●だからボタン押すとコードがしゅるりんってなる、あれ……あれだよ! 「「ぐぅああああああああっ!!」」 おっさんの群れが一気になぎ払われる光景のなかおはようございます。 今日のリベリスタファイトのお時間です。 リベリスタ側はいつものモブリスタの皆さん、相手は……ええと……何でしたっけこれ。 「くっ、手強いぞ、あのE・掃除機とかのコンセントをしゅるんってやるけどたまに引っかかって入らないからちょっとだけ引っ張り直してあげたりするやつ! あれだ!」 「なにぃ!? E・掃除機のコードをお手軽に収納できるけど調子に乗って引っ張り続けると赤いテープ部分が出てきてそれでも引っ張りすぎるともう戻らなくなるといわれるアレごときに、俺たちが負けるわけにはいかないんだ!」 「そうだ、伸ばせ。赤いコード出るまで伸ばせばいい!」 「もうやっている。やっているが俺たちの力では……ぐ、ぐああああああ!!」 盛大にしゅるんっと引っ張られ、波打つ巨大なコードに振り回される男たち。 それはもはや、『失敗したボートサーフィン』のそれである。下にあるのが海ではなくアスファルト道路だっていうんだから、その痛さはお察しいただけることだろう! 「なんという巻き取り力(まきとりぢから)! その上コードを延ばせばムチのように自在にしならせるのだから始末におえん!」 「しかもそれが三体もいるとなると……くっ、俺たちはここまでなのか!?」 「どうでもいいが掃除機本体がいっこうに仕事をしないのはなぜなんだぜ?」 「馬鹿野郎そこには突っ込むな! 今回の主体はあの、掃除機でコード踏んづけてると巻き取ってくれないけどうっかり外れた拍子にいきなりしゅるんってなってすごいビックリするあれだ!」 「く、撤退するぞ! あとはアークのこういう手合いに手練れたリベリスタさんたちに任せるんだ!」 「よっしゃー、帰って飲むぞ-!」 「「おー!」」 ●ちなみに正式名称は『コードリール』。せめて『コードモドール』くらいにならなかったのか? 突然だが、アイワ ナビ子(nBNE000228)が掃除機のコンセントを両手で握ったままうつ伏せている様子をご覧いただきたい。 「…………」 「…………」 その間実に二十秒。 ナビ子はふぅとため息をつきながら立ち上がると、やれやれだぜって感じで肩をすくめた。 「あのボタン押しっぱにしたままコードつかんでたらジョーンズ先生みたいにぴゅーんって飛んでいけると思ったのに、とんだ期待外れさんだったゼ、ハハッ!」 アイワん家のナビ子さん。今年で28歳である。 「昔はさー、掃除機のコードが自動で巻き取られるのが画期的ーみたいな時代あったじゃないですかー」 ナビ子がいうには、どっかの田舎町にエリューションゴーレムが現れたのだそうだ。 「でもあれって一年もしないうちに巻き取る力なくなっちゃって、最後はもうリボン結びみたくして押し入れにしまってたんですよねぇ」 それは掃除機のコードを、あの、しゅるんってやるやつみたいな形をしており、まあやっぱ先端にはコンセントとかついてたりするわけで。 でも本体とおぼしき掃除機さんはあの丸っこいボディ部分しかなくて、今回の主体はあくまであのコード部分なんだよって話なんだそうで。 「まあそれ、私が物干し竿とかにコードひっかけてターザンごっこしてからなんですけどね! あっはっは! ばれたときにはつるされましたけどね! 袖に物干し竿通したりして! あっはっは!」 それがなんと三体もいるそうで、これはさりげに大変だぞってわけで、リベリスタの皆さんよろしくお願いします! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 9人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年02月21日(木)23:45 |
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■メイン参加者 9人■ | |||||
