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超演劇・スノーホワイトオブカオス

●説明しよう!
 超演劇とは!
 脚本も監督もなく打合せも根回しもなくアドリブと言う名のぶち壊し合いでどこまでも高みに昇って行くカオスにして高尚な演劇スタイルのことである!

●白雪姫ってたしかアレだよね、戦国時代に信長公が大名殺しを始めるっていう……。
「皆さんは千葉炎上事件を覚えていますか? 大型フィクサード組織九美上興和会との百人規模で望んだ作戦でしたね。あの事件で失ったもの、壊れたものは少なくないはずです……」
 アイワ ナビ子(nBNE000228)が眼鏡をくいっとやりながらそんな風に語り出した。
 外を見ると雪が降っている。『ああ、奇跡か何かか……』と納得しかけたリベリスタたちを放置してナビ子は続けた。
「ですがこうは考えられませんか。壊れたものはまた作ればいい。失われた笑顔は、また作ればいい……と」
 すっと懐(どこだろう)から一冊の台本を取り出した。
 なんか、『スノーホワイト・オブ・カオス』と書かれていた。
「だからほら! 演劇をやりましょう! 演劇を! 千葉でホール借りましたから、できますから、大抵のことは劇だって言えばごまかせますから、ね! ね! うへへ! だってほら、面白いから!」
 なんだいつものことか……。
 リベリスタたちはそっと微笑み、ナビ子に腹パンかましたのだった。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2013年02月15日(金)23:00
八重紅友禅でございます!
さあまたまた性懲りも無く始まりましたSTとプレイヤーの無茶振り合戦!
あなたはこのカオスに挑戦することができるのか!
そもそもカオスに挑戦とかそういう概念があるのか!
参加することに意義があるのか!
そもそもこんな演劇が成立するのか!
誰が責任をとるのか!
っていうか責任とるのも料理するのも私だよ!
ということで今回も無茶ぶり上等大暴騰の見切り発車イベシナ開幕でございます!

●参加のしかた
プレイングの冒頭。最初の行に『役柄』を書いて下さい。
『白雪姫』とか『お妃様』とか『七人のこびとを集めてシェンロンに不老不死の願いを叶えさせようとする親指姫』とかです。
次に、このシナリオ内での行動を記入して下さい。
演出の仕方とか、舞台の幅とか、現実的なことは考える必要はありません。その辺セットや何かでどうとでもします。あと裏方は募集していません。いませんってば。

こうして集まった無数の(荒唐無稽な)シナリオをまとめ上げ、最終的に得体の知れない闇鍋みたいなシナリオが完成する予定です。
ちなみに、出演者以外のスタッフは既に居るのでその辺はご注意ください。『監督』とか『小道具』とか書いても描写されないかもしれないゾ☆

以上、あなたの魂輝くプレイングをお待ちしております。
参加NPC
 


■メイン参加者 68人■
覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
クロスイージス
アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)
デュランダル
鬼蔭 虎鐵(BNE000034)
マグメイガス
アリス・ショコラ・ヴィクトリカ(BNE000128)
クロスイージス
ミルフィ・リア・ラヴィット(BNE000132)
覇界闘士
ヘルマン・バルシュミーデ(BNE000166)
デュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
ソードミラージュ
司馬 鷲祐(BNE000288)
ソードミラージュ
ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)
ナイトクリーク
斬風 糾華(BNE000390)
クロスイージス
新田・快(BNE000439)
ソードミラージュ
須賀 義衛郎(BNE000465)
マグメイガス
雲野 杏(BNE000582)
ソードミラージュ
閑古鳥 比翼子(BNE000587)
クロスイージス
白石 明奈(BNE000717)
スターサジタリー
リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)
ナイトクリーク
アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)

遠野 御龍(BNE000865)
デュランダル
斜堂・影継(BNE000955)
インヤンマスター
焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054)
★MVP
インヤンマスター
ユーヌ・結城・プロメース(BNE001086)
ソードミラージュ
天風・亘(BNE001105)
クリミナルスタア
神城・涼(BNE001343)
デュランダル
ランディ・益母(BNE001403)
デュランダル
楠神 風斗(BNE001434)
クロスイージス
ツァイン・ウォーレス(BNE001520)
覇界闘士
設楽 悠里(BNE001610)
デュランダル
ウリエル・ベルトラム(BNE001655)
デュランダル
降魔 刃紅郎(BNE002093)
プロアデプト
銀咲 嶺(BNE002104)
ソードミラージュ
安西 郷(BNE002360)
プロアデプト
ロッテ・バックハウス(BNE002454)
覇界闘士
焔 優希(BNE002561)
ソードミラージュ
リ ザー ドマン(BNE002584)
スターサジタリー
白雪 陽菜(BNE002652)
ソードミラージュ
リンシード・フラックス(BNE002684)
マグメイガス
ラヴィアン・リファール(BNE002787)
ナイトクリーク
宮部・香夏子(BNE003035)
マグメイガス
斎藤・なずな(BNE003076)
プロアデプト
アーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)
マグメイガス
セレア・アレイン(BNE003170)
ナイトクリーク
荒苦那・まお(BNE003202)
インヤンマスター
小雪・綺沙羅(BNE003284)
ホーリーメイガス
氷河・凛子(BNE003330)
クロスイージス
シビリズ・ジークベルト(BNE003364)
ダークナイト
神埼・礼子(BNE003458)
クリミナルスタア
曳馬野・涼子(BNE003471)
インヤンマスター
災原・悪紋(BNE003481)
クリミナルスタア
禍原 福松(BNE003517)
ソードミラージュ
カルラ・シュトロゼック(BNE003655)
ダークナイト
鉄 結衣(BNE003707)
ソードミラージュ
セラフィーナ・ハーシェル(BNE003738)
レイザータクト
ミリィ・トムソン(BNE003772)
スターサジタリー
靖邦・Z・翔護(BNE003820)
ダークナイト
紅先 由良(BNE003827)
レイザータクト
ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)
マグメイガス
シェリー・D・モーガン(BNE003862)
スターサジタリー
巴崎・M・木市(BNE003867)
覇界闘士
滝沢 美虎(BNE003973)
覇界闘士
片霧 焔(BNE004174)
レイザータクト
梶原 セレナ(BNE004215)

