●イチズなカラダ ずずん。 轟音だったと、思う。 地鳴りとも言えるだろう。世界を揺らすような感触だった。 世界全てを巻き込むような、大群が一歩踏み出したような。 強ち間違っては居ない。そこに現れたエリューションはノーフェイスと言って差し支え無く、しかし人という存在の軛(くびき)から解き放たれた全きに異形なそれであったからだ。 ずんずんと地を鳴らし均す音は、既に耳に痛いほどに大きくなっている。しかし奇妙なことに、それは「足が響かせる音ではない」。 「っひ――」 逃げたい。逃げたい。だがここで逃げてはならない。 こんなものがひと目人目に付けばそれで終る。人の心は容易に折れる。幻なのか現実なのか。 絶望的な『一対一』、若しくは――『一対百』か。 ぺた。 ぺたぺたぺたぺたぺた。 ぺたぺたぺたたたたたたたたたたたたたたたたた。 手が地を衝いて這ってくる。 胴が持ち上げられて鎌首をもたげている。 頭が無くて腕があって胴があって足がない。 手が足なのだ。足が手なのだ。……わけがわからない。絶望的な、存在だ。 そこまで考えて、女は――傾けた小太刀を逆手に持ち直し、嗚呼、と吐息を漏らす。 あれは、確か、いつぞやB級映画で見たような、くだらない――ムカデのような。 ●考えない群れ 「これは……ノーフェイス、なのか?」 「ええ。フェーズ進行のせい、なのでしょうかね。相当に異形になっているようですが……アークではこれを識別名称『一頭ノ双ツ百手』と命名。フェーズ2のノーフェイスとして殲滅対象に認定しました」 そりゃあそうだろうよ、と『無貌の予見士』月ヶ瀬 夜倉(nBNE000202)に向けたリベリスタの目は冷ややかなものだった。 何しろ、フリーであろうリベリスタの前に立ちはだかるのは、一際に異形だったからだ。 胴部……否、下半身『だったもの』をひたすら継ぎ合わせて伸ばし、百足のようにした長大な胴。 そのどれもに頭部がない。ごっそりと。まるで最初からなかったかのように。 そしてその異形の百足の先頭部には、人の胴。腹から上がそこに生えている。 それは即ち―― 「まるで本当に、何処ぞのB級サイコホラーだ」 「そうでしょうとも。そしてさらなる異質な点は、あれが一人の人間の革醒で賄われている点です。他の肉体、他の生命が介在しない」 「はァ!? あの姿を一人で維持してんのか!? どうやって?」 「そりゃあまあ、革醒と言ってもそれぞれです。恐らく『彼女』は、質量を異常に肥大化させた。ああも多くの胴が存在しうる理由は――」 「その本質とか心理状態に依存する。そう言いたいのか」 ご名答です、と夜倉は手を打ち鳴らす。冗談ではない、と思う。 頭のない肉体を多数はべらせる群体の主。手であり足であることを強いる存在。これはまるで。 「詳しいデータはそちらに。尚、一人のフリーのリベリスタが偶然居合わせ応戦中ですが、無論、このままではそう長くはないでしょう」 「おい、こいつの……その、出自は」 そんなことを聞いてどうするんですか、と夜倉は肩を竦める。やれやれと言ったふうに首を振った彼の手には、一枚の葉書がある。 「教祖様ですよ。新興カルト宗教団体『一思総散(いっしそうさん)』の」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:風見鶏 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年03月09日(土)23:15 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 人の思考を理解しようとするとき、誰しもが自分の思考に落としこみ、結果としてどうなるかを考える傾向にある。 自分ならどう思う、自分ならどうする、自分にとってあれはどうか……全て、『自分』を主体としたものに過ぎない。 故に、それが自分の理解の範疇を超えた時、それを人は明確に嫌悪し、拒絶し、或いは排除しようとするものである。 「は……ァ、あぁ……!」 絞り出す様に、少女――然原 蓮火の鬨の声が発せられる。限界が近い。ともすれば、すぐにでも踵を返してしまいたいほどには。 そんな戦いに振り下ろされた一撃は、正しく闇を裂く光――と、言えただろうか。 「うっぷ……!」 それらは『リング・ア・ベル』ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)に於いては吐き気を催す程の嫌悪感として表出した。 握りこんだ銃把――彼女が『Дезик』と呼ぶ側のそれにかかる力も自ずと強くなり、怖気が奔る。 実際に対峙し、戦うにあたってどれほどの不快感や精神的重圧がかかるものか。