●対特殊個体訓練・丙種 -Sagichiyau- Starting System .............. ArkTraningSystem 【ATS】キドウカクニン プログラム[Sagichiyau] シミュレーション カイシ 「アークノ シュトクシタ アイテノデータトノ モギセン」 最初に、神社の地形が生じた。 現実世界では、春だというのに、粉雪がちらちら舞う夜分の光景がしんしんとする。 やわらかい光を称える寒気に、寒気を引き立たせる夜の空。空に向かって火の粉が昇って消えていく。 神社の次に、老人二人のモデリング現れて、まるで小正月の様に振る舞い動き出す。 大きく燃やした火に、両目が埋まったダルマをくべて、書き初めをくべて、正月飾りもまたくべる。 とんど焼き。 左義長(さぎちやう)とも言われるその光景。 それは古来より、中国の元旦に爆竹を鳴らし、悪鬼をはらう古俗であり、その古俗が日本に伝わり、種々変遷として今日のごときものとなったとされる。 新年の飾りを取り除いて燃やし、その火で、スルメを焼き、新年の催しの締めくくりとする。 世間あるまじき悠長な振る舞いをする老人二人が、ゆるゆる動いていると。 ここで突如、ぼかん、という音が神域に弾けた。 それはとんど焼きの炎。神の炎。 しかして、悪意を携えたる神火が、ごう、と跳ねて躍り出る。 躍り出たものを目の当たりにした老人達に、腰を抜かす間も寛容せず、一呼吸の間のうちに二人を包む。 目から、耳から、鼻から、口から、絶え間無く侵入してくる"神火"は、うねりながら"中"を焼く。五臓六腑を焼く業炎。 火が、半ば実体をもったかのようなじぇりーの様な火が、剛力でもって強引に口をこじ開けて侵入し、口を閉じる事すら良しとしない。 転がって消すことも、その万力の押さえが良しとしない。その場を離れることさえも。 もがく、さけぶ、あがく、よじる、たたく、たたく、ころがる。 さけて、目がつぶれて、皮膚が焼けて、爛れて焼けて無くなる。 やがて神火は二つの炭を芥のように解き放つ。 生気を吸い尽くされたかの如く、もはや黒々としたものに微動も無い。 炭の端から墨色の桜が流れゆく。残酷な風花がさらさらと。 ●丙種訓練内容【特殊個体『しんび』】 「対『神火』戦の訓練を行う」 ブリーフィングルームに集まった熱心なリベリスタ達に、『参考人』粋狂堂 デス子はこの任務の目的を簡素に告げた。 「訓練内容は単純明快。過去に出現した事がある特殊な個体との模擬戦。ま、やっつければいい」 資料が配られる。 シミュレートされた敵はE・フォース『しんび』という。 フェーズは出現時にして2を数え、炎を使った攻撃を得意としていながらも、その炎は多彩万彩。 怒りを伴うもの。呪いに関わるもの。時に激しい体力を奪い取る炎まであるという。 おまけに神聖なる破邪の光に、強く惹かれる性質があるという。中々厄介である。 「訓練とはいえ、簡単では無い。この敵は烈火の如くフェーズ進行が速い個体であり、かつてアークの精鋭が作戦をしこたま練って練って解決した事件の敵、そのものを持ってきている」 訓練の意図が読めた。 そういう特殊個体――強い敵をシミュレーションする事で、作戦やら各々の考え方やらを訓練という話なのだろう。ヴァーチャル故にリスクも少ない。 「老人のモデリング達は気にしなくていい。あれは『神火』のプログラムのテストだ。見ての通り、焼きつくされている」 全力で倒すことのみ集中してくれ、という事か。 「ま、所詮はヴァーチャルだ。意気込みや意思だけでは何も生まれない。