加賀乃 魅ヶ利(BNE004225)
ホーリーメイガス
海依音・レヒニッツ・神裂(BNE004230)
ホーリーメイガス
高天原 てらす(BNE004264)
ダークナイト
新谷 優衣(BNE004274)
クロスイージス
ミルト・レーヴェ(BNE004277)
レイザータクト
三禮 蜜帆(BNE004278)
デュランダル
有栖川 氷花(BNE004287)

●第一章、なんでも鏡のせいにするんじゃありません!
 昔々あるところに、綺沙羅というお后様がおりました。
「鏡よ鏡……あのゴキブリみたいに大量繁殖してる白雪姫の群れを一斉に駆除できる方法を教えろ! 毒リンゴとかもういいから!」
「そのアイテム出るのってもう少し先じゃなかった? いいけど……」
 お后様は魔法の鏡をがったがったゆすって今日も無理難題を申しつけておりました。
 っていうか世界で一番美しい人はだーれとか聞いちゃうあたり、きっとネットで自分の名前とか検索しちゃうタイプの人なんでしょうねあの人。
 一方魔法の鏡さんは。
「タダでものを聞こうなんてさ、払うものあるんじゃない? お金じゃないよチョコだよチョコ、ゴディバ以下は認めないからね!」
 とかいうアンジェリカの鏡(略してアンジェリ鏡)と。
「世界で一番美しいのはあなたではなく……白雪姫でもなく……そうテレビの前のあなた!」
 とかいう亘鏡と。
「この世で一番美しいのは白雪姫でもお后でもなく……そう、最強の立ち技ことムエタイだ!」
 とかいう美虎鏡というまさかの三面鏡構成でした。まとまりのまのじもありません。あと部屋の隅で揺れるユーヌの花。
「やかましい、ネットに個人情報ばらすぞ」
「「お后様です!」」
 異口同音に棒読みしてみせる三面鏡だったが……そのときなんと鏡の中にお后綺沙羅様(舌かみそうな名前ですね)とは別の少女が映り込んだのです!
「ワタシこそ白雪……いやさ白石姫!」
 ドレスを着た秋茄ちゃんがくるっと振り向きざまにダブルピース。
「ねえどんな気持ち!? 今回の主役が私に決定しちゃったけどどんな気持ち!? もう今日は最初から最後までスーパー明奈ちゃんタイムだからねってちょっとまって鏡片付けないで伏せないでぎゃー!」
 ぱたんと鏡をうつぶせに倒す三面鏡たち。着脱できたんですね。
「放送事故かしら、いま汚れのアイドルが映ったような」
「だれが汚れか!?」
 くぐもった声を漏らすアッキーナだったが……その刹那!
「魔法の鏡に死を!」
 亘鏡めがけて氷花姫が斧をフルスイングしたではありませんか。
 パリーンと砕け散る眼鏡。あと鏡。
「「ぎゃあああああああああ!」」
「亘鏡ぃー!」
「あと巻き添えくった秋茄子のひとー!」
 驚愕する美虎鏡とアンジェリ鏡の前へ、血塗れの斧を引きずって現れる氷花姫。
「この物語の元凶はお后様ではありませんわ、そう……そこの鏡。貴様さえいなければぁ!」
「つ、続きはウェブでえええええええ!」
 斧スイングによって砕け散るアンジェリ鏡。
 返す刀(?)で美虎鏡へ斧が迫る……が、しかし!
「ムエタイ!」
 肘と膝によって上下からサンドするように斧を受け止める美虎。そのまま腹筋に力を込めると、斧を無残にへし折ったのでした。
「眼鏡とチョコマニアを倒したくらいでちょーしに乗るなよ!」
「やりますわね……」
 懐からハルバートを取り出す氷花。なぜそんなものが懐に。
 二人はじりじりと間合いを取り合いながらすり足すると、同時に相手へと飛びかかります。
「砕け散りなさい魔の鏡!」
「りゅーこらんぶマイナスどらごんイコールこらんぶ!」
 かくして壮絶な戦いが幕をあけ、一進一退の攻防の末最終的には綺沙羅が氷花が自販機の下に入った百円玉を一生懸命取ろうとする画像(合成写真)をツイッターで拡散したことで勝敗を決し氷花は渋々木こり業へと転身。今は自然保護団体との死闘を繰り広げているそうです。

