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<相模の蝮>魔法少女の死闘

●犯行予告
【アークの皆様へ
拝啓 初夏の候、皆様には益々のご健勝のことと存じ上げます。
 先日は皆様のおかげで予定が狂ったり狂わなかったりしましたが、皆様に置かれましてはいかがお過ごしでしょうか。私はようやく先日の恐怖が和らぎ、いつもどおりの魔法少女活動ができるようになりました。
 さて、私の体調も復調したということで、ささやかながら爆発パーティーを開催しようと思います。
 爆発の季節には少々早く、また突然のご招待と相成りましたことをお詫び申し上げます。お忙しいこととは存じますが、お繰り合わせの上ご出席くださいますようお願い申し上げます。
 尚、詳細につきましては別紙にてご確認ください。
 ここ数日、寒暖の差が激しくなっております。決戦の日まで、どうぞ御自愛の上お過ごしくださいませ。                          敬具
                                 魔法少女七菜より
P.S.ボイコットなんてしたら盛大に爆発させちゃうんだからねっ☆】

●芸術は爆発だ
「魔法少女から犯行予告の手紙が届いた」
 数枚の紙をひらひらと見せつつ、『リンク・カレイド』真白・イヴ(nBNE000001)が告げる。
「……本人もカレイド・システムで捕捉されることを承知で出してるみたいだから半ば遊びなんだろうけど……でも、やろうとしてることは遊びじゃすまない規模」
 イヴが紙をめくり、その詳細をイベリスタ達へと見せる。
「ビル一棟の爆破」
 その声は冷たくブリーフィングルームに響く。
「ついでに、このビルはきな臭い仕事……任侠者の所有物らしく、その一派がほぼ全員、拘束されてこのビルの中にいるわ」
 手足を縛られ、巻かれた目隠しは目と耳を覆い、猿轡を噛まされビルのあちらこちらに放置されているという。
「爆発さえさせなければ彼らは放置しておいてもいずれ発見される。だけど爆発してしまえばビルと一緒にぺしゃんこ」
 爆弾はビルのあらゆる場所に仕掛けられ、七菜のボタン一つで一斉に爆発するらしい。
「七菜はアークとの真っ向勝負を望んでいる。それが叶えば勝敗に関わらず爆破はしない……と、詳細の方に書いてある。それが信用できるかどうかはまた別問題だけど」
 だけど……と、イヴが更にもう一枚紙をめくる。
「七菜達のメンバー構成とどこで待ち構えているかと……あと爆破時間が乗ってるわ」
 場所はビルの一階の中央ホール。周囲は吹き抜けになっており隠れる場所は皆無。その真ん中で七菜達は待っているという。――ご丁寧に、ビルとその周囲一帯に人払いの結界まで張って。
「まさに小細工なしのフィールド。少なくとも、戦闘の場で小細工をする気は――向こうは無いみたい」
 だからこちらも、小細工なしで赴こう。
「勝利条件はフィクサード達の撃破。アークの実力を思う存分見せ付けてきて」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:葉月 司  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年06月30日(木)02:03
 魔法少女は続かない。嘘です、続きました!
 どうも、葉月司です。
 今回の魔法少女はどうやらガチンコ勝負をご所望のようです。
 というわけで前置きはさておき詳細情報の提示と行きましょう。

【成功条件】
・七菜、一夜、両名の撃破
・または七菜、一夜以外のフィクサード全員の撃破

【戦域情報】
 ビルの中央ホール。戦闘を行うのに不自由ないくらいの大きさはあります。
 その他の細かい設定はありません。

【フィクサード】
(前衛)
・七菜
 前回と変わらず、未知のジョブ使い。
・一夜
 七菜のパートナーと思われる人物。主にナイトクリークのスキルを駆使します。
・ナイトクリーク×3
 能力は一夜よりも若干劣ります。
(後衛)
・ホーリーメイガス×1
 回復する気満々のようです。
・マグメイガス×2
 ぶっ放す気満々のようです。