肩の力を抜いて臨んでくれ」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:Celloskii | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年03月30日(土)23:25 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●さぎちやう -Quest No.1396- かの敵が姿を現したのは、2012年1月上旬の事であった。 小正月。神社で催される、とんど焼きの行事にて神の火が、神秘を得て燃え上がった事件である。 リベリスタの精鋭が、作戦を存分に練って挑んだ神の火が。今此処に再現されたのである。 “しんび”。 火の玉と言える外見は、赤から橙へ、橙から赤へ、忙しく蠢き、時に青を宿してゆらりとゆらぐ。 ヴァーチャルであるのに、肌をちりちりと焼く熱気すら再現して。…… 「暑い」 リベリスタ達の誰ともなく発した言葉。冬を再現しているのに、この高温。 VTSに入室した時点では、頗る寒かったのに。神域に入った途端に熱気が満ちて、頬に汗が伝う程の。 粛々、布陣する。 バーチャルの老人達――炭ふたつは解き放たれて、そしてフェードアウトする。 残酷な風花がさらりと逆巻いて、しんびのゆらぎが、まるでリベリスタ達を舐め見るかのように、妖しく。 すると、たゆたう様な光の玉が、ぽつぽつたゆたう。 まるで螢のように、呑気で、ゆったりとして―― 「来るぞ!」 螢が、爆竹の様に次々と爆ぜた。 『八咫烏』雑賀 龍治(BNE002797)の声が飛んだ瞬息に、光の玉が炎をぶちまける様に周囲へ散る。 火蓋を切るという言葉がある。 火縄銃の蓋を開くこと。火薬を込めて、引き金を引くその所作、その動作が由来とされる。 龍治の火縄銃から、精密な弾丸が即座に発射され、まさしく戦いは一気に点火する。 怒りを齎す炎と、呪殺を齎す炎が同時の攻撃。 二連続攻撃に、怒りを携える者と呪殺の深き被害を覚える者が生ずる。 「くおおおおおおぉぉぉ!!」 『魔獣咆哮』滝沢 美虎(BNE003973)は、ふつふつ湧いた怒りに、散った炎の中を駆け抜けた。 「とらカッターァァ!!」 散った炎を引き裂いて、刃物の如き風を足刀から放てば、炎の海を引き裂いて風が飛ぶ。炎の中枢、龍治の弾丸がしんびを穿って、中央に空洞ができた所から、二つに引き裂く。 「面白い相手ですわね。存分に戦わせて頂きますわ!」 『粉砕者』有栖川 氷花(BNE004287)もまた、華奢な身で炎に包みながら吶喊する。 愛用のギロチンの如き得物を両手。電撃が斧を駆け巡り、一呼吸の間に放つ一刀両断。 龍治が中央を穿ち、美虎と氷花の斬撃でしんびは3つに割れる。 そして束の間にくっつく。 あざ笑う様に、炎の橙と赤の揺らぎが"笑い"の様な模様を浮かべる。 当てたのか掠ったのか、その識別すら困難な不定形。 『小さき梟』ステラ・ムゲット(BNE004112)は、高く高く、高度を位置して力を集中させる。 「神の名を負うモノにしては妙にやることが小さいな。ヴァーチャル故か?」 天使が歌い、最初の飛び散った炎による傷が癒される。 「暗くても何の問題もない、梟には夜がホームグラウンドだ」 暗視が捉えたる、しんびの動き。その動きがまさに変じる。ステラを見上げる様に高く高く燃え立つ。 「燃え盛る火が討伐対象ならば誰にも“見えない”心配は無用だろうが」 ステラの呟き。しんびは目標決したり。といわんばかりに激しく揺らぎ。 『銀狼のオクルス』草臥 木蓮(BNE002229)は、このしんびの動きの変化を見る。 次に、ここへ集った戦友を見回す。 「これが初めての戦いだって人も居るようだし、新人さんを中心にバックアップしていけたら――な」 半自動小銃で狙いを定める。それは針の穴を通すが如きもの。先ほど、龍治が穿った同じ場所を精密に貫く。 「まだ来ないよな……よし」 木蓮は、一つ安心している事があった。 