● 「グルルルルルルルルルルル……」 雪に閉ざされた洞窟の中で、それは目覚めた。 本来であれば、もっと長い間眠りについていたはずだ。それを無理矢理叩き起こされた。身体の内側から怒りが溢れ出て、自分の身体も焦がす程だ。 狂おしいまでの怒り。 破壊したい。 ぶち壊したい。 この理不尽なまでの怒りが命じるままに、全てを無茶苦茶にしてやりたい。 そうだ、やってしまえばいい。 自分にはその力がある。血の滾りが命じるままに、力を振るえ! 自分は世界から、それだけの力を与えられたのだから。 ● 年も開けて間もない1月のある日。リベリスタ達はアークのブリーフィングルームに集められる。リベリスタには正月を休む暇も無いらしい。 「まずは明けましておめでとう、だな。今年もよろしく頼む。……どうしたんだよ、俺が挨拶するのがそんなに変か?」 集まったリベリスタ達に対して、年明けの挨拶をする『運命嫌いのフォーチュナ』高城・守生(nBNE000219)。リベリスタ達はちょっと面食らう。こういうのをちゃんとする奴と言う印象が無かったからだ。そして、全員がそろったことを確認すると、少年フォーチュナは事件の説明を始めた。 「これで全員だな。それじゃ、説明を始めるか。あんたらにお願いしたいのは、エリューション・ビーストの討伐だ。結構な数になるんで大変だと思うがよろしく頼む」 守生が端末を操作すると、とある山の地図が表示される。ターゲットのエリューション・ビーストはこの山にある洞窟に潜伏している。山には雪も降っているということで、難儀な話である。 「現れたのはフェイズ2、戦士級のエリューション・ビースト。冬眠していた熊が革醒したようだな。そう遠からず、麓に降りて近くの村を無茶苦茶にするはずだ。そうなる前によろしく頼む」 エリューションの姿をスクリーンに表示させる守生。そして、その後にも続けて狐を思わせるエリューションや野犬を思わせるエリューションを表示させていく。こうして見ると、ちょっとした数だ。 「お察しの通り、こいつらは革醒した熊の影響を受けて革醒した連中だ。ターゲットの入る洞窟の入り口なんかを護るようにしていてな。連戦が続く形になるから、十分に気を付けて欲しい」 年の頭から連戦を強いられるようだ。 なんともリベリスタ稼業と言うのも楽じゃない。 そんな沈んだ顔のリベリスタ達を励ますように守生は言う。 「まぁ、そんな顔するな。ものは考えようだ。資料を見てもらえれば分かると思うが、こいつらの能力は比較的プレーンなものばかりだ。だったら、実戦で自分の戦い方を試せるって考え方も出来るんじゃないのか?」 昨今、神秘情勢をめぐる戦いは過酷を極めている。 六道紫杏を退けたとは言え、『楽団』はいまだ健在。また、主流7派の1つ『黄泉ヶ辻』も独自路線でよからぬ動きを見せている。 その中でリベリスタ達が自分の戦い方を確認する機会と言うのは貴重だろう。新しいスキルを試したいリベリスタはいるだろう。また、『忘却の石』の力を借りたものなら、新しい戦い方のならしを行うのも悪くない。リベリスタが鍛えるなら、実戦が一番だ。 もっとも、今回の敵だって決して雑魚ではない。妙な小技を持たない代わりに、地力はやや高めだ。丁寧に自分達の戦いを見定めなくては、返り討ちもあり得るだろう。 「説明はこんな所だ」 説明を終えた少年は、その鋭い瞳で睨むように、リベリスタ達に送り出しの声をかける。 「あんた達に任せる。無事に帰って来いよ」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:KSK | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年01月19日(土)23:07 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 「E・ビーストラッシュの連戦? こ、怖いですけど頑張ります。