●村人三十人殺し 村人たちが寝静まろうとする時刻、不意に外から騒がしい音がした。 男がなんだろうと思って外に出る。 「ぎゃああああ――」 「助けてええええええ」 バン、バン 銃声が響いて目の前で男女が崩れ落ちた。鮮血が飛び散って、地面に血の海が出来初めていた。逃げ惑う人々。叫び声と悲鳴。一瞬にして村は混乱に巻き込まれる。 月が雲から現れてその正体が現れた。 鬼夜叉の能面を被った鎧かぶとの武者がいた。 猟銃を持った侍の他に弓矢を持った侍もいる。みなそれぞれが獲物である村人に向かって大量殺りくを行っていた。子供にも容赦なく刀や猟銃が向けられる。 男は本能でとっさに逃げようとした。 そのとき、一人の鎧かぶとを着た騎馬武者が立ちはだかった。荒れ狂う馬に乗ったそいつの顔はやはり鬼夜叉の面で隠されている。 両手に日本刀をふたつ持っていた。男が金縛りにあってその場に固まると、鬼夜叉は二本の刀を天に高々と振り上げた。 男が逃げようとした矢先、無情にも両刀は振り下ろされる。 「ぎゃああああああああ――」 ブシュウウウウ―― 血のシャワーが辺りに絶え間なく降り注ぐ。 夫の断末魔を聞いた妻と子供が玄関先に飛び出してくる。そこを他の武者が猟銃を乱射してその場に家族は全員惨殺された。 「これは、た、祟りだ! 」 「だからあれほど、言ったんだ――首塚を撤去するなんて、罰が当たったんだ」 「オニヤシャサマのた、たたりだああ――」 誰かの叫び声がこだまする。それもすぐに銃声の音と共に聞こえなくなった。 ●首塚の祟り 「今夜の零時、岡山県のT村に村人を襲う七人の武者の霊がでる」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、リベリスタたちに向かって事前に予期した情報を伝えた。 あまりの惨劇に対してリベリスタたちは言葉を失う。まるで八つ墓村の事件のようだと誰かが呟いた。凄惨な情景が思い浮かぶ。だがイヴは鮮明にその情報を予期したはずだ。その残酷さは伝え聞くリベリスタの比ではない。 「このままにしておくと村人総勢三十人が一夜にして惨殺される。相手は怨念と恨みを村人に対して持っている。たとえ無抵抗の女性や赤ん坊でも容赦しないわ。武者たちの目的は村人全員の虐殺。それ以外のなにものでもない」 一刻も早く武者たちを倒さなければならないのは言うまでもない。だが、どうして今になって鎧武者が現れるのだろう。リベリスタはイヴに続きを求めた。 「原因は、村の入り口の神社の脇に祀られている首塚が撤去されたこと。そこには関ヶ原で負けて堕ち延びた西軍の武者達が眠っていた。だけど、今回村のレジャー施設を建てることになって首塚も神社も取り壊されてしまった。それに怒った武者たちが霊となって村人に罰を下そうとしている」 その昔、T村にやってきた侍たちは村人に殺された。そのままにしておくと、東軍の討伐隊がやってきてやがて村ごと戦争になる。その前に村人たちは寝込みを襲って七人の侍の首を切り落とした。 しかし、それから村で原因不明の伝染病が流行った。とつぜん発狂する人が出たりするなど祟りだと恐れられる。供養するために村に首塚を作って神社を建てたという。それから村では伝染病や奇妙な事件はぱったりと治まった。人々はその首塚の侍たちを鬼夜叉さまとしてこれまで厚く祀ってきたという。 「七人の武者を鎮めるためには、もう一度首塚と神社を建てて丁寧な供養をする必要がある。でもそれは今からでは到底間に合わない。だから、武者が現れたところを、みんなが成敗してきてほしい。ちなみに大将である侍は馬に乗っている上に、二刀流を自在に使いこなすから注意して。他にも猟銃や毒矢などをもっている侍がいる。間違ってもあなたたちが呪い殺されないように――健闘を祈ってるわ」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:凸一 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年03月27日(水)22:45 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●数百年の怨念 遠くで獣の遠吠えが聞こえてくる。深夜の冷たい風が肌に染みる。山間部の小さな村は人里離れた場所にあった。周りは山や川で囲まれてどこにも逃げ場はない。 村の中央には小道が通っていた。その周辺には集落が犇めいている。まるでその光景は災いから逃れるように身を固め合っているようにも見えなくはなかった。 