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●掃除機コードを巻き取る仕組みは主にバネとブレーキ。糸巻きのようなドラムが元の位置に戻ろうとする力によって引っ張るものだから加減を知らないしコードの先がどうなっていようと知ったことではない。 「なので、吸引力の変わらない例の掃除機屋さんが『じゃあコード勝手に伸びるようにしてくださいよ』と言われて頭を抱えたという逸話を……今考えました!」 「今考えたんかえ!?」 キリッとした顔で振り返る『猫かぶり黒兎』兎丸・疾風(BNE002327)。 びくっとして振り返る『巻き戻りし残像』レイライン・エレアニック(BNE002137)。 レイラインは額に手を当てて『んむー』っと悩むポーズをとった。 「しかしあれじゃの、掃除機側が本体かと思いきやコードじゃしのう……何とも気の抜けるエリューションじゃ。まあ掃除機の中で一番身近かつ凶悪なのといえばあの部分じゃが……あっ、思い出したら鼻いった……」 少なくとも引っ張り出すときに掃除機を足で押さえて『どっこいしょ』とやる必要があるので、相対的に収納ボタンを押すときは屈んでしまい結果として顔面を強打しやすい……という文明の生み出した悲劇である。 「世の無常じゃのう。あ、そういえば虎鐵はそういう経験あるかの?」 「……」 くぅるりと振り返る『ただ【家族】の為に』鬼蔭 虎鐵(BNE000034)。 両手をわきわきさせながらヘブンな顔をして言った。 「ふへへぇ、ロリ、ロリでござるぅ!」 「バケモンだぁー!」 「ロリコンだぁー!」 「なっ、やめるでござる! 空気を読んだだけでござる! 拙者ロリコンでござるが巨乳は専門外! そう、ふくらみかけるその微弱かつ若々しいなだらかなラインこそが」 「「ヘンタイだぁー!」」 ……などとAチームが遊んでいるのをよそに、『もう本気を出す時じゃない』春津見・小梢(BNE000805)はぼうっと空を眺めていた。 「掃除機とかのコンセントをしゅるんってやるけどたまに引っかかって入らないからちょっとだけ引っ張り直してあげたりするやつ……が、相手だそうですねカレーたべたい」 同じくぼうっと空を眺める『第33話:平常運転香夏子さん』宮部・香夏子(BNE003035)。 「あれの名前コードリールが正しいんですけどその名前だと延長コードのお化けみたいなやつに該当しちゃって掃除機用コードリールって呼び名も今度は業務用の巻き取り構造がないやつがヒットしちゃうってんで結局正しい呼び名はふわふわしてるっていうあれみたいですよカレーたべたい」 「へー、何カレー?」 「えっと……今日は趣向を変えてカレー丼いきます? ゴーゴースタイルの」 「いーね」 「カレー方面で話がまとまっている!? あれっ、掃除機どこいったのかなー、コードの呼び名わからないなー、続けないのかなーッ?」 二人の後ろでひたすら自己主張を続ける『リング・ア・ベル』ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)。 「あの、エリューション・掃除機のコードをお手軽に収納できるけど調子に乗って引っ張り続けると赤いテープ出てきてそれ以上引くともう戻らなくなるといわれるアレ、のことをもっと話し合うべきじゃないのか!? でも、ふふ……よかった。掃除機のコードをお手軽に収納できるけど調子に乗って引っ張り続けると赤いテープ出てきてそれ以上引くともう戻らなくなるといわれるアレを引っ張りすぎてお母さんに怒られたオッサンはいなかったんだ。後は我らに任せてゆっくり290円居酒屋の飲み放題コースを楽しんでくれ! このエリューション・掃除機のコードをお手軽に収納できるけど調子に乗って引っ張り続けると赤いテープ出てきてそれ以上引くともう戻らなくなるといわれるアレは私たちが」 「長い長い、名前長いです文字数が、文字数がやばいですから!」 「ふむ」 ようやく話に戻ってくれたと安堵するベルカ。 ……ってなBチームをよそに。 「今ここから読み始めた人が混乱しないようにぃ……」 『メガメガネ』イスタルテ・セイジ(BNE002937)はホワイトボードになにやらぐりぐり書き始めた。 