● 「もう6月かぁ……ジューンブライドってやつだねぇ」 窓から外を眺め、ため息をつく1人の女。 6月に結婚した花嫁は幸せになれる。ジューンブライドはヨーロッパに伝わる伝承として、今も伝わっていた。 それを気にする彼女には、結婚願望でもあるのだろうか。だがため息をつく辺り、そんな相手はいないらしい。 「姉御、まずは相手見つけなきゃ」 「やかましい、簡単に見つかったら苦労しねぇよ!」 子分の女の突っ込みにキレるところから、やはりそれは確実なようだった。 むしろ、それは彼女の周囲にいる子分達も同じらしく――。 「「「はぁ……」」」 ため息は、一斉に伝播した。 「……邪魔するか」 そんな時、リーダーの女がふと、そんなことを口にする。 「邪魔、ですか?」 「そうさ、結婚式を邪魔してしまえば、あたし等の気持ちがわかる男女が増える……そう思わないかい?」 悪戯っぽい笑みを浮かべて言うリーダーの女にとっては、幸せなカップルは敵なのだろう。 「よっしゃ、あたし等のチーム名は『呪運武雷怒』だ、結婚式をぶち壊しにいくよ!」 結婚する者達の幸運を呪い、武と怒りの雷をもってそれを破壊する。 そう考えれば聞こえは良いが、何やらすさまじい当て字に子分達も古臭さを感じていた事は言うまでもない。 ● 「当て字集団、登場」 そんな未来を覗き見ながらも、『リンク・カレイド』真白イヴ(ID:nBNE000001)はいたって冷静だった。 それもそのはず、『呪運武雷怒』の目的は結婚式の妨害であって、人に対して危害を加えるのは二の次でしかないのだ。 どうにか捕縛することが出来れば、更生の道もある――イヴはそう考えているようである。 「敵の拠点は、ここ。彼女達が狙う教会は、ここ」 広げた地図の2箇所を指差し、拠点と教会の位置を知らせるイヴ。 彼女によれば、この教会での結婚式は数日後に1回だけしか入っていないらしく、その前に結婚式の予定を入れれば教会で迎え撃つ事も可能という事らしい。 教会には神父とシスターの2人が住んでいるため、この2人を戦闘にさえ巻き込まなければ――という条件は存在するが。 「やり方は皆に任せる……阻止さえ出来れば、それで良い」 器物をなるべく破壊しないように注意しつつ、教会で迎え撃つか。 それを気にしなくても良いように、拠点を急襲するか。 その判断は、現場に向かうリベリスタ次第だ。 フィクサード集団『呪運武雷怒』は4人で構成された集団だが、8人がかりならば阻止も難しいことではない。 「それじゃ、頑張って」 小さくそう告げると、踵を返したリベリスタ達をイヴは静かに見送るのだった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:雪乃静流 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年06月26日(日)23:47 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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