●第二章、狩人はなぜ白雪姫さんに手ぇ出さなかったのか?
「私は……白雪姫の粋を集めた壮絶白雪姫、です!」
 ミリィ姫が馬車の上(本当に上)で両手を腰に当てていた。
 そんな馬車の中で顔を合わせる狩人の皆さん。
 優希、シビリズ、ヘルマンである。。
「俺はある組織に雇われた暗殺者……」
「そして私も白雪姫暗殺を命じられた暗殺者……」
「さらにわたくしはさすらいの蹴り屋……殺し屋って響きが怖いので蹴り屋……」
 一人として狩人さんいなかったし殺意しか感じられないけど狩人の皆さんである。
「フフフ、今回は白雪姫を遊びに連れて行くという名目で森へ連れ込みあんなこと(暗殺)やこんなこと(暗殺)をするという以来を受けているんだ……フフフ」
「説明口調お疲れ様です。あの、実はわたくしお后様を蹴り殺せって命令受けてたんですけど乗るバス間違えたみたいです。どこですかここ」
「ククク、俺は白雪姫を一人仕留めるごとに『さんまんじーぴー』が貰えると聞いてな。さらにランク4のシードとも交換可能とこのチラシに書いてある」
「そのシード『masahiko...』って書いてありますけど大丈夫ですか?」
「問題ない。奴の二つ名は『混沌よりの使者』だからな」
「フフフ……」
「ククク……」
「フハハハハハ!」
「ハーッハッハッハッハ!」
「隙ありです!」
 突如、馬車の天井を突き破って落ちてきたミリィ姫がヘルマンに腹パン(アークで最もポピュラーな必殺技)をかました。
「わ、わたくし関係ないのに……ぐふっ」
「わたくしの人ー!」
「二月十四日は十二月二十四日なみに孤独に耐えているという彼に何という仕打ち……もはや貴様は姫ではない、死ねぇー!」
「甘いです!」
「うわらば!」
 両腕を振り上げて飛びかかる優希。その口にリンゴをぶち込むと、ミリィは再び腹パン(アークで最も頻繁に行われる処刑法)を入れた。
 崩れ落ちる優希。シビリズは彼にかまうことなく武器を振り上げた。
「みよ、そこいらのスーパーでもらってきた段ボールを丁寧になめして作ったお手製ナイフの切れ味うわらば!」
 優希に詰め込んでいたリンゴを優希ごとシビリズへとぶち込んでもっかい腹パン(アークで最も恐れられている拷問)を入れた。
 コーホーとかいいながら蟷螂拳の構えをとるミリィ姫。
「私に暗殺者を仕向けたのは間違いだったようですね。私を倒したいなら戦車十台は持ってくるべきでした」
 そしてふと、あることに気づいた。
「ところでこの馬車、どこに向かってるんですか?」
 カメラ目線で振り返るミリィ。
 窓から引いていくカメラ。
 馬車の側面には『お城 → おいでよぞくぶつの森』と書かれていた。あと軽く踏みつけられていくユーヌ草。
 そんな馬車を双眼鏡で眺める義衛郎の姿があった。
 っていうか、装甲車の座席で嶺をお姫様だっこしていた。
 携帯につないだインカムに耳を立てる。
「え、この人違うんですか? メモ書き通りの特徴なんですけどねえ……」
「そうですよ、白い肌に黒い紙じゃないですか。白雪姫感バリバリじゃないですか!」
「本人もこう言ってますけど……はい、はい、はいどうも……じゃあ今日は早退ということで、はい……お疲れ様でした、失礼します」
 義衛郎は通話を切ると、腕の中の嶺(イラストで想像するとなんかすごくゾクゾクする)を見下ろした。
「あのぉ、よかったら牡丹鍋でもいかがですか。イノシシ余ったんで」
「あ、いいですねー。イノシシは初めてかもですー。この前馬刺しは食べたんですけど」
「へえ、馬刺しを」
「車潰れたんで腹いせに」
「へえ……え、なんでですか?」
 などといいながら、二人は装甲車で夜の町へ消えていったそうな。めでたしめでたし。

