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<クリスマス2012>賑わう街を、眺めながら

●聖夜に賑わう、街中を
「クリスマスの街に、繰り出してみませんか?」
 マルガレーテ・マクスウェル (nBNE000216)はそう言って、リベリスタたちを見回した。
 ケイオス率いる楽団員たちの来訪によって各地で事件が発生し、アークのリベリスタたちは緊張を強いられる日々を送っている。
「そう言う時ではない、という意見もあると思いますけど……」
 けど、こういう時だからこそ。
「日常を味わうというのも良いんじゃないかって……思うんです」
 平和で、賑やかな街。
 嬉しそうな、楽しそうな……幸せそうな、人の波。
「……そういうのも、皆さんの力になるんじゃないか……って思いまして」
 その光景を守りたいと思う事も。
 だれかが守ってきたから……この風景が存在していると思う事も。
 きっと……力になると思うから。

 そう言ってからマルガレーテは、勿論そういうんじゃなくてって人も宜しければ、と笑顔を見せた。
「特に何かする訳じゃないけど、クリスマス気分を味わってみようって方も大歓迎です」
 ただ、賑わう街を歩くだけでも……きっと楽しいと思うから。
「よかったら、一緒に如何でしょうか?」
 思い出作りのお手伝い、させて下さい。
 フォーチュナの少女はそう言って……リベリスタたちを見回し、ほほえんだ。



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:メロス  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2013年01月05日(土)22:09
●このシナリオはイベントシナリオになります。
イベントシナリオについては本部利用マニュアルなどを御参照下さい。


オープニングを読んで頂きありがとうございます。
メロスと申します。
今回は『クリスマスで賑わう街に繰り出してみませんか?』というお誘いになります。
賑やかな風景を眺めながら想いを馳せるのはもちろん、その風景に交ざるのも構いません。
クリスマスの風景を見つつ色々考えたい事もあるけれど、楽しんでいる人たちに水を差したくない……という方も宜しければ如何でしょうか?


●クリスマスの街
そこかしこにクリスマスツリーが飾られており、サンタクロースの格好をした人も沢山見かけます。
イルミネーションが瞬き、様々なイベント等も行われ、クリスマス用品を売る店もまだまだ賑わっている事でしょう。
マルガレーテは街中でクリスマスツリーの他、必要そうなものは許可を得て撮影とかしてます。
許可して頂ければ皆さんの姿も撮影します。
他、三高平市に住んでいる人々も繰り出しているかも知れません。


●備考
・多数の方が参加された場合、内容を絞ったプレイングをかける事をお勧めします。
・特定の誰かと絡みたい場合は『時村沙織 (nBNE000500)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。
・グループでの参加の場合(絡みたい場合)は参加者全員【グループ名】というタグをプレイングに用意するようにして下さい。
(タグで括っている場合は個別のフルネームをIDつきで書く必要はありません)


それでは、興味を持って頂けましたら。
どうぞ宜しくお願いします。

参加NPC
 


■メイン参加者 21人■
ホーリーメイガス
悠木 そあら(BNE000020)
デュランダル
鬼蔭 虎鐵(BNE000034)
覇界闘士
アナスタシア・カシミィル(BNE000102)
デュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
デュランダル
梶・リュクターン・五月(BNE000267)
ソードミラージュ
司馬 鷲祐(BNE000288)
ナイトクリーク
斬風 糾華(BNE000390)
クロスイージス
新田・快(BNE000439)
ナイトクリーク
源 カイ(BNE000446)
スターサジタリー
ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)
スターサジタリー
リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)
デュランダル
遠野 御龍(BNE000865)
覇界闘士
宮部乃宮 火車(BNE001845)
ソードミラージュ
鴉魔・終(BNE002283)
ホーリーメイガス
リサリサ・J・丸田(BNE002558)
ホーリーメイガス
クレイグ・キリアン(BNE003237)
クロスイージス
日野原 M 祥子(BNE003389)
ダークナイト
熾喜多 葬識(BNE003492)
ホーリーメイガス
綿谷 光介(BNE003658)
覇界闘士
喜多川・旭(BNE004015)
スターサジタリー
取方・多汰理(BNE004202)
   