最も気をつけるべき事を、最も注意しなければならない者が理解している事。 「此処で躓く様では、実戦に出ても所詮は同じでしょう」 『友誼の盾』シーザー・ランパード(BNE004442)は怒りを齎す炎を受けていた。受けていたが怒りに囚われる事なく、スラリと剣を抜き、天高くかざす。 「ならば、実戦に臨む心算で全力で結果を残す……それだけです」 浄化の光が全員に降り注ぐ。天使の歌でも癒しきれない火傷に怒りというものを、悉く浄化する。 すれば。 しんびが、シーザーに向かってゆらゆら動き出す。 天使の歌よりも。状態回復を行使する者こそ。最優先で消し炭にせんが如くに、求めるように。 「さあ、私は此処に居るぞ!」 浄化の光を放った事。戦いはここからであると、シーザーは剣を握る手を力ませた。 シーザーに向かって動かんとしたしんびに、横から光が突き刺さる。 『エクスィスの魔』シャルティア・メディスクス(BNE004378)が放った光線は、しかし突き抜けるかの様に、手応えは無く。 「火ですか」 能力も、自身の天敵といえるようだとシャルティアは考える。シャルティアは世界樹の子『フュリエ』である。 しんびのその真っ赤揺らぎ。炎と、この激しさは、まるでバイデンの如きものだと。 「集中が必要そうですね」 攻撃する間合い。回復すら気をつけなければならない。清める力に惹かれる事。 今は――シーザーが狙われているのだろうと、確信して次手を思索した。 フィリス・エウレア・ドラクリア(BNE004456)が集中しながら魔力を巡らせる。 「我が魔術と、そなたの炎。どちらが上か、いっその事競ってやろうではないか」 フィリスにとって、此度の訓練が初の仕事となる。 それが、たとえ訓練であろうが手抜きは無し。その胸裏で埋め尽くし、狙いを定め、リズミカルに詠唱を唱え。やがて、それは解き放たれる。 「……魔力よ、我が前に立ち塞がる障害を撃ち貫く弾丸となりて、その威光を示せ!」 火に魔力の矢が刺さり、風が切り裂き、弾丸が穿つ。 鉛と魔力が混沌とかき混ぜられた火が、熱を呼び、熱が地べたを煎餅の様にひび割れさせて続く戦いの。 前衛は、後衛――狙われたるシーザーへの道を一歩も通さず譲らずして、回復は存分に降り注ぐ。 優勢か優勢であるまいか。 しかし不定形の火は、鮫のように笑い螢を次々と炸裂させる。 ●百代の過客 -Basho Ann Tosei- 年月は旅人の如く。と古人は言う。 旅から戻り、来ては去り、去っては来て、また旅へ行く。 そして、行き交う人々もまた、人生の旅人であると古人は説く。 人生の旅人が故に、年始に顔を出す古き旅人達を祝い、『年の神』『道の神』を祀り、息災を願うのである。 道半ばにして倒れる者が出ないように、断念する者が出ないように―― 「なんて奴――ええ、面白いですわ」 氷花が呟く。何度切っても、何度切っても何度切っても切っても切っても切っても!! 体力が高いという情報はない。回避されているのか。効いていないのか。と焦りが生じる程に、しんびは悠然とゆらいでシーザーへの接敵を諦めない様子だった。 「回復などさせませんわよ!」 斧を振りかぶって氷花が一撃を見舞う。当たったのか。手応え無き感触が斧から伝い。しかして、しんびを奥の奥へ、弾き飛ばす。 上空に在ったステラが、細かいダメージの蓄積で高度維持も危うい程に続く戦い。 もしも、これまでに一度でも焔衣――皆の認識では使わせてはいけない攻撃――を許していたのならば。 「反省会を残念会にしてはいけません。決して」 ステラが天使の歌を放たんと手に光を集中させる。 放たんとした途端――しんびに異変が生じた。 しんびの炎が一瞬、消えた。 消えたかと思えば、再び燃え出す。燃えるだけではない。 手が、足が、顔が生じて。形を変える。 