 なお、フィクサードを撃退した後はアークの関係者が爆弾処理諸々のことを行いますので、皆様は戦闘のみに集中してください。
 それでは、よろしくお願いします。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
プロアデプト
ラキ・レヴィナス(BNE000216)
ホーリーメイガス
アリステア・ショーゼット(BNE000313)
マグメイガス
ウェスティア・ウォルカニス(BNE000360)
ソードミラージュ
雪白 凍夜(BNE000889)
プロアデプト
阿野 弐升(BNE001158)
覇界闘士
陽渡・守夜(BNE001348)
プロアデプト
レイチェル・ガーネット(BNE002439)
ソードミラージュ
武蔵・吾郎(BNE002461)

●アークVS魔法少女
「暗い、ですね」
 七菜からの犯行予告を受けて訪れたビル。
 外から見たそれは、電気もついておらず一見無人のように見える。
「でも、ここで間違いないみたいですよ。結界の気配を感じますし」
『闇猫』レイチェル・ガーネット(BNE002439)の呟きに、周囲を見渡した『消失者』阿野・弐升(BNE001158)が答える。
「んー……罠、なのかな?」
 人差し指を口元に当てながら首を傾げる『いつも元気な』ウェスティア・ウォルカニス(BNE000360)。
 確かに、このビルからは如何にもな印象が漂っている。が――
「いや、どうだろう」
 それを否定したのはラキ・レヴィナス(BNE000216)だった。
「前回戦った感じからすると、あいつはそういうタイプじゃないように思えた。むしろ、これはどっちかっていうと――」
「単なる雰囲気作り、かなぁ」
 前も派手だったもんね、とラキの言葉を継ぐように『おじさま好きな少女』アリステア・ショーゼット(BNE000313)が苦笑する。
「そういえば二人は七菜と前もやり合ったんだったか」
『血に目覚めた者』陽渡・守夜(BNE001348)が思い出したことを口にする。
「まぁ、でもわかるのはそれくらいで何でこんな行動をしてるのかまではわからないけどな」
「本当。殴られたら痛いのに、何で戦いたがるんだろう……」
 理解できないし、したくもない。と首を振るアリステアに『復讐者』雪白・凍夜(BNE000889)が軽い口調で声を掛ける。
「フィクサードの考えることは歪んでることが多いしな。あまり気にしない方がいいんじゃないか?」
 ともあれ。
「中に入らないと始まらないし、そろそろ行くか」
 その言葉に全員が頷き、各々が自己強化を施した後、慎重にビルの自動ドアを潜る。
 明かりの消えたビルの入り口。側面及び上空からの奇襲はないようで、わずかに安堵の息が漏れる。
「招待を受けてやってきたぜ! 魔法少女ナナナナ!」
 その暗闇の中。武蔵・吾郎(BNE002461)が中央ホールへ向かって雄叫び、その来訪をアピールする。
 声はビル内に響き渡り、その数瞬後――
 ――ぶぅん、と。
 羽音のような振動音と光をもたらした。
「ようこそいらっしゃいました、アークの皆様。歓迎しますよ?」
 そしてホールのほぼ真ん中に立つ七菜の姿が見えるようになる。
 七菜はこれが正装だと言わんばかりのゴスロリスカートのドレープを摘み、優雅にお辞儀をする。
「いや、平然と挨拶してるけど七菜、名前間違えられてるぞ?」
「あら、ナナナナだなんて可愛らしい名前じゃないですか」
「……お前が気にしないならなら別にいいけどさ」
 やれやれとその後ろから一夜が現れ、リベリスタ達を一別する。
 前回見た顔と、そうでない顔。
 それぞれその顔に浮かべる感情は少し違うが……
「「魔法少女(笑)」」
 堪えきれなかったかのように、何人かの声と感情がきれいにハモる。
「……うん。お前が気にしないなら別にいいけどさ」
 スルーしてあげるのも優しさだろう。
「ふふ、あちらがああ言うのなら、こちらはこう言い返してあげればいいんですよ」