●彩られた街
「クリスマスシーズンの三高平ってひと際華やかだよね~」
 みんな楽しそう☆
 人の波を眺めながら終は呟いた。
「……三高平は一度白紙になってしまった場所だからかな?」
 失った分を取り戻そうとするように熱心に行事が行われているようにも思う。
(リベリスタが多いせいもあるだろうけど)
 いつ死ぬともしれない生活をしてるから、1つ1つの思い出がとてもかけがいの無いものになる。
 三高平に住む人達の笑顔を見て、また頑張ろう……まだ頑張れるんだ、って思える。
(出来る事は少ないけど)
 それでもこの町を……みんなの笑顔を護る為にも。
「楽団の人達や六道の人達の好きにはさせない」
 誓うように、終は口にした。

 ただいまを言えない日が来ても、
「行ってきますと言えるこの場所の為に戦って行こう」
 そう思えるから。


●夜の始まり
 夜のパーティに向かう前に。
 そあらは賑わう街を急ぎ足で歩いていた。
 沙織の為に選んだクリスマスプレゼントの受け取りに行く途中である。
(イタリア製の特別なアイテムですからお取り寄せになったのです)
 インターネットでみかけてすごく気に入って、どうしてもそれにしたかったのだ。
 出会ったマルガレーテに手を振って、挨拶して。
「ちょっとお急ぎなのでゆっくりお話できないのは残念なのですけれど……」
(あ、そうなのです)
「よかったらどうぞですよ」
 作ったドーナツを手渡して、お礼を言う少女と別れて……そあらはお店に足を向ける。

「う……少し薄着すぎたでござるかな?」
 折角なんでのんびりと人間観察でもしながらと散歩していた虎鐵は、裏路地で肩を竦めてみせた。
(流石にジャージだけでござると少々寒いでござるな)
 少し後悔しつつ歩き出した所で、彼は見覚えのある少女を発見する。
「ん? マルガレーテではないでござるか。どうしたのでござる? 危ないでござるよ?」
 心配する虎鐵に、少女は皆の写真を取っていてと説明した。
(雷音の友達でもあるでござるからほっとく訳にもいかないでござるし……)
 誰かと会うまで付いていくこうと切り出せば、少女は申し訳なさそうにお礼を言う。
「あ、別に写真は撮っても構わないでござるよ」
 そう言えば、今度は嬉しそうにお礼を言って、少女は虎鐵にカメラを向けた。


●ある日の風景
(三高平に来て、命を削り合うような戦いにぽつぽつ参加するようになったせいかな?)
 イルミネーションに彩られた街や行き交う人々が、当たり前に存在する物ではないという事を、クレイグは実感していた。
 ……多くの脅威をアークが食い止めているからこそのものなのだ。
 維持できている、平和の象徴。
(うん、ごほうびとしての風景みたいに感じるんだ)
「俺たちの護っているものは、きれいじゃないか」
 街を歩くきれいなお姉さんがたの脚を見ながら、クレイグはベンチで満足げにフライドチキンをつまんだ。
「おお、あのミニスカサンタのお姉さん素晴らしい脚線美だな」
 感動した様子で、にやつかずあくまでも清々しい表情で、彼は脚……街を眺めていた。


●聖夜の景色
(おぉ、独り身にゃぁ寒い季節だねぇ)
「まぁでもこういうイルミネーションは嫌いじゃぁないよぉ」
 彩られた街を眺めながら御龍は呟いた。
(でなきゃ自分のトラックあんなに飾ったりしないもんねぇ)
 綺麗なものは、綺麗。
「しかし人が多いなぁー」
 咥え煙草姿で「寒さが染みるやぁ」と口にした処で、彼女は見覚えのある少女を発見する。
「おやマルガレーテちゃんじゃないかぁ」
 皆を撮影するフォーチュナの少女に、記念に撮っておくれと頼んでから。
「知ってるぅ? 写真って人の魂吸い取るんだよぉ」
 ニヤニヤ笑いながらそう言って、御龍は少女の反応を窺ってみる。

