へと出ているティエを狙う。 「うっ……!」 彼女はその体当たりをまともに受けてしまい、吹っ飛ばされてしまう。それを仁太が身を挺して受け止めた。 「……悪いな」 「ええって、ボーっとしとると敵が来るぜよ!」 ゴミの塊から大きな口が現れる。抑えるリベリスタ達目掛け、そいつはその大きな口を再び開く。 こちらは中身の詰まったゴミ袋。ちょこまかと動き回っていたが、リベリスタ達に幾度も攻撃を食らい、空気が漏れ出ていた。 そんな袋から、バスケットボール程の大きさのゴミが放たれる。疾風が盾となってそれを受け止めたものの、想像以上のダメージに彼は思わず体勢を崩しかけた。 しかしながら、疾風はその名前の通りに戦場を駆け抜け、ナイフに帯びた電撃と共に動き回るゴミ袋を瞬時に切り刻む! ゴミ袋はビリビリに破け散る。中身が漏れ出たゴミが、エリューションとしての能力をなくしたことを物語っていた。 さて、残るゴミの塊。滅茶苦茶に暴れるその大きな塊を抑えるメンバー達も必死だ。 「しつこいやっちゃな、ゴミは、片付けられるものぜよ!」 仁太は巨銃の標準をゴミの塊へと狙いを定め……撃ち抜く。しかし、数発射抜かれたくらいでは、この大きな塊はその動きを止めようとはしない。 その近くでは、烏も銃撃を与え、そして閃光弾を投げつけるが、その勢いは止まらない。身体を前線で張っていた岬。敵から何度も攻撃を受けていた彼女は、防御体勢で敵の攻撃をやり過ごすことにしていたようだ。 それに気づいた桃次郎。 「倒れちゃ、ダメだよ!」 彼は刹那現れたフィアキィに癒しの力を行使させ、岬の身体を癒す。 しかし、ゴミの塊は、岬をしつこく狙う。現れた巨大な口が、彼女の身体を噛み砕かんとした! 「あー!!」 身体を噛まれてしまい、気が遠くなりそうになる……。しかし、彼女の中のある思いが、落ちかけた意識を踏み止まらせた。 「ゴミまみれだぜー……、つーか倒れたくすら無いだろー」 彼女は立ち上がり、食われかけた大口を突き放す。 「あたしが支えるよ、頑張って!」 「さんきゅー」 ファルティナもくらりとよろめく岬に、フィアキィを飛ばす。光り輝くフィアキィは、満身創痍の岬の身体に癒しの力を与えていった。 再び大口を開くゴミの塊へ、ここぞとばかりにティエが剣を煌かせる。 「チリはチリに、ゴミはゴミに戻れ!」 光り輝く剣を、彼女は思いっきり振り下ろす! 「……!!」 初めて、その塊の動きが止まる。ティエの剣は深くその塊へと食い込んでいたのだ。E・ゴーレムはなんとかゴミを繋ぎ止めようとするが、その身体はボロボロと崩れ始める。 行方はゴミの山が崩れるのに注意しつつ、ゴミの塊へと迫っていく。 「ゴミは元のゴミに戻って貰って処理を待ってもらうのデスヨ」 彼女の目が夜闇で光り、両の手の包丁がさらにその塊を崩していく。エリューションとしての力がかなり弱まってきたゴミの塊。もはや塊と呼ぶにも似つかわしくない物体となりつつある。 立て直した岬が、敵を見据える。その身体には輝くオーラを纏っていた。 「これは、やられたお返しー!」 彼女の黒いハルバードがそれを叩き割る。ついに力をなくした塊だったものは、重力に従って落下し、ゴミの山へと降り積もったのだった。 ●ゴミを片付けましょう! ようやく、エリューションとなったゴミを始末したリベリスタ達。それもバラバラになってゴミの山へと降り積もる。 桃次郎は敵を倒し終えたかと思うと、いきなり服を脱ぎ始める。仲間達の視線などおかまいなし。ゴミを浴びた服から、真新しい服へと着替えていた。「下着脱がない限り見られても恥ずかしくない!」とは彼の弁。 「私も帰って水浴びとかしたい所だが……」 それを見ていたティエ。かなりふらふらになっていたようだったが、休み前に汚れた身体を洗い流したいと思っていた。しかし、それでも、彼女はやらねばならぬことがあると考えていたようだ。 「回収の人達来る前に散らばったの片さないとー」 岬も怪我がひどい状況だったが、新しいゴミ袋を手にしてゴミの山を見やる。パッと見は、リベリスタ達が来る前よりもひどい惨状となっているのだ。彼女はゴミ袋を仲間達へと手渡していく。 そうして片付けを始めるメンバーの尻目に、行方はぷいっとそっぽを向く。 「倒して散らかったゴミのことはボクは知らないのデス」 カラスがやったのデスヨ、きっと。行方はそう残してこの場を立ち去っていった。 作業を続けるメンバー達。飛び散ったゴミはいろいろ。可燃、缶、ビン、ペットボトルに粗大ゴミ。それらを別々の袋に仕分けていく。 「それにしても、ボトムはゴミの種類多すぎだろう……」 ティエは悪態づく。フュリエの彼女には見たこともないゴミが次から次へと現れる。種類の多さにうんざりしていたようだ。 リベリスタ数人がかりでゴミの仕分け、および片付けを行う。エリューションと化した分、および戦闘で飛び散った分のみ処理していたのだが、片付けには1時間近くを要した。彼らはそれを元々置かれていたゴミの山へと乗せ、帰還することにする。 「ゴミを分別しなかったから発生した……って訳でも無いとは思うけど、あたしは気を付けよっと」 「入居者の意識が変わらないとまたE・ゴーレムが再発生するかもしれないな。不衛生でもあるし」 ファルティナの呟きに、疾風が唸りこむ。分別の分かり易い資料や防犯カメラ設置等、彼は改善案をマンション管理者へと申請しようと考えていた。 「ああ、後で、管理組合やマンションのオーナーに投書しておこう」 烏は元よりそのつもりで、デジカメで撮影を行っていたようだ。この状況が続くと、回収拒否にまで発展しかねず、マンションの価値をも下げてしまう。ゴミ出しについての個別の啓蒙活動や時村警備保障の建物巡回管理サービスの活用など……彼はこの状況を再発させぬよう、改善具体案も考えていたようだ。 「ゴミを片すというべきなのか、人のエゴを咎めるというべきなのかね」 まぁ、嘆かわしい話だったな今回は。彼は最後にそう残し、他の仲間と共にそのマンションを後にしていったのだった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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