おそらく戦国の世からずっとこの村はこうやって生きてきたのだろう。互いに協力し合いながらつねに何かに怯えるように。 「死した後の怨恨を数百年も残すのは女々しくはないだろうか。怒りと恨みの元も時が流れれば当事者達と共に土に変える。残った子々孫々に罪を購えと言うのはおかしな話」 『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)が仲間のリベリスタ達に厳しい口調で問いかける。 「世代を重ね、当時を知る人は減り、祀る心は色褪せる。でも、当人達はずっとそこにいて、その様を見続ける。だから、憎しみは色褪せない……人の心って、難しいね」 『先祖返り』纏向 瑞樹(BNE004308)も同じ意見だった。怨念や恨みというのは人間の心が作り出したものゆえに退治するのはなかなか難しい。 「お前等の無念、解らんでもない。だがこれも仕事なんでな。立ちはだからせて貰おう」 『糾える縄』禍原 福松(BNE003517)は決意を新たに胸にする。 「『武士といえば正々堂々たるべし』というイメージがありますけど、実際にはこうした略奪や策略を講じて有利に戦を進める事は『武士の器量』とされ、寧ろ称賛されるべき行為だったそうです。そういう意味では彼らは正しく武士なのかもしれませんね。尤も今は戦国の世ではなく現代ですから、称賛どころかその行為の代償を身を以て支払って頂くことになりますが」 『ライトニング・フェミニーヌ』大御堂 彩花(BNE000609)は自分の見解を口にした。武士の気持ちを理解はするが、やはり同情するわけにはいかない。 「自分らの力の無さでも東軍でもなく、村ばっか呪うとはみみっちい落武者共だな。奪うだけなら山賊以下だろ」 『黒腕』付喪 モノマ(BNE001658)も厳しく切り捨てる。 「はうはう! 侍相手に正々堂々!! いいよね、こういうのいいよね!! あれ? なんか違う。寝首かくなんて卑怯よ!! 私たちと武士道重んじて正々堂々しなさいよね!!」 『骸』黄桜 魅零(BNE003845)は興奮しながらまだ現れぬ敵に向かって怒る。 「村人惨殺事件がこれから起こるのでござるか……ならば拙者はそれを止めなければでござるな。それがリベリスタでござるしな」 『ただ【家族】の為に』鬼蔭 虎鐵(BNE000034)が嘆息してつぶやく。 「嘗ての戦場を駆けた武士達か……良いだろう、相手にとって不足無し。だが、村人達には、指一本触れる事はさせん!」 最後に威勢のよい『誰が為の力』新城・拓真(BNE000644)が吠えた。もうすでに臨戦態勢を整えている。強結界を張り巡らして周囲の警戒を怠らない。 まもなく深夜になろうとしていた。モノマが、面接着を使用して民家の屋根へとよじ登っていく。他のリベリスタ達も迎撃態勢を整えた。 村人たちが起きて来ないようにそれぞれが熱感知や超直感を使用して注意する。 すると、闇の向こうから馬が駆けてくる音がした。 ●死ぬのは貴方 闇の中から現れたのは七人の鎧かぶとの侍たちだった。一人は馬に乗って立派な角の生えた鎧かぶとをしている。鬼夜叉の面をかぶっているが、威風堂々としたたちふるまいは大将にふさわしかった。 御付には猟銃や弓矢、大鎌に長槍を携えた武者を引きつれている。大将を取り囲むように布陣して隙を与えない。 それでもリベリスタ達はすぐに鬼夜叉たちを包囲した。 「無礼者! 何奴!」 足止めをしたリベリスタたちに大将が激怒した。 「リベリスタ、新城拓真。嘗て、戦場を駆けた戦士達よ! お前達に勝負を申し出る!」 拓真は双剣を抜き、大将へと刃を向けた。 「果し合いを申し渡されて逃げ出す腰抜けではあるまい……是か、否か!」 大将に向かって拓真は名乗りあげて挑発する。 「我が名はアラストール、尋常に戦を申し込む。鬼夜叉とは名に在らず、名乗られよ武士殿」 アラストールも拓真に続けて厳しい口調で迫った。 「あちらも大将がいるならこちらもいるべきよね! そう、私が大将黄桜魅零、あなたたち専用の死神よ」 魅零が胸を張って名乗る。だが、鬼夜叉たちは無視した。 「貴様ら雑魚に名乗る必要もなし。無礼者は切り捨て御免!」 大将は部下に命令してリベリスタ討伐を合図した。 その瞬間、猟銃を持った武者が一斉に弾丸を撃ち放つ。 「いきなりの奇襲でござるか! ならばこちらも」 虎鐵が疾風居合い斬りで風を巻き起こす。すぐに激しい攻撃が真正面からぶつかって相殺された。それを見た大将が目を細める。 「貴様、なかなかやるな。