掃除機のコードがうねうねってしてる絵が三つ。それを三方向から囲む感じで丸が三つという構図である。 「今こんな感じでABCの三チームに分かれて、それぞれの個体を撃破する作戦をとろうとしていますっ。ん? でもCって何のC? ……恣意?」 「C(強い)ていうならそのC(恣意)ですけどややこC(しい)ですね」 ホワイトボードの後ろからにゅっと顔をスライドアウトさせてくる『クオンタムデーモン』鳩目・ラプラース・あばた(BNE004018)。 「というか、黒くて堅くてうねうねって……フフ、実に淫猥」 「淫猥とかいわないでくださいよぅ!」 「それにあのモブリスタたち、帰って飲むぞとはどういうことですかわたしも混ぜろこん畜生がビール飲みたい黒ビールとソーセージの炙り焼きをこう、こう……!」 「おっさんです! おっさんがいます!」 「どうしよう、で、出にくいな……」 ホワイトボードの後ろからおずおずと顔をチラ見せする『囀ることり』喜多川・旭(BNE004015)。 何なの、空中戦の時とは真逆にあるこの空気。同じ作画だけど原作が別人みたいなこの空気。 「でも……おそーじのたびにすごい地味な攻防を繰り返してきた因縁のアレとの対決……負けてらんないの!」 旭はボードの後ろでガッツポーズをとると、とりあえず邪魔になるだろうなって思ってボードの撤去に入ったのだった。 ●ファミレスとかで使う業務用のドラム型掃除機(正しくは集塵機)の巻き取りボタンはドラムの上についているので巻き取りが異常に楽 というわけで作戦開始である。 虎鐵は納刀状態でアスファルト道路をダッシュ。横凪に放たれたコードをギリギリでかいくぐると、すれ違いざまに素早く抜刀。幾重にも連なった真空波が分厚いゴムコードへ襲いかかる。 「切断さえできれば攻撃の範囲も狭くなるはずでござるが……?」 ブレーキをかけながら前後反転。虎鐵は反撃に備えて刀を翳したが、これが功を奏した。びくんとうねったコードが激しさを増し、先端のコンセント端子が虎鐵へと突っ込んできたのだ。 「むおっ!」 刀でガード。余った衝撃分はあえて吹っ飛ばされることで凌いだ。 「コードがうねることで衝撃を逃がしている……その上表面を分厚くコーティングしたゴム素材のせいで切断攻撃に強くなっているでござるか、クッ……油断ならない相手でござる!」 「いや、わらわ的にはそんなシュールモンスター相手にまともなアクションシーンを見せる虎鐵が油断ならんが……」 全員まとめてなぎ払われると嫌なので軽く距離をとっていたレイラインだったが、さすがにこれ以上放っておくわけにもいかない。 虎鐵にはじかれてびたーんびたーんしてるコンセントを高速のジグザグ走行でくぐり抜け、掃除機の根元へとかじりついた。 「掃除機は引っ込む力は強くとも伸ばす力は弱いはず。こうして根元を掴んでしまえば……ん?」 ニヤリと笑うレイライン。が、視線の先にはコンセント端子と奮闘する疾風の姿があった。 っていうか、ブラックジャックをぐねんぐねん伸ばしてコンセント端子を殴りまくっていた。 そうするとどうなるか、想像できるだろうか? 想像できないなら、ご自宅にある掃除機からコンセントを引っ張り出し、先端部分をめっちゃ揺すってみるとよい。 コード部分はちょーゆすられ、根元にくっついてる『なんぞや』は当然のごとく……。 「に、にゃぎゃああああああああああ!?」 振り回されるわ掃除機本体にぶつかるわでてんやわんやの大騒ぎとなった。 レイラインが掃除機に回されている(意味深)ちょうどその頃……。 「うんしょ、うんしょ、あ……カレー食べたい……」 小梢は若干死んだ目をして掃除機のコードを引っ張っていた。 その様は何というか、映画とかでよく見るような、強制労働で石を引かされる奴隷に似ていたが、小梢の目が死んでるのは割といつものことと言うか、基本的に労働に意欲を出す人ではないのでこの感じがデフォなのかもしれない。 そうそう、労働に意欲を出さないといえばこちらも負けていないはずだ。 「香夏子は! どこまでも! 