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魔剣ラッキースケベ ~ムフフなイベント起き放題!~


 スキンヘッドの黒人男性が画面いっぱいに大胸筋を映していた。
「ラブコメ主人公になれると思ったか!? 残念オレだよ!」
 その辺のオッサンを五人がかりで取り囲み、ビキニパンツの男達がマーイムマーイム。要するにぐるぐる回って踊るのだった。
 屈強な腕。丸太のような脚。割れに割れた腹筋に、小刻みに躍動する大胸筋。アパガードに三年漬け込んだかのような白い歯をギラギラさせて、マッスルどもが踊り狂う。
 オッサン(実はリベリスタ)はどこから来るか分からない攻撃に警戒しながら身構える……が。
「もう遅い。貴様はこの『魔剣ラッキースケベ』の射程に入ってしまったのだ。この俺が剣を一振りするだけで貴様にはラッキースケベが起こる……そう、このようにナァ!」
「ぐああああああっ!」
 マッスルがモノクロ二色でシンプルに色づけされた剣を叩きつける。するとオッサンは思わず吹っ飛び、丁度後ろを向いていたマッスルの尻に顔から突っ込んだ。
「ぎゃああああああああ!」
「フゥン!」
 そしてそのままヒッププレスを仕掛けられるオッサン。
 オッサンは首をごきっと圧し折られ、そのままオダブツしてしまったのだった。
 マッスルは剣をぺろりと舐めると、凶悪に目を見開いた。
「ゲハハハハ! むちむちぷりんな女の子に突っ込むことがラッキースケベだと思っている全国の青少年、心の痛みを味わうがいい!」
「「ゲーッハッハッハッハー!」」
 マッスル達はリズミカルかつダンサブルに練り歩きながら、夜の街へ消えて行ったのだった。


「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
 カレイドから飛び出してきたアイワ・ナビ子(nBNE000228)は空中で三回転一捻りをキメてから部屋の隅へごろごろ転がって行くとエチケット袋にリバース。
「ラッキースケベだって言うから微エロ展開かと思ったのに……誰が……誰がマッスルの尻に挟まれたいと思うってんだよおおお畜生ううううヴぇああおろろろろろろろろろろ」

 暫しエチケット袋と仲良くなってから、ナビ子は死んだ顔で起き上がって来た。
「ないわぁ……美少女の微の字も無いラッキースケベとかないわぁ……」
 曰く、夜の歓楽街からちょーっと離れた所でマッスル集団がアーティファクト持って暴れているというのだ。
 マッスルたちはいわゆるノーフェイス。五人で一組の筋肉ダルマ達で、連携も凄まじくウマイらしいが問題はそこではない。
 彼らの持っているアーティファクト、『魔剣ラッキースケベ』である。
「中学の時クラスメイトだったゴリ藤君ぐらいないわぁ……あいつ将来の夢にホストって書いてたもん。むさくるしい筋肉ダルマだったのにホスト目指してたもん……」
 魔剣ラッキースケベは攻撃した相手を一時的にラッキースケベ状態にすると言う非常にありがたい能力を持っているが、『スケベはスケベでも男女見境なく発動する』という迷惑な特性を利用し、周囲のマッスル達が独自に編み出したラッキースケベコンボアタックに巻き込んでくると言うのだ。
「でも本当にホストになってたらどうしよう……絶対行きたくない……だってゴリ藤くんだし……」
 こんな奴等を放っておいたら犠牲がいくつ生まれるか分かったものではない!
 現場に急行し、彼らの悪事を撲滅するのだ!


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 9人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年11月21日(水)23:49
八重紅友禅でございます
……補足?

・マッスルガイズ
 魔剣ラッキースケベを使ってコンボアタックを繰り出してきます。
 ノーフェイス五人組。無駄に強いです。
 魔剣は彼らを全滅させるまで強奪、破壊はできません。
 殲滅後はポッキリ折っといてください。

 戦場はたぶん夜の街とかになると思います。
 灯りはそれなりにあるので別に困らんかなあという感じです。
参加NPC
 


■メイン参加者 9人■
マグメイガス
雲野 杏(BNE000582)
スターサジタリー
リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)
デュランダル
卜部 冬路(BNE000992)
デュランダル
★MVP
楠神 風斗(BNE001434)
ホーリーメイガス
アンナ・クロストン(BNE001816)
ソードミラージュ
レイライン・エレアニック(BNE002137)
プロアデプト
ヒルデガルド・クレセント・アークセント(BNE003356)
プロアデプト
御厨 麻奈(BNE003642)
デュランダル
水無瀬・佳恋(BNE003740)
   