「ところで……マルガレーテさんは撮影に専念するのですか?」
 フォーチュナの少女の誘いを受けて。
 ヤミィやシロと一緒に街へと繰り出したカイは、許可を得てはシャッターを切る少女にたずねてみた。
 フライドチキンをたくさん買って、食事のできそうな一角を占めて。
 トナカイの格好をしたシロへと食べ易いようにチキンをあげ終えた後である。
「折角ですから、あなたの楽しんでるカットもちゃんと撮っておきましょうよ」
 代わりに自分がバッチシ撮りますからとデジカメを見せて。
「はい、シロをハグしながらスマイルスマイル♪」
 ヤミィさんとの2ショットもと言いながら、カイは微笑んでデジカメを構えた。


●いっしょに歩く路
「もう1年が終わろうとしてるんだねぃ……あ、こう思うのは大晦日までとっておくべきかな?」
「……今年は12月が忙しかった」
「はふふ、帰ったらネコウモリ人形にサンタ帽子を作ったげよっと!」
「ところで……あの人形たまにまばt……なんでもない」
 言葉を交わしながら、アナスタシアと鷲祐は賑わう街を歩く。
「せっかく来たんだしツリーとかイルミネーションでも見て回ろっか?」
「イルミネーションか。悪くない……って、あまりフラフラするな!」
 川沿いの道できょろきょろと辺りを見回す彼女が危なっかしく見えて、鷲祐は慌てて手を取った。
「アッ、これならカメラでも持ってくれば良かったねぃ……!」
「……カメラはいらないな。お前の笑顔が眩しいから、フラッシュが炊けん」
 鮮やかなイルミネーションを眺めながらアナスタシアが言えば、鷲祐は真顔でそう応える。
 一緒に街を楽しんで、最後はお店でクリスマスケーキを。
「事前に買ってあったのは、鷲祐がもう、ウン……」
「……まぁ……。ゴーレム倒しに行く時カロリー欲しくて、つい」
 目を逸らすアナスタシアに、今日は好きにしていいと鷲祐は応え、その結果……
(一番高いケーキ屋だーッ!?)
「う、うむ。問題ない」
 思いつつ高速でATMまで往復する鷲祐。
「ショートも買っちゃおうか、色んな味が楽しめるよぅ!」
「……そうだな、モンブランとかどうだ?」
 色とりどりのケーキを指差して笑うアナスタシアに鷲祐が応え、2人は幾つかのケーキを買って。
 店を出た鷲祐は、アナスタシアと手を繋いだ。

 帰る場所を忘れないように。


●守られてゆくもの
(こんな日にひとり、というのも寂しい気もしますが)
「それでも静かに散策するのは趣がありますね……」
 クリスマス一色に染め上げられた街を眺めながら、リサリサは呟いた。
(この穏やかな時間はいつまでも続けばいいのですが……)
「いえ、続けるためにアークにワタシはいるのですね」
 呟きながら、この一年を振り返る。
(今年も様々ありました……)
 沢山の尊い命が失われ、噂に聞くバロックナイツとの戦いは……これからも益々、厳しくなる。
「ワタシは……私にできることは……護る事」
(全力で力無き者を、牙持たぬ者を)
 そして仲間を。
(この力で、護る事)
「それは、これからもずっと……」
 決意が形となって、口から発される。

