● 「ぶわっくしょん!」 会社帰りのサラリーマン、清水幸助は(しみず・こうすけ)は盛大なくしゃみをした。数年前に花粉症を発症して以来、この季節が来るたびにこうなる。 マスクに花粉症対策メガネ、コートも着込んで武装しているが、そう簡単に奴らの魔の手は逃がしてくれない。ここの所、仕事が忙しくてアレルギーの薬を取りに行けないのも困った所。残った薬の量は、節約しても1週間。 「ここの所、午前様続きだもんな……。土曜には医者に行けりゃいいけど」 ニュースを見ると、今年の花粉の飛散量は昨年の3~7倍だとか。具体的にどんだけ飛んでいるのかは知識が無いのでよく分からないが、何かやばそうな数字である。 「あれ……? こんな所に木なんて生えていたっけ?」 そんなことを考えながら、住んでいるアパートへの道を歩いていると、見覚えの無い木が目に入った。こんな所に木は生えていなかったはずだが……新たに植林でもされたのだろうか? それにしても、見たことの無い木だ。桜でもなければ、杉でもない。 くしゃみのし過ぎとだるさからぼうっとした頭では思い出せない。 何よりも残業で疲れているし。 「ぶわっくしょん! ぶわっくしょん! 本気でやばい……な」 くしゃみをしながら木の前を通り過ぎようとした時だった。 今までにない強烈な息苦しさが全身を包み込む。 目がかゆくなり、全身に何かが圧し掛かってくるような感覚だ。 「え……なにこれ? ……花粉症で、死ぬとか……あるのか……な?」 幸助の意識が急速に薄れて行く。 そんな幸助を木は悠然と見下ろしていた。 ● 空が妙な曇り方をしている3月のある日。リベリスタ達はアークのブリーフィングルームに集められる。そして、リベリスタ達に対して、『運命嫌いのフォーチュナ』高城・守生(nBNE000219)は事件の説明を始めた。 「これで全員だな。それじゃ、説明を始めるか。あんたらにお願いしたいのは、敵性アザーバイドの討伐だ」 守生が端末を操作すると、大きな木が表示される。しかし、色彩は全体的に青みがかかっており、どこか違和感を感じさせる。 「現れたのはこの植物型のアザーバイド。周囲に毒性の強い花粉をばら撒く能力を持っていてな。困ったことにボトムチャンネルが気に入ったらしく、ここで繁殖しようとしているようだ」 季節柄と言うのもあるのだろうか。なんとも困った闖入者である。しかも、相互の交渉はほぼ不可能なタイプである。 「植物型というせいもあって、基本移動する気はあまり無いみたいだな。だけど、やられそうになって逃げる隙があれば逃げだろうとするかも知れない。その辺には気を付けておいてくれ」 そう言って、守生はさらに端末を操作し、スクリーンに地図を表示させる。 現れたのは住宅街の中にある小さな公園だ。 「アザーバイドはこの公園に出現した。ディメンションホールはアザーバイドが自分の下に庇うようにしている。最低でもこいつをどかさないと破壊できないってわけだな」 リベリスタ個人のブレイクゲートで問題無く破壊できる範囲のものだ。今後の事件を未然に防ぐ意味でも、確実に破壊しておきたい所である。 「もう1つ注意点を挙げると、時間をかけると一般人がやってくる可能性もあるってことか。戦いを見られるのもマズイし、巻き込まれるのはなおさらだ。対処は難しくないと思うし、よろしく頼むぜ」 やらなくてはいけないこともそれなりにあるが、1つ1つこなしていけば決して困難な任務ではない。 「説明はこんな所だ」 説明を終えた少年は、その鋭い瞳で睨むように、リベリスタ達に送り出しの声をかける。 「あんた達に任せる。無事に帰って来いよ」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:KSK | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年03月26日(火)23:11 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