●今日最大の『どうしてこうなった感』
「ハーレム王!」
 『重金属姫』雲野 杏(BNE000582)は男の前に跪くと、カッと顔を上げた。
「まがい物のラッキースケベが横行しているようです。ここは魔剣の力に頼らずとも日夜ラッキースケベを巻きお越しフラグというフラグを立て続けツンデレキャラをデレさせ寡黙キャラに呟かせ天然きゃらにドキドキさせるハーレム王のが正しいラッキースケベを示してやるべきです!」
「……………………」
「流石ハーレム王、そう仰っていただけると信じておりました。それでは参りましょう!」
「……………………」
 『折れぬ剣《デュランダル》』楠神 【ハーレム☆ミ】 風斗(BNE001434)は、両手で顔を覆っていた。
「なんだこのメンバーは……女性ばかりで、しかもスタイルが」
「いいから早く行きなさいよ。得意でしょラッキースケベ」
「得意でたまるか!」
「言い間違えたわ。面白そうだから早く行きなさいよ」
「畜生!」
 できるできるオレは出来ると念仏のように唱える風斗。
 そんな彼を『ソリッドガール』アンナ・クロストン(BNE001816)は真顔で見送っていた。
「謀ったみたいな顔ぶれだけど……何か憑いてるとしか思えないわね、楠神風斗」
「何かってそりゃ、名前に【ハーレム】憑いてるやん……」
 ジト目で呟く『他力本願』御厨 麻奈(BNE003642)。
「うちとしたら兄ちゃんおらんで良かった思うねんけど。つか何なんラッキースケベて。物理的におかしい動きするやろ、あれ」
「私に言われてもね」
「確かに理解に苦しむ相手だが」
 ヒルデガルド・クレセント・アークセント(BNE003356)はこめかみを揉みつつ、低い声で呟いた。
「これも任務だ。速やかに排除しようぞ」
「う、うん……」

 それから。
 『蒼き祈りの魔弾』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)は静かに祈りをささげていた。
「ノーフェイス。世界に愛されなかった方」
 銃に弾を込めることが。
 安全装置を外すことが。
 引金を引くことが。
 彼女にとっての祈りである。
 報われなかった者どもへ。
 救われなかった者どもへ。
 愛されなかった者どもへの。
 祈りである。
「世界の為にすべきことを、全てを救えるようになる、その日まで」
 ……と、思っていた時期がリリにもあった。
『グゥーハハハー! 今日も男達をマッスルラッキースケベで翻弄して新しい趣味に目覚めさせてくれるわぁー!』
『イエエエエエエアアアア!』
『ヒイイイイイハアアアア!』
 双眼鏡の向こうで葉っぱ隊ダンスを踊るマッスル集団。
「私の知っているノーフェイスと違う……」
「ええと……」
 『戦士』水無瀬・佳恋(BNE003740)は若干反応に困りつつも、リリと一緒に双眼鏡を下した。
 剣道着に袴という、やや和風(もしくは古風)な姿である。
「これなら大丈夫よ、とのことなので」
「何が大丈夫なんですか?」
「さあ……」
 首を傾げあう二人。
 『巻き戻りし残像』レイライン・エレアニック(BNE002137)と『雪暮れ兎』卜部 冬路(BNE000992)は腕組みをしながら、やってくる風斗たちの姿を見やった。
「魔剣か……所で、風斗が苦虫をかみつぶした顔だったり、女性陣がやけに複雑そうなのは何故じゃ?」
「わからんが、きっとノーフェイスへの思いがあるんじゃろう。神秘を悪用するたわけものを成敗するため、共に戦おうぞ!」
「……お、おう」
「……え、ええ」
「……は、はい」
「何じゃこの空気?」
 首をかしげる冬路とレイラインであった。

●メンバーによって方向性が百八十度変わる稀有な例
「ラブコメ主人公になりたがる青少年たちを絶望の淵に落とすのは楽しいなあ!」
「「ゲーッハッハッハッハ!!」」
 魔剣ラッキースケベを掲げ、踊り狂うマッスル達。
 ここへリベリスタ達が現れてマッスルの尻に挟まれたりしながら血の涙を流しその怒りをパワーに変えてノーフェイスをやっつける痛快なお話が今から始まるのかなァと思われた、その時。
「……ハッ!!」
 強力なラッキースケベパワー(LP)を感じで振り返るノーフェイス達。
 そうだ。
 君にも見える筈だ。
 八人のわがままボディ美女を連れ、ただ一人、沈む夕日を背に歩み来る男。
 彼の白黒カラーな髪と深い悲しみを秘めた瞳。ノーフェイスたちは彼の背に大量のフラグを幻視した。
「俺はアークのハーレム王、楠神【ハーレム☆ミ】風斗。貴様を堕とす者の名だ!」
「ヒ、ヒイイイイイイイッ!?」
 腰を抜かして倒れるフィクサード。
 びくびくと痙攣しながら泡を吹き、今日自分たちが彼の噛ませ犬になることを悟ったのだった。