●第三章、壮絶悪魔小人トーナメント!
 一方その頃ユーヌの森。
 一方その頃ユーヌの森。
 一方その頃ユーヌの森。
「一方その頃ユーヌの……」
「ええい何回言うつもりだ!」
 無表情でつぶやくユーヌの木に窓から手斧をぶん投げるカルラ。
「ねえ、なんでこの人『木の役』なのにここまで自己主張してるの?」
「まおです」
「恐らく前回異様に少なかった出番を挽回しようとしたんだろう」
「前々回が多すぎただけでは?」
「まあまあ木のやることですから」
「ごめんその人俺の彼女なんだけど」
 などと、妙な着ぐるみを着込んだ男女が円卓を囲んで茶ぁすすっていた。
 壁には透明なコインロッカーみたいなもんが並び、少女の腕とか足とか首とかがばらばらに詰まっているという猟奇的な有様だが、意外とその少女はピンピンしていた。
 ちなみにアリスである。
「まさか、私があの悪魔小人(あくましょうじん)のパーツとして捕らわれてしまうなんて……王子様、早く助けに来」
「来ましたよ!」
 突如として扉を蹴破り、ミルフィが馬に乗ったまま突入してきた。
「颯爽登場、銀河美少……じゃなかった、白の王子さ!」
 キラッとほほえむミルフィ。
 が、その途端がこぉんという音が鳴り、床が自動的に地中へと沈み始めるではないか。そう、この小屋は地下へのエレベーターになっていたのだ!
「ケケケーッ、どうやら罠にかかったようだな!」
「貴様は今から地獄の小人(しょうじん)トーナメントに参加してもらうぞ!」
「そんな……!」
 カカッと連続でともるスポットライト。
 そこに照らし出された七人に、ミルフィは息をのんだ。
「私は革命の悪魔小人レッドサイクロン! フラバンからのシャイウザ(シャイニングウィザードの略)で地獄に送ってくれるわー! あとキャベツおいしいです!」
 キャベツをまるままばりばり食べるベルカ。
「俺は七人のうちで最強の破壊力をもつバッファロー男! スプリング男とのタッグで貴様を地獄に送ってやるぜ!」
 と、今にも突撃してきそうな構えをとるカルラ。
「ケケケッ、俺はスプリング男! あらゆる打撃は俺に通用しない!」
 体をぐねぐねと曲げてみせる福松。
「こんにちは、ミス・ミイラです。……えと、いいんですよね? この雰囲気で間違ってませんよね?」
 妙な雰囲気にきょろきょろ慌てるミルト。
「まおです。ハイパー鍋奉行です」
 着々と鶏団子鍋を作り続けるまお。
「七人の侍でござる! 出るところを間違えたでござる!」
 おろおろしながら自分の立ち位置を探る竜一。
「同じく出る場所を間違えました。狩人です。森に眠る幻の七人の少女を射止めてこいと言われたんですが七人の悪魔小人だったでござるの巻!」
 唇をかんでわなわなと震えるウリエル。
「そして俺が水中戦では最強の悪魔小人、半漁……」
「ハーレム王! ハーレム王ではありませんか!」
 半漁ドンの着ぐるみを着ていた風斗を一瞬でひんむく杏。
 半裸にされた風斗の胸には『L☆S』と油性ペンで書かれていた。ちなみにラッキースケベの略である。
「これは……いつのまに……」
「はい、『名乗っただけで独身男が泡吹いて倒れる』でおなじみのハーレム王を是非世に知らしめようと思いまして。あ、これリンゴですどうぞ」
「馬鹿をいうな、俺はそんな軽はずみなことはしな……ぐふぅ!?」
「ああっ、リンゴを囓った途端お倒れに! ハーレム王、ハーレム王ー! ……なんてね、ふふ、今回のMVPも風斗に決まりね。今からアトリエが楽しみだわ!」
 胸に『L☆S』刻んだビキニパンツの風斗くんで勘弁してください。
 ……などと。
「コホン、我ら悪魔小人とのトーナメントを勝ち進めなければ白雪姫を名乗ることはきん。さあ、いざリングへと……」
 スポットライトに照らし出されるリング。
 振り返る一同。
 そして現れる……。
「くたばれロッテェェェェェェエ!」
「ほろびろカズトォォォォォォオ!」
 豪快なクロスカウンターを交わし合う夏栖斗とロッテ。
 二人はスローモーションで頬を歪ませ、歯を数本はき出す。
 そしてよたよたと距離をとると、夏栖斗は口元をぬぐった。
「僕は、白雪王になるってばよ……! ロッテ、てめぇをこの舞台から引きずり下ろしてやる!」
「黙れですぅこのホモ野郎! アーク広しといえどわたしほど白雪姫してるやつはいないですぅ、今日こそプリンセスの座は勝ち取らせてもらうですぅ! 住民のフリーワード検索で白雪姫って打って出てくるのロッテだけなんですよぉ!?」
「なら……殺してでも奪い取るまでだ!」
 二人は再び拳を繰り出し、お互いの顔面へとたたき込んだ。
 吹き上がる鮮血。飛び散る歯。
 仰向けに倒れた彼らは、すっきりとした顔で笑い合った。
「やるな……さすが白雪姫を名乗るだけのことはある……」
「そっちこそ、わたしのプリンセス☆グーパンチを受けきるとは……」
 二人はゆっくりと起き上がり、強く握手を交わした。
「プリンセスを名乗ること、ちょっぴりは許そうですぅ」
「ありがとう……白雪姫」
 観客席からわき上がる歓声。立ち上がって拍手するユーヌの森。
 その様子を黙って見つめる悪魔小人たち。
「鶏団子できました。食べますか?」
「あ、どうもどうも。いただくでござる」
「じゃあ私も……」
「見てくださいよ嶺さん、鶏団子ですって」
「へえ、いいですね。食材持ち込んでもいいですか、イノシシなんですけど」
「どうぞどうぞ」
 まおに突き出されたお椀を受け取る竜一とウリエル。
 そうこうしていると、なんかウィンウィンいいながら由良がゴンドラで降りてきた。
「ふふふ、王子よ……我が悪魔小人の前に朽ち果てるが……あら?」
 すでに色々できあがっちゃった会場と、それを切なげに見つめる悪魔小人たちを見比べ、こめかみに指を当てた。
 そして血糊を無理矢理吐き、その場に崩れ落ちて見せた。
「馬鹿なぁ! この私が、暗黒魔女の私があああああ!」
「由良さんっ、セルフでオチつけなくていいんですよ!」
 なお、この後参加者たちによる鍋パーティーが開催されたそうな。

●第四章、毒リンゴを擬人化させるとあらふしぎ。いきなりエロ話に!
 結衣がきゃっぴるんとかいう古めの効果音を出しながらぴょこんとジャンプした。
「キャーッ、皆さんこんにちは! リンゴですよ! リンゴはいかがですかー!」
「へー、リンゴかー。レモンないのレモン。テレビジョンの表紙になる練習したいんだけど」
 もう出番がないかと思われた明奈がリンゴもりもり囓りながらンなこと言い出した。
 正直序盤のアレで終わりだと思ってたから衣装返しちゃったし今はバリバリ私服である。っていうかジャージである。
「でもこのお話でリンゴっていうともう毒リンゴ決定なんじゃないの?」
「いえ大丈夫です! 普通にジョナゴールドとか買ってきて……」
 くるりと後ろを向く結衣。
 リンゴの木が立っていた。っていうかセレナの木が立っていた。
 それを氷の目で見下ろすユーヌの大樹。
「なんでしょう、いますごく誰かから怒られているような気が。木の役をやっているだけなのに怒られているような気が……」
「まあそう言わずに」
 セレナの腕からぶら下がった涼子が大地に降り立ち(ニュートン的法則)、明奈の方へと近づいていった。
「じゃ、りんごの役やるよ」
「え、何りんごの役ってどういううわらば!」
 豪快なバックドロップを仕掛けられ、白目をむいて気絶する明奈。
「そう……りんごとは、白雪姫を死に至らしめる殺人鬼の役……」
「何か違う気がするが……まあいいか」
 亮子とは逆の腕にぶら下がっていたなずながすとんと大地に降り立った。
「赤いからリンゴだと……優希のやつめ安直すぎるだろ! 青リンゴの気持ちも考えろ、まったく! 仕方ない、じゃあ毒リンゴの宿命として……」
「あいやまたれよ!」
 ずざーっとスライディングしてくる比翼子。
「アタシは白雪太郎とともに天竺へと向かう三番目のお供、キジ!」
「何一つとしてあってない!?」
 さらにずざーっとスライディングしてくると思いきやちょっと離れたところでカレーもぐもぐしてる香夏子。
「香夏子は犬です。わんわん」
「その台詞だけ聞くといかがわしい!」
 ユーヌ樹林に上ってバナナをもぎ取るSHOGO。
「ウホッ。ウホホ、ウホ……」
「ゴリラだ!?」
「からのパニッシュ☆」
「あ、やっぱりSHOGOだ!?」
 そのバナナを下で受け取って、なんだか不満そうな顔をするリザードマン。
「ギャギャ!?」
「リザードマンだ!?」
「そう、我らイヌサルキジ……お供三人衆!」
「ああっ、くそ! 突っ込みづらい! というか突っ込みどころが多すぎてついていけないぞ! 読者が混乱するだろうが、どうするんだこれ!」
「んー、そろそろリンゴじゃなくてバナナ食べたいな」
「あ、バナナならあるけど食べる?」
「香夏子はカレーおかわりです」
「林檎を囓りて半刻後なと生き恥を晒さんとするなら我が身を持って雉団子となりまする……」
「まお、お鍋作りに来ました」
「ケケケーッ、出番が残っていたぜー!」
「我ら、悪魔小人!」
「そして魔法の三面鏡!」
「併せて魔の十傑集!」
「ギャギャーギャ!」
「台詞だけだと誰が誰だかわかりませんね」
「全くだ」
「ハーレム王! ハーレム王ではありませんかこんなところでさらにフラグを!?」
「おまえは黙ってろ!」
「ほほう、黙って乳を揉ませろと……あの日のように」
「その辺詳しく」
「秋茄子のひとがよみがえった!?」
「私は白雪太郎の家来として、ここに生きた……」
「ギャギャー!」
「鶏の人逃げてー! その人本気、本気だから!」
 こうして宴は最終的に鍋パーティ第二弾へと発展し、後の撮影された集合写真には皆の楽しそうな笑顔が写っていたという。
 あと鶏の人は右上にワイプ切られていたという。