だが、前も後ろも隙だらけだぞ」 その瞬間、毒矢の連続射撃が散らばったリベリスタの背後から襲う。毒矢の集中攻撃に足止めを食らってリベリスタは一歩も動けない。 「よぉ、落武者共。首獲りに来てやったぜ!」 そのとき、モノマが毒矢使いのすぐ脇に着地した。流水の構えから視界にいる敵に目がけて焔腕を叩きこむ。 不意をつかれた毒矢使いはモノマの激しい攻撃に倒れた。すぐ脇にいた猟銃使いはモノマに向かって連続射撃をおこなう。 「ぐはあっ!」 モノマは攻撃を至近距離から受けてしまう。 そこを待ちかまえていたように瑞樹がバッドムーンフォークロアで辺り一帯の敵を巻き込んで攻撃した。ようやくモノマはその場を逃れられる。 瑞樹の攻撃を受けて猟銃使いも疲弊していた。それでも銃を用いて攻撃をさらに繰り出そうとする。 「そうはさせるか! これでも食らえ!」 そのとき、福松が相手の懐に飛び込んでいた。地面を這うように背の低さを生かしながら敵に近づいてB―SSSを放つ。 至近距離からぶっ放なされた猟銃使いの一人がついに倒れる。 だが、横から長槍の武士が福松の腹を狙った。 「うがあああ」 福松は避けきれず足に攻撃を受けてしまう。 「楽しいよね、戦い。痛くて、辛くて、ほんと最悪。でもこれで誰かが守れるなら……笑ってられるよ」 魅零がペインキラーで長槍の武士の首を狙った。首元を思いっきり掻き切るようにすると血がブシューと飛び散った。 長槍使いは息の根を止められて地面に突っ伏してしまう。 傷を負いながらもリベリスタたちは確実に敵を減らしていた。だが、一番強い大将はまだ無傷だ。油断するわけにはいかない。 「出てきてはダメだ!」 そのとき、アラストールが叫んだ。見ると、村人たちが騒ぎを聞きつけて家の外に出てきていた。やはり強結界だけでは防衛できなかった。 鬼夜叉たちも本来の目的を思い出して村人の方へ大鎌を突きつける。 まさに鎌を放とうとしたとき、虎鐵が当て身を食らわしてブロックした。二人ともその場に倒れ込んでもみ合いになる。 「みんなここから早く逃げなさい! 殺されるわよ!」 彩花が威風とワールドイズマインを使用した。その瞬間、彩花に魅せられた村人たちが慌てて反対方向へと逃げて行く。 大将がたまらずそのあとを追いかけようとした。 「あなたの相手は私です! 武士道とは忠義の道の一つでしょう、ならば此処で恨み辛みを抱くより、輪廻を巡り、来世でその道を邁進すべきかと」 アラストールがたまらずブロックする。 「貴様、そんなに死にたいのか!」 「いいえ、死ぬのは貴方です」 大将に向かってリーガルブレードを突き立てる。ようやくそれを見て大将は刀を一本だけ鞘から抜いた。 「貴様にはこれで十分だ。いくぞ!」 その瞬間、アラストールと大将の剣ががっちりと音を立てて交錯した。アラストールも負けていないが徐々に押されてしまう。 「うはああ!」 とうとうアラストールはあまりの力強さに弾き飛ばされてしまった。 ●武士の誠 アラストールが奮闘している間に、村人はなんとか逃げることができた。しかし、まだ残っている村人がいる。いつ彼らが起きだしてくるかわからない。これまで以上に瑞樹や彩花たちは警戒を強化した。 虎鐵が格闘戦の末に敵の首をついに切り落とす。さらに残った猟銃使いにまだ傷を引きずっているモノマと福松が攻撃を仕掛けた。 近くに寄られて相手は銃を捨てた。真剣を抜いて襲い掛かる。モノマはすんでの所で真剣白刃取りを試みた。すんでのところで受け止める。 「ったく、そんだけ戦えるのにみみっちい真似ばっかしてんじゃねぇよ」 モノマはそのまま弐式鉄山で相手を投げ飛ばした。 「悪いな。お行儀よく戦うのは苦手でな」 福松は相手の懐に飛び込むと、今度はゼロ距離射撃を放つ。 二人の攻撃を受けてついに敵は倒された。 残るは大将一人となる。 「かつての人達は、事情があれど、貴方達に酷い事をした。そして、今の人達は貴方達の事を蔑ろにした。怒るのは分かるよ。でもさ、今の人達は皆殺しにされなきゃいけない程なの? 新しい首塚と神社が建つまで、待ってあげられないかな」 瑞樹が堪らず大将たちに話しかけた。味方も少なからず負傷が出ている。このまま戦闘を続けるとタダじゃ済まなくなってくるだろう。できることなら少しでも攻撃の手を緩めて話を聞いてほしい。瑞樹はその思いで口にした。 「さっきの言葉は訂正する。わが名は津山鬼五郎と申す。貴様らはなかなか手強い輩だ。武士の道に立って敬意を表しょう。だが、それとこれとは話は別。武士は一度刀を抜いたら死を覚悟するもの。相手か己が死ぬまで戦う。