考えたくもないが、現実として戦うことを強要されるのは当然ともいえた。 革醒者ですら呑まれる狂気を、常人に晒してどうなるかなど……語るまでもない。 「うげっ、なにこれ気持ち悪!」 裏を返せば、『死刑人』双樹 沙羅(BNE004205)のようなあっさりとした反応が逆に珍しいようなもの、とも言えよう。 相手を『理解できる人間の延長線上』として見るか、『明確な敵』としてのみ見るか、の違いと言ってもいい。 或いは、理解できても彼ならば躊躇せず命を刈り取ろうとするのだろうか。 「……信徒は盲目たれ、ということか」 その狂気の姿を視界に収め、存在の意味を理解しようとしたのは『闇狩人』四門 零二(BNE001044)。目の前の存在、胴を為す人間の姿はともすれば意識を刈り取りそうなくらいに重々しい存在感を放っている。 だが、任務に対し常に真摯である彼にとって、眼前のそれが如何な理由を持ち如何な信念の末組み上げられたかなど、半ばどうでもよかったのかもしれない。 理解はした。しかし同情も共感もすまい。 相手は只の異形であって、彼の心に響くような相手ではない。狩るだけの存在に慈悲など、いらないのだから。 「その胴体にされたのはさしずめ哀れなカルト宗教信者かしら? たくさんの信者をはべらせて、どんな気分?」 ――ただ。彼女には、『狂奔する黒き風車は標となりて』フランシスカ・バーナード・ヘリックス(BNE003537)には。 零二程とは言うまいが、人並みの、在るべき洞察力と理解力を必要としたのではないか、と思う。 こと、物事の取り方によってはその異形があたかも信徒を襲ったかのように見えるが、果たしてそうか? この異形を生み出すにあたり、彼女ひとりの意思では成し得なかったのか? フォーチュナは、何と口にしたのか? ……詮ない話だが。背景一つ理解を誤れば、その戦いは全てが陳腐化するとも言えるだろう。 「他者を食い潰すほど肥大化する自己……イドの怪物ね」 あれでは何処に出した所で縁起物になどなれはすまい、と『レーテイア』彩歌・D・ヴェイル(BNE000877)は視線を向ける。 自意識の暴走から生まれた意思なき怪物。人の心など既に捨て去った姿に、畏怖というよりは純粋に嫌悪しか覚えない。畏怖と畏敬をして従える宗教者の行き着く先としては、ある種皮肉な終着点でもある、といえるだろう。 下手に踏み込めば確実に不利になる相手を視界に収め、静かに呼吸を整える。ガントレットの感触を確かめ、踏み出そうと構えをとった。 「ここがボトムかぁ。へんな動物がいるものですね」 一瞬のミスが大局に影響するこの戦場にあって、しかし『鼻の刑事』ルーシア・ホジスン(BNE004333)の反応は何処か夢見がちにすら感じられるほどにのんびりとしたものだった。 といっても、軽く考えている訳ではない。かと言って、緊張しきりであるかといえばそうでもない。ただ純粋に、あれは『興味』なのである。 「体がいっぱいに見えるけど、アレ全部繋がって一つってぇ……夢に出たら安眠できなさそうで嫌だよぉ……」 何処で覚えてきたやら、煙管を手で弄びつつ『夜行灯篭』リリス・フィーロ(BNE004323)は状況の把握に努め、そのあまりに突拍子のない事態に寒気すら覚えていた。 ……ここまで言及しておいてなんだが、彼らはフュリエ――異世界ラ・ル・カーナより訪れた異邦人である。 アークにとっては手垢の付いた出来事、詮なき事件の一つであっても、彼らの世界に於いて発生した巨獣とはなにもかもが違う。 世界がためではなく個の拡張から発する異形。異端。異常。それらは、彼らの思考からすれば確かに度し難いのだろう。 その心象が結論があの様では、怯えもするだろう、というもの。 「カルト宗教団体って、何だろう? 私にはよく分かんないけど、皆を傷つけようとする悪い子なら放っておけないよね」 お姉さんだもの、と視線を真っ直ぐに向けた『月奏』ルナ・グランツ(BNE004339)の言葉は正しい。同族の中でも年長に位する彼女にとって、世界を、巡って同族を苛む事もあろう彼の存在を許容するなど出来るはずもない。 アークに救われた彼女達は、自らの意志でそれに報いることを選択したのだ。年長者であることを自らの義の有り様の一つとして捉える彼女にとっては尚の事。 二、三度ほど地面をバウンドした光源は周囲を照らし、一瞬の白昼夢を呼び起こす。 呆けたように立ち尽くす蓮火を呼びつけたのは果たして誰であったか。 ただひとつ分かることは、それが敵ではないということ、ただそれだけ。 ● 「取るべき戦術は、速攻一択である! 突撃あるのみ!」 真っ先に一射放ち、間合いへ踏み込もうと歩を進めるベルカ。