●第五章、シラユキ・ジョーンズ ~悪の仮面~
 アトランティス大陸に封印され市黄金の鉄仮面を求め一度は激戦を繰り広げた師地任乃媚斗と獅羅逝姫。彼は穏やかな死に包まれ激闘の人生を終えようとしていたがそこへ彼自身を震撼させる事件が起きたのだった。
 間際に知らされるシンデレラの陰謀『八月の林檎計画』。そう、あの事件はまだ終わっていなかったのだ!
 治療費はいちおくじーぴーとか頭のおかしいことを言い出す闇医者に助けを請い、さりげに頭に真空管とかソーラーパネルとか増設された獅羅逝姫は、知らせを届けたネズミ小僧らしき人とともに王都を目指し新たなる冒険へと旅だつ。
 道中で泉の女神に嫌がらせで綺麗な獅羅逝姫と交換されたり炎の要請さんに嫌がらせで恥ずかしい願い事を暴露させられたり懺悔室の人に嫌がらせで頭から水かけられたり紳士探偵を名乗る男に嫌がらせで長々とした推理を聞かされて最終的には犯人にされたりしたが、途中からあげをもきゅもきゅ食いながらなんか幻覚を見ている危ない二21歳女子からからあげの神様と間違えられストーキングされ、途中で助けてやった鶴が恩返しに来たかと思えば夜に押しかけては引きこもり謎のアラサー女子生活をチラリズムしたあとどこかへと飛び去っていく始末。心が折れかけた綺麗なロボ獅羅逝姫だったが突如現れた正義のヒーローリベレンジャーにレッドとブルーの役柄を押しつけられ強制的に王都まで引っ張られていくのであった。
 かくして主役に他のまで異世界から婿候補を探し連れ帰るためにやってきたがアニメと漫画にはまり中二病とメシアコンプレックスを併発したうえ邪気眼までこじらせてメイド服で強制ご奉仕をするという謎の二重生活を送っていた魔道士との対決へともつれ込むのであった。
 彼らの運命やいかに!

 てってってー、てってっててー。
「おや、今日はお便りコーナーの人いないんですね」
 アラストールは後ろで『幸福は人々の義務です』とか『からあげが、からあげがたりない!』とか言ってるテレビを無視してBGMやら効果音やらを出すアプリを操作してた。iPadで。それを見つめるユーヌプランター。
「ふむ、ええと……こんな感じでいいだろうか?」
 『ホアチャー!』という効果音が部屋に響き渡る。
 それすらも無視してツァインは原稿用紙をかざした。
「じゃあ今日は俺が読むからな。ええっとコホン……まず今回の白紙残念賞は加賀乃魅ヶ利、遠野御龍の二人だな。この人数分開けられた枠は有効活用させてもらう、ありがとう!」
 『ホアチャー!』
「あとペンネーム『ベニー・ユーゼン』さんからのお便り、『裏方は必要ないといったら何度わかるんだ、わざとか、わざとなのか!?』だそうだ。おう、わざとだぜ!」
 『あおう!』
「ということで今日のお便りコーナーは以上だ! ラストはエンディングテーマとともにお別れだぞ! かろうじて出番がもらえた純情フリーダムより……」
「ウエエエエエエエエエエエエエアッ!」
 鳴り響く高速ドラム。エレキギターとベース、そして独特のシャウトが響き渡り、蜜帆はマイクに唇を寄せた。
「ノッてきたわ、いやっほーう! それでは聞いてください、『少しは私に弾き語らせろ』!」
 ……プツン。