● 「へっくち!」 夜の街の中、『雇われ遊撃少女』宮代・久嶺(BNE002940)は可愛らしい声でくしゃみをする。 そう彼女は、神が人に与えた大いなる呪い、黙示録の業病、花粉症の被害者なのだ。 そんな中でも、彼女はマスクも付けずに怒りの表情で、敵のいる方向を睨む。 「あー……普通の花粉にも悩まされてるっていうのに、なんなのコイツ! ボトム舐めてんの? 根絶やしにするわよ、この野郎……!」 口を開けばついて出るのは恨みつらみ。 ボトムチャンネルの人間とアザーバイドの共存には多くの場合困難を伴うが、これ程共存が臨むべくもないケースは珍しい。 「何でも今年は例年より多いとか……? 関東一円は花粉の渦にのまれそうな予感がします。今回の敵はアザーバイト。普通の花粉じゃありません。大いに怖いですね」 ため息をつきながら相槌をつくのは『Lawful Chaotic』黒乃・エンルーレ・紗理(BNE003329)。彼女は素直に口元をマスクで覆っている。程度の弱いものであれ花粉症は花粉症。対策は怠らない。 「普通の花粉ならいいんですが……そういうわけにはいきませんよね」 「花粉症の人は大変そうだなぁ……僕はまだなってないけど……」 そんな2人の少女の姿を横に、『バイト君』宮部・春人(BNE004241)はこっそりとマスクを装着する。今は笑ってみていられるが、唐突に始まるのが花粉症というものなのだ。聞けば、花粉を吸い過ぎると発生するということだし用心に越したことはない。それに、ボトムチャンネルの花粉が原因で発症したならまだしも、アザーバイドの花粉が原因で発症するなどいやすぎる。 付け焼刃でも無いよりはマシというものだ。 一方で、花粉症に関する知識が一切無いアミリス・フェネール(BNE004347)は不思議そうな表情を浮かべていた。 (カフンショウ? こっちの世界には不思議な病気があるのね) その長い耳で風を感じながら、話に聞いた知識を思い返してみるアミリス。 そう、彼女はこの世界の住人ではない。異世界ラ・ル・カーナからやって来たフュリエの1人だ。そんな彼女にとって、ボトムチャンネルに存在する文明病というものは、些か理解に苦しむ概念だった。 (自然と一緒に生きているのに、その自然から病を貰ってしまうだなんて……上手くいかないものね) しかし、今回に限ってはそういうものではない。 もっと、毒性の高いものをばら撒こうとしている危険な存在がいるということなのだ。 そこまで状況を整理して、アミリスはキリッと表情を整える。 「拡散させる訳には行かないわ、食い止めましょう」 花粉症という単語を聞きつけてからたっぷり、時間をかけて結論を出す。このテンポはやはり、完全世界に生まれたものならではなのだろう。 そして、リベリスタ達が注意深く移動をすると、次第にその姿が見えてきた。 異界より現れたアザーバイド、異界の植物だ。 同じく漂う殺気を感じたが故だろうか、アザーバイドは淡い燐光を放ち、枝葉をざわめかせている。 「自覚の無いのも厄介ですが、よその世界に悪意を持って来訪するとは何事か」 並みの者であればアザーバイドの放つ妖気に当てられ恐怖を感じていただろう。しかし、敢然たる闘士を秘めた聖騎士、『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)にしてみれば、この程度のものは恐怖には値しない。 「痛い目を見て貰いましょうか、今後その様な戯れが出来ない様に」 もっとも、「痛い目」程度で済ますつもりも無いことは、その鋭い視線から見て取ることは容易だった。 一方、『ただ【家族】の為に』鬼蔭・虎鐵(BNE000034)はのんびりとしたものだ。敵の危険度が把握できていない……等ということでない。彼の心にあるのは平常心。迎え火を以って相手の殺意に対抗するのではなく、相手の殺意を柳のように受け流す。怪物(フリークス)の如く剣を振るう時は今ではないのだから。 「花粉で人が死ぬとか怖いでござるなー。あんま時間をかけすぎると人が来てしまうでござるからな」 ゆらりと立ち上がると、鈍く光る刃を構える虎鐵。 それに合わせて、紗理とアミリスは結界を展開させる。 「わたしは花粉症じゃないの。くしゃみも鼻水も、ぴーえむさんのせいなの。だからあなたなんて、こわくないの」 『Wiegenlied』雛宮・ひより(BNE004270)は眠たげに眼をこすりながら、アザーバイドに食って掛かる。マスクは重ねて着用、花粉対策眼鏡も装備して完全武装の姿だ。花粉以外にも厄介な物質はボトムチャンネルに存在するというのに、これ以上おかしなものを持ち込まれてはたまらない。 そんな姿を挑発と受け取ったのか、アザーバイドが猛る。しかし、ひよりは自信満々に胸をそらしてアザーバイドを指差した。 「みんなに安定して回復お届けするためなの。あなたのためじゃないのよ、ふふん……へくちっ」 「へっ、こいつを見てると意味があるのか無いのかだな」 「マスクは3枚重ね」を合言葉に、『パニッシュメント』神城・涼(BNE001343)はアザーバイドを睨みつける。当然口元をマスクが覆っている。ゴーグルも付けた方が良かったのかも知れないが、まぁ、それはそれ、これはこれ。 「なぁに、今まで花粉症じゃなかったし俺には関係ないさ。サクッと倒して春を満喫してやるぜ!」 軽く笑い飛ばすとアザーバイドに向かって駆けて行くのだった。 