だが、相手をブロックするにはやや遠く、二の足を踏んでしまうのは致し方無いこと。それでも、多少なり閃光弾の影響は出ているであろうことは、その相手からは伺えた。対して、蓮火は――ベルカのそれに巻き込まれてしまい、膝から崩れ落ちて動ける状態ではなくなっていた。 言葉は便利だ。伝えるべきを正しく伝えられるなら、これ以上無いツールとなる。 しかし言葉は無力だ。上面のみで丁寧に滑る極論など聞き届けるに値しない。 「ここは任せて退いてほしい。オレ達は味方だ」 「……ど、どうやって逃げろって、言う、のよ」 「助けに来たよ、蓮火ちゃん!」 「じ、ジーニアス……とは違う、貴方達……?」 零二が正しきを伝え、ルナが目的を告げる。だが、心に届くには状況が急転しすぎているとも言えるだろう。 だったら何故、彼らは自分をも巻き込んだのか。 果たして、その少女の身形は何なのか。 そして何より、何より。 「ていうか君の存在自体が邪魔」 心神喪失に至りかけ、あまつさえ戦いへの覚悟が薄く増援が現れ助けられたのか巻き込まれたのかもわからない状況下で、不用意にも刺をその心につきつけた沙羅の不得手を、さて誰が責めようものか。 「お疲れ様、頑張ったね。ここはわたし達が引き受ける。あなたは退いて傷を癒してて」 どうやって傷を癒せというのか。退くに退けぬこの状況で。 何が大丈夫だというのか。あの異形を倒したあと、戦いを無理に続けるような面々に何をされるものか。 フランシスカが、ではない。リベリスタ全員が、『本質』を何一つ捉えていなかった。 胴部にアヴァラブレイカーを叩きつけ、攻めこむ彼女には届かぬ声だったけれど。 この時、確かに蓮火の心は半ば以上まで倒壊したのだ。 「お疲れ様、よく頑張ったね」 「あ……ぅ」 その濁った感情に流れ込んだ賦活は、今しがた恐怖した『ボトムの』革醒者に類さぬ少女……リリスの魔力だった。 さがれ、とは今は言えまい。ならば今だけでも守らねばなるまい、と。 その、直後。 『%#=?…”“^|』 「何っ……?」 矢を番えたルーシアを、真正面から打ち据えたのは意思なき声だった。或いは、情緒のないそれ。どちらにせよ、ボトムの人間ですら理解できない物を理解しようなどとすることは無駄でしかないだろう。尤も、彼女がそれを知覚するより早く、その意識は戦いを認識させぬままに、その指から力を奪ったのだが。 戦いは出来る。立つこともまだ、何とか出来よう。だが、その指から音を立てて落ちたショートボウの意味は理解できる。取り上げようとして落とし、それを繰り返す程度には……力が、指から抜けていく。 「核とかあればいいんだけど……」 対象を熱源として知覚した彩歌にとっても、彼の相手は厄介だった。おおよそ全てがその存在そのものである以上、ウィークポイントなどと言う甘い概念は存在しないのが通例である。 気糸の乱舞により、ほぼ全面を狙いに行くことで体裁を保つことは出来るが、その巨体の威圧感は慣れがくるものではあるまい。 縛り上げようと糸を引いた彼女の前で、しかしその胴はいくつかの腕をもたげ、フランシスカに襲いかかる。 腕を絡めとる様に腕が動き、足を非ぬ方向へ曲げ折ろうと更に腕が。 腕と腕と腕と腕、足と腕と首と腹部を。 圧力をかけて、恐怖をかけて、意識をそぎ落とし感覚を闇に沈めようと。 「この……っ!」 だが、その手から誇りが取り落とされない限りは彼女の敗北はありえない。 カウンター気味に放たれた闇は、確実にその胴を撃ち放つ――尤も、狭隘な視野、それ自体を見ることを強制された状況では頭部をも狙うことは出来なんだが、仕様があるまい。 「……頭を潰すしか、ないな」 ぎり、と苛立ちを込めて零二がナイフを構え、視線を真っ直ぐに叩きつける。明確な敵意、確たる意思に裏打ちされたそれが意思の薄い視線とぶつかり交錯、著しい制限を与えることに成功した。 少なくとも。ベルカが初手でもって植えつけた優位を安々と突破され、あまつさえ戦況を押し込まれるなどと誰が喜ぶというのだろうか。 仲間の働きを無駄にはすまい。より綿密に、計画的に、情報を整理する。戦力量を加味すれば出来ないはずがない事だ。何ら問題ない――筈なのだ。 少なくとも、現時点においては。 ● 何かを考えたが故にそのような流れを生んだのか。 元より考えるというプロセスを逸脱し、結果のみを夢想した末にああなったのか。 リリスには解らない。 「お願い、私に皆を守る為の力を貸して!」 だが、絶叫のように、祈りのように振り絞られたルナの声だけははっきりと聞こえる。 「フェーズだってまだ2でしょ?」 分不相応な異形であると責め立てるように、ルナの防壁を経て少女を守る沙羅の姿が視界にちらつく。 