●第六章、王家の黄昏
「ユーリ、ユーリはおるか! スタラユーリはおるか!」
「王、ボクは設楽悠里です。今度間違えたら暗殺しますんで」
「黙れ!」
 ランディ王は派手に机を叩くと、キッと悠里をにらみつけた。テーブルに添えられた一輪のユーリが花瓶ごと倒れた。
「領地の治安と国民生活について報告しろ」
「はっ……凶作が続き民は生活もままならぬ状況。人身は荒れ果て、犯罪が後を絶ちません」
「またか……」
 ランディ王は机に両肘をつき、目元を覆うようにして顔を伏せた。
「俺の資材から不足分を割り当てろ。食糧支援のついでに兵を割り当てて、暴徒を痛めつけておけ。間違っても殺すなよ」
「王……」
「贅沢が王の仕事じゃねえ。民を守り導くことこそがつとめ」
「存じております。しかし王よ」
 悠里とは反対側にフツが静かに現れた。
「王の私財は底をつきました。城での生活は税金を割いて運営されております。そして暴徒を兵で抑えようにも、兵そのものが暴虐やストライキを起こす始末……つぎはぎで補うが政治ではございませぬ」
「くっ……!」
 ランディ王はいすを蹴って立ち上がると、二人に背を向けた。
「やらねばなるまい……隣国を、攻め落とすぞ」
「なんですと!?」
「安心しろ。俺が先陣にたち、士気を保とう。民のためなれば……狂王にもなろう」
 すたすたと歩み去って行くランディ王。
 フツと悠里は顔を見合わせた。
「なんといおうと戦狂は戦狂か……政治の仕方を知らず、戦うことしかできぬ悲しき王よ」
「あの王を生かしておくことは民のためにならぬ」
「なればこそ、隣国との戦で矢を受けたことにして王を……」
「うむ、それしかあるまい」
「民など、放っておいてもネズミのように生きて死ぬというのに、わざわざ私財をなげうつなど……」
「その私財を横から浚っていくのがフツ殿でしょう?」
 頭上から聞こえた声に、フツはびくりと背筋を伸ばした。だが次の瞬間、彼の首は半分に切り裂かれていたのだった。
「お、おまえは……白雪姫暗殺のために差し向けたはず!」
「毒リンゴとかめんどい」
 髪をふぁさぁっとかきあげる狩人のDT。じゃなくて快。
「国の未来のため……いや、国の転覆のため、死んでもらうぜ」
「や、やめろ……私は王国のために、王国のために……ぐ、ぐああああああ!」
 ナイフによって切り裂かれる悠里。
「王国に、栄光あれ……ランディ王……あなたは……ぐふっ」
 やがて血だまりに沈む悠里。
 快はそれを、ただ静かに見つめるのみであった。
 やがて戦火と血に沈みゆく、この国を眺めるかのように。

●第七章、白雪姫レース
 戦火に沈む王国。飢えから隣人に食らいつく国がいかなる運命を辿るものか、それは過去の歴史が幾度となく証明してきたことである。
 生きるために奪おうとする国。それを醜いケダモノとし、力ではね除けんとする国。
 二つの力は拮抗し合い。最後には捨て身の特攻劇へともつれ込むのである。
 謀略と暴虐にまみれた国は燃え上がり、まさに炎のように隣国を飲み込み、そして消えていくのだった。
 だが炎は、消えるそのときこそ強く激しく、輝くものである。
 そう、この国境線に存在する大平原では今まさに……最後の炎が上がろうとしていたのだった。
「チキチキ、白雪姫レース!」
 マイクを握った糾華が長机にガッと片足を乗っけた。
 どこかへ飛び去っていくシリアス。
「我こそは姫、プリンセス・オブ・プリンセスだというものはこぞって参加し、戦い、勝ち取りなさい! 姫を名乗れる者はただ一人のみ……そう、ただ一人のみ!」
「糾華お姉様、こんな展開……私聞いてない!」
「はぐあっ!」
 後ろから堅い棒のようなもの(業界用語でバールのようなもの)で殴られ、気絶する糾華。
「あ、やってしまった……」
 わなわなと手を震わせるリンシード。
 その両手に、がしゃんと手錠がはめられた。
「はっ、これは……!?」
「リンちゃん、糾華って誰?」
 リンシードを背中から抱きしめるようにして、アーリィが耳元でささやいた。
「ち、違うんです糾華お姉様はそんなんじゃなくて」
「忘れたの? シンデレラを巡る戦いの中でわたしたちは永遠の愛を手に入れたはずだよ……そう、ほかならぬリンちゃんの手によって!」
「まさか、前回からの設定を引き継ぐつもりですか!? このリプレイから読み始めた人が混乱するじゃないですか……!」
「何を訳のわからないことを……そっか、リンちゃんは悪い魔女に呪われちゃったんだね。大丈夫、私が大事にしまっておいてあげるから、リンちゃんを大事に大事に大事に大事にしまってしまってしまってしまって」
「おおっとそこまでじゃ!」
「まてまてぇい!」
 両サイドからずずいっと出てきた礼子と悪紋。二人はセンターを奪い合ってかぐいぐい互いを押し合いつつ、指を突きつけた。
「あなたたちは死んだはずじゃ?」
「残念じゃが川に流されるのは生存フラグじゃ!」
「ニチアサの基本じゃ!」
「ということで王子を助け恩を売ることで我が国を牛耳るという作戦のパーツになってもらおうかのう!」
「なにっ、悪紋貴様ずるいぞ! わしが王子を助けて寝取ることでヒロインの座を勝ち取るという算段と被っとるじゃろうが!」
「寝取るところまでは考えとらんわこの淫乱が! リンゴをくらえ!」
「はごあっ! なんじゃその申し訳程度の白雪姫成分はごは!? らめぇぇぇそれ以上入らないからー、そんな大きいの入らないからあああああ!」
 口にリンゴ突っ込まれた礼子が川に流されていく。
「フッ、これで国は我のもの……」
「よく頑張ったね悪紋、じゃあこれはプレゼントだよ」
 と、悪紋の原からバールげなものが突き出た。
 そう、背後から突き刺されたのだ。
「なん……じゃこりゃあ……?」
 手の中で砕け散ったリンゴを見下ろし、川に落ちて流されていく悪紋。
「っていうか、なんで大平原に川とかあるんです……どこから流れてるんです……?」
「そんなことはどうでもいいんだよリンちゃん。さ、ゆっくり愛し合おうね……!」
 かくして、リンシードは手錠で引っ張られていったのだった。