が、頑張りますけど怖いですー!」 雪山に聞こえるのは如月・真人(BNE003358)の声だ。 リベリスタ達に襲い掛かってくるのは、獰猛に目を光らせる野犬の群れ。 しかじ、いずれも並みの犬種と比べると一回り、大きな体躯をしている。異界から与えられた与えられた力で革醒・変異した、エリューションなのである。その牙は刃のように研ぎ澄まされ、攻めてきた者達の喉笛を狙っている。 「敵の数は多いですね。手早く数を減らしていきましょうか」 しかし、『残念な』山田・珍粘(BNE002078)は冷静に武装を構える。 戦い方のスタイルを変えたのはだいぶ前だが、これ程のパターンを備えた敵がいてくれるのだ。実戦訓練と思えば、悪くは無い。 「命を削り、命を奪う。それが今の私の戦い方……つまり、今夜は熊鍋ですね!」 最後の一言さえ無ければ完全に『闇の宿命を背負いながら戦う暗黒の騎士』だったのだが、一歩足りないのが那由他・エカテリーナ、もとい山田・珍粘の仕様だ。 「アォォォォォォン!」 けたたましく吠え声を上げると、一斉にエリューションが飛び掛かってくる。 質はともかくとして、数はリベリスタよりも多い。 エリューション達が乱戦に持ち込もうとするのは当然だ。 ダキューン そこを迎え撃つのは散弾の嵐。『鋼脚のマスケティア』ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)のマスケット銃が火を噴き、エリューションの全身には哀れな風穴が開く。 「噛み癖のある野犬は……駆除するしかないわね!」 トレードマークの肩から羽織ったコートを優雅に翻すと、近寄って来たエリューションにその鉄脚を見舞って距離を取る。 「山篭りの特訓だなんて、そういう泥臭さ。決して嫌いじゃないわ。私も少し、己のこれまでの戦い方を見直してみたの」 微笑むミュゼーヌの脳裏に浮かぶのは、彼女にとって宿敵と言えるフィクサード達の姿。『六道』、『楽団』に始まり、人を人とも思わぬ非道な悪鬼が跋扈している。奴らとの戦いのためにも、まだまだ力が必要だ。 「えへへ、ガンガン行くよっ!」 『ビタースイート ビースト』五十嵐・真独楽(BNE000967)の小柄な体が空を舞う。 足元の雪も、真独楽の動きを邪魔することは叶わない。 ふわりと地面に降り立つと、軽やかなステップを踏み、次々にエリューションを切り刻んでいく。瞬く間にエリューション達は数を減らしていく。 エリューションが持っていた数の優位はあっさりと消え去る。 しかし、なればこそ、エリューションは乱戦に持ち込もうとする。どこまで頭を働かせて動いているのかは謎だが、弱いものを狙うのは基本である。これも野生の本能と言うべきか。 「アォォォォン!」 エリューションが吠え声と共に飛び上がる。 「わんわん。吠えたいお年頃かな?」 透き通るアメジストを思わせる刃を鞘に納める『刃の猫』梶・リュクターン・五月(BNE000267)。 そして、鞘に刃が収まった音が聞こえた瞬間、エリューションは真っ二つになって地面に落ちる。 目にも止まらぬ居合抜きの技だ。 下手に突出せずに、迎え撃つというリベリスタ達の作戦が綺麗に嵌った形になる。知性の低いエリューション相手だったというのもあろうが、極めて有効だった。 とは言え、窮鼠は猫を噛むもの。犬だって噛み付くのだ。 「ああもう、こういう敵が一番苦手よ!」 苛立たしげに『薄明』東雲・未明(BNE000340)は、自分へ群がってくるエリューションへ剣を叩きつける。1対1なら並みの相手に負ける心算は無いが、複数の敵を相手にするのはどうにも苦手だ。