防壁だけで守れぬならば、その命を削ってでも。倒すまでは倒れぬように、しかし少女は守らなければならず――つまりは、蓮火という少女一人が、彼らにとって最悪なまでに枷となっていたことは間違い無い事実である。 逃げれば良かろうが、それが出来ない。足を動かし、逃げ切るだけだろうが、覚悟無き戦いの末路は只の怯えに他ならない。 少なくとも、アークほどに覚悟を理解して戦う者ばかりとは言い難い。 リリスの感情ですらも、怯えながらに立ち向かっている時点で十人並みのリベリスタを上回る……過剰な物言いではあろうが、違いあるまい。 その思考は機雷のようなものだった。 辺り構わず撒き散らされ、触れればその魂を汚し思想を砕く。感覚神経を余さず阻害し縛ろうとするその一撃に重ね、数多の手が接近したリベリスタ達を相次いで掴み上げ、捻り上げ、圧殺にかかる。 ……或いは、それが零二やベルカの尽力により地力が落ちていなければ、より多くの被害が出ていたことは否定出来ない。 それでも尚、厄介なのは高速で削り取られる全員の魔力だ。存在から漏れ出る不快感は、確実に全員の精神を削りにかかり、すり減らす。平均して魔力量に余地のある者ならいざしらず、元よりリソースが少ない面子に至っては既に魔力が尽きて久しく、十分な戦闘を行うにあたっては心許ない。 「あいにくと、神経系への影響は通りにくい体質でね」 思考の暴風を潜り抜け、彩歌の指先が再び伸びる。ゆるりと射出された気糸が異形を締め上げるが、確実性という一点に於いて未だ遠い。 「このままやられっぱなしで終われるか! お前の命を吸い取って……!」 「下がって、それ以上は危なすぎる!」 半ば悲鳴に近い絶叫を漏らし、刃を振り上げるフランシスカを押しとどめ、追いやったのは彩歌だった。体力が限界に近く、既にフェイトを消費し立つことを余儀なくされた彼女が、事此処に至って相手の命に指をかけ、果たして十分なリソースを得ることが適うかといえば、難しいと言わざるをえない。 既に接敵しているメンバーを含め、その動きを押しとどめるに十分な陣容である以上は、一歩退いて打撃を与えられる彼女が無理を押す必要など、何処にもないのだ。 既に、背後ではルーシアが膝を屈し、行動不能になって久しい。 励まそうと、喉を鳴らしたがそれだけだ。彼女の力は既に尽き、次を待つことも許されない。 「お願い、私に皆を守る為の力を貸して!」 今一度、とルナが魔力を練り上げ、沙羅へと防壁を作り出す。 彼女の護りが上乗せされたとはいえ、沙羅が立っていたのは実際の所、奇跡的ですらあった。が、彼が倒れれば状況は最悪に推移する。倒れるわけには、行かないのだ。 零二の表情には、明確な焦りが浮かび始めていた。 出来る事なら、蓮火の救助から自主撤退を促し、短期決戦に持ち込むことが第一目標だった筈だ。だが、未だ蓮火がここにいるのはどのような計算違いがあってのことだろうか――考えるべくもなく、明白な結果である。 戦うに足る状況の構築。それは『戦場指揮者(レイザータクト)』が二人、首を揃えて出来ぬと口にすることが許されぬなら、与えられた状況を確実にこなすことを要求されて然るべきである。 ――決意を。余さず発露するための確たる決意を、過たず成し遂げるべし。 「リリスは宗教が何かわかんないけど……間違ってると思うから」 「いつまでも戦えない私じゃ居られないの!」 フュリエ達の声が、重なり、そして響く。 求めるのは戦いではなく。 得るべきはより多くの救済である。 ならば――この状況下で、最適にして最善は何なのか。 再びの思考の炸裂が、神経系を突き破らんが如き勢いで放たれる。バランスを崩しながら、フランシスカが最後の動きで放った一撃が異形の胴を薙ぎ、両断し、それが最後にして最大の契機であると、各人が理解する。 「貴様を……!」 ひゅう、と息を吸い、盾を振るって後方へ指先のみで指揮を向け、零二は最高速で踏み込んだ。 両断された胴から落下するように追撃を放つ異形に、迎え撃つようにして速力を得た零二の刃が叩き込まれる。……動きが止まる、その一瞬。 ふらついた足で沙羅が蓮火を抱え上げ、ルナがルーシアを。 今にも倒れそうなフランシスカを、ベルカが無理やり抱え上げ、踵を返す。 勝てるか否か、ではない。生き残れるか否か、が彼らにとって最も正しい選択である。 ――最後に零二が退く刹那。その異形だったものは全ての『胴』を失い、純粋に。 ただひとつの狂気だった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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