『烈火のごとくフェーズ進行が速い個体』である事。粋狂堂の言葉が全員の脳裏に過ぎり。 「俺か」 「龍治!?」 龍治が短く呟き、木蓮が驚愕する。 この中で最大命中を持ち、的確に射抜き続けた龍治。 しんびは龍治の姿を模倣して、じぇりのようにねっとりと歩き出す。 意図があるならば、何であろうか。この個体は過去まさにこの様に変じたのか。 螢の如き光の玉が再びたゆたい。しかし様子が変わる。 「来ます!」「来ますわ!」 しんびの最大火力が来るという直感。注意を払っていた氷花とステラの声が同時。 螢の如き大量の光の玉は、次々と火縄銃の形へと変じて、四方から八方から、全員に銃口が向けられる。 ――――ッッッッ!! しんびの、狼の如き咆哮と共に、一斉射撃が炸裂する。場は爆ぜ尽くし火の海と化する。 乾燥しきってひび割れた地べたの、煎餅の如くめくれ上がった土塊が悉く粉砕されて、変色を齎す程の超高温。 神域に火柱が上がる。 炎の嵐が過ぎ去った時。まず回復が降りてきた。 氷花が膝を着きかけても、しかしステラを庇って。 「有難うございました」 「疾風居合切りを撃つ余力くらいはありますわ」 最後の天使の歌に、氷花は立つ。立って斧を振り上げる。 「壊してしまえばよろしいのでしょう?」 「宜しくお願いします」 ステラのお願いを背負って、氷花が駆ける。 凛然たる声がした。 「……漸く終わったのか。訓練とはいえ、かなり精神的に来ますね、これは」 シーザーが唱えた確信である。 「しかし油断なく、容赦なく──完封する心算で臨ませて頂きます」 シーザーが半歩横に退けば、フィリスが魔法を詠唱している。 「済まぬ、この借りは奴にダメージとして利子をつけて返そう!」 シーザーに庇われて、無傷で終わったフィリスが、集中を重ねたマジックミサイルを唱える。そして唱え終える。 「魔力よ、我が前に立ち塞がる障害を撃ち貫く弾丸となりて、"今一度"。威光を示せ!」 「行けますか?」 補助に徹していたシャルティアが、エル・リブートでもって前衛――美虎に活力を与える。 「よぉぉぉし! 元気いっぱい! 撃てるよ!」 「お願いします!」 願いと同時にシャルティアが飛び退き、焔衣の範囲外へと移動する。 「とらぁ――」 美虎が力を溜める様に、左拳で右拳を握り、電撃が迸る。 「でぃすとらくちょん!!」 「余裕は?」 と、木蓮が龍治に問う。 「奴は自ら『部位』を作った。バックアップはできるだろう――右足だ」 木蓮が察して銃を構える。龍治も火縄銃を構える。 しんびの右足を共に狙い。 「さあ、狩りを始めよう」 まるで、ここからだと言わんばかりに、龍治は冷徹に呟く。 しんびの"右足"が即座に消し飛んだ。 龍治と木蓮の射撃が、一気にその回避力を奪い去る。 ぐらりと態勢を崩したところへ、ステラに傷を癒されし氷花が、全力。首印を。ギロチンの如き斧で拐う。 シャルティアのエル・リブートで活力を得た美虎の電撃がジグザグの虎模様に地を駆け抜けて。 最後に。 シーザーとフィリスの渾身。 魔法の光がしんびの中枢を。心臓部位を貫いた。 ●反省会 -12:00- 春の昼の。 眠たくなるような陽気に誘われる様に近くの飲食店。 菜の花が見える窓際のテーブルで、昼食をとりながら訓練の顛末を振り返っていた。 所謂、反省会というものである。 「シーザー。訓練前に敵を調べただろう?」 注文を終えて料理が並ぶ頃。デス子は開口一番に切り出した。 「はい。油断なく、容赦なく──完封する心算で臨ませて頂きました」 万全を望むシーザーは、過去『しんび』が出現した情報を調べ尽くしていたのである。その時のリベリスタがどう動いたか。どうすべきだったのかを考察し。 「ま、良いがな」 何時もの女教官めいた顔を崩さずに、粋狂堂はアイス珈琲を一口。言葉を続ける。 