「ふふふ……アタシは黒い白雪姫。略して黒雪姫。学芸会で『名前が似てるから』くらいの理由で白雪姫に推薦され、そのままあんまり表に出たくないとか苦労したくないというクラス中の倦怠感という名の多数決によって……ふ、ふふ……でもいいの。思いっきり黒い白雪姫を演じて劇を台無しにしてあげるって、決めたんだから!」
 陽菜は血と泥にぬれた左手で、ぺたんと顔を覆った。右手につかんだスコップを土に突き刺し、『ヒトひとりぶん分の何かを埋めたような穴』を踏みつけにした。
「白雪姫はアタシ一人でいいのよ!」
「そう、そして白雪姫の妹こと赤雪姫がこの私!」
「そう、そして白雪姫の妹こと赤雪姫がこの私!」
 雑ユーヌ草をかき分けて飛び出してきた優衣とてらすが、二人同時にぴたりと停止した。
「あれ……? なんで? こんなマニアックな役柄、絶対かぶるわけないよな? なに、パクリなの?」
「そっちこそ赤雪姫とか私のプレイングをパクったとしか言いようがありませんね?」
「ほぉーう……?」
 額をくっつけてぐりぐりしあうダブル赤雪姫。
 その場に居合わせただけの陽菜が一番ビビった。
「ちょ、ちょっと待とう、ね。冷静に考えて。っていうかどう考えても偶然の一致だよ。未来でも見えない限りパクれないよコレ」
「へえ……ちなみに私、お后に賛同したふりして後ろから刺すつもりでしたけど?」
「え、そうなの? 私はほら、王子様を寝取るつもりだったけど?」
 一触即発の空気が漂う中、ユーヌの茂みから虎鐵王子がぬっと競り出てきた。
「らいおんたんぺろぺろ!」
「……」
「……」
「……」
「こほん、台詞を間違えたでござる」
 虎鐵はぬらりと刀を抜き放つと、その場で侍っぽいポーズをとった。
「姫よ、王子である接写と結ばれたくばいざ尋常に勝負し……」
「ていっ」
 ここですかさずスコップをたたきつける陽菜!
「ヒロインは!」
「王子様は!」
「「私のもの!」」
 のけぞったところにてらすと結衣のラリアットが左右から炸裂し、虎鐵は膝から崩れ落ちた。
「ぐおおおおおおおおおお……これが執念というもので、ござるか……!」
 土に顔を埋め、最後に伸びていた手もまた土へと落ちる。
「……無念!」
 そして三人は顔を見合わせ、こっくりと頷くと、静かに虎鐵一人分の穴を掘り始めたのだった。

●第八章、逆デウスエクスマキナ
「私は女神!」
 カッと両目を見開き、ソラ先生は長机の上で両腕を広げた。
「ふふふ、白雪姫を名乗る者どもは上手につぶし合ってくれたようね。これはすべて私の書いた脚本だったのよ。こうして流れた尋常なき白雪姫の血が、真なる白雪姫召喚を現実のものとする……さあ、我が呼び声に応えて来たれ、真・白雪姫よ!」
 スマホを天高く掲げ、メール送信ボタンをピッと押すソラ。
 それから待つこと一時間半。
「宅配便でーす」
 ダンプカーにのった郷ちんがでかい箱を抱えて持ってきた。
「品物はー……真・白雪姫だぜ!」
「あ、きたきた」
「認め印お願いします!」
「サインで」
「あ、ここに……大丈夫ですか押さえときますんで、はい……はいどうもありがとうございます!」
「はいごくろーさまー」
 郷は何度かぺこぺこと頭を下げたあと、そのまま車で帰っていった。
 コーラ片手にぱったぱった手を振るソラ。
 振り返ると。
「いやー、まさか真・白雪姫が存在するなんてなー、知らなかったぜ……あっはっは」
 涼王子がニコニコしながら長机に座っていた。
 彼のまえにずりずりと引き摺られてくる箱っていうか棺桶。
「さ、王子どうぞ」
「いやー悪いね! 目覚めのキスっていうのか? こんな美味しい役をもらっちゃったりしてさ。誰がトップに選ばれたのかなぁ、みんな癖はあるけど可愛い子ばっかりだったからな。これがきっかけで恋人同士になっちゃったりして……おっと油断は禁物だ。ここはビシッとクールにいかないとな!」
 襟元を正し、そっと棺桶をオープンする涼王子
 わき上がるスモーク。もわわわわわわー。
 どこからともなき聞こえてくる大太鼓の音。どんどこどこどこどんどこどこどこ。
 はぁぁぁぁぁ、という男たちの気合いをためるかけ声がひとしきり聞こえた後、棺桶の中から屈強な降魔刃紅郎姫(全裸)が現れた。ほとばしる後光。咲き乱れるユーヌの花。
「我こそは……真・白雪姫!」
「ふざけんなああああああああああああああああああああ!」
 血の涙を流して机をぶったたく涼王子。
「片腹痛いわ。王国の黄昏にあわせしばし眠るつもりであったが……この程度が王子では喪われし民も無念であろう。やはり我がじきじきに世を統治せねばなるまい……」
 涼王子に目覚めのキス(腹パン)を入れて気絶させると、山賊のごとく肩に担いだ。
 そして渦巻く天空の暗雲に向け、両腕を広げてみせる。
「鏡よ鏡、この世で最も覇王(白雪姫)の資格を持つものはだーれぞ!」
『それは……』

 さあさ皆さんお待ちかね!
 本日最後の超演劇!
 舞台のセットをぶちこわし!
 全キャスト総出による……!