「ふふっ、街がきらきらしてますね」
 街路を抜けて、人影がまばらになる辺りで。
 光介はそっと段差に腰掛け、賑わう街を瞳の内に収めた。
 たまには街角で一人、無為に時間を過ごしてみよう。
 そんな想いと共に頬杖をついて見渡せば……目に飛び込んでくるのは、街行く人の幸せそうな顔。
 賑やかなのは嫌いじゃない。
 けどこんな日は……輪から少し外れたところで、それを眺めたくなってしまう。
「生来の気質のせいでしょうか?」
 それとも……
(失った家族とのクリスマスの思い出が、胸を締めつけるからでしょうか?)
「……湿っぽいのは、よくありませんね」
 思いをふり払うように。あるいは……思いに浸るように。
 少年はハーモニカを取り出すと、唇をあてた。


●クリスマスの甘味
 もし今、キマイラかなんかが出現したらブロックしてみんなを逃がせるかしら?
(中途半端な今のままじゃきっと全員は助けられないわね)
「もっと強くならなくちゃ」
 スイーツ巡りの最中に、ふと……そんな事を考えてしまう辺、自分もリベリスタという事なのかも知れない。
 街を歩く楽しそうな人たちや、キラキラきれいな街並みを窓越しに眺めて。
「それにしてもこのアイスコクがあってすごくおいしい」
 祥子は気持ちを現実に引き戻した。
「このベリーのケーキに合うわねー」
(……あぁ、またクリスマスケーキがエリューション化して、徹夜で工場一個分のケーキを食べつくす依頼とか発生するのかな?)
 そんな風に仕事とスイーツのことを取り留めなく考えながら……祥子は今というひと時を満喫する。

「お姉さん、2ホール貰おうか」
 とりあえず食べるものを求めて徘徊していた多汰理は、ケーキが売れ残って困っているという様子の店員に声をかけた。
 クリスマスなんて縁遠いものだが、折角だしと街に繰り出したのである。
(みんなで賑わしく騒ぐ事は嫌いではないが、どうも私のキャラではない)
 知った顔もいないし、この時期限定の物でも食べながら人間観察でもと考えて。
 彼女は見晴らしの良い処でケーキを頬張り始める。
「あれはナンパ失敗したか……頑張れよ少n美味いなこのケーキ」
 そんなこんなで時を過ごした多汰理は、帰り道、小さなツリーを購入した。
 もうクリスマスも終わりだが、少しは街の雰囲気を部屋に持って帰れたら。
 ふと、そんな風に思ったから。


●おくりもの
「私の用事なのだけれど、お付き合いさせて申し訳ないわね」
「一緒に遊べるだけで嬉しいのだぞ」
 糾華は可愛い妹分たちへ。
 五月は大好きなせんせに。
 2人は市内でアクセサリーのお店と仕立て屋を訪れた。
 水色のあの子には、幻想纏いと揃い細工のアクセサリー。
 親友の遺した妹には、親友と同じ仕立てのマフラーマント。
「糾華はセンスがいいのだ。オレは、ええと……似合うかなって」
 糾華を感心して眺めていた五月は、シルバーアクセ、せんせへ天使の羽の付いた小さなブレスレットを選ぶ。
 お金なんて気にせずに、一番いいと思ったのものを。
 望みの品を手に入れた2人は、そのままカフェに席を移した。
「メイはプレゼントあげたりする相手はいないの?」
「オレはせんせに、糾華は?」
 五月の言葉に、糾華は妹分たちにと惚気てみせる。
 お金かけるつもりはなかったのだけれど、いつの間にか準備したのは一品物。
「仕方ないわ。ふたりとも可愛いもの」
 嬉しそうに、そう口にして。
(余り互いの境遇知らないものね)
 彼女のせんせがあの人だから、いつも真剣なのは納得。
 話をしながらふと、そんな事を考えていた糾華に。
「糾華にもコレプレゼントなのだ」
 そう言って五月は、さっきの店で見た蝶をモチーフにしたバレッタをさし出した。
「糾華の白い髪に生える様な透けるような赤色なのだ」
 どうか喜んでくれます様に。
 そう願う五月の、目の前で。
「プレゼント!? ありがとう、大事にするわ」
 爽やかに、笑顔の花が咲いた。