すると、そこに『ソリッドガール』アンナ・クロストン(BNE001816)の放つ魔力の矢が飛び込み、エリューションの頭を吹き飛ばす。 「冷静になって。1匹1匹は大した相手じゃないわ」 「そうだね、ちょっと正月ボケだったかも」 アンナに言われて、未明は冷静さを取り戻す。そうだ、『楽団』や『六道』の事がある以上、のんびりしている暇も無い。早い所、正月ボケを吹き飛ばさなくては。 落ち着いてみれば、どれだけの相手がいようと、自分が相手をするべきは目の前の相手だけだ。 呼吸を整えると、ステップを踏んで体のギアを上げる。 そして、踏み込む。 すると、未明の身体が多数の分身を生み、エリューションを切り伏せて行く。 彼女の身体が1つの像を結んだ時、動くエリューションは残っていなかった。 「ふぅ、まずはこんなものかな」 ● 改めて説明すると、リベリスタ達がやって来たのは近くに小さな村を控えた山だ。 この山中に存在するエリューションが『万華鏡』により発見されて、討伐にやって来た。しかし、目的はそれだけではない。ここで発見されたエリューションは、数を頼みにするもの、からめ手を得意とするもの、純粋に高い戦闘力を持つものと、多様なものだった。そこで、実地での戦闘訓練も兼ねてしまおうと言う腹だ。これも、アークが地道な活動の末に、国内での勢力を築くことが出来たからだろう。 そんな訳で、まずは群れる野犬のエリューションを退治し終えたリベリスタ達は、わずかな休息の後に、エリューションの巣食う洞窟の中へと入って行った。しばらく進んだ所で、迎え撃つのは狐をベースとしたエリューションだ。 「狐ちゃんとまこ、どっちが速いかな?」 体内に秘めた獣化因子によっていち早くエリューションの接近に気付いた真独楽は、素早く距離を詰める。そして、全身から気糸を放ち、十重に二十重に拘束していく。 「動きは封じたよ!」 「えぇ、分かったわ」 真独楽の合図に銃を構えてミュゼーヌは銃を構える。 彼女はいつの間にか、全体の中でも後方に下がっていた。普段、前衛型スターサジタリーを自称する彼女には珍しいことだが、敵の範囲攻撃を避けるためだ。 狙いは一点。動きを封じられたエリューションの脳天だ。 「この距離から撃つのは初めてだけど……狙いは外さない!」 指に力を込めて引き金を引くミュゼーヌ。 エリューションにしろリベリスタにしろ、超人的な身体能力を持っているので、長距離からの攻撃は勘付いて避けられる可能性が高い。故に攻撃する上で有効な射程というのは、実際の銃が持つ射程と比べて遥かに限定されている。そのギリギリからの攻撃は、彼女にとって未経験の領域。 しかし、常に乱戦の真っ只中で銃を撃ってきたミュゼーヌの集中力は、そのプレッシャーすら跳ね返す。狙いに寸分違わず、エリューションの頭で弾丸が弾ける。今の彼女の集中力ならば、動いている針の穴すら撃ち抜いていたことだろう。 唸り声を上げて痛みと怒りを訴えるエリューション。気糸に束縛されて自由な動きを阻害されていなければ、今すぐにでも自分を傷付けた者達に復讐を行っていたはずだ。 そして、その意志を継いだのはもう1匹のエリューションだった。 一声鳴くと、リベリスタ達は自分達が強大な獣達に取り囲まれている幻覚を見る。 リベリスタの中には、本来存在しないはずの敵に対して武器を向けようとする者も出てくる。 その中にあって、アンナは冷静だった。 「当たっても動きが封じられないってのは、良いわね」 冷静な口調でバトルスーツに装着された十二面体のアーティファクトに手をかざす。 もし、信心深いものであれば、彼女の身体に奇跡の痕が浮かび上がるのを目にしたかも知れない。 アンナの詠唱に応じて、上位世界から召喚された癒しの息吹がリベリスタ達の傷を癒し、幻覚を吹き飛ばしていく。 「正直、ラ・ル・カーナの技術は使いたくなかったけど。