まったく、フラグにしか聞こえない。 と、その時、ふと気になったので、涼は久嶺に聞いてみた。 「なんで、マスクとかしてないんだ? 花粉症なんだろ?」 「アタシの超絶美少女なお顔が見れないなんて世界の損失でしょ。サービスのために身も削っているんだから!」 力強いお言葉と共に、グレネードを撃ち出す久嶺。 その言葉に免じて、最後に鼻水が大変なことになりかけていたのは見なかったことにしておこう。 ● 「さて、ここから先へは行かせないでござるよ」 アザーバイドの前に立ち塞がる虎鐵。奥の仲間への道筋を牽制で封じつつ、全身に気合を込める。 すると、全身から闘気が迸り、その体が一回り大きくなったかのように感じさせた。自らの肉体の制限を外し、生きる力を戦いのための力に変えたのだ。無茶をするのは好きではないが、回復してくれる仲間がいるのなら問題無い。 その後ろにはアザーバイドとは別の何かと戦う久嶺の姿があった。 「くっ……目が痒い……我慢よ我慢……落ち着いて深呼吸して……へっくしょ!」 素数を数えて必死に集中し直そうとするも、花粉のせいで集中力が乱れる。こんな状態でアザーバイドに近づいたら死んでしまうかも知れない。しかし、この程度のことで集中力が乱れるというのも、射手としてはあってはならない失態である。 (的は大きいんだから、いっその事、目を閉じて心眼で……息を止めて、射抜く!) こんなものに負けてはいられない。 自分はヤクザでも天使でもなく、宮代久嶺なのだから。 「どうかしら、これならイケるわ! 勧善懲悪美少女天使久嶺様が醜態を晒すわけにはいかないのよ!」 花粉への恨みが込められた弾丸は、狙いを違わずにアザーバイドの身体を穿つ。 そこへ畳み掛けるように攻撃を行うのは春人。 リベリスタ達が選んだ作戦は短期決戦だ。 相手は多数の敵を相手取るのに向いた能力を持っている。長引かせるのは拙い。それに何よりも、放っておくと間違いなく余計な犠牲者を巻き込みかねない。この場に結界が敷かれてはいるものの、絶対の効果が保障されている訳ではないのだ。 「短期決戦で行くからね……僕も攻撃の援護くらいは……!」 春人の体内を循環する魔力が、矢の形を取って放たれる。まだ年若い少年であり、幼い雰囲気の抜けない「バイト」であるが、それと同時に加護と祝福を受けた神聖術師でもあるのだ。 すると、悲鳴を上げているかのように、アザーバイドは大きくざわめく。ボトムチャンネルの植物に酷似してはいるものの、やはり本質的に異なるリンクチャンネルの生命体なのだ。 そして、そのざわめきに合わせてリベリスタ達の周囲を霧のようなものが覆っていく。 「く、まさかこの万全の装備の隙間をぬって花粉が……」 「マスクしてても目とかヤバい!?」 「これは、花粉症じゃなくてもキツいでござるな……」 「ぶ、ぶぇーっくしょん! アカン。くしゃみが止まらんし、涙が、っていうかチクショー!? これから花粉症になったらお前らのせいだからな!」 たちまち咳き込むリベリスタ達。 目に痒みが走り、呼吸も苦しくなってくるのだ。 加えて、高い毒性も備えているのであろう。ボトムチャンネルの花粉症では説明のつかない全身への激痛も走る。このアザーバイドにとっては、自身を繁殖させるための手段であると同時に、外敵を排除するための武器ということだ。 不幸中の幸いとしては、事前にフォーチュナから聞いていた情報よりも威力が低いことだ。やはり、体内に摂取した量が少ない分、ダメージを減らすことが出来ているのだろう。 「……なるほど。悔い改めて大人しく元の世界に帰るなら見逃すつもりでしたが、どうやらその気は無いようですね」 整ったアラストールの表情に怒りが灯る。 それと共に、全身にうっすらと破魔の光が宿って行く。 「他所の庭で好きに出来ると思わぬ事だ、化生!」 祈りの鞘から剣を抜き放つと、それは燦然たる輝きを放つ。 魔を滅する破邪の光だ。 その輝きを帯びた刃で切りつける毎に、アザーバイドからは血のような色をした樹液が派手に飛び散る。 「こ、こんな花粉なんて……負けてられません!」 元々の症状のせいか、それともアザーバイドの花粉によるものか。紗理は激しく咳き込んでしまう。加えて言うと、目も痒い。それでも、倒れる訳には行かない。 「皆さん、くしゃみも……くしょん! かゆみも……くしょん! 耐えましょう!」 言葉と共に邪気を撃ち滅ぼす神の光が戦場を包み込む。 もし、これがブレイクフィアーであったのなら、邪気が「払われる」だけなので、根性で花粉に耐えるのみだったかも知れない。しかし、これは邪気を「滅ぼす」ブレイクイービル。気付けば周囲を包んでいた霧のようなものは収まっている。 「助かるぜ。