●聖夜に咲く花
「クリスマスの街は賑やかですね」
 ご一緒出来て嬉しいです。
 ミュゼーヌと旭にそう言ってから、リリは更に言葉を続けた。
「喜多川様もミュゼーヌ様も、いつも可愛くてお洒落でいらっしゃって素敵だなぁと思いまして」
 自分も2人のように、可愛く素敵になりたい。
「可愛くなって、あの方に見て頂きたいです」
 自分で選ぶとどうしても、いつも同じか似たような服になってしまうので……
 そんな彼女に、ミュゼーヌと旭は頷いてみせた。
「そーゆーコトならわたしとミュゼーヌさんにおまかせなの。ねー?」
「愛する人を想って、もっと魅力的になりたいと思うのは自然よね」
(私も恋人が出来てから、そうありたいって思う様になったし)
 旭の言葉にミュゼーヌは頷く。
「恋人さんがめろめろになるよーなかわいー服探そ……もうめろめろ?」
 首を傾げた旭は答えを聞いて、あは、そっかぁと微笑んで。
「で、出来ればもっとめろめろに……なって頂きたいです」
 赤くなりながらそう言うリリに、
「リリさんかわいい……!」
 旭は思わず、きゅんとなる。
「箱舟に乗った気持ちで任せなさい」
「箱舟! 頼もしいです」
 めいっぱい協力してあげると笑顔のミュゼーヌに、リリは嬉しそうにお礼を言って。
 3人は早速、お店を巡る。

「可愛いお洋服が欲しいのです……目移りしてしまいますね」
「リリさんは清楚なカンジのがいーよねえ……あ、これなんてどーだろ?」
「わあ、すごく可愛いブラウスです……!」
 リボンをあしらった白のティアードブラウスを手に旭が勧める。
(普段着ている凛とした黒の修道服も良いけど、甘く暖かい風情も似合うと思うのよね)
「あら、旭さんのは可愛いブラウス……じゃあ、これも一緒にどうかしら」
 ミュゼーヌがそう言って、優しげな色合いのニットカーディガンを手に取った。
「こちらのカーディガンも色合いが可愛いです」
「わ、カーディガンあわせるのかわいい!」
「似合うでしょうか……?」
「ぜったい似合うよう……!」
 身体の前に持ってきて少し心配げなリリに、旭は笑顔で頷いてみせる。
「うん、似合うわ。モデルが抜群なのだもの」
 照れるリリに微笑んで、
「ふふ、この際もっと色々合わせてみない?」
「そだね。いろいろためして気に入るの見つけてもらわなきゃ」
 ミュゼーヌの提案に旭は即座に賛成した。
「わたしが見たいってゆーのもあるけど。えへ」
 可愛い女の子に服を着せるのが楽しく、着せ替え人形状態、というか。
「ね、ミニスカとかは履かないの?」
 露出苦手だったらスカートの下にタイツはいてもいーしと言う旭に、
「ミニスカートは……少し勇気が要りますが、タイツと一緒なら……」
「あとあと、ジーンズとかでも雰囲気かわるとおもうよう」
 旭とミュゼーヌの薦めるまま、リリはあれこれ色々試してみて。
 3人の時は、過ぎてゆく。


●変わらぬ風景、変わりゆく風景
 特に何をするでもなく、街を歩いて写真を取る少女を見守る感じで。
 快はマルガレーテに同行していた。
 一人でフラフラさせるよりは、誰か一緒に居たほうが寂しくないだろ?
「少なくとも絵面的には」
「そういうものですか」
 首を傾げる少女にマフラーを貸し、ポットに入れてきたノンアルコール・グリューワインを渡す。
「シャッター押すのに手袋してないんじゃないかな? 手、冷たくなってるだろ」
 暖めてあげるよ、人肌で。
 そう言って、彼女の両手を包むように手をとって……
「ほら、暖かいだろ?」
 2つの使い捨てカイロで挟み込む。
「――さすがに直接暖めるとかはしないよ。竜一じゃあるまいし」
「びっくりしましたよ!」
 ホントに驚いた表情の後、くすりと笑った少女に向かって。
「一番良く撮れた写真、どれかな? 俺にも見せてよ」
 そう言って快も微笑んでみせる。