 とはいえ戦闘はしっかり始まるのがお約束と言うものである。
「まずはマッスルどもをひとりずつ潰していくのじゃ!」
「妨害は任せておけ、シンクロは……まあ気持ち程度じゃがLS状態を見極めるために超反射が使える筈じゃ!」
「く、来るなァ!」
 魔剣をスイングするマッスル。
「来るぞ!」
 身構える冬路。
 その横でレイラインはバナナの皮を踏んだ。
 踏んで。
「う、うーん……はっ!?」
 仰向けになった風斗の上に上下逆さに突っ伏していた。
 二度身する麻奈。
「どうしてそうなるん!?」
「できれば同性の方へ飛ぼうと……」
「彼女を守ろうと……」
「にゃふっ!? その状態で喋るなっ、尻尾がふーふーされて、つ付け根は……付け根はにゃめええええっ!」
 風斗の上で腰をくねらせて暴れるレイライン(←他意のない表現)。
「なっ、風斗! 何やっとるんじゃ、ほら、てんぷてーしょん!」
「落ち着きや、それうちらには意味無いで!?」
「なら脱ぐか! 脱げばいいのか!? 脱げば……風斗は、私を見てくれるのか?」
「誤解を招く表現はやめろ!」
 レイラインを(やさしく)跳ねのけて立ち上がる風斗。
「ぐぎぎぎぎぎ……何故だ、何故こやつにはマッスルスケベコンボが発動せんのだ……ならばもう一回!」
 血の涙を流して歯軋りするノーフェイス。魔剣をフルスイング。
 その途端、風斗はバナナの皮(さっきの)を踏んですってんころりんした。
「うおお!?」
「風斗ー!」
 マッスルの尻に頭を埋めそうになった風斗。
 そんな彼を自らの身体で受け止める冬路(←他意のない表現)。
 小柄な冬路の鎖骨に顔を埋める形になった風斗は、はっとして身体を起こした。
「す、すまん!」
「大丈夫じゃ。楠神だってこういうのを喜ぶ男ではないからの。それに……」
 仰向けに倒れ。
 長い髪を乱し。
 頬を染め。
 目を反らす。
「風斗……初めてじゃ、ないしの」
「だから誤解を招く言い方をするな!」
「貴様等いつまでいちゃついているつもりだぁああああ!」
 魔剣をぶんぶん振り回すノーフェイス。
 その途端に向かって突然の突風が吹いた。
 咄嗟にスカートを抑える麻奈とリリ。
「せ、セーフですね」
「そやな……て、あ」
 顔を上げる二人。
 風斗の手が杏のアッパーユアハートをボールドコンバットしていた。
 具体的に言うとおっぱい鷲掴みにしていた。
「風斗様……」
「あんた……」
「ち、違う! 風圧が何故か激しくて」
「大丈夫よ。減るもんじゃないし」
 その状態で在りながら仁王立ちを継続する杏。銭湯とかでもタオルを必要としないタイプである。
 風斗は顔を赤くして、少し大きめの挙動で腕をどけた。
「す、すまん! この借りは必ず――うおお!?」