赤いところが出ても……コードを引くことをやめないです!」 えいおー、とかいいながら小梢とともにコードを引く香夏子。 ご多分に漏れずこの『掃除機のコードをしゃーって戻すけどたまにどっかで詰まるので出したり入れたりの行程が必要になるやつ』は引っ張りきった上でさらに強く引っ張るとリールのゼンマイバネが外れてコードが戻らなくなってしまうのだが、自由意思で巻き取りができる以上やっぱり……。 「あ、あう……あうあーっ!?」 ある程度伸びきったところで巻き戻しをくらい、壁だの地面だのにびったんびったん打たれながら戻されることになるのだった。 途中で手を離してころころ転がる香夏子。 「痛いです……香夏子死ぬです……死んだらお仏壇にカレーを備えてください。インド人を大量に読んで木魚のリズムで踊らせてください……その動画を投稿して百万再生を目指し……」 「元気だな、同志宮部……だが見よ、同志春津見は自らの頑丈さを武器にああしてコードを果敢に……!」 閃光弾を握りしめて振り返るベルカ。 「あー……、うあー……、あー……」 小梢は離すのも面倒くさいという風にびったんびったんしながら掃除機の根元まで戻されていた。っていうかつっかえていた。 「果敢……に?」 「あ、そうだボタン押せないようにしたらいいかな」 などと言って掃除機の巻き取りボタンのところに大きなフォークをぐいっと差し込んだりしてみる小梢である。 やっぱりご多分に漏れずボタンを押されっぱなしにすると(つまりバネのストッパーが外れっぱなしになると)コードを伸ばせないのが宿命というやつなので、コンセント端子をちらっとのぞかせたままごとごと体を揺するだけの存在になりはてたのだった。 「あ、以外とちょろい」 「いいぞ! ならば今こそ新技シャイニングウィザードの餌食にしてやるシャイニング! うお語呂悪!」 「間をとってウザにしてみるのはどうですウザ?」 「徹底したウザキャラのようで気が引けるウザァ」 なんとか反撃をしようとボタンに挟まったフォークをぴーんとはじき飛ばす掃除機本体(やっと仕事した)。 「む、いつまでも行動を制限できんか。ならばよし……絵的に地味すぎていまいち攻撃している気がしないと評判の……アサシンズインサイト!」 せめてものインパクトとして顔の彫りを深くして相手をにらみつけるベルカ。 かくして、彼女たちの反撃が始まろうとしていた。 ベルカが掃除機をひたすらにらみ続けるという、一般的に見ればひどく奇っ怪な行動をとっている頃……。 「やーん、動きが予測できませんよう!」 ステルスしていたイスタルテがぱこーんとはじかれてお空をくるくる回っていた。 一般人との見分けなんてなかったんや……ステルスなんてなかったんや……。 ここで使うべきは気配遮断だったし、それ以前にステルスしながらの戦闘行為にかなり無理があったので、どちらも同じことなのだが……さておき。 「やーん!」 コードの方もイスタルテをもてあそぶのが楽しくなったのか、体に巻き付けて駒みたいにくるくるーっと回してみたり、コードを波打たせてビブリボンみたいに転がしてやったり、結構なしばきっぷりだった。 その様子に戦慄する旭。 「こ、こわい……あれって巻き取る時に段差でぺちってはねて痛いの。勢いついてるし、堅いし、痛いの!」 それはいわゆる鎖分銅の要領なので、武器として使われるとこれほどイヤなもんはない。実際、掃除機のコード部分だけを鎖みたいに振り回すと相手の服や肌に張り付いてかなり動きを制限できてお得なのだが……いや、だからといって掃除機ごと持って行くやつはいまい。まして巻き戻して自滅するやつなど。 「なんとか先っぽの……あの……」 「コンセント端子?」 「うん、その『こんせんと』を掴みたいんだけど、なんとかできるかな?」 「んー……さっきからわたし、コードぶち切ろうと打ちまくってるんですけどね……」 銃のマガジンを交換し、ゴーグルをくいっとあげるあばた。 「当たりにくいのはともかくとして、衝撃がんがん吸収するんですよね。エヴァのアルミサエル的な強度って言ったらわかります?」 