さぁ、こいつは生かしておいてはいけないんだ……! 火葬と言うかなんというかだけど。その、なんだ」 指の骨を鳴らしながら、かっこいい台詞を考えながら、涼は歩を進める。 …… …… 上手く言葉が見つからない。 しかし、それならシンプルに思ったままを言うのが一番だ。 「これからの俺の平穏のために! その! アレだ! 枯れろ!」 手の中に握られたダイスを投げつける涼。 するとどうだろうか。アザーバイドに触れた瞬間、ダイスは派手に爆発する。 しかし、これで終わりではない。 「まだまだ行くぜ!」 さらなる涼の叫びと共にダイスは現れ、アザーバイドの身体を破壊していく。 その中でアザーバイドも当然反撃とばかりに花粉を撒き散らすが、知ったことではない。 (役目を果たさないで終わる訳には行かない) アミリスは体の中で何かが燃えるような不思議な感覚を味わっていた。それは運命の炎が燃える感覚。悪しき因果を止めるために、心と肉体を繋ぎ止める運命の恩寵だ。 アミリスがボトムチャンネルにやって来たのは、自分達を助けてくれたリベリスタ達に力を貸すため。まだまだ尽くせる力は残っている。だったら、それを全部使って見せる。過去に自分が戦いを知らなかったとしても、まだ彼らには戦う力が及ばないにしても、仲間を護る程度のことは出来るはずだ。 「………頑張って、まだいけるはずよ」 赤いフィアキィが癒しの力を帯びて、仲間達の周囲を飛び回る。 その光は強く、優しく、暖かく。 感情を見せないアミリスに代わる、何よりの自己表現だ。 そして、その力はリベリスタ達の勢いをさらに加速させていく。 「爆砕してやるぜ!」 「我等はただただ、お前のような存在を打倒するのみ!」 「アタシの花粉への恨み、この弾に込めるわ!」 リベリスタ達の集中砲火がアザーバイドを襲う。 悲鳴を上げるかのように身を捩るアザーバイド。 その時、今まで仲間の回復に専念していたひよりは気が付いた。あれは単に苦しんでいるだけではない。このまま、逃げ去ろうとしている。 逃げる先がリンクチャンネルだったら門を破壊すればいいだけだ。しかし、霧のような花粉に紛れて逃げられたらどうしようもない。 そこで、先ほどのアザーバイドの反応を思い出した。 ひょっとしたら、いけるかも知れない。 「さっきの花粉だけど、全然効いていないの。ふふんっ」 全然効いていないような振りをして、ふふんとひよりは笑ってみせる。 わざと聞こえるように言ってみた。 たしかに、アザーバイドとて言葉を理解したわけではない。しかし、言わんとする所は伝わった。再び攻撃に転ずる構えを取る。 しかし、攻撃を行うには遅きに失した。逃げるなら逃げるで、そう決めるべきだった。 「伐採、させてもらうでござるよ」 虎鐵の生命力がそのまま破壊の力へと転じて行く。 そして、雷の如き迅さで獅子護兼久が振り抜かれた。 それは最早、「伐採」などという生易しいものでは無く、アザーバイドの半身を消し飛ばしてしまうのだった。 ● 「これで良し、と。それでは、ブレイクゲートをお願いします」 アザーバイドの後始末を行っていたアラストールに促されて、アミレスと春人は露出したディメンション・ホールに歩み寄る。 空間に浮かぶディメンション・ホールを見て、アミレスに妙な感慨にふけってしまう。現れた経緯とここにいる理由は違えど、彼女もアザーバイドに属するのだ。 (規模は全然違うけれど、ラ・ル・カーナともこういうゲートで繋がっているのよね。今更だけど何だか不思議な気分) そして、ふと横を見ると自分と同様にスキルのために集中している春人の姿が目に入る。 (おっと、考え事してる暇があったら早く塞いじゃわないとね!) そして、2人がスキルを発動させると、ディメンション・ホールは跡形もなく消え去る。 「………これで、任務完了よ」 「……もうやだ……へっくしょ」 アザーバイドが消えても、花粉症が消えるわけではない。なので、久嶺は相変わらずくしゃみを繰り返していた。それを見ている虎鐵も涼も、恐々としている。 「帰ったら鼻うがいとかもしなければでござる……これで花粉症になったらどうしようでござぁ……」 「明日にはこれ治ってれば良いんだけど、これがきっかけで花粉症になったら許さない。絶対にだ」 アザーバイドの最後っ屁と言おうか、まだ若干の不調はあると言えばある。 もっとも、本体が消滅した以上、これ以上の拡散はあるまいが。 「それでは、戻りましょうか」 本来の花粉対策にマスクをしている紗理が、周りを促すとリベリスタ達は頷く。 その時だった。 「へっくし」 誰かが、くしゃみで返事をした。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|