「俺が守りたい笑顔は、不特定多数の笑顔なんかじゃない」
(俺は、何処まで行っても小市民でしかないんだ)
 世界を救う、人々を救う。
 そんな事を口にできる人間じゃないし、力もない。
(俺は、俺にとって大事な人の笑顔を守れればいいんだ)
 その為にならば、俺の命ぐらいいつでも使って見せる。
「というわけで、俺は、写真を撮るマルガレーテたんを写真に撮ろう」←今、ここ

 こっそりと!
 邪魔をしないようにこっそりと!
 竜一は皆を撮るフォーチュナの少女を撮影する事にした。
「うん、こうしてみるとマルガレーテたんも明るい笑顔をよく浮かべるようになったかな」
 よかった。
「お兄ちゃんは嬉しいよ、うむ」
 頷いていた処を……ぽんと、肩を叩かれて。
 其方を向いた竜一は、尋ね返した。
「……え? 撮影許可いるの?」


●彼方の風景
「おぉ寒……っ! やっぱ寒いのは好きじゃねぇな」
 火車は缶コーヒーを買うと一角に腰を降ろした。
 少し前にも、こんな風にして……人波を眺めていた事がある。
(どいつもコイツも楽しそうやら、忙しないやら、大いに結構なこった)
「はー……寒ぃとコーヒー美味ぇのは良いな」
 そう言って。
(クリスマス、か)
「毎年なんだかんだ理由つけて楽しんじゃいたが」
(去年はすこぶる……楽しかったっつぅか……嬉しかったっつぅか……)
 理由は勿論、分かっている。
 …
 ……変わらぬ人波を眺めて、飽きるまで続いてんのが良いじゃねぇかと言い聞かすように口にして。
(なんて事ぁ無い日常……ってのがオレは貴いんだよ)
「ま、色々あるが……」
 ポケットの中の結晶は、ずっと暖かい。
「アッチ行っても暇しねぇように、山程送っとかねぇとなぁ?」
 それは自分への言葉だろうか?
 それとも……


●輝く、セカイ
 神なんて、この世界にはいないよ。
 ずっとずっと上の世界にいる。
 悪意でもっていつフォールダウンしかねない存在でしかないのに。

 偶像の神に祈る滑稽な町並みを見るのは皮肉で楽しい。

(あの人を殺したのも4年前の今日だったね)
 賑わう街をひとり歩き、大きなツリーの下で足を止めて。
「殺人鬼が聖人を神を祝うなんて烏滸がましいにも程がある」
 葬識はそう呟いてから、近くにいたマルガレーテに問いかけた。
「この世界は幸せかな?」
 見せかけの綺麗なセカイは幸せかな?

 答えは期待してはいない。
 そこに答えは存在していないのは、識っているから。
 けど。

「分かりません。でも……守る為に、いなくなった人たちがいます」
 先輩は去年の節分を覚えてらっしゃいますか?
 鬼を演じていた青年に一生懸命豆を投げつけていた子供の姿を思い出しながら……フォーチュナの少女は尋ねた。
 あの時の風景に、もう失われたピース……カケラが、平和が……ある。
 人は世界の真実に耐えられるほど、強いのか?

「私はバカだから……夜じゃないと、星の灯かりに気付けないです」
 見せかけでも、あるいは見せかけだからこそ……それを守ろうとする誰かがいる世界は。
「……汚くて、ずるくて……でも……だからこそ……」

 葬識は、思う。
 このくそったれの世界は、輝くほどに美しい。
 だから頷いて、青年は口にした。

「そうか、じゃあ、世界を守らないとね☆」



■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
依頼の方、お疲れさまでした。
参加して良かった、と……少しでも感じて頂ければ、嬉しいです。
御参加、どうもありがとうございました。