 わかってないですねとその表情に余裕を浮かべながら、七菜がすっとリベリスタ達を指さす。
「正義の味方(笑)」
 心の底から、あざ笑うように。
「あぁ、もうっ! 魔法少女だって正義の味方のはずでしょ! だったらちゃんと夢を見せてくれないと困るよね」
 そんな悪い事をする魔法少女なんてやっつけちゃうんだよ! そう言ってびしっと指を指し返すウェスティア。
「ふふ、こういう問答も嫌いではないですが、こうしてる間にもそちらの準備してきた物が切れてしまいそうですし、そろそろ始めましょうか……♪」
「……気付いてるのにそのまま挑んでくるんですね」
 レイチェルの呟きにも、七菜は挑発するように反応を返す。
「それくらいはハンデとして差し上げますよ♪」
 ――それでは。
「死闘(しあ)いましょうーー♪」
「上等だ!」
 七菜の言葉で広がるフィクサード達。そして吾郎の咆哮が戦闘の合図となった。
 まず真っ先に反応したのは既にハイスピード状態に達していた凍夜。
 その俊足で一夜の前に張り付きながら、凍夜は問う。
「あのよ、ぶっちゃけ疲れねえ?」
 ツッコミ役、苦労性、そして名前。なんとなく共感を覚えてしまう。
「何がだ?」
 いきなりの問いに、一夜が頭の上に疑問符を浮かべながらそのオーラを具現化させ投げつけてくる。
「うぉっと……!」
 至近で爆発するオーラに皮膚を焼かれながら、凍夜は続ける。
「我侭娘のお守だよ。わかるぜ、あぁいうのは大抵人の話聞いてねぇのな」
「あら、失礼な言い分ですね。私はきちんと聞いた上で流してるんですよ?」
 いつの間にか一夜の隣に立っていた七菜からの訂正を求める声。
「うるせえ、マスコットもいねえ魔法少女は黙ってろ!」
「マスコットならちゃんといますよ?」
 その心外ですねと言わんばかりの口調に、
「「は?」」
 凍夜と一夜の声が被る。
「貴方の目の前に♪」
「人間はマスコットじゃねーっ!?」
「というか俺のポジションってそこだったのか!?」
 一夜にとっても衝撃の事実が明かされる中、弐升、守夜、吾郎がそれぞれナイトクリークの前に張り付きその動きを警戒する。
 そして七菜の前には――
「よう、久々だな。早速だが、今回も俺に付き合ってもらうぜ!」
「きゃー、前回の恐怖がようやく癒えたばかりなのに、またトラウマが発生したらどうするんですか♪」
 楽しそうに怖がるという器用な真似をしつつ、七菜が拳を振るう。
「無頼の拳……か?」
 ただ殴ることに特化したスキル。それをなんとか弾きながら、ラキがスキルを予測する。
「あら、大分お勉強されてきたんですね」
「一通りな。ってか、そういや前回名乗り聞かされただけでオレは名乗ってねぇじゃねぇか……」
 ――今は足止めという大切な役目があるけれど。
 あの時の雪辱を期す為に。少しだけ、時間を。
 ラキは心中で仲間に謝りながら堂々と胸を張り、親指で自らを指す。
「オレの名はラキ・レヴィナスだ! テメェの胸に刻んどきやがれっ!」
「あらやだ。脅迫の次はセクハラですか?」
 いやーんとわざとらしく胸を隠す七菜。
「だー! 本当に口の減らない奴だな……!」
 その態度に痺れを切らしたように、ラキが鋭く動き、大げさに動く七菜の側面を狙って剣を凪ぐ。
「――知っていますよ」
 その剣を籠手で防ぎながら、七菜が言う。
「ラキ・れびなす。随分と活躍されてるみたいじゃないですか」
「その呼び方で、オレの名を呼ぶんじゃねぇ――!?」
 そう叫ぶラキの体は、しかし電流によって一瞬硬直する。
「始まった……皆、気をつけて!」
 後方からアリステアの注意が飛び、前衛に警戒を促す。
 まずは手始めという風に手堅く。
 そして間髪入れずに光がリベリスタ達の目を焼く。
「神気閃光……!?」
 フィクサード側のホーリーメイガスの予想外の攻撃。
 癒す者がいない間の手慰み程度のそれは、精度こそ高くないものの次手に対する動揺を誘うには十分だった。
 再び迸る雷撃。
 その一撃をまともに浴びたレイチェルは、その一挙動ごとに自身を苛む感覚を自覚しながらも神気を発露させる。