「わかんない」 「じゃあ電気の紐パンチしてる感じ」 「あっ、わかるかる!」 「そのときコードが大きくうねって、そのうねりが全部先端部分いくんですよ、で、それを避けようと必死なセイジ様がすごい勢いで吹っ飛んでいくと……」 小首をかしげ、斜め上を眺める旭。 「つまりええっと……攻撃してると先っぽを掴みづらいってことかな」 「ですです。なんで、しばらくジグザグに逃げるふりして誘導するのが一番かと」 「じぐざぐするのは、コードがしゅんってすぐに戻らないため?」 後ろでイスタルテがやーんとかいいながら高速回転(意味深)させられてるのをよそにふわっとした会議を続ける二人。 「ところ……わたし、ボタン押すとすぐにしゅるしゅるーってなるのが怖くて、結局根元のところをもって小刻みにちょっとずつ入れていくの。あれ納得いかない。あれもっとゆっくりすすすーって入っていかないのかな」 「根元に摩擦があるといいんですよ。堅いスポンジに穴を開けて根元に密着させておくと、引き戻し時にこすれるしリールの回転力が伝わりづらくなるからびたーんってなりにくいですよ、理論上は」 「りろんじょー? でも、昔のミシンみたいに手巻きにしたほうがずっといいよね。安全だよね。あの機能、いみないの!」 「業務用のコードリールはそういう理由で手巻きが主流ですけどね」 「二人とも会話してないで助けてくださいよーう!」 「「……あ」」 同時に振り返るあばたと旭。 かくして、彼女たちの反撃もまた、始まるのだった。 さて、紙幅の都合も相まってダイジェストに結果をお伝えすることとしよう。 まずAチーム。 「もういちいち名前長いでござるしー!」 何かにしびれを切らせた虎鐵が地面に押さえつけるようにしてコードを切断。 逃げようとしたコードだったが根元にレイラインが詰まっていたので(本当に詰まっていたので)逃げるに逃げられず、結局はすぱーんと切られてその生涯を終えたのだった。 一方Bチームの小梢たちはしつっこくボタンを押し続ける小梢とそれを払いのけようと奮闘するコードという奇妙な勝負に発展し、その間謎のポーズでテラーオブシャドウし続ける香夏子と謎のポーズでアサシンズインサイトを続けるベルカによって攻撃を加え、最終的にコードがくたぁっと脱力するという、極端に動きのない勝負の付き方をしていた。なお、コードが届かないところまで逃げようとしたら掃除機がフツーに移動してきたそうな。あいつ思ったより仕事する。 でもってCチームは、腰に帯びみたくぐるぐるーっと巻き付かれたイスタルテがコードの根元に引っかかり、『むりですーつぶれますよーう!』と悲鳴をあげる彼女を『腰回りのダイエットだと思って!』となだめつつコンセント端子を引っ張りぴーんと固定。旭の焔腕でじーわじーわ焼きつつあばたの1$シュートで地味に削っていくという作業を経て、コンセント端子の接続部分を切断。実質的にコードの役割を失った彼はくたっと脱力して消滅したのだった。 こうして書いてみるとさっぱりしているが、この間かなりの激闘があったことは言うまでもない。 ついでに。 戦闘終了後にあばたが携帯を取り出しどこぞへ電話をかけた際のこと……。 「あなた方が対処してくださった掃除機のコードをボタン一つで巻き取れるけどビタビタって波打ってさりげに怖いあの、あれの駆除に成功しました」 『え、何だって? 聞こえん!』 「だから、掃除機のコードをしゅるって巻き取れるけど勢いのあまりたまに顔とか打つあれですよ!」 『ああ、伸ばすときはよいではないかーとか言いながら引っ張り出せるわりに戻す時になると強情に帰って行くあれか』 「ええそうです。なのでビール飲ませてください。混ぜてください」 『かまわんとも。ただし……会費は2700円(クーポン割引込み)、だぞ?』 あんたらには経費出てないんですかとは、言えないあばたであった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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