「実戦はフォーチュナの情報のみが頼りになる。この訓練で考え方の様なものを身につけて貰えれば幸いといった所だ。わざわざ場を用意した甲斐がある」 「心得ました」 ステラ――小さな梟はテーブルに突っ伏す。 「ヴァーチャルで良かった……」 水を一口。 ステラは高度飛行でもって近接を許さない戦法を使った。この故に威力の弱い攻撃とされていた火垂といえど馬鹿にならない負傷が蓄積された形である。神秘に対する抵抗を高めていなければ、一旦休憩とあいなったことだろう。 ヴァーチャルで良かった。それを込めての溜め息めいた胸裏の吐露である。 その様子に、粋狂堂が一言を添える。 「が、ステラも十分な対策が練れていたんじゃないか? トラップネスト」 粋狂堂の言に、補足するようにシーザーが付け加える。 「狙われ易い者が、近接攻撃しかできない場合――つまり怒りで近づいた場合、使わせてはいけない攻撃が働いた。となる訳ですね」 ステラはトラップネストを用意していた。クリアである。 「やはり」 フィリスが納得した様に一呼吸置く。 「動き方次第で完封できうる。しかし外れてしまうと大被害。そういう敵を過去の依頼から選んで来たのだな? デス子?」 詰め寄る様に問えば、粋狂堂は首を縦に振る。 「ご名答。凄まじい読みだな。初依頼と聞いているが大したものだ」 「ふふん、覚悟と意地でベテランに負けている気はないぞ?」 フィリスは満足にピラピラと笑って、運ばれてきた定食を口に運ぶ。精一杯動いた後の飯は何とも美味い。働かせた脳も糖分を欲していると感じる程に一口一口が染み渡る。 「チェス――の様ですのね? まるで」 氷花がフッと閃いた一言で問う。戦いは主に前衛を担当し、熱気をひたすらに切り裂いていた氷花であったが、敵を俯瞰してみての感想、例えであった。 「当時の精鋭が作戦をしこたま練って解決した事件の敵。実戦でもこれほどシビアな、一歩間違えれば大被害という敵は――まあ少ないだろう」 「そうだな」 龍治が肯定する。 木蓮に引っ張られて、しぶしぶながら反省会に参加した龍治ではあったが。ここは短く肯定する。 隣にいる木蓮もうんうんと頷きながら。 「先日のも色々凄かったが、純粋な戦いって言われるとなあ」 龍治と木蓮は、つい先日に戦ったばかりの『リア充爆発しろめいたエリューション』と比べる。 比べてどうか、と問われれば、明らかにこちらの方が純粋な戦闘力において数段上だと感じる。 使わせてはいけない攻撃が存在すること。それを見る事は叶わなかったが、更に燃え上がって強さを増した状態を見れば、推測できうる事である。 「これに勝てたんだから、自信持っていいと思うぜ。いつかこの学んだことを活かせる場面が来たら、また頑張ろうな!」 木蓮は、にっこりと笑った。 「シャルティアと美虎は、乙種にも参加だったな。ゆっくり休んでから臨むといい」 デス子が声をかけた両者は、乙種訓練に続投である。 「はい。つぎは『人形』というてきでしたね」 「うん。まずは食い溜める! そんでお昼寝でばっちし! ぐ~~~Zzzzz」 「そういうなら、食ってから寝たらどうだ、美虎」 食後。 粋狂堂が窓を開けると。爽やかな春の風と、菜の花の香りが差し込んできた。 とても眠くなる時間に、この風はすこぶる良い心持ちを齎して、時間は悠長に過ぎ行く。 「ああ、そうだ。デス子様から見ていかがでしたか?」 氷花が思い出した様に、全体的に見ての話を粋狂堂に問う。 ぴこんと、脳裏の電球を光らせて木蓮が大学ノートを準備する。 「ん、私の感想か? そうだな――」 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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