 ホーリーメイガスに対抗するように。この一番最初の交戦の行く末を決める、大切な一手。
「いけーーっ!」
 強く輝く光。その焼き付く光に、ナイトクリークの一体がふらりとよろめく。
「あそこです!」
 その隙を見逃さず。ナイトクリークの進路を妨害していた弐升が。守夜が。吾郎が一斉に動き出す。
 まず弐升がハルバードによる強烈な一撃を。続いて吾郎の生み出す幻影と守夜の鎌鼬が同時にナイトクリークを襲う。
 だがまだ倒れない。各々に軽くはない手応えがあったにも関わらず。
「最後の一押し……!」
 その様子を汲み取り、ウェスティアが四色の魔光を奏でる。
 今回のメンバーの中で最高火力を誇る一撃。魔光はうねるように互いに絡みつきナイトクリークへと襲いかかる!
「ぐっ!?」
 思わず呻き声が漏れるナイトクリーク。
「ごめん、押し切れなかった……!」
 ぼろぼろではあるが、まだ膝を付かないナイトクリークの姿を見て若干の焦りを見せるウェスティア。
「大丈夫。まだ皆も少し余裕があるし、きっと次で落とせるよ……!」
 そんなウェスティアにアリステアがフォローを入れながら、天使の歌を響かせる。
 フィクサード側の計三回に及ぶ全体攻撃。一人では到底補えきれる回復量ではないが、少しでも皆が持ちこたえらるように。
「でも次はウェスティアちゃんも回復に回ってもらわないときついかも……」
「うん、だね……。火力で押し負けそうで怖いけど、でもここは攻めにいける状況じゃないもんね」
 一手間違えれば、即戦闘不能者を生み出すことになるだろう。
「削り残しは任せろ!」
 そんな歯がゆい思いを抱くウェスティアの代わりに、凍夜が動く。
 バックステップから横飛び、複雑な動きを高速で描きながらナイトクリークの死角をつく。
 もはや殆ど死に体だったナイトクリークにそれを避ける術はなく、ずさりと音を立てて崩れ落ちる。
「まずは一体!」
「あら。うちの子は頑丈さだけが取り柄なんですが……まぁ、総攻撃ならこんなものですか」
 やれやれと肩を竦める七菜の余裕はまだ崩れない。
「なら、こちらも戦術を変えて……」
 その視線の先。そこにはホーリーメイガスをピンポイントで狙っていたレイチェルの姿があった。
「総員、彼女を狙いなさい」
「「御意」」
 ナイトクリークの声が重なる。
「えっ?」
 まずは雷撃がリベリスタ全員を襲い、続くナイトクリークが操る気糸がレイチェルを追いつめる。
「レイチェルちゃん……!」
 ここは回復量の高い天使の息に変更すべきか? いや、マグメイガスの攻撃が予想よりも強く鋭い。歌を途絶えさせるのは自殺行為にも等しい。
「せめて、私が攻撃に参加できれば……!」
 アリステアと同じく、歌を途絶えさせないままウェスティアがぎりっと歯ぎしりをする。
 ナイトクリークを一体倒した後はホーリーメイガス。
 そう決めていた今回の作戦だったが現状、ホーリーメイガスに向かう火力は圧倒的に足りていない。
 ラキ、凍夜はそれぞれ七菜と一夜の足止めに精一杯で、弐升はそのフォロー。吾郎は遠距離の攻撃手段を持たず、現状ホーリーメイガスへの攻撃に参加できるのは守夜、レイチェル、そして……ウェルティアだけなのだ。
「はぁ、はぁ……よし、ピンポイント、掛かりました……!」
 回復が追いつかない状況で、それでもレイチェルはホーリーメイガスへの怒りを付与し続ける。
「弐升、ここは何とか俺達で食い止める! お前はあっちへ回ってやってくれ……!」
 相変わらず一撃が重い七菜の攻撃を受け止めながら、ラキが叫ぶ。
「わかりました、二人もご武運を……!」
 ここが攻め時と判断した弐升もホーリーメイガスへの追撃に加わり、追いつめようとするが……
「ごめ、なさい……」
 ほぼ同時に、ホーリーメイガスの放った魔力の矢に貫かれてレイチェルが意識を失う。
 だがホーリーメイガスもまた弐升の攻撃を受けて倒れ込む。
 こうなれば次の相手は攻撃に特化した分、より体力の劣るだろうマグメイガスだ。
 守夜の鎌鼬が、弐升の気糸が、そして危険を承知で踏み込んだ凍夜の一撃が確実にマグメイガスを捉える。
 そしてついに――
「雷撃が止んだ……!?」
 毎ターン雷撃を撃ち続けていたマグメイガスの一人が、ついにマジックアローへとスキルを変更した。
「チャンス……!」
 一夜の不意を突き、ソードエアリアルで更に踏み込んでマグメイガスを討とうとする凍夜。
 だがその凍夜の姿に、もう一方のマグメイガスが不吉な笑みを浮かべる。
「何……フェイクか!?」
 その着地地点を狙い撃つように。更に何者も逃がさず、焼き尽くすように。強烈な雷撃がリベリスタを襲う。
「すまんな、悪く思わんでくれ」
 凍夜の背後から一夜がナイフを突き刺す。
「は……こ、んな……」
 霞む意識。倒れそうになる体。だが、まだ早い。まだ倒れられない。何故なら――
「魔法も、使わねえ! 魔法少女に!! 負けられるかあぁぁぁ!!!」
 その一心で運命を覆し、
「うおぉぉーー!」
 目の前のマグメイガスへ必殺の一撃を繰り出す。
「……!」
 マグメイガスはその一撃に反応できず、ついに倒れ伏す。
 そしてアリステアの天使の息が凍夜を癒し、守夜の鎌鼬がもう一方のマグメイガスを倒すのが見える。
「タフだな……」
「当然!」
「じゃあ次のターゲットは貴方ですねっ♪」
「うぉおおっ!?」
 七菜の死の宣告を受けてギャロッププレイの気糸から逃げ回る凍夜。
 その間にも着実に傷を与えていた吾郎の幻影剣と、再び攻撃に回り始めたウェスティアの一撃、そして守夜の吸血が着実にナイトクリーク達を疲弊させていく。
 ――そして。
「そろそろ年貢の納め時だぜ七菜!」
 ナイトクリーク達も倒れ、残るは七菜と一夜。
「ふふ、それはどうでしょうか。既にそちらも満身創痍ではないですか?」
「うっ……ウェスティアちゃん、まだ歌えるだけの余力は残ってる?」
「連続で使えるのはあと二回ってところ……かな。アリステアさんは?」
「何かあったらウェスティアちゃんを庇うことしかできない程度、かな」
 七菜に聞こえないよう後方の回復役が確認しあうように、前衛陣も既にほぼスキルを使い果たし、更に施してきた自己強化はとうに切れてしまっている。
「一夜。貴方は彼らを連れて逃げなさい」
 そんな中七菜から飛び出す衝撃発言。
「この程度なら私一人でもなんとかなります。貴方は彼らを連れて後ろから逃げなさい」
「断る」
「……こういう状況になったら貴方は逃げるという条件でここに連れてきたはずですが」
「ふん。人をマスコット扱いしておいて、今更はいさよならかよ。……せめて俺ぐらい、最後まで付き合わせろ」
「……仕方のない子」
 そう言いつつ、七菜が近くに転がっていたナイトクリークを蹴り起こす。
「貴方は他の子を連れて行きなさい。ここは私達が責任を持って引き受けますから」
 そしてそれ以降は後ろを見向きもせず、ただまっすぐとリベリスタ達と向かう。
「お待たせしました。それでは、仕切り直しといきましょうか――♪」
「なぁ、一つ聞いていいか? お前達は何でこんなことをしたんだ?」
「……気に入らなかったんですよ。正義の味方が善で、裏組織が悪という決め付けが。だから私はそれに抗っているだけ」
 さぁ。
「御託はもう十分でしょう?。後は拳と信念とでぶつかり合いましょう?」
「……そうだな。それじゃあ、行くぜ――!」

 ――そしてその数分後。
 倒れた一夜を背中で庇うように、気絶してなお立ち続ける七菜の姿を最後に、魔法少女の死闘は幕を閉じることになる――。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 皆様お疲れ様です。
 今回は純戦ということで心情面をほぼカットし、リプレイの殆ど全てを戦闘シーンに割きました。
 それでも8対8の対決はそれだけで相当な文章量となり、泣く泣く削ることに。
 今後、相模の蝮シリーズがどう展開していくか。私も他のSTの方々のリプレイを読みつつ楽しみにしたいと思います。

 それでは、今回はこの辺で失礼します。