『バトルロワイヤルーレットで決めるがいい!』
 鶏団子鍋の残りかすとなった閑古鳥 比翼子(BNE000587)を豪快に串刺しにした曳馬野・涼子(BNE003471)を初めての共同作業でもって暗殺した須賀 義衛郎(BNE000465)と銀咲 嶺(BNE002104)のペアを『ハーレム王に跪けぇい!』といってギターでたたき伏せる雲野 杏(BNE000582)を真っ二つにして雄叫びを上げるランディ・益母(BNE001403)の顎にリンゴをぶち込んでみる鉄 結衣(BNE003707)をスタンドマイクで張り倒す斬風 糾華(BNE000390)の後ろでギターをかき鳴らす三禮 蜜帆(BNE004278)をムエタイキックで粉砕した滝沢 美虎(BNE003973)の後ろで実況解説としゃれこもうとしたツァイン・ウォーレス(BNE001520)に毒をもって殺す焦燥院 フツ(BNE001054)の頭を鷲づかみにして砕く降魔 刃紅郎(BNE002093)に『称号かぶってるですぅ!』といいながら必殺プリンセス☆ドラゴンスクリューをかますロッテ・バックハウス(BNE002454)を静かに見つめる梶原 セレナ(BNE004215)の木を容赦なく鍋に入れてかき混ぜる荒苦那・まお(BNE003202)を格好良くぶった切ってみるミルフィ・リア・ラヴィット(BNE000132)の谷間にリンゴを入れてみてすっぽり収まることに絶望する災原・悪紋(BNE003481)を泉に引っ張り込むソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)の後ろでエロティックなBGMを流してみるアラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)を勝手に婿殿と呼びながらストーキングするシェリー・D・モーガン(BNE003862)を羽交い締めにして高笑いを浮かべる楠神 L☆S 風斗(BNE001434)をさらっと釣り上げた新谷 優衣(BNE004274)を川に突き落とすリンシード・フラックス(BNE002684)の後ろで『ハーレム王は、この曲が好きだったんだ……』といいながら乳をもげを弾き語りする靖邦・Z・翔護(BNE003820)のさらに後ろでダラダラしたアラサー女子の生活風景を見せつけるセレア・アレイン(BNE003170)をずばーっと切り裂く鬼蔭 虎鐵(BNE000034)に決死の覚悟で襲いかかる設楽 悠里(BNE001610)の周りを声に新谷涼子をあてるしかあるまいってくらいウザい顔で踊りながらひとりマイムマイムする白石 明奈(BNE000717)をサクッと暗殺した小雪・綺沙羅(BNE003284)をドキドキ王族暗殺イベントーとか言って爆竹でパーンするシビリズ・ジークベルト(BNE003364)に矢を射る新田・快(BNE000439)にすべての鏡に死をとかいいながら襲いかかる有栖川 氷花(BNE004287)をスプリング・バズーカで撃破した禍原 福松(BNE003517)とカルラ・シュトロゼック(BNE003655)のタッグにダブル腹パンをたたき込むミリィ・トムソン(BNE003772)を見て『どう考えてもこの子がよかった』と泣く神城・涼(BNE001343)をサクッとお持ち帰りする高天原 てらす(BNE004264)を見送りながら毒入りバームクーヘンに倒れるアリス・ショコラ・ヴィクトリカ(BNE000128)を巻き添えに自爆する斜堂・影継(BNE000955)にひたすらチョコレートを要求するアンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)をばっさばっさと切り捨てる結城 竜一(BNE000210)を一瞬でたたき伏せる焔 優希(BNE002561)にあつあつの唐揚げをたたきつけるリリ・シュヴァイヤー(BNE000742)を鋭い推理で追い詰める巴崎・M・木市(BNE003867)に腕でバツの字を作って水をかぶせる海依音・レヒニッツ・神裂(BNE004230)をナンパし始める天風・亘(BNE001105)をダンプで轢く安西 郷(BNE002360)に多額の手術代を要求した氷河・凛子(BNE003330)を泉に引きずり込んでみるセラフィーナ・ハーシェル(BNE003738)にドロップキックをかます神埼・礼子(BNE003458)をスコップで殴り倒す白雪 陽菜(BNE002652)を正義のびーむだーとかいいながら射殺したラヴィアン・リファール(BNE002787)と刺し違える覚悟で襲いかかった司馬 鷲祐(BNE000288)に蹴りを食らわせ足に仕込んだマグダレーナで射殺し『この俺を蹴り技で倒す……だと?』とか言わせたヘルマン・バルシュミーデ(BNE000166)の後ろでひたすらカレーを食い続ける宮部・香夏子(BNE003035)をバールで刺し殺すアーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)を高笑いしながら見下ろす紅先 由良(BNE003827)を小脇に抱えて『少女はいねがー!』と荒れ狂うウリエル・ベルトラム(BNE001655)をワンパンで沈める御厨・夏栖斗(BNE000004)にフラバンを連射するベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)にそっと火をつける片霧 焔(BNE004174)の額に肉の字を書き込むミルト・レーヴェ(BNE004277)を容赦なく燃やし尽くす斎藤・なずな(BNE003076)をもぎ取り天に掲げたリ ザー ドマン(BNE002584)の姿がそこにはあった……!
「ギャギャ、ギャッギャー!」
 屍の山に登り、これで頭蓋骨取り放題ですしといわんばかりに飛び跳ねるリザードマン。
 なんと彼がバトルロワイヤルーレットの最終当選者なのか。この世は修羅道に落ちてしまうのか。
 観客(いるのかなあ)の誰もが固唾をのんだそのとき。

 (●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)
 (●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)
 (●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)(●_●)

 地面から大量に生え育ったユーヌ・プロメース(BNE001086)の木がリザードマンを絡め取り、さらに隣の人も絡め取り、最後にはその場の全員を絡め取って巨大な巨大な樹木へと組み上がったのだった。
 そして巨大に成長したユーヌ・ザ・ラピュタは天へとゆっくりのぼっていく。
 フルートの音色とともに始まるエンディング曲。
 幻想的で、それでいてゆったりとしたテーマにあわせ、世界はユーヌの緑に包まれ、地球は青から緑へと変色していく。
 かくしてユーヌは世界で最後の生命(白雪姫)として、新たなる人類が生まれるまで大地を見守り続けるのであった。
「……おわり」

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 MVPはバトルロワイヤルーレットによって決定しました。
 どうしてこうなったのか?