 ピタゴラなんちゃらのテーマと共にご想像下さい。

 バナナの皮で滑った風斗が反射的に出した手で杏のジーンズが引き下ろされ、ピンクチーターがプリントされた下着が露出。
「乙女には見せて良いパンツと駄目なパンツがあるのよ、これは駄目な方……具体的には勝負下着じゃない方!」
 ゴルフクラブのようにギターをフルスイングして風斗をかっ飛ばす。
 ひゅるひゅると飛んだ風斗はアンナへと顔から突っ込んできた。
「……っ!」
 顔に来るかと思わず上半身を引いた……のが良かったのか風斗は胸元に激突。
 しかし彼女の装備はいわゆるフルメタルアーマー。顔以外どこに当たっても大丈夫だが、解除スイッチは胸元にあった。
 一瞬ですぱーんとキャストオフされるアーマー。
 普段より熱くなることを避けて下着同然かそれ以下のものしか着込んでいないアンナは一気に露出度がアップした。
「ほう、これは駄目な方ね……」
 キラリと目を光らせる杏子。
 アンナは風斗へ反射的な膝蹴りを入れ、胸元を腕で覆って背を向けた。
「ば、馬鹿ぁ! あっちむけ!」
 膝蹴りが思わぬ内臓抉りになった風斗はよろよろと後じさりし、せめて彼女からは目を離さねば紳士としていかんと方向転換……しようとして足をもつれさせ転倒した。
 地面に後頭部を打ち付け、目の前に星が散る。
 風斗は頭の傍にあった柱を何とか掴んで意識を取り戻した。
「大きな星がついたり消えたりしてる。彗星か。いや、違うか。彗星はもっと、バーっと動くもんな……」
「そうです、彗星ではありません。あと今掴んでいるのは、私の脚です」
「………………」
 リリが、銃をリロードしながら言った。
 彼女を知る人はおおまかな印象として青くて長いポニーテールや、シスター服や、二丁拳銃に着目することだろう。
 しかし見る者によっては、このだぼっとしたシスター服の布皺の向こうに夜のプロストライカーが存在していることに気づくことだろうと思う。いや、まだ誰もストライクしてないけど……嘘だと思うなら水着コンテストの画像見て来いよおぉ!
「…………」
 風斗は寺生まれのフッさんに教わったという冷静維持スキル『お経を唱える』を使ってシリアスフェイスをかろうじて保った。
 瞑目するリリ。
「大丈夫です。楠神様はそんな人ではないと信じていますから。それに、私に色気などありませんし……」
「い、いや」
 ここで『そうだな』と言うわけにはいかない紳士風斗。
 できるだけ今の会話を誤魔化すべくややオーバーリアクションで身を転がし、そしてバッと膝立ちになった。
 膝立ちになって、佳恋の袴に上半身を突っ込んだ。
「ひい!?」
「うおおお!?」
 そしてビルとビルの間を抜けるつむじ風が偶然複雑に入り乱れ極々小規模な鎌鼬を発生させ偶然その場にいた佳恋の剣道着が奇跡的に衣服部分だけ切り裂かれた。
「ひゃあ!?」
「うおおおおおおお!?」
 もはや残っているのはレギンスとスポーツブラだけである。
 胸元を抑えて後じさりする佳恋。
「ふ、風斗さん。いくらなんでも直接入ってくるなんて……」
「違、違うんだ! 誤解だ!」
 立ち上がり、顔の前で手をばたつかせながら後じさりする風斗。
 しかし後頭部を強打した後妙な起き上がり方をしたせいか身体がよろめき、彼はヒルデガルドの方へと倒れた。
 が、そこは百戦錬磨のヒルデガルドである。素早く反応して彼を片腕で受け止める(別名ヒロイン受け止め)。
「気を付けろ、まだ戦闘中だぞ」
「そ、そうだな」
「これも任務だ。多少のダメージは覚悟している。不可抗力で転ぶこともあるだろう」
「そうだな、そうだったな!」
「だから気にすることは無い。謝罪は後回しだ」
「ありがとう、では行くぞ……LSがなんだ、心乱すことなく剣を振ればいい。オレならできる。オレなら……できる!」
 剣を掴み、思い切り振り上げる。
 すると。
 ヒルデガルドの服の裾に引っかかり(何をどうしたらそうなるのか)胸元直前のあたりまでめくれ上がった。
「……あ」
「……ほう」
 ヒルデガルド・ピンポイント・スペシャリティ(HPS)炸裂。
 きりもみ回転して吹っ飛んでいく風斗。
「この流れ、この展開、ちゅーことは……あ、あかん!」
 麻奈は右を見て左を見て、とりあえず安全と思われるブロック塀の裏へと逃げ込んだ。
 ブロック塀を破壊して突っ込んでくる風斗。
「なんでやああああああああ!」
「オレが知るかあああああああ!」
 もつれあって転がる二人。
 そして当たり前のようにスカート(つまり足と足の間だ)に頭を突っ込んだ状態で、風斗は気絶した。
「ぎ、ギリギリセーフ……」
 体勢的にはアウトだが、意識が無くなっているのでセーフという判定を……麻奈は自分に下した。