いざ勝負!」 大将はついに両刀を鞘から抜いた。 「先達よ――あなたの二刀、存分に学ばせて貰う!」 拓真がついに大将の前に躍り出た。目はすでに真剣そのものだ。両刀使いの二人が真っ向から対峙する。 大将は馬を走らせると拓真に向かって襲い掛かってきた。 ガツン! 四本の刀剣が空中で交差する。勢いに押された拓真が後ろに弾き飛ばされそうになった。このままではアラストールのようにふっ飛ばされる。 その瞬間、大将の刀が引いて拓真が前のめりになった。 「ぐあああああああ」 拓真のバランスが崩れた瞬間を狙って両刀が拓真を八つ裂きにする。 「拓真くん!」 魅零が悲鳴をあげた。 拓真は地面に突っ伏した。だが、すぐに立ち上がる。 助けによった魅零を制して言った。 「燃えてきたぜ。身震いする……この感覚!」 再び拓真は双剣を手に大将に挑んでいく。また、空中で四刀が交差した。今度は拓真も負けていなかった。技術では負けても気合いで負けていない。 「ヒヒィイイイイイン!」 次の瞬間、大将の馬が力に押されて脚首を折った。大将はすんでのところで後ろに下がると拓真の剣から逃れようとする。 「うあああああ」 大将が鎧の間を剣で狙われて吠えた。すくなからずダメージを負う。 馬は引きずった脚で逃げようとしたところを彩花がブロックした。その大きな馬に向かって弐式鉄山を食らわして見事になぎ倒す。 「大丈夫ですか? 拓真さん」 「ああ、これしきぜんぜん平気だ……」 彩花の問いに拓真が答えた。 言葉と裏腹に拓真はすでにふらふらだった。激しい大将とのやり合いに身も心もボロボロになりかけていた。 それでも目つきだけはますます凄味を増している。 「拙者が渾身の力で奴を食い止めるでござる。その隙に拓真は奴を殺れ!」 「わかった。恩に着る」 虎鐵と拓真が目配せした。居合わせたリベリスタの仲間達も息を呑む。つぎの瞬間、虎鐵は猛スピードで大将に迫った。馬を失くした敵は対応が遅れる。 「拙者は鬼蔭虎鐵。武人ではないでござるが……いざ、尋常に勝負でござる!」 虎鐵は最大限の力を己に込めた。本気の本気で大将にむかってギガクラッシュをぶちかます。 「うがああああああ」 大将が虎鐵の渾身の攻撃を受けて雄叫びをあげる。かつて味わったことのないほどの敵の攻撃に大将はもがき苦しんだ。 だが、この一発で倒されてもおかしくなかった敵は強情にも倒れようとはしなかった。ここで倒れてしまっては武士の不覚。最後の最後まで立ちはだかる。それが武士の家に生まれた者の最後の誠だった。 その大将の凄まじい信念に拓真は圧倒されそうになった。だが、大将を倒すのは他なる自分だ。相手は俺よりも強い格上だ、油断など無い。 刃に自身が研鑽して来た技術を、己が裡に宿す覚悟で全力を以てぶつけろ! でなければ、この場に出て来た意味も無い! 「我が全力、我が魂――ただ、この一撃に!」 三度空中で刀剣が交錯する。 だが、今度は拓真の剣が相手の刀を上回った。 「ぐああああああああああああ――」 首元を容赦なく引き裂かれた大将がついに地面に突っ伏した。 ●握り飯を供えて 「首塚とまでは行かないが、黙祷くらいはしておこう。時代が時代とは言え……余りにも無惨な死に方だからな。これくらいで怒りは収まらないとは思うが勘弁してくれ。何、オレもいずれはそっちに行く」 戦いが終わるとすぐに福松は黙とうした。できればもう二度と恨んでこの世に現れないでほしいという願いを込めた。 幸いなことに瑞樹や彩花たちのお陰で村人には誰一人傷を負う者はなかった。 「この亡霊達は首塚を壊した所為で出てきたそうでござるよ。しっかりともう一回首塚をつくってきちんと慰霊して供養してあげた方がいいでござるよ」 虎鐵は村人たちにきつくお灸を据えた。あまりの迫力に村人たちは恐れをなした。すぐにでも首塚と神社を建立するという。これからは鬼夜叉たちがきちんと安らかに眠るように村が総出をあげて大切に守っていくと誓った。 「……きっと、彼らも戦時中腹を空かせていただろうし」 拓真は、首塚のあった場所に握り飯を供えた。大将津山鬼五郎は強かった。純粋に二刀流使いとしてなら彼の方が断然上だった。いつか俺も彼を超えるような両刀使いになってみせる。だから今はどうか安らかに眠ってほしい。 長い黙とうを捧げて拓真たちはその場をあとにした。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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