●元旦遊戯 新たな年を迎えた或る朝。 今日この日、特務機関アーク内にて熾烈な戦いがはじまろうとしていた。 アーク内の一室。 正月らしい格好をしてきて欲しい、と告げられ集った者たちが案内されたのは畳敷きの広い和室だった。部屋の中には正月飾りのついた鏡餅や破魔矢、注連縄などが豪華に飾られており、新春の訪れに相応しい様相となっている。 「あっ、来た来た! 皆、あけましておめでとう!」 そこでリベリスタ達を迎えたのは、三高平市の紋付き羽織り袴を着て、嬉しげに尻尾を振っている『ジュニアサジタリー』犬塚 耕太郎(nBNE000012)だ。 その背後には同じくして紋付き袴を身に纏ったフォーチュナも居り、何やら札のようなものを床に並べている。そして、よくよく見れば和室の奥には達筆な筆文字で『新春アークカルタ大会!』と記された垂れ幕が掛かっていた。 「やっぱり皆も参加しに来たのか。へへー、カルタ大会と聞いたら黙ってるわけにはいかねーよなっ!」 耕太郎はリベリスタ達に明るく笑いかける。 仲間である皆も今日ばかりはライバルだと挑戦的な態度を見せる少年だったが、訪れた内の何人かが催しの内容を知らずに訪れたことに気付いて、きょとんとしてしまう。 「へ? 知らないで来た奴も居るんだ。それじゃ俺がみんなにルールを教えてやるぜ!」 そう言って自信満々に胸を張った耕太郎は今回のアーク式カルタ大会の概要を説明しはじめた。 ●伊呂波歌留多の乱 ――室内遊戯、カルタ。 それは、いろは歌の文字に乗せた読み札と絵札に分かれた二種類の札を使い、読み上げられた札をいかに速く手中に収めるかを競う、日本古来から続く伝統的な正月遊戯である。 今回の大会で使用するのは『犬も歩けば棒に当たる』という読み札で有名な江戸カルタ。 しかし、ただ用意された札だけでは面白みに欠けるということで、今回は特別な追加ルールがある。 それは、ひとりにつき一枚、オリジナル札を用意してカルタに混ぜること! 読み札の最初の文字はいろは歌内の47文字であれば何でも構わない。絵札も参加者の自由で良いらしく、センスや頓知が問われるだろう。 また、通常であれば取った札1枚につき1ポイント換算として勝敗を決めるのだが、オリジナル札のみポイントが違っている。自分の札ならば5ポイント、他人の札ならば3ポイントとなるのだ。 それゆえにカルタが苦手な人や初心者であっても逆転のチャンスは大いにある。 それに加え、無視してはいけないのが景品の存在だ。 「なんとっ! 決勝まで勝ち残って、上位三位に入れば『お年玉』が貰えるんだぜ」 ぐっと拳を握り締めた耕太郎は瞳を輝かせる。 お年玉の中身は公表されてはいないが、お年玉というのだから期待しても良いだろう。なかには紙のアレがたくさん詰まった大入り袋も用意されているらしく、期待に添う内容であることは確かだ。 それゆえに、この催しが示すことはひとつ。 血気盛んなリベリスタが集うのならば自ずと導きだされる経過。それは、このカルタ大会が激しいバトルの場と化すことだ。もちろん普通にカルタ取りを楽しむために参加しても良い。だが、うかうかしていればあっという間に予選落ちしてしまうだろう。 「悪いけどさ、俺も容赦しねーからな! いざ、勝負だ!」 耕太郎は仲間に向けてびしりと指先を突き付け、宣戦布告を行った。 それを開会の宣言とするようにして、気合いの入ったリベリスタ達も並べられた札の周りへと着席してゆく。静かに大会の開始を待つ者、緊張気味に表情を強張らせる者、意気揚々と優勝を狙う者。それぞれの思いを胸に、リベリスタ達は己の勝利を誓った。 そして今、新年を飾る催し――お年玉を巡る『カルタ大合戦』の幕が開かれる。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:犬塚ひなこ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 6人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年01月16日(水)23:22 |
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■メイン参加者 6人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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