●存在意義の全てを喪失したマッスルたちの末路
「好きでやってるのかは知りませんが、あなた達のような破廉恥なエリューションを……私は、私は許しません!」
 佳恋のハイメガクラッシュが炸裂。マッスルがひとり遠いお星さまになった。
「やっと言えるわ。あんじょうよろしゅうしたってや!」
 麻奈のピンポイントアタックがマッスルに炸裂。
「たわけ者どもめ、くらうが良い!」
 冬路のメガクラッシュが更に炸裂。マッスルふたりめが民家の壁に頭突っ込んで動かなくなった。
「ラッキースケベ劇場、もう終わりなのね。残念だわ」
 自分以外のイベントには手ぇ叩いて笑っていた杏はふわふわ浮きつつチェインライトニング。
「これ以上のらっきーすけべなど、発生する前に倒してしまえばいいのです!」 リリが二丁拳銃を構えて全力射撃。
 複雑に入り乱れる蒼い奇跡がマッスルを貫いていく。
「今度は……もうちょっと複雑な機構にしたほうが、いいわね……」
 顔を手で覆いながらジャスティスキャノンしまくるアンナ。
 マッスルさんにんめ、そしてよにんめまでもが何しに出て来たのか全く分からないままに死亡。
「今回は服が割けなくて済んだ……」
 ほっと胸をなでおろしつつ片手間にソードエアリアルするレイライン。
 ラストマッスルをある程度八つ裂きにした所で、ヒルデガルドが剣を翳した。
「これは八つ当たりではない。八つ当たりではないが……そうだと言われて、否定はできんな」
 HPS再び炸裂。
 ラストマッスルを滅多刺しにして、最後に派手にかっ飛ばし、額の汗をぬぐった。
「これで……終わりか」

●よりどりみどりふぉろーしようがなくらっきーすけべきんぐ
「う……ぐ……」
 額を抑え、風斗は身体を起こした。
「おお風斗、大丈夫かっ!?」
「酷くやられたのう(味方に)……」
「ほら立てる? 肩くらい貸すわよ」
 顔を覗き込んでくる冬路とレイライン、そしてアンナ。
 風斗は首を降り、ため息をついた。
「腕や足の感覚が無い。打ち所が悪かったようだ。いや、それより……すまん、皆。俺のせいで迷惑をかけてしまって」
「なあに気にするな。魔剣の不可抗力だったのじゃろう」
「私も、千葉の借り返してないし……今日の所は多目に見てあげる」
「そう言ってくれると、助かる」
「魔剣と言えば、カラーリングも性能も一緒じゃし、楠神が持ったら呪い解けんかのう」
「…………」
「まあ一回試してみようぞ、ほれ!」
 風斗の手に魔剣を握らせる冬路。
 しかし感覚の無い方の腕。剣を取り落しそうになるが、しかし落としたら誰にどう当たるか分かったものではない。風斗はギリギリでキャッチして……縦方向にフルスイングした。
「――ハッ!」
























 イマジネーションターイム!
 風斗は右手を冬路の服の中に突っ込み頭をレイラインのスカートに突っ込むと左手をアンナの胸部パーツに接続した。
「上は、上は駄目えええええっ!」
「わ、わらわには大切な人が……にゃぎゃー!」
「………………………………………………」
 目からハイライトが消える三人。
 風斗はうわあと叫んで飛び退き、そのはずみで杏のジーンズを再び引っ下げ並んでいた佳恋とリリのスカートを掴んだまま派手に転倒。
 倒れた拍子にヒルデガルドと麻奈を押し倒し顔をあらぬところへと突っ込んだ。
「言った筈よ、未武装の乙女を見てはならないと」
「楠神様、これはちょっと……」
「せ、責任とって下さいね!」
「……うわあ」
「楠神風斗、言いたいことはあるか?」
 そのままの態勢で。
 風斗は全てを諦めた。
「ごめんなさい」

 その後、風斗は『この者スケベ』と上半身に油性ペンで書かれた状態で十字架へ張り付けにされたのだった。
 伝説がまた一つ更新された、その象徴である。


■シナリオ結果■
大成功
■あとがき■
これが大成功でなくて何なのか!
これで楠神【ミ☆ハーレム☆ミ】風斗がMVPにならずして何なのか!
この奇跡的なメンバーと、奇跡的なプレイングと、奇跡的な状況全てを併せ、お開きとさせていただきたいと思います。

本来なら敵の作戦から外れて一人で女子を味わい尽くすと言う、推奨されない行為ではありながらも、皆(PL)の納得を得て、しかも応援(?)までされて願い(ラッキースケベフルコンボ)を達成してみせた風斗さんに、MVPを送ります。
ボッコボコにされてますが、抱き合わせということで。
(これと同じあとがきを以前書いた気がします)