これでもっと上手くやれるっていうなら、背に腹は代えられないか」 アンナの今までの戦い方を知るものは、その姿に違和感を覚えていたことだろう。元々、前衛に立つよりも仲間の支援を行うことが得意な少女ではあった。しかし、これ程までの高い適正は持っていなかったはずである。 そう、神秘の世界ラ・ル・カーナからもたらされた力、『忘却の石』の力を借りたのだ。かの石の能力は「神秘のリセット」。単純にリベリスタの力を強化することこそ出来ないが、能力の最適化や情勢に応じた能力を入手するに当たって、これ程便利なものは無い。 アンナとしてはこのアイテムに頼りたくは無かった。『忘却の石』を手に入れるために払った犠牲、リベリスタ達が背負った業、それらを思うとあの世界とそれに関わることを赦すことは、まだ出来ていない。 それでも、使う。 これから先の戦いに向けて、やれることは全部やっておきたいから。 「あー、参った参った。野犬で減った上に、変なものまで見せられて」 頭を軽く振って、痛みを追い出す珍n……那由他。 言葉と共に、剣に暗黒の魔力を纏わせていく。 「赤犬は美味しいって言うけど、狐は美味しいんでしょうか?」 本当に興味本位、と言った口調と共に切りかかる。 暗黒の魔剣が傷つけるのは肉体だけではない。その精神もだ。エリューションと言えど、その例外ではない。相手に幻覚を見せる能力を持つエリューションは、自身が虚脱状態に陥る番だった。 「さぁ、一閃しようか」 五月が刀を抜くのは、まさしく戦いが終わる合図だった。 ● 「まだ疲れている人がいれば言って下さいね。すぐに回復しますから」 戦闘が終わった後にわたわた動くのは真人だ。彼の能力は回復支援に特化されている。何よりも、無限機関から供給されるエネルギーによって、いつまでも活動し続けることが可能なのだ。こうした戦いの間の補給にこそ、彼の能力は真価を発揮する。 「息を整えるだけでも違うけど、随分楽になるね。それにしても……」 未明は赤いケープ覆った体を小さくする。 思っていた通り、洞窟の中も冷えはひどい。そして、彼女は寒いのが苦手だ。 猫と一緒にこたつでくつろぐことが出来たら、どれ程幸せだろうか。 「早く終わらせて出ましょ。残るのは1匹だしね」 未明の言葉に、リベリスタ達は一斉に頷いた。 ● 「グルルルルルル……グォォォォォォ!」 エリューションを撃破してきたリベリスタ達の至った洞窟の最奥。そこに、一体の革醒を促した元凶であるエリューションはいた。そして、リベリスタ達の姿を見るや否や、威嚇すら無しにいきなり襲い掛かって来た。 毒煙を撒き散らし、爪を振るってリベリスタ達の命を奪い去ろうとして来る。 「ハッ! 熊で毒を使うんですか……毒熊じゃないですか! せっかく、熊鍋にして美味しく煮込もうと思っていたのに!」 珍粘が絶望の声を上げる。野犬や狐も食ってたのだろうか。まぁ、エリューション食べたからって死ぬわけでもないが、さすがに毒持ちはアウトだろう。 「まったく、せめて精神位は味あわないとこのガッカリ感は拭えませんよ!」 それでも仕事から逃げないのは褒めるべきなのだろうか。本当に怒りのぶつけ所を探しているだけの可能性は高いが。 エリューションの動きを抑えて、剣を振るう珍粘。しかし、エリューションの太い腕が振り回されると、後ろに弾き飛ばされる。 しかし、そこでエリューションに自由を許す程、リベリスタも甘くは無い。 「負けないんだから!」 先ほどまで距離を取って真空の刃で牽制していた真独楽が距離を詰めて、クローの連続攻撃でエリューションの動きを封じる。本来、懐に潜り込んでの1対1が得意なスタイルではある。しかし、 (「ニガテ」から逃げてちゃ駄目だよね、敵はそんなコト気にしてくれないもん) 自分のスタイルを知り、突き詰める。それは何も間違っていない。しかし、常にそれが上手く働いてくれるとは限らない。一層研ぎ澄ませることで無理にでもスタイルを貫くか、手を伸ばして複数のスタイルを持つかは人次第ではある。真独楽が選んだのは後者だった。 「今年は、もっとみんなの役に立ちたい。みんなと一緒に戦いたい!」 そのための第一歩。真独楽は確かに踏み出した。 「熊さんか。可愛ければいいのだが、無理な目覚めでご機嫌斜めかな?」 五月は優しくエリューションに語りかける。 全ての破壊を望むエリューションに対して、彼女は護るために剣を取る。 しかし、戦うのは潰し合うためではない。互いの力をぶつけて、さらなる高みに上るためだ。 「とっても強いのだろう、熊さん! 楽しもうではないか! 思う存分に力を出し切ろう、よろしくだ」 気合と共に愛刀「紫花石」を叩きつけると、破滅的に莫大なエネルギーがエリューションへと襲い掛かる。その爆風を縫うように、天井を蹴って未明が強襲を仕掛ける。 「あんたが悪いんじゃないのは分かってるけど、もう一回寝てもらうわよ!」 「グォォォォォォ!」 傷つけられて怒りの唸り声を上げるエリューション。 めくらめっぽう、周囲に毒の煙をばら撒く。さすがに攻撃力に関しては今なお衰えない。 そして、その煙が後衛のメンバーに届こうとした時、『未熟者』安堂・耕哉(BNE004226)が仲間の前に立った。 「やってやるさ……これが俺の決めた道なんだからよっ!」 最初の戦闘が始まるまでは、自信たっぷりだった。 しかし、戦いが始まって、自分の未熟を思い知らされた。心技体、いずれも周りのリベリスタ達に劣っている。うっすら分かってはいたが自分は弱い。 戦いに自信を失い、休憩中には逃げそうになった。 それでも、耕哉には為したいことがあった。 だから、せめて仲間の一助になりたくて、庇うために飛び出したのだ。 「あぁ、カッコ悪いな、俺……」 当然、エリューションの毒を思い切り浴びて、耕哉は倒れてしまう。 「いいえ、助かったわ」 「皆さん、敵も弱っています。あと一息です」 意識を失った耕哉をアンナと真人、2人のホーリーメイガスが助け起こす。そして、2人の呼んだ癒しの息吹はその場を覆う毒を一掃してしまった。 「それじゃ、そろそろ終わらせようか」 「うんっ! 本気でいくよっ!」 未明の合図にタイミングを合わせて、リベリスタ達は思い思いに武器を構える。 「毒入りは美味しく食べられない…うふふふ、殺します」 「戦い方を見直そうと……この足でやる事は変わらないわ!」 珍粘の暗黒の魔力が、ミュゼーヌの鋼鉄の蹴りがエリューションに襲い掛かる。 エリューションも抵抗の動きを見せるが、真独楽の刃に阻まれ、未明の動きに翻弄され、思うように攻撃が出来ない。 そこへ、再び気合を纏った五月の刃が振り下ろされる。 「グォォォォォォォォォォォォ……!」 エリューションの断末魔が洞窟を埋め尽くし、そのままエリューションはどうと倒れる。 「おはようとおやすみを。次は起きなくて済むよ。好きなだけねんねしておいで」 ● リベリスタ達が洞窟の外に出ると、日に照らされた雪景色が迎えてくれた。 普段、潜んで暗躍するエリューションと戦っているため、あまり見ることが無い景色だ。 新たな年も戦いは続くのだろう。それも、昨年のそれよりもはるかに恐ろしい戦いが。 命を危険に晒す、いやそれ以上に魂すら危険に晒す、そんな戦いが待っているのかも知れない。 それでも、今日という戦いを乗り越えたリベリスタ達の瞳に迷いは無い。 今日の自分